【警告】

  1. 1.1 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中は高血糖の徴候・症状に注意すること。特に、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与することとし、投与にあたっては、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。,,,,

  2. 1.2 投与にあたっては、あらかじめ上記副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の異常に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。,,,,

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]

  2. 2.2 バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。]

  3. 2.3 アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)

  4. 2.4 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 〈錠1mg、錠3mg、錠6mg、錠12mg、散1%〉

〇統合失調症

〇双極性障害における躁症状の改善

**〇うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)

*〇小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性

  • 〈錠24mg〉

〇統合失調症

〇双極性障害における躁症状の改善

用法・用量

  • 〈統合失調症〉

通常、成人にはアリピプラゾールとして1日6~12mgを開始用量、1日6~24mgを維持用量とし、1回又は2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は30mgを超えないこと。

  • 〈双極性障害における躁症状の改善〉

通常、成人にはアリピプラゾールとして12~24mgを1日1回経口投与する。なお、開始用量は24mgとし、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は30mgを超えないこと。

  • 〈うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)〉

**通常、成人にはアリピプラゾールとして3mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、増量幅は1日量として3mgとし、1日量は15mgを超えないこと。

  • 〈小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性〉

*通常、アリピプラゾールとして1日1mgを開始用量、1日1~15mgを維持用量とし、1日1回経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、増量幅は1日量として最大3mgとし、1日量は15mgを超えないこと。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  2. 8.2 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の高血糖の徴候・症状に注意するとともに、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。,,,,

  3. 8.3 低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。,

  4. 8.4 本剤の投与に際し、あらかじめ8.2及び8.3の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。,,,,,,

  5. 8.5 原疾患による可能性もあるが、本剤投与後に病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害があらわれたとの報告がある。衝動制御障害の症状について、あらかじめ患者及び家族等に十分に説明を行い、症状があらわれた場合には、医師に相談するよう指導すること。また、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察し、症状があらわれた場合には必要に応じて減量又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

  6. 8.6 本剤の投与により体重の変動(増加、減少)を来すことがあるので、本剤投与中は体重の推移を注意深く観察し、体重の変動が認められた場合には原因精査(合併症の影響の有無等)を実施し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

  7. 8.7 他の抗精神病薬を既に投与しているなど血清プロラクチン濃度が高い場合に本剤を投与すると、血清プロラクチン濃度が低下し月経が再開することがあるので、月経過多、貧血、子宮内膜症などの発現に十分注意すること。

  8. 8.8 嚥下障害が発現するおそれがあるので、特に誤嚥性肺炎のリスクのある患者に本剤を投与する場合には、慎重に経過を観察すること。

  • 〈統合失調症、双極性障害における躁症状の改善、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)〉
  1. 8.9 急性に不安、焦燥、興奮の症状を呈している患者に対し、本剤投与にて十分な効果が得られない場合には、鎮静剤の投与等、他の対処方法も考慮すること。
  • 〈統合失調症〉
  1. 8.10 興奮、敵意、誇大性等の精神症状が悪化することがあるので、観察を十分に行い、 悪化が見られた場合には他の治療方法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。 前治療薬からの切り替えの際には前治療薬の用量を徐々に減らしつつ、本剤の投与を行うことが望ましい。
  • 〈双極性障害における躁症状の改善〉
  1. 8.11 躁症状が改善した場合には、本剤の投与継続の要否について検討し、本剤を漫然と投与しないよう注意すること。
  • 〈うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)〉
  1. 8.12 **うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。,,,,,

  2. 8.13 **不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。,,,,,

  3. 8.14 **自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。,,,,,

  4. 8.15 **家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。,,,,,

  • 〈小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性〉
  1. 8.16 *定期的に安全性及び有効性を評価し、漫然と長期にわたり投与しないこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈効能共通〉
  1. 9.1.1 心・血管疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者

一過性の血圧降下があらわれるおそれがある。

  1. 9.1.2 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

痙攣閾値を低下させることがある。

  1. 9.1.3 糖尿病又はその既往歴を有する患者、もしくは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者

血糖値が上昇することがある。,,,,

  1. 9.1.4 不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の患者

肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。

  • 〈統合失調症、双極性障害における躁症状の改善、小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性〉
  1. 9.1.5 自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者

