【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2 オピオイド系薬剤(鎮痛、麻酔)を投与中又は投与中止後1週間以内の患者

  3. 2.3 オピオイドの依存症又は離脱の急性症状がある患者[オピオイドの離脱症状(又はその悪化)があらわれるおそれがある。]

効能・効果

アルコール依存症患者における飲酒量の低減

用法・用量

通常、成人にはナルメフェン塩酸塩として1回10mgを飲酒の1~2時間前に経口投与する。ただし、1日1回までとする。なお、症状により適宜増量することができるが、1日量は20mgを超えないこと。

使用上の注意

  1. 8.1 注意力障害、浮動性めまい、傾眠等が起こることがあるので、本剤を服用している患者には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

  2. 8.2 アルコール依存症の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、投与すること。

  3. 8.3 本剤との因果関係は明らかではないが、自殺念慮、自殺企図等が報告されているので、患者の状態を十分に観察するとともに、関連する症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  4. 8.4 本剤の投与継続及び治療目標の見直しの要否について定期的に検討し、漫然と投与しないこと。国内臨床試験において1年を超える使用経験はない。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 アルコール離脱症状を呈したことのある患者

幻覚、痙攣、振戦せん妄、ふるえ、発汗、睡眠障害等があらわれるおそれがある。

  1. 9.1.2 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者

自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重度の腎機能障害のある患者(eGFR30mL/min/1.73m2未満)

血中濃度が過度に上昇するおそれがある。,

  1. 9.2.2 腎機能障害のある患者(重度の腎機能障害のある患者を除く)

腎機能の低下に伴い血中濃度が上昇するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類C)

血中濃度が過度に上昇するおそれがある。重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。

  1. 9.3.2 軽度及び中等度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類A及びB)

血中濃度が過度に上昇するおそれがある。,

9.5 妊婦

アルコール依存症の妊婦又は妊娠している可能性のある女性の治療目標は断酒とすること。治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。アルコール摂取は胎児の発育に影響がある。また、動物実験(ウサギ)において、ナルメフェン投与により、胎児に軽度の発育遅延が報告されている1)。

9.6 授乳婦

アルコール依存症の授乳中の女性の治療目標は断酒とすること。治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている2)。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
ALP 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
γ-GTP 1〜5%未満
アカシジア 頻度不明
ジスキネジア 頻度不明
せつ 1%未満
パニック発作 1%未満
ほてり 1〜5%未満
ミオクローヌス 1%未満
リビドー消失 頻度不明
リビドー減退 1%未満
一過性難聴 頻度不明
下痢 1〜5%未満
不安 1%未満
不快感 1%未満
不快気分 1%未満
不整脈 頻度不明
不正子宮出血 1%未満
不眠症 5%以上
丘疹性皮疹 1%未満
二日酔い 1〜5%未満
仮面状顔貌 1%未満
低血圧 1%未満
体位性めまい 1%未満
体重増加 1%未満
体重減少 頻度不明
便秘 1〜5%未満
倦怠感 5%以上
健忘 1%未満
傾眠 5%以上
全身性そう痒症 1%未満
全身性皮疹 頻度不明
冷感 1%未満
冷汗 1%未満
勃起不全 1%未満
勃起増強 1%未満
動悸 1〜5%未満
動揺視 1%未満
口の感覚鈍麻 1%未満
口の錯感覚 1%未満
口内乾燥 1%未満
口渇 1〜5%未満
口腔咽頭不快感 1%未満
口腔咽頭痛 1%未満
口腔知覚不全 頻度不明
口角口唇炎 1%未満
右脚ブロック 頻度不明
味覚異常 1〜5%未満
呼吸異常 1%未満
咽喉乾燥 1%未満
咽頭炎 1%未満
喉頭不快感 1%未満
喘鳴 1%未満
嘔吐 5%以上
器質化肺炎 頻度不明
回転性めまい 1〜5%未満
多幸気分 頻度不明
多形紅斑 1%未満
多汗症 1%未満
大腸ポリープ 頻度不明
好中球数減少 頻度不明
寝汗 1%未満
尿中ケトン体陽性 1%未満
尿中蛋白陽性 1%未満
尿中血陽性 1%未満
帯状疱疹 1%未満
幻聴 頻度不明
幻視 頻度不明
幻覚 頻度不明
心室性期外収縮 1%未満
心電図QT延長 1%未満
性的興奮障害 1%未満
息詰まり感 1%未満
悪夢 頻度不明
悪寒 1%未満
悪心(31.0%) 5%以上
感覚鈍麻 1〜5%未満
慢性肝炎 1%未満
抑うつ 1%未満
振戦 1%未満
排尿困難 1%未満
早期満腹 頻度不明
易刺激性 1%未満
末梢冷感 1%未満
末梢腫脹 1%未満
気分動揺 1%未満
気力低下 1%未満
注意力障害 1〜5%未満
流涎過多 1%未満
浮動性めまい 5%以上
消化不良 1%未満
湿疹 1%未満
激越 1%未満
灼熱感 1%未満
無力症 1%未満
無感情 1%未満
無為 1%未満
熱感 1%未満
片頭痛 頻度不明
異常感 1〜5%未満
異常感覚 1%未満
疲労 1〜5%未満
疼痛 1%未満
発熱 1%未満
発疹 1%未満
白血球数増加 1%未満
白血球減少症 1%未満
皮膚乾燥 1%未満
皮膚炎 頻度不明
眼乾燥 1%未満
眼刺激 1%未満
眼痛 1%未満
眼瞼浮腫 1%未満
睡眠の質低下 1〜5%未満
睡眠障害 1%未満
知覚過敏 1%未満
硬便 頻度不明
第一度房室ブロック 1%未満
筋力低下 1%未満
筋固縮 頻度不明
筋痙縮 1%未満
筋緊張 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
筋骨格不快感 1%未満
筋骨格硬直 1%未満
精神症状(錯乱 頻度不明
精神的機能障害 1%未満
緊張 頻度不明
羞明 1%未満
耳不快感 1%未満
耳鳴 1%未満
聴力低下 1%未満
聴覚過敏 頻度不明
肝機能異常(AST 1〜5%未満
肝硬変 1%未満
胃腸炎 頻度不明
胃腸音異常 頻度不明
背部痛 1%未満
胸部不快感 1%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部不快感 1〜5%未満
腹部膨満 1〜5%未満
自律神経失調 1%未満
自発陰茎勃起 頻度不明
花粉症 1%未満
落ち着きのなさ 1%未満
蕁麻疹 1%未満
血中カリウム減少 1%未満
血中コレステロール増加 頻度不明
血中トリグリセリド増加 1%未満
血中ビリルビンの増加等) 1〜5%未満
血中ブドウ糖増加 1%未満
血中プロラクチン減少 1%未満
血管性浮腫 頻度不明
視力障害 頻度不明
解離等)注1) 頻度不明
記憶障害 1%未満
赤血球数減少 1%未満
起立性低血圧 1%未満
軟便 頻度不明
過換気 頻度不明
過敏症 1%未満
酩酊感 1%未満
錯感覚 頻度不明
鎮静 1%未満
関節痛 1%未満
頭痛 5%以上
頭部不快感 1%未満
頻尿 1〜5%未満
頻脈 1%未満
食欲亢進 1%未満
食欲減退 1〜5%未満
高プロラクチン血症 1〜5%未満
高脂血症 1%未満
高血圧 1〜5%未満
麻痺 頻度不明
鼻出血 1%未満
鼻漏 頻度不明
鼻閉 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ナルメフェンはμオピオイド受容体及びδオピオイド受容体に対しては拮抗薬として、κオピオイド受容体に対しては部分的作動薬として作用する15),16)ことにより飲酒量の低減作用を発揮すると考えられているが、明確な機序は不明である。

