ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留
【警告】
本剤投与により、急激な水利尿から脱水症状や高ナトリウム血症を来し、意識障害に至るおそれがあり、また、急激な血清ナトリウム濃度の上昇による浸透圧性脱髄症候群を来すおそれがあることから、入院下で投与を開始、増量又は再開すること。また、特に投与開始日、増量日又は投与再開日には血清ナトリウム濃度を頻回に測定すること。 ,,,,
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1 本剤の成分又は類似化合物(トルバプタン等)に対し過敏症の既往歴のある患者
-
2.2 無尿の患者[本剤の効果が期待できない。]
-
2.3 高ナトリウム血症の患者[本剤の水利尿作用により高ナトリウム血症が増悪するおそれがある。]
-
2.4 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはトルバプタンリン酸エステルナトリウムとして16mgを1日1回1時間かけて点滴静注する。
使用上の注意
-
8.1 本剤の投与初期は、過剰な利尿に伴う脱水、高ナトリウム血症などの副作用があらわれるおそれがあるので、口渇感等の患者の状態を観察し、適切な水分補給を行い、体重、血圧、脈拍数、尿量等を頻回に測定すること。,
-
8.2 経口水分摂取が可能な患者に対しては、本剤の利尿作用に伴い、口渇、脱水などの症状があらわれた場合には、水分補給を行うよう指導すること。,
-
8.3 口渇感が持続する場合や脱水の症状がみられた場合には、減量を考慮すること。
-
8.4 本剤投与開始後24時間以内に水利尿効果が強く発現するため、少なくとも投与開始4~6時間後及び8~12時間後に血清ナトリウム濃度を測定すること。投与開始翌日から1週間程度は投与終了翌日まで毎日測定し、その後も投与を継続する場合には、適宜測定すること。,,
-
8.5 本剤の水利尿作用により循環血漿量の減少を来し、血清カリウム濃度を上昇させ、心室細動、心室頻拍を誘発するおそれがあるので、少なくとも投与開始4~6時間後及び8~12時間後に血清カリウム濃度を測定すること。投与開始翌日から1週間程度は投与終了翌日まで毎日測定し、その後も投与を継続する場合には、適宜測定すること。本剤投与開始前の血清カリウム濃度が正常域を超える患者や正常域内であっても高値の患者では特に注意すること。,,
-
8.6 投与初期から重篤な肝機能障害があらわれることがあるため、本剤投与開始前に肝機能検査を実施し、少なくとも投与開始2週間は投与終了翌日まで頻回に肝機能検査を行うこと。またやむを得ず、その後も投与を継続する場合には、適宜検査を行うこと。,
-
8.7 めまい等があらわれることがあるので、転倒に注意すること。また、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
-
8.8 体液貯留状態が改善しない場合は、漫然と投与を継続しないこと。,
-
8.9 目標体重(体液貯留状態が良好にコントロールされているときの体重)に戻った場合は、漫然と投与を継続しないこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 経口水分摂取が困難な患者
水分出納バランスを適切に管理するため、以下の点に注意すること。本剤の投与初期及び増量時には、過剰な利尿に伴う脱水、高ナトリウム血症などの副作用があらわれるおそれがある。,,,,,
-
輸液等により体液管理すること。
-
尿量と水分摂取量(輸液量を含む)を投与開始2時間後までは1時間ごと、8時間後までは2時間ごと、増量時には投与開始後4時間後及び8時間後を目安に確認し、水分出納バランスに応じて輸液量を調節すること。その後も投与を継続する場合には、毎日水分出納バランスを確認すること。
-
体重、血圧、脈拍数等を頻回に測定し、患者の状態を観察すること。
-
増量時には少なくとも投与開始4~6時間後及び8~12時間後に血清ナトリウム濃度及び血清カリウム濃度を測定すること。
- 9.1.2 血清ナトリウム濃度125mEq/L未満の患者
24時間以内に12mEq/Lを超える上昇がみられた場合には、投与を中止すること。急激な血清ナトリウム濃度の上昇により、浸透圧性脱髄症候群を来すおそれがある。,,
- 9.1.3 重篤な冠動脈疾患又は脳血管疾患のある患者
急激な利尿があらわれた場合、急速な循環血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。,
