アトピー性皮膚炎
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人には1%製剤を1日2回、適量を患部に塗布する。 通常、小児には0.3%製剤を1日2回、適量を患部に塗布する。症状に応じて、1%製剤を1日2回、適量を患部に塗布することができる。
使用上の注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 皮膚感染症を伴う患者
皮膚感染部位を避けて使用すること。なお、やむを得ず使用する場合には、あらかじめ適切な抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤による治療を行う、若しくはこれらとの併用を考慮すること。
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。動物実験(雌ラット:皮下)において、臨床曝露量の263倍の曝露で、胚・胎児の死亡率高値及び胎児の心室中隔膜性部欠損が報告されている1)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(雌ラット:皮下)において、乳汁中への移行(乳汁中濃度は血液中濃度の約14倍)が報告されている2)。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児又は生後3箇月未満の乳児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| そう痒症 | 5%以上 | — |
| 接触皮膚炎 | 頻度不明 | — |
| 適用部位ざ瘡 | 頻度不明 | — |
| 適用部位刺激感 | 頻度不明 | — |
| 適用部位毛包炎 | 5%以上 | — |
| 適用部位紅斑 | 頻度不明 | — |
| 適用部位腫脹 | 頻度不明 | — |
| 適用部位膿痂疹 | 頻度不明 | — |
| 適用部位色素沈着障害(1.1%) | 5%以上 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ジファミラストはホスホジエステラーゼ(PDE)4の活性を阻害する。PDE4は多くの免疫細胞に存在し、cAMPを特異的に分解する働きを持つ。本作用機序に基づき、炎症細胞の細胞内cAMP濃度を高め種々のサイトカイン及びケモカインの産生を制御することにより皮膚の炎症を抑制する。
18.2 PDE4阻害作用
PDE4(PDE4A、PDE4B、PDE4C及びPDE4D)に対して阻害作用を示し、特にPDE4Bを強く阻害した(IC50=0.0112µmol/L)13)(in vitro)。
18.3 サイトカイン産生に対する作用
ヒト末梢血単核球において、リポポリサッカライド刺激によるTNF-α、GM-CSF、MIP-1α及びMIP-1βの産生を抑制し、IL-6及びIL-10の産生を促進した。また、抗CD3抗体と抗CD28抗体の共刺激によるTNF-α、IL-2、IL-4、IL-5、IL-10、IL-13、IL-22、IFN-γ、GM-CSF及びRANTESの産生を抑制した14)(in vitro)。
18.4 アレルギー性慢性皮膚炎に対する作用
ハプテン反復塗布により誘導されるマウスのアレルギー性慢性皮膚炎モデルにおいて、ジファミラスト軟膏の4週間塗布により濃度依存的に皮膚の肥厚を改善し、病変局所への炎症性細胞の浸潤を抑制した15)。
18.5 引っ掻きによる慢性皮膚炎に対する作用
マウスの引っ掻きによる慢性皮膚炎モデルにおいて、ジファミラストの6週間塗布により皮膚症状の改善が認められた16)。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人に本剤0.3%注)、1%及び3%注)5gを上背部皮膚1,000cm2に1日2回14日間反復塗布した時の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを図16-1及び表16-1に示す。本剤0.3%、1%及び3%は、いずれも反復塗布7日目に定常状態に達した3)。
図16-1 健康成人における本剤0.3%、1%及び3%反復塗布時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
| tmax (h) | Cmax (ng/mL) | AUC12h (ng・h/mL) | t1/2,z (h) | |
|---|---|---|---|---|
| 本剤0.3% | 4.12 (0.00~16.00) | 0.506±0.348 | 4.65±3.07 | 19.3±7.5a) |
| 本剤1% | 3.56 (0.00~4.12) | 0.795±0.208 | 7.84±1.78 | 19.7±5.8 |
| 本剤3% | 6.06 (0.00~10.00) | 1.65±0.462 | 16.6±4.99 | 21.0±6.5 |
| (平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値~最大値)、8例)a)3例 | ||||
- 〈アトピー性皮膚炎患者(成人)〉
アトピー性皮膚炎患者(15歳以上)に本剤0.3%及び1%を1日2回8週間反復塗布した時の平均血漿中トラフ濃度は、それぞれ1週後で1.68ng/mL及び4.89ng/mL、4週後で1.95ng/mL及び6.07ng/mL、8週後で1.72ng/mL及び6.13ng/mLであった。また、薬物動態パラメータを表16-2に示す。 本剤0.3%及び1%の塗布範囲(%)に基づく用量で補正したジファミラストの平均血漿中トラフ濃度は本剤の1日2回反復塗布1週後、4週後、8週後で類似していた4)。
| 例数 | tmax (h) | Cmax (ng/mL) | AUC8h (ng・h/mL) | |
|---|---|---|---|---|
| 本剤0.3% | ||||
| 単回塗布 | 11 | 2.05 (1.83~7.90) | 4.01±5.90 | 22.0±34.7 |
| 反復塗布 4週後 | 8 | 1.94 (1.83~8.03) | 2.07±1.47 | 11.6±7.23 |
| 本剤1% | ||||
| 単回塗布 | 9 | 3.83 (1.95~7.87) | 7.27±6.42 | 41.6±37.6 |
| 反復塗布 4週後 | 6 | 1.84 (0.00~3.83) | 10.4±3.68 | 65.2±26.8 |
| (平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値~最大値)) | ||||
- 〈アトピー性皮膚炎患者(小児)〉
アトピー性皮膚炎患者(2歳~14歳)に本剤0.3%及び1%を1日2回反復塗布した時の平均血漿中トラフ濃度は、それぞれ1週後で1.08ng/mL及び2.88ng/mL、4週後で0.99ng/mL及び2.31ng/mLであった。 本剤0.3%及び1%の塗布範囲(%)に基づく用量で補正したジファミラストの平均血漿中トラフ濃度は、本剤の1日2回反復塗布1週後、4週後で類似していた5)。
- **〈アトピー性皮膚炎患者(3箇月~1歳の乳幼児)〉
アトピー性皮膚炎患者(3箇月~1歳)に本剤0.3%(36例)及び1%(28例)を1日2回、4週間反復塗布した時の塗布後4時間の平均血漿中濃度は、それぞれ7.15ng/mL及び11.6ng/mLであった6)。
16.3 分布
ヒト血清蛋白結合率は99.7%であった7)(in vitro、超遠心分離法、0.03~3µg/mL)。
16.4 代謝
ジファミラストは、ヒト肝ミクロソームチトクロームP450の分子種のうち、主にCYP1A2及びCYP3A4により代謝される8)(in vitro)。
16.7 薬物相互作用
ジファミラストは、乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質である9)(in vitro)。
注)本剤の承認された成人における用量は、本剤1%を患部に適量塗布である。