18.2 エタノール摂取量に対する効果

ナルメフェンは、エタノール自発摂取モデルのラットにおいて、エタノール摂取量を減少させた17)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

健康成人に本剤10mg3)及び20mg4)を空腹時単回経口投与した時の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを図16-1及び表16-1に示す。

図16-1 健康成人における本剤単回投与時のナルメフェンの血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)

投与量 tmax (h) Cmax (ng/mL) t1/2, Z (h) AUC∞ (ng・h/mL)
10mg 1.00 (0.50~4.00) 8.88±3.34 12.1±2.1 61.8±18.0
20mg 1.00 (0.50~3.00) 25.4±15.7 12.3±2.90 156±50.7
(平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(範囲)、10mg:7例、20mg:13例)
  1. 16.1.2 反復投与

健康成人7例に本剤20mgを1日1回5日間反復経口投与した時のAUC24hの累積係数は1.4であった4)。

16.2 吸収

  1. 16.2.1 食事の影響

健康成人に本剤20mgを単回経口投与(空腹時又は食後)した時、Cmax及びAUCに食事の影響はみられなかった4)。

16.3 分布

ヒト血漿蛋白結合率は、約30%であった5)(in vitro、限外ろ過法)。

16.4 代謝

ナルメフェンは主にUGT2B7により未変化体のグルクロン酸抱合体に代謝され、一部はCYP3A4/5により脱アルキル化体に代謝される6)(in vitro)。

16.5 排泄

健康成人に14C-ナルメフェン20mgを単回経口投与した時、糞中及び尿中にそれぞれ投与した放射能の20%及び71%が排泄された。未変化体の糞中及び尿中への排泄率は、いずれも投与量の約3%であった7)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

腎機能の程度の異なる被験者(eGFR=50~80mL/min/1.73m2、eGFR=30~50mL/min/1.73m2及びeGFR<30mL/min/1.73m2)に本剤20mgを単回経口投与した時のAUCは、正常な腎機能を有する被験者と比べてそれぞれ1.1倍、1.4倍及び2.4倍であった8)(外国人データ)。,,

  1. 16.6.2 肝機能障害患者

肝機能の程度の異なる被験者(Child-Pugh分類A及びB)に本剤20mgを単回経口投与した時のAUCは、正常な肝機能を有する被験者と比べてそれぞれ1.5倍及び2.9倍であった9)(外国人データ)。,

  1. 16.6.3 高齢者

本剤の静脈内投与時の薬物動態に年齢による影響は認められなかった10)(外国人データによる母集団解析)。

  1. 16.6.4 性別

本剤の薬物動態に性別による影響は認められなかった4),10)(外国人データ(母集団解析)を含む)。

16.7 薬物相互作用

健康成人に本剤20mgとエタノール0.6g/kg(溶液)を併用で経口投与した時の本剤のCmax及びAUCは、本剤単独投与時と比べてそれぞれ1.2倍及び1.0倍であった。エタノールのCmax及びAUCは、エタノール単独投与時と比べてそれぞれ1.0倍及び1.1倍であった11)(外国人データ)。