- 9.1.4 高カリウム血症の患者
本剤の水利尿作用により高カリウム血症が増悪するおそれがある。,
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1 重篤な腎障害のある患者
利尿に伴う腎血流量の減少により腎機能が更に悪化するおそれがある。
- 9.2.2 腎機能障害(eGFR 60mL/min/1.73m2未満)のある患者
高カリウム血症の発現リスクが高まるおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、適切な避妊を行うよう指導すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で胚・胎児死亡(ラット1)、ウサギ1))並びに胚あるいは胎児移行(ラット2))が報告されている。また、活性の主体であるトルバプタンを投与した動物実験(ウサギ)で催奇形性が報告されている3)。,
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている4)。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
-
9.8.1 急激な利尿があらわれた場合、急速な循環血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。,
-
9.8.2 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、また、脱水症状を起こしやすいとされている。
-
9.8.3 高ナトリウム血症発現のおそれがある。,
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| BUN上昇 | 頻度不明 | — |
| CK上昇 | 頻度不明 | — |
| LDH上昇 | 頻度不明 | — |
| ウイルス感染 | 頻度不明 | — |
| うつ病 | 頻度不明 | — |
| カンジダ症 | 頻度不明 | — |
| ざ瘡 | 頻度不明 | — |
| シスタチンC上昇 | 頻度不明 | — |
| そう痒 | 頻度不明 | — |
| ナルコレプシー | 頻度不明 | — |
| パニック発作 | 頻度不明 | — |
| ヘモグロビン低下 | 頻度不明 | — |
| ほてり | 頻度不明 | — |
| めまい | 頻度不明 | — |
| リビドー減退 | 頻度不明 | — |
| 上気道感染 | 頻度不明 | — |
| 下痢 | 頻度不明 | — |
| 不安 | 頻度不明 | — |
| 不安定血圧 | 頻度不明 | — |
| 不整脈 | 頻度不明 | — |
| 不正子宮出血 | 頻度不明 | — |
| 不眠症 | 頻度不明 | — |
| 不規則月経 | 頻度不明 | — |
| 不随意性筋収縮 | 頻度不明 | — |
| 乏尿 | 頻度不明 | — |
| 乏汗 | 頻度不明 | — |
| 乳房嚢胞 | 頻度不明 | — |
| 低カリウム血症 | 頻度不明 | — |
| 低ナトリウム血症 | 頻度不明 | — |
| 低リン酸血症 | 頻度不明 | — |
| 低血糖 | 頻度不明 | — |
| 体重変動(増加 | 頻度不明 | — |
| 便秘 | 1〜5%未満 | — |
| 倦怠感 | 1%未満 | — |
| 側腹部痛 | 頻度不明 | — |
| 傾眠 | 頻度不明 | — |
| 冷感 | 頻度不明 | — |
| 副鼻腔炎 | 頻度不明 | — |
| 勃起不全 | 頻度不明 | — |
| 動悸 | 頻度不明 | — |
| 口の感覚鈍麻 | 頻度不明 | — |
| 口内炎 | 頻度不明 | — |
| 口唇乾燥 | 頻度不明 | — |
| 口唇炎 | 頻度不明 | — |
| 口渇 | 5%以上 | — |
| 口腔咽頭痛 | 頻度不明 | — |
| 味覚異常 | 頻度不明 | — |
| 呼吸困難 | 頻度不明 | — |
| 呼気臭 | 頻度不明 | — |
| 咳嗽 | 頻度不明 | — |
| 咽喉乾燥 | 頻度不明 | — |
| 喘息 | 頻度不明 | — |
| 嗜眠 | 頻度不明 | — |
| 嘔吐 | 頻度不明 | — |
| 嚥下障害 | 頻度不明 | — |
| 四肢痛 | 頻度不明 | — |
| 多尿 | 頻度不明 | — |
| 多汗 | 頻度不明 | — |
| 多飲症 | 頻度不明 | — |
| 失神 | 頻度不明 | — |
