【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2 高度な肝機能障害患者,

  3. 2.3 フルボキサミンマレイン酸塩を投与中の患者,

効能・効果

不眠症における入眠困難の改善

用法・用量

通常、成人にはラメルテオンとして1回8mgを就寝前に経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1 本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

  2. 8.2 本剤の投与にあたっては、患者に対して生活習慣の改善を指導するとともに、投与開始2週間後を目処に入眠困難に対する有効性及び安全性を評価し、有用性が認められない場合には、投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。またその後も定期的に本剤の有効性及び安全性を評価した上で投与継続の要否を検討すること。,,,

  3. 8.3 本剤の投与により、プロラクチン上昇があらわれることがあるので、月経異常、乳汁漏出又は性欲減退等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 高度の睡眠時無呼吸症候群患者

これらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。

  1. 9.1.2 脳に器質的障害のある患者

これらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 高度な肝機能障害患者

投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。,

  1. 9.3.2 軽度から中等度の肝機能障害患者

本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットによる生殖試験(150mg/kg/日以上)において、胎児の横隔膜ヘルニア、骨格変異等の催奇形性がみられている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットでは乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者においては血中濃度が上昇するおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
プロラクチン上昇注) 頻度不明
めまい 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
悪夢 頻度不明
悪心 1〜5%未満
発疹 1〜5%未満
眠気 1〜5%未満
自殺企図 頻度不明
頭痛 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ラメルテオンは、メラトニンMT1及びMT2受容体に対する高い親和性を有するメラトニン受容体アゴニストであり、ヒトメラトニンMT1及びMT2受容体に対する親和性(Ki値)はそれぞれ14.0pmol/L及び112pmol/L、フォルスコリン誘発cAMP生成反応を指標にしたアゴニスト活性のIC50値はそれぞれ21.2pmol/L及び53.4pmol/Lである31)。ラメルテオンはGABAA受容体をはじめとするGABA、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリン及びアセチルコリンなどの神経伝達物質受容体に対して、10μmol/Lの濃度で検出可能な親和性を示さない31)。

18.2 睡眠に対する作用

カニクイザルの夜間睡眠に対する作用ではラメルテオン0.03mg/kg経口投与で浅いNREM睡眠及び徐波睡眠の潜時を有意に短縮し、総睡眠量を有意に増加させる32)。 ネコの睡眠覚醒に対する作用ではラメルテオン0.001mg/kg経口投与で覚醒時間を短縮し、徐波睡眠時間を有意に増加させる33)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

健康成人(18例)にラメルテオン8mgを空腹時又は食後に単回経口投与したときの未変化体及び主代謝物M-Ⅱの薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)。

AUC0-48 (ng・h/mL) Cmax (ng/mL) Tmax (h) t1/2 (h)
未変化体 空腹時 2.04 ±1.80 1.41 ±1.21 0.75 0.94 ±0.18
食後 2.16 ±1.65 1.19 ±1.11 0.88 1.14 ±0.39
M-Ⅱ 空腹時 184.97 ±69.01 63.04 ±14.63 0.75 1.94 ±0.53
食後 179.18 ±56.38 46.96 ±13.05 1.75 2.02 ±0.45
平均値±標準偏差、ただし、Tmaxは中央値
  1. 16.1.2 反復投与

健康成人(8例)にラメルテオン8mgを夕食3時間後に1日1回7日間経口投与したとき、投与7日目の未変化体のCmax及びAUC0-24は、投与1日目と比較してそれぞれ31%及び16%増加し、未変化体及びM-Ⅱともに血中濃度トラフ値は定量下限未満であった2)。

AUC0-24 (ng・h/mL) Cmax (ng/mL) Tmax (h) t1/2 (h)
未変化体 1日目 2.34 ±1.01 1.39 ±1.05 1.31 ±0.84 1.08 ±0.23
7日目 2.64 ±1.40 1.47 ±1.03 1.09 ±0.38 0.92 ±0.31
M-Ⅱ 1日目 234.79 ±62.20 54.18 ±21.20 1.53 ±0.80 2.26 ±0.42
7日目 229.07 ±66.03 54.15 ±10.53 1.53 ±0.54 2.05 ±0.54
平均値±標準偏差
  1. 16.1.3 生物学的同等性試験

ラメルテオン錠8mg「杏林」とロゼレム錠8mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ラメルテオンとして8mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中主代謝物M-Ⅱ濃度及び血漿中ラメルテオン(未変化体)濃度を測定した。生物学的同等性判定パラメータである血漿中M-ⅡのCmax及びAUC0-12の薬剤間差の90%信頼区間は、生物学的同等性の判定基準log(0.80)~log(1.25)を満たした。また、副次評価対象物である血漿中ラメルテオンのCmax及びAUC0-12の薬剤間差の90%信頼区間は、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であった。 以上より、ラメルテオン錠8mg「杏林」とロゼレム錠8mgは生物学的に同等であると判断した3)。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-12 (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) Tmax (hr) t1/2 (hr)
ラメルテオン錠8mg「杏林」 209.6 ±64.0 90.4825 ±25.5743 0.71 ±0.22 2.18 ±0.37
ロゼレム錠8mg 207.7 ±61.3 85.5236 ±23.6876 0.82 ±0.35 2.19 ±0.37
(Mean±S.D., n=44)