症状を悪化させるおそれがある。

  • 〈うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)〉
  1. 9.1.6 **自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者

**自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。,,,,,

  1. 9.1.7 **脳の器質的障害のある患者

**精神症状を増悪させることがある。

  1. 9.1.8 **衝動性が高い併存障害を有する患者

**精神症状を増悪させることがある。

9.3 肝機能障害患者

肝障害を悪化させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。なお、本剤の臨床試験において流産の報告がある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで乳汁中への移行が認められている1)。

9.7 小児等

  • 〈統合失調症、双極性障害における躁症状の改善、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)〉
  1. 9.7.1 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
  • 〈小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性〉
  1. 9.7.2 *低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
A/G上昇 1%未満
A/G低下 1%未満
Al-P上昇 1〜5%未満
Al-P低下 1%未満
ALT上昇 5%以上
AST上昇 1〜5%未満
BUN上昇 1〜5%未満
BUN低下 1〜5%未満
CK上昇 5%以上
CK低下 1%未満
HDL-コレステロール上昇 1〜5%未満
HDL-コレステロール低下 1%未満
LDH上昇 1〜5%未満
LDH低下 1%未満
QT延長 1%未満
γ-GTP上昇 1〜5%未満
アカシジア 5%以上
アルブミン上昇 1%未満
アルブミン低下 1%未満
うつ病 1〜5%未満
からだのこわばり 1%未満
カリウム上昇 1%未満
カリウム低下 1〜5%未満
クレアチニン上昇 1%未満
クロール上昇 1%未満
クロール低下 1〜5%未満
グロブリン分画異常 1〜5%未満
ケトン尿 頻度不明
コレステロール上昇 1%未満
コレステロール低下 1〜5%未満
ざ瘡 1%未満
ジスキネジア 1〜5%未満
ジストニア(筋緊張異常) 1〜5%未満
しゃっくり 1%未満
そう痒症 1%未満
トリグリセライド上昇 1〜5%未満
トリグリセライド低下 1%未満
ナトリウム上昇 1%未満
ナトリウム低下 1〜5%未満
パーキンソン症候群 1%未満
パニック反応 1%未満
びくびく感 頻度不明
びらん性胃炎 1%未満
プロラクチン上昇 1%未満
プロラクチン低下 1〜5%未満
ヘマトクリット値上昇 1%未満
ヘマトクリット値低下 1〜5%未満
ヘモグロビン上昇 1%未満
ヘモグロビン低下 1〜5%未満
ほてり 1%未満
めまい 1〜5%未満
もやもや感 1%未満
リビドー亢進 1%未満
リビドー減退 1%未満
リンパ球増多 1〜5%未満
リンパ球減少 1〜5%未満
リン脂質低下 1〜5%未満
上気道感染 頻度不明
下痢 1〜5%未満
下肢静止不能症候群 頻度不明
不安 5%以上
不眠 5%以上
乳腺炎 頻度不明
乳頭痛 頻度不明
乾皮症 1%未満
低体温 頻度不明
低血圧 1%未満
体重増加 5%以上
体重減少 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
健忘 1%未満
傾眠 5%以上
光線過敏性反応 1%未満
勃起不全 1%未満
十二指腸炎 1%未満
単球増多 1〜5%未満
単球減少 1%未満
卵巣障害 頻度不明
双極性障害 1%未満
反射亢進 頻度不明
口のもつれ 1%未満
口内炎 1%未満
口唇炎 1%未満
口唇腫脹 1%未満
口渇 1〜5%未満
吃音 頻度不明
味覚異常 1%未満
呼吸困難 頻度不明
咽喉頭症状 1%未満
咽頭炎 1%未満
嗜眠 1%未満
嘔吐 1〜5%未満
嚥下性肺炎 頻度不明
嚥下障害 1%未満
四肢不快感 1%未満
四肢痛 1%未満
坐骨神経痛 頻度不明
外陰膣乾燥 頻度不明
多尿 1%未満
多汗 1〜5%未満
多飲症 1%未満
夢遊症 頻度不明
大脳動脈狭窄 頻度不明
失神 1%未満
好中球増多 1〜5%未満
好中球減少 1〜5%未満
好塩基球増多 1%未満
好塩基球減少 1%未満
好酸球増多 1%未満
好酸球減少 1〜5%未満