| 好酸球増多 | 頻度不明 | — |
| 寝汗 | 頻度不明 | — |
| 尿失禁 | 頻度不明 | — |
| 尿意切迫 | 頻度不明 | — |
| 尿浸透圧低下 | 頻度不明 | — |
| 尿路感染 | 頻度不明 | — |
| 尿閉 | 頻度不明 | — |
| 平均赤血球容積増加 | 頻度不明 | — |
| 心窩部不快感 | 頻度不明 | — |
| 悪心 | 1〜5%未満 | — |
| 意識消失 | 頻度不明 | — |
| 感覚鈍麻 | 頻度不明 | — |
| 憩室炎 | 頻度不明 | — |
| 扁桃炎 | 頻度不明 | — |
| 排尿困難 | 頻度不明 | — |
| 易刺激性 | 頻度不明 | — |
| 月経過多 | 頻度不明 | — |
| 期外収縮 | 頻度不明 | — |
| 気管支炎 | 頻度不明 | — |
| 注意力障害 | 頻度不明 | — |
| 浮腫 | 頻度不明 | — |
| 消化不良 | 頻度不明 | — |
| 消化管運動障害 | 頻度不明 | — |
| 減少) | 頻度不明 | — |
| 無力症 | 頻度不明 | — |
| 熱感 | 頻度不明 | — |
| 爪の障害 | 頻度不明 | — |
| 疲労 | 頻度不明 | — |
| 疼痛 | 頻度不明 | — |
| 痔核 | 頻度不明 | — |
| 痛風 | 頻度不明 | — |
| 発声障害 | 頻度不明 | — |
| 発熱 | 頻度不明 | — |
| 発疹 | 頻度不明 | — |
| 白血球増多 | 頻度不明 | — |
| 皮膚乾燥 | 頻度不明 | — |
| 皮膚炎 | 頻度不明 | — |
| 真菌感染 | 頻度不明 | — |
| 眼乾燥 | 頻度不明 | — |
| 睡眠障害 | 頻度不明 | — |
| 神経過敏 | 頻度不明 | — |
| 筋痙縮 | 1%未満 | — |
| 筋硬直 | 頻度不明 | — |
| 筋骨格痛 | 頻度不明 | — |
| 粘膜乾燥 | 頻度不明 | — |
| 糖尿病 | 頻度不明 | — |
| 結腸ポリープ | 頻度不明 | — |
| 結膜出血 | 頻度不明 | — |
| 緑内障 | 頻度不明 | — |
| 耳鳴 | 頻度不明 | — |
| 胃炎 | 頻度不明 | — |
| 胃腸炎 | 頻度不明 | — |
| 胃腸障害 | 頻度不明 | — |
| 胃食道逆流性疾患 | 頻度不明 | — |
| 背部痛 | 頻度不明 | — |
| 胸痛 | 頻度不明 | — |
| 脂質異常症 | 頻度不明 | — |
| 脱毛 | 頻度不明 | — |
| 脱水 | 5%以上 | — |
| 腎機能障害 | 1〜5%未満 | — |
| 腎結石 | 頻度不明 | — |
| 腎臓痛 | 頻度不明 | — |
| 腹痛 | 頻度不明 | — |
| 腹部不快感 | 頻度不明 | — |
| 腹部膨満 | 頻度不明 | — |
| 膀胱痛 | 頻度不明 | — |
| 臍ヘルニア | 頻度不明 | — |
| 舌変色 | 頻度不明 | — |
| 舌痛 | 頻度不明 | — |
| 舌苔 | 頻度不明 | — |
| 色素沈着障害 | 頻度不明 | — |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 | — |
| 血中クレアチニン上昇 | 頻度不明 | — |
| 血中尿酸上昇 | 1%未満 | — |
| 血中抗利尿ホルモン増加 | 頻度不明 | — |
| 血圧上昇 | 頻度不明 | — |
| 血圧低下 | 1〜5%未満 | — |
| 血小板減少 | 頻度不明 | — |
| 血尿 | 頻度不明 | — |
| 血液浸透圧上昇 | 頻度不明 | — |
| 血液量減少症 | 頻度不明 | — |
| 裂孔ヘルニア | 頻度不明 | — |
| 貧血 | 1%未満 | — |
| 起立性低血圧 | 1%未満 | — |
| 過敏性腸症候群 | 頻度不明 | — |
| 錯感覚 | 頻度不明 | — |
| 関節痛 | 頻度不明 | — |
| 関節腫脹 | 頻度不明 | — |
| 霧視 | 頻度不明 | — |
| 頭痛 | 頻度不明 | — |
| 頻尿 | 頻度不明 | — |
| 頻脈 | 1〜5%未満 | — |
| 食欲不振 | 頻度不明 | — |
| 食欲亢進 | 頻度不明 | — |
| 食道炎 | 頻度不明 | — |
| 高カルシウム血症 | 1%未満 | — |
| 高血糖 | 頻度不明 | — |
| 鼓腸 | 頻度不明 | — |