血漿中主代謝物M-Ⅱの濃度推移

  • 判定パラメータ 参考パラメータ
    AUC0-12 (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) Tmax (hr) t1/2 (hr)
    ラメルテオン錠8mg「杏林」 4.000 ±3.396 4.4492 ±3.6741 0.56 ±0.20 1.19 ±0.25
    ロゼレム錠8mg 5.061 ±9.176 4.0564 ±4.3335 0.67 ±0.26 1.18 ±0.27
    (Mean±S.D., n=44)

血漿中ラメルテオン濃度推移

血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

  1. 16.2.1 食事の影響

健康成人(18例)にラメルテオン8mgを空腹時又は食後に単回経口投与したとき、食後投与では空腹時投与に比べ未変化体のCmaxは16%低下した。また、M-ⅡのCmaxは26%低下、Tmaxは1時間の延長がみられた1)。

16.4 代謝

ラメルテオンは体内で酸化によりM-I、M-Ⅱ、M-Ⅲ、M-Ⅳ、M-Ⅷ及びM-Ⅸに代謝され、M-Ⅷ及びM-Ⅸはさらにグルクロン酸抱合を受ける。未変化体からM-Ⅱへの代謝には主にCYP1A2が寄与し、M-Ⅱの消失にはCYP3A4が寄与していると考えられる4)。 M-ⅡのヒトMT1及びMT2受容体に対する親和性は未変化体の約1/10及び約1/5であり、アゴニスト活性は約1/17及び約1/28である5)。

16.5 排泄

健康成人にラメルテオン8mgを朝絶食下に単回経口投与したとき、尿中には未変化体及びM-Ⅱはほとんど検出されなかった1)。なお、外国健康成人男子に1回16mg注)(標識体)を単回経口投与したとき、グルクロン酸抱合体として84%が尿中に排泄された6)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 高齢者における薬物動態

高齢者にラメルテオン16mg注)を単回経口投与したとき、未変化体のCmax、AUC0-inf及びt1/2は、非高齢者と比べそれぞれ1.3倍、1.9倍及び1.7倍であった。M-ⅡのAUC0-inf及びt1/2は、非高齢者と比べそれぞれ1.3倍、1.4倍、Cmaxはほぼ同様であった7)。

  1. 16.6.2 肝機能障害患者における薬物動態

軽度、中等度の肝障害患者にラメルテオン16mg注)を反復経口投与したとき、未変化体のCmax、AUC0-τ及びt1/2は、健康成人と比べそれぞれ2.5倍、3.6倍及び1.4倍並びに8.4倍、10.7倍及び2.5倍であった。M-ⅡのCmax、AUC0-τ及びt1/2は、健康成人と比べそれぞれ0.9倍、1.3倍及び1.2倍並びに0.8倍、1.0倍及び1.7倍であった。なお、高度の肝障害患者における薬物動態は検討されていない8)(外国人データ)。,,

  1. 16.6.3 腎機能障害患者における薬物動態

軽度、中等度及び高度の腎障害患者、慢性的な血液透析患者にラメルテオン16mg注)を反復経口投与したとき、未変化体及びM-ⅡのCmax、AUC0-τは、健康成人と比べ差はみられなかった。t1/2は、高度の腎障害患者において未変化体、M-Ⅱいずれも健康成人と比べ1.5倍、慢性的な血液透析患者においてM-Ⅱで1.4倍であった9)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 フルボキサミン

健康成人(23例)を対象に、ラメルテオン8mgをフルボキサミン(CYP1A2阻害剤)1日1回200mgの7日間反復経口投与の7日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約2,700%及び8,200%増加し、M-Ⅱでそれぞれ約66%減少、31%増加した。一方、フルボキサミンの薬物動態には併用による影響は認められなかった10)(外国人データ)。,

  1. 16.7.2 フルコナゾール

健康成人(24例)を対象に、ラメルテオン16mg注)をフルコナゾール(CYP2C9阻害剤)4日間反復経口投与(1日目は400mg、その後1日1回200mg)の4日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約144%及び152%、M-Ⅱでそれぞれ約55%及び199%増加した。t1/2は未変化体及びM-Ⅱでそれぞれ33%及び94%延長した11)(外国人データ)。