妄想 1%未満
寝汗 1%未満
寡動 1〜5%未満
射精障害 1%未満
尿ウロビリノーゲン上昇 1%未満
尿ビリルビン上昇 1%未満
尿中NAG上昇 1%未満
尿失禁 頻度不明
尿比重上昇 1%未満
尿比重低下 1%未満
尿沈渣異常 1〜5%未満
尿潜血 1〜5%未満
尿糖 1%未満
尿路感染 頻度不明
尿量減少 1%未満
尿閉 1%未満
幻覚 1〜5%未満
広場恐怖症 頻度不明
強迫性購買 頻度不明
徐脈 1%未満
心悸亢進 1%未満
心電図異常(期外収縮 1%未満
性器出血 1%未満
性機能不全 頻度不明
悪夢 頻度不明
悪寒 1%未満
悪心 1〜5%未満
感情不安定 1%未満
感覚障害 頻度不明
拒食 1%未満
持続勃起 1%未満
挫傷 1%未満
振戦 5%以上
排尿障害 1%未満
握力低下 1%未満
攻撃的反応 1%未満
昏迷 1%未満
暴食等) 頻度不明
月経異常 1〜5%未満
末梢冷感 1%未満
末梢性浮腫 1%未満
末梢神経障害 1%未満
構音障害 1〜5%未満
歩行異常 1〜5%未満
歯ぎしり 1%未満
歯の知覚過敏 頻度不明
歯周病 1%未満
歯牙破折 頻度不明
歯肉痛 頻度不明
死亡 頻度不明
気分不良 1%未満
気分動揺 頻度不明
気力低下 1%未満
気管支炎 1%未満
気管支痙攣 1%未満
水中毒 1%未満
注意力障害 1%未満
流涎 5%以上
流産 1%未満
消化不良 1%未満
湿疹 1%未満
激越(不安 1%未満
灼熱感 1%未満
無オルガズム症 頻度不明
無感情 頻度不明
焦燥 1%未満
熱感 1%未満
片頭痛 1%未満
独語 1%未満
狭心症 頻度不明
男性型多毛症 1%未満
異常思考 1%未満
異常行動 頻度不明
疲労 1%未満
疼痛 頻度不明
病的性欲亢進 頻度不明
発熱 1〜5%未満
発疹 1%未満
白血球増多 1〜5%未満
白血球減少 1〜5%未満
皮膚乾燥 1%未満
皮膚剥脱 1%未満
皮膚炎 1%未満
眉間反射異常 頻度不明
真菌感染 頻度不明
眼のチカチカ 頻度不明
眼の異常感 1%未満
眼乾燥 1%未満
眼球回転発作 1%未満
眼球挙上 1%未満
眼痛 1%未満
眼瞼下垂 1%未満
睡眠時驚愕 1%未満
睡眠障害 1%未満
瞬目過多 頻度不明
知覚減退 1%未満
神経症 1%未満
神経過敏 5%以上
第一度房室ブロック等) 1%未満
筋強剛 1〜5%未満
筋攣縮 頻度不明
筋痙縮 1%未満
筋痛 1%未満
筋緊張 1%未満
筋萎縮 頻度不明
精神症状 1%未満
精神的機能障害 頻度不明
糖尿病性白内障 頻度不明
紅斑 1%未満
総ビリルビン上昇 1%未満
総ビリルビン低下 1%未満
総蛋白上昇 1%未満
総蛋白減少 1〜5%未満
羞明 1%未満
耳鳴 1%未満
肝炎 頻度不明
肩こり 1%未満
胃炎 1%未満
胃腸炎 1%未満
胃食道逆流性疾患 1%未満
背部痛 1%未満
胸痛 1%未満
脂漏 1%未満
脂肪肝 1%未満
脂肪腫 頻度不明
脂質代謝障害 1%未満
脱力感 1〜5%未満
脱毛 頻度不明
腸炎 1%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満 1%未満
膀胱炎 1%未満
膵炎 頻度不明
膿瘍 1%未満
自殺企図 1%未満
興奮) 1%未満
舌障害 頻度不明
舌麻痺 1%未満
色素沈着障害 1%未満
花粉症 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
薬剤離脱症候群 1%未満
薬物過敏症 頻度不明
蛋白尿 1〜5%未満
血中インスリン増加 頻度不明
血中ブドウ糖変動 頻度不明
血中尿素減少 1%未満
血中尿酸減少 1%未満
血中甲状腺刺激ホルモン増加 頻度不明
血小板増多 1%未満
血小板減少 1%未満
血尿 1%未満
血管性浮腫 頻度不明
衝動制御障害(病的賭博 頻度不明
視力障害 1%未満
記憶障害 頻度不明
認知症 1%未満
調節障害 1%未満
譫妄 1%未満
貧血 1%未満
赤血球増多 1%未満
赤血球減少 1〜5%未満
起立性低血圧 1%未満
起立血圧異常 頻度不明
躁病反応 1%未満
転倒 1%未満
運動過多 頻度不明
酒さ 1%未満
錐体外路障害 頻度不明
錯乱 1%未満
錯感覚 1%未満
鎮静 1%未満
関節炎 頻度不明
関節痛 1%未満
関節硬直 頻度不明
関節脱臼 頻度不明
霧視 1%未満
頚部痛 1%未満
頭痛 1〜5%未満
頻尿 1%未満
頻脈 1〜5%未満
顎痛 頻度不明
顔面浮腫 1%未満
顔面痙攣 1%未満
食欲不振 1〜5%未満
食欲亢進 1〜5%未満
高尿酸血症 1%未満
高脂血症 1%未満
高血圧 1〜5%未満
高血糖 1%未満
黄疸 頻度不明
鼻乾燥 1%未満
鼻出血 1%未満
鼻炎 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