| 鼻乾燥 | 頻度不明 | — |
| 鼻出血 | 頻度不明 | — |
| 鼻咽頭炎 | 頻度不明 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本薬は、生体内でホスファターゼにより活性の主体であるトルバプタンに加水分解される。トルバプタンは、バソプレシンV2-受容体拮抗作用により、腎集合管でのバソプレシンによる水再吸収を阻害することで選択的に水を排泄し、電解質排泄の増加を伴わない利尿作用(水利尿作用)を示す。
18.2 バソプレシンV2-受容体拮抗作用
本薬及び活性の主体であるトルバプタンは、ヒトバソプレシンV2-受容体発現細胞において、標識バソプレシンのV2-受容体への結合を濃度依存的に阻害した。また、ヒトバソプレシンV2-受容体発現細胞において、本薬及びトルバプタンはcAMPの産生増加を示さず、バソプレシンによるcAMPの産生を抑制したことから、バソプレシンV2-受容体拮抗作用を有していることが示された。本薬及びトルバプタンのヒトバソプレシンV2-受容体に対する阻害定数は、それぞれ6.13±1.34nmol/L及び0.43±0.06nmol/Lであった30),31),32)(in vitro)。
18.3 利尿作用
本薬は、覚醒ラット及びイヌにおいて、静脈内投与により用量依存的に尿量を増加させ、尿浸透圧を低下させた。この時、自由水クリアランスは正の値となり、選択的に自由水の排泄を増加させた(水利尿作用)33),34),35)。
18.4 抗浮腫作用
本薬は、ラットにおいて、静脈内投与による利尿作用に伴い、ヒスタミン誘発血管透過性亢進及びカラゲニン誘発足浮腫を抑制した36),37)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1 単回投与
健康成人に本剤16mgを1時間かけて単回静脈内投与した時のトルバプタンリン酸エステル及び活性の主体であるトルバプタンの血漿中濃度推移を図16-1及び図16-2に、薬物動態パラメータを表16-1に示す6)。
図16-1 健康成人における本剤16mg単回静脈内投与(1時間かけて投与)時の血漿中トルバプタンリン酸エステル濃度推移(平均値±標準偏差)図16-2 健康成人における本剤16mg単回静脈内投与(1時間かけて投与)時の血漿中トルバプタン濃度推移(平均値±標準偏差)
| 用量 [例数] | tmax (h) | Cmax (ng/mL) | t1/2,Z (h) | AUC∞ (ng・h/mL) |
|---|---|---|---|---|
| トルバプタンリン酸エステル | ||||
| 16mg [47例] | 1.02 (1.02-1.02) | 1,760 (240) | 2.9 (0.8) | 2,510 (421) |
| トルバプタン | ||||
| 16mg [47例] | 1.52 (1.02-2.02) | 209 (45.5) | 4.1 (1.0) | 1,230 (384) |
| 投与開始後時間を用いてパラメータを算出した。 平均値(標準偏差)、tmaxのみ中央値(最小-最大) | ||||
- 16.1.2 反復投与
心性浮腫患者に本剤2mg注5)、4mg注5)、8mg注5)及び16mgを1時間かけて1日1回5日間反復静脈内投与又はトルバプタン15mgを1日1回5日間反復経口投与した時の1日目のトルバプタンリン酸エステル及び活性の主体であるトルバプタンの薬物動態パラメータを表16-2に示す。本剤16mg投与時のトルバプタン曝露量がトルバプタン15mg経口投与時のトルバプタン曝露量に最も近く、同程度であった。本剤の5日間反復投与により、トルバプタンリン酸エステルは累積しなかったが、本剤又はトルバプタン経口剤の5日間反復投与により、5日目のトルバプタンの血漿中トラフ濃度は1日目と比較して1.2~1.4倍になった7)。
| 用量 [例数] | tmax (h) | Cmax (ng/mL) | t1/2,Z (h) | AUC24h (ng・h/mL) |
|---|---|---|---|---|
| トルバプタンリン酸エステル(本剤静脈内投与時) | ||||
| 2mg [11例] | 1.03 (1.00-1.08) | 296 (186) | 1.8 (0.7) | 454 (182) |
| 4mg [12例] | 1.04 (1.00-1.08) | 524 (130) | 2.8 (1.1) | 980 (384) |
| 8mg [12例] | 1.03 (0.98-1.10) | 831 (215) | 2.5 (0.9) | 1,440 (429) |