  1. 16.7.3 ケトコナゾール

健康成人(26例)を対象に、ラメルテオン16mg注)をケトコナゾール(CYP3A4阻害剤)1日2回200mgの4日間反復経口投与の4日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約36%及び84%、M-Ⅱでそれぞれ約23%及び93%増加した。t1/2は未変化体及びM-Ⅱでそれぞれ31%及び52%延長した12)(外国人データ)。

  1. 16.7.4 リファンピシン

健康成人(27例)を対象に、ラメルテオン32mg注)をリファンピシン(CYP誘導剤)1日1回600mgの11日間反復経口投与の11日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約82%及び81%、M-Ⅱでそれぞれ約81%及び89%減少した13)(外国人データ)。

  1. 16.7.5 エタノール

健康成人(21例)を対象に、ラメルテオン32mg注)と同時にエタノール(ADH基質)0.6g/kgを経口投与し、その後10分毎にエタノール0.6g/kgを2回経口投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約43%及び47%増加したが、M-Ⅱの薬物動態には併用による影響は認められなかった。一方、エタノールの薬物動態には併用による影響は認められなかった14)(外国人データ)。

  1. 16.7.6 ドネペジル

健康成人(22例)を対象に、ラメルテオン8mgをドネペジル(CYP2D6基質、CYP3A4基質)1日1回5mgの7日間反復経口投与後、1日1回10mgの16日間反復経口投与の計23日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約87%及び100%増加したが、M-Ⅱの薬物動態には併用による影響は認められなかった。一方、ドネペジルの薬物動態には併用による影響は認められなかった15)(外国人データ)。

  1. 16.7.7 フルオキセチン

健康成人(27例)を対象に、ラメルテオン16mg注)をフルオキセチン(CYP2D6基質及び阻害剤)1日1回40mgの11日間反復経口投与の11日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約40%及び50%、M-Ⅱでそれぞれ約17%及び52%増加した16)(外国人データ)。

  1. 16.7.8 テオフィリン

健康成人(18例)を対象に、ラメルテオン32mg注)とテオフィリン(CYP1A2基質)1日1回300mgを10日間反復経口投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-τは未変化体でそれぞれ約35%及び40%、M-Ⅱでそれぞれ約1%及び12%増加した。一方、テオフィリンの薬物動態には併用による影響は認められなかった17)(外国人データ)。

  1. 16.7.9 ガバペンチン

健康成人(24例)を対象に、ラメルテオン8mgをガバペンチン1回400mgを1日3回7日間反復経口投与の7日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約27%及び14%増加し、M-Ⅱでそれぞれ約22%減少、1%増加した。一方、ガバペンチンの薬物動態には併用による影響は認められなかった18)(外国人データ)。

  1. 16.7.10 ゾルピデム

健康成人(24例)を対象に、ラメルテオン8mgをゾルピデム1日1回10mgの7日間反復経口投与の7日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約3%及び9%増加し、M-Ⅱでそれぞれ約14%減少、0%増加した。一方、ゾルピデム1日1回10mgをラメルテオン8mgの7日間反復経口投与の7日目に併用投与したとき、ゾルピデムのCmax及びAUC0-infはそれぞれ約16%及び2%減少した19)(外国人データ)。

  1. 16.7.11 デキストロメトルファン

健康成人(34例)を対象に、ラメルテオン32mg注)とデキストロメトルファン(CYP2D6基質)30mgを単回経口投与したとき、ラメルテオン及びデキストロメトルファンの薬物動態には併用による影響は認められなかった20)(外国人データ)。

  1. 16.7.12 セルトラリン

健康成人(24例)を対象に、ラメルテオン8mgをセルトラリン(CYP2D6阻害剤)1日1回50mgの13日間反復経口投与の13日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-infは未変化体でそれぞれ約43%及び23%、M-Ⅱでそれぞれ約18%及び2%減少した。一方、セルトラリン1日1回50mgをラメルテオン8mgの13日間反復経口投与の13日目に併用投与したとき、セルトラリンのCmax及びAUC0-infはそれぞれ約15%及び11%増加した21)(外国人データ)。

  1. 16.7.13 オメプラゾール

健康成人(29例)を対象に、ラメルテオン16mg注)とオメプラゾール(CYP1A誘導剤、CYP2C19基質)1日1回40mgを7日間反復経口投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0-τは未変化体でそれぞれ約27%及び33%減少し、M-Ⅱでそれぞれ16%及び29%増加した。一方、オメプラゾールの薬物動態には併用による影響は認められなかった22)(外国人データ)。

  1. 16.7.14 ジゴキシン

健康成人(20例)を対象に、ラメルテオン16mg注)をジゴキシン1日1回0.2mgと11日間反復経口投与したとき、単独投与時と比較してジゴキシンのCmax及びAUC0-τはそれぞれ約9%及び3%減少した23)(外国人データ)。

  1. 16.7.15 ワルファリン

健康成人(22例)を対象に、ラメルテオン16mg注)をワルファリン(CYP1A2基質、CYP2C9