アリピプラゾールは、ドパミンD2受容体部分アゴニスト作用、ドパミンD3受容体部分アゴニスト作用、セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用及びセロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用を併せ持つ薬剤である。明確な機序は不明であるが、これらの薬理作用が臨床における有用性に寄与しているものと考えられている。38)

18.2 受容体親和性

受容体結合試験で、組換え型ヒトドパミンD2、ヒトドパミンD3、ヒトセロトニン5-HT1A及びヒトセロトニン5-HT2A受容体に対して高い親和性を示し、ヒトドパミンD4、ヒトセロトニン5-HT2C、ヒトセロトニン5-HT7、ラット大脳皮質α1-アドレナリン及びヒトヒスタミンH1受容体に中程度の親和性を示した。ウシ線条体ムスカリンM1、ラット心臓ムスカリンM2及びモルモット回腸ムスカリンM3受容体に対する親和性は低かった(in vitro)。39),40),41)

18.3 ドパミンD2受容体部分アゴニスト作用

ドパミンD2受容体に対して部分アゴニストとして作用した(in vitro)。マウス及びラットにおいて、ドパミン作動性神経伝達が亢進した状態ではドパミンD2受容体に対してアンタゴニストとして作用し、ドパミン作動性神経伝達が低下した状態ではドパミンD2受容体に対してアゴニストとして作用した。39),42),43)

18.4 ドパミンD3受容体部分アゴニスト作用

ドパミンD3受容体に対して部分アゴニストとして作用した(in vitro)。44)

18.5 セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用

セロトニン5-HT1A受容体に対して部分アゴニストとして作用した(in vitro)。マウス脳内のセロトニン代謝物5-ヒドロキシインドール酢酸含量を減少させ、ラット縫線核のセロトニンニューロン発火を抑制した。40),45)

18.6 セロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用

マウスにおいてセロトニン5-HT2A受容体アゴニストにより誘発される行動変化を抑制した。また、セロトニンによるラットP11細胞内Ca2+濃度の増加を抑制した(in vitro)。46),47)

18.7 統合失調症諸症状に関連する動物モデルでの改善作用

陽性症状の指標と考えられているラット条件回避反応を抑制し、不安症状の指標であると考えられているラットコンフリクト反応を抑制した。48)