| 16mg [11例] | 1.03a) (1.00-1.05) | 1,840a) (457) | 3.8 (0.6) | 3,400 (735) |
| トルバプタン(本剤静脈内投与時) | ||||
| 2mg [11例] | 1.48 (1.42-2.00) | 41.4 (11.4) | 8.1a) (2.7) | 356 (157) |
| 4mg [12例] | 1.73 (1.08-2.03) | 98.6 (43.7) | 8.6 (2.2) | 983 (563) |
| 8mg [12例] | 1.76 (1.02-4.00) | 149 (61.7) | 8.5 (3.1) | 1,340 (522) |
| 16mg [11例] | 1.52 (1.42-1.95) | 282 (96.0) | 7.4 (2.5) | 2,400 (1,030) |
| トルバプタン(トルバプタン経口投与時) | ||||
| 15mg [12例] | 4.07 (1.07-6.00) | 325 (194) | 7.4b) (2.0) | 2,850 (1,580) |
| 投与開始後時間を用いてパラメータを算出した。 平均値(標準偏差)、tmaxのみ中央値(最小-最大)、a)10例、b)8例 | ||||
16.3 分布
本薬のヒト血清蛋白結合率は、97.9%以上であった8)(in vitro、限外ろ過法)。活性の主体であるトルバプタンのヒト血漿蛋白結合率は、98.0%以上であった9)(in vitro、限外ろ過法)。
16.4 代謝
本薬はホスファターゼによって加水分解される10)(in vitro)。活性の主体であるトルバプタンは、ヒト肝ミクロゾームチトクロームP450の分子種のうち、主としてCYP3A4により代謝される11)(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人に、14C-トルバプタンリン酸エステルナトリウム15.2mgを単回静脈内投与した時、糞中及び尿中にそれぞれ投与した放射能の40.8%及び54.3%が排泄された。糞中及び尿中に未変化体は排泄されなかった12)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1 腎機能障害患者
腎機能の程度の異なる心性浮腫患者(eGFR<15mL/min、eGFR=15~29mL/min、eGFR=30~59mL/min、eGFR=60~89mL/min、eGFR≥90mL/min)に本剤16mgを静脈内投与(1時間かけて投与)した時、トルバプタンリン酸エステルのAUCは、それぞれ4,060ng・h/mL、3,530ng・h/mL、3,400ng・h/mL、3,080ng・h/mL及び3,050ng・h/mLであり、活性の主体であるトルバプタンのAUCは、それぞれ4,710ng・h/mL、4,410ng・h/mL、3,090ng・h/mL、2,670ng・h/mL及び4,490ng・h/mLであった13)(母集団解析)。また、腎機能の程度の異なる被験者(クレアチニンクリアランス<30mL/min、クレアチニンクリアランス=30~60mL/min及びクレアチニンクリアランス>60mL/min)にトルバプタン60mgを経口投与した時のトルバプタンのAUCは、それぞれ7,360ng・h/mL、6,980ng・h/mL及び3,890ng・h/mLであった。また、血漿中遊離型分率は、それぞれ1.2%、0.6%及び1.0%であった。血漿中遊離型分率を用いて算出した血漿中トルバプタン遊離型濃度のAUCは、クレアチニンクリアランス<30mL/min、クレアチニンクリアランス=30~60mL/min及びクレアチニンクリアランス>60mL/minでそれぞれ71.8ng・h/mL、36.4ng・h/mL及び37.5ng・h/mLであった14)(外国人データ)。
- 16.6.2 肝機能障害患者
心性浮腫患者に本剤16mgを静脈内投与(1時間かけて投与)した時、トルバプタンリン酸エステルのAUCは、肝機能分類(NCI-ODWG#に基づく)クラスAで3,310ng・h/mL、クラスB1で3,320ng・h/mL、クラスB2で3,660ng・h/mL、クラスCで3,610ng・h/mLであり、活性の主体であるトルバプタンのAUCは、クラスAで3,350ng・h/mL、クラスB1で3,340ng・h/mL、クラスB2で2,880ng・h/mL、クラスCで3,690ng・h/mLであった13)(母集団解析)。また、肝性浮腫患者にトルバプタン15mgを経口投与した時のトルバプタンのAUCは、中等度肝障害患者(Child-Pugh分類A又はB)で1,618ng・h/mL、重度肝障害患者(Child-Pugh分類C)で2,172ng・h/mLであった15)(母集団解析)。 #:National Cancer Institute Organ Dysfunction Working Group