18.8 カタレプシー惹起作用

マウス及びラットにおけるアポモルヒネ誘発常同行動抑制作用に対するカタレプシー惹起作用のED50値の用量比は、クロルプロマジン及びハロペリドールより大きかった。43)

18.9 血中プロラクチン濃度を調節する下垂体前葉ドパミンD2受容体に対する作用

ラット下垂体前葉ドパミンD2受容体に対して部分アゴニストとして作用した(in vitro)。42)

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

健康成人20例にアリピプラゾール6mgを空腹時単回経口投与した時、最終相半減期は約61時間であった(表16-1)。3)

投与量 tmax (hr) Cmax (ng/mL) t1/2 (hr) AUC168hr (ng・hr/mL)
6mg錠×1錠 3.6±2.5 30.96±5.39 61.03±19.59 1,692.9±431.7
(平均値±標準偏差、20例)
  1. 16.1.2 反復投与

健康成人15例にアリピプラゾール3mgを食後1日1回14日間反復投与した時、アリピプラゾールの血漿中濃度は投与14日までに定常状態に到達し、反復投与後の消失半減期は約65時間であった(表16-2)。4),5)

化合物 tmax (hr) Cmax (ng/mL) t1/2 (hr) AUC24hr (ng・hr/mL)
投 与 1日目 未変化体 3.7±1.3 12.00±7.96 - 159.0±95.1
主代謝物 (OPC-14857a)) 18.4±8.6b) 0.63±0.63 - 8.2±8.2
投 与 14日目 未変化体 4.2±3.4 44.26±29.28 64.59±15.39 678.0±413.0c)
主代謝物 (OPC-14857a)) 6.2±6.7 10.88±6.42 110.23±64.94 185.7±93.4c)
(-:算出せず、平均値±標準偏差、15例) a) 活性代謝物、b) 9例、c) 投与間隔間のAUC
  1. 16.1.3 生物学的同等性試験
  • 〈アリピプラゾール錠1mg「トーワ」〉

アリピプラゾール錠1mg「トーワ」とエビリファイ錠1mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アリピプラゾールとして1mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。6)

血漿中濃度推移

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC72hr (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) tmax (hr) t1/2 (hr)
アリピプラゾール錠1mg「トーワ」 155.2±37.5 4.250±0.966 3.70±1.26 57.2±18.8
エビリファイ錠1mg 153.9±39.6 4.240±1.035 3.35±1.35 57.7±15.4
(平均値±標準偏差、20例)血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
  • 〈アリピプラゾール錠3mg「トーワ」〉

アリピプラゾール錠3mg「トーワ」とエビリファイ錠3mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アリピプラゾールとして3mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。7)

血漿中濃度推移

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC72hr (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) tmax (hr) t1/2 (hr)
アリピプラゾール 錠3mg「トーワ」 544.6±124.1 18.77±4.18 2.13±1.30 53.9±18.3
エビリファイ錠3mg 545.1±108.0 18.70±3.78 2.13±1.25 56.8±18.6
(平均値±標準偏差、15例)血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
  • 〈アリピプラゾール散1%「トーワ」〉

アリピプラゾール散1%「トーワ」とエビリファイ散1%を、クロスオーバー法によりそれぞれ0.3g(アリピプラゾールとして3mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。7)

血漿中濃度推移

製剤投与量 (アリピプラゾール として) 判定パラメータ 参考パラメータ
AUC72hr (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) tmax (hr) t1/2 (hr)
アリピプラゾール散1%「トーワ」 0.3g (3mg) 575.2±195.9 21.89±5.94 2.00±1.32 45.59±11.91
エビリファイ散1% 0.3g (3mg) 562.4±151.2 21.17±4.64 1.50±0.63 47.93±12.85
(平均値±標準偏差、16例)血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

  1. 16.2.1 食事の影響

健康成人にアリピプラゾール3mgを空腹時又は食後に単回経口投与した時、アリピプラゾールのCmax及びAUCに及ぼす食事の影響は認められなかった。8)

  1. 16.2.2 絶対的バイオアベイラビリティ

健康成人におけるアリピプラゾール経口投与時の絶対的バイオアベイラビリティは87%であった(外国人データ)。9)