- 16.6.3 高齢者(65歳以上)、性別
本剤を静脈内投与した時、トルバプタンリン酸エステルの薬物動態には年齢及び性別による影響は認められなかった13)(母集団解析)。また、トルバプタンを経口投与した時、トルバプタンの薬物動態には年齢及び性別による影響は認められなかった16)。
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1 ケトコナゾール
健康成人において、強力なCYP3A4の阻害作用を有するケトコナゾール200mgとトルバプタン30mgの経口併用投与により、トルバプタンのCmax及びAUCは単独投与と比較してそれぞれ3.5倍及び5.4倍になった17)(外国人データ)。,
- 16.7.2 フルコナゾール
健康成人において、中等度のCYP3A4の阻害作用を有するフルコナゾール200mgとトルバプタン30mgの経口併用投与により、トルバプタンのCmax及びAUCは単独投与と比較してそれぞれ1.8倍及び3.0倍になった18)(外国人データ)。,
- 16.7.3 グレープフルーツジュース
健康成人において、CYP3A4の阻害作用を有するグレープフルーツジュースとトルバプタン60mgの経口併用投与により、トルバプタンのCmax及びAUCは単独投与と比較してそれぞれ1.9倍及び1.6倍になった19)(外国人データ)。,
- 16.7.4 リファンピシン
健康成人において、CYP3A4の誘導作用を有するリファンピシン600mg(反復投与)とトルバプタン240mgの経口併用投与により、トルバプタンのCmax及びAUCは単独投与と比較してそれぞれ1/6及び1/8になった17)(外国人データ)。
- 16.7.5 ジゴキシン
健康成人において、P糖蛋白の基質であるジゴキシン0.25mgとトルバプタン60mgの経口併用投与により、ジゴキシンのCmax及びAUCは単独投与と比較してそれぞれ1.3倍及び1.2倍になった。トルバプタンのCmaxとAUCは単独投与と比較していずれも1.1倍になった20)(外国人データ)。
- 16.7.6 その他
-
健康成人において、OATP1B1/1B3の阻害作用を有するリファンピシン600mg(単回投与)と本剤4mg注5)の併用投与により、トルバプタンリン酸エステルのCmax及びAUCは単独投与と比較してそれぞれ1.3倍及び1.9倍になったが、活性の主体であるトルバプタンの薬物動態は影響を受けなかった21)。
-
健康成人において、CYP3A4の基質であるロバスタチン80mgとトルバプタン90mgの経口併用投与により、ロバスタチンのCmax及びAUCは単独投与と比較してそれぞれ1.3倍及び1.4倍になった22)。ロバスタチン80mgとトルバプタン60mgの経口併用投与により、トルバプタンのCmaxとAUCは単独投与と比較していずれも1.2倍になった23)(外国人データ)。
-
不整脈患者において、CYP3A4の基質であるアミオダロン200mgとトルバプタン90mgの経口併用投与により、アミオダロンの薬物動態の変化は単独投与と比較して5%未満であった24)(外国人データ)。
-
健康成人において、CYP2C9の基質であるワルファリン25mgとトルバプタン60mgの経口併用投与により、R-ワルファリンとS-ワルファリンの薬物動態は影響を受けなかった25)(外国人データ)。
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健康成人において、フロセミド80mgとトルバプタン30mgの経口併用投与により、トルバプタンのCmax及びAUCは単独投与と比較していずれも1.2倍になった。ヒドロクロロチアジド100mgとトルバプタン30mgの経口併用投与により、トルバプタンのCmax及びAUCは変化しなかった。トルバプタンはフロセミド及びヒドロクロロチアジドの薬物動態に影響を与えなかった26)(外国人データ)。
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本薬はCYP2B6の誘導作用を示した27)(in vitro)。
注5)本剤の承認された用量は1日1回16mgである。