16.3 分布

  1. 16.3.1 分布容積

健康成人における1日1回アリピプラゾール3mg反復経口投与時の分布容積は8.86L/kgであった。外国の健康成人におけるアリピプラゾール2mg静脈内投与時の分布容積は4.94L/kgであった。4),10)

  1. 16.3.2 血清蛋白結合率

未変化体の血清蛋白結合率は99%以上で、主としてアルブミンと結合し、蛋白結合においてワルファリンとの結合置換は生じない。また、主代謝物であるOPC-14857の血清蛋白結合率も99%以上である(in vitro、平衡透析法)。11)

16.4 代謝

アリピプラゾールは主に肝臓で代謝され、初回通過効果は少ない。主としてCYP3A4とCYP2D6によって脱水素化と水酸化を受け、またCYP3A4によってN-脱アルキル化を受ける。脱水素体(OPC-14857)が血漿中における主代謝物である。OPC-14857はアリピプラゾール(未変化体)と同様の代謝酵素及び代謝経路によって代謝される。定常状態(投与14日目)では未変化体に対するOPC-14857のAUCの割合は約27%である。4),5)

16.5 排泄

健康成人に14C標識アリピプラゾール20mgを経口投与した時、投与放射能の約27%及び60%がそれぞれ尿中及び糞便中に排泄された。未変化体は糞中に約18%排泄され、尿中には検出されなかった(外国人データ)。12)

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

重度の腎機能障害被験者6例(クレアチニンクリアランス<30mL/min)における試験では、腎機能障害による血中薬物動態への影響は少なかった(外国人データ)。13)

  1. 16.6.2 肝機能障害患者

肝機能障害被験者19例(Child-Pugh分類A~C)における試験では、肝機能障害によるクリアランスへの影響は少なかった(外国人データ)。14)

  1. 16.6.3 高齢者

健康高齢者(65歳以上)にアリピプラゾール15mgを単回経口投与した時のクリアランスは、非高齢者(18~64歳)よりも約20%低かった(外国人データ)。15)

  1. 16.6.4 性別・喫煙

健康成人にアリピプラゾール15mgを単回経口投与した時のアリピプラゾールの薬物動態に性差はみられなかった。また、統合失調症患者での母集団解析の結果、喫煙はアリピプラゾールの薬物動態に影響を与える因子ではなかった(外国人データ)。15),16)

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 キニジン

健康成人において、CYP2D6の阻害作用を有するキニジン166mgとアリピプラゾール10mgの併用により、アリピプラゾールのAUCは107%増加した(外国人データ)。17)

  1. 16.7.2 パロキセチン

健康成人において、CYP2D6の阻害作用を有するパロキセチン20mgとアリピプラゾール3mgの併用により、アリピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ39%及び140%増加した。18)

  1. 16.7.3 イトラコナゾール

健康成人において、CYP3A4の阻害作用を有するイトラコナゾール100mgとアリピプラゾール3mgの併用により、アリピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ19%及び48%増加した。19)

  1. 16.7.4 ケトコナゾール

健康成人において、CYP3A4の阻害作用を有するケトコナゾール200mgとアリピプラゾール15mgの併用により、アリピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ37%及び63%増加した(外国人データ)。20)

  1. 16.7.5 カルバマゼピン

統合失調症又は統合失調感情障害患者において、CYP3A4の誘導作用を有するカルバマゼピン400mgとアリピプラゾール30mgの併用投与により、アリピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ68%及び73%低下した(外国人データ)。21)

  1. 16.7.6 活性炭

健康成人において、アリピプラゾール15mg投与1時間後の活性炭50g投与で、アリピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ41%及び51%低下した(外国人データ)。22)

16.8 その他

  • 〈アリピプラゾール錠6mg「トーワ」、アリピプラゾール錠12mg「トーワ」、アリピプラゾール錠24mg「トーワ」〉

アリピプラゾール錠6mg「トーワ」、アリピプラゾール錠12mg「トーワ」及びアリピプラゾール錠24mg「トーワ」は、含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性ガイドラインに基づき、アリピプラゾール錠3mg「トーワ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた。23),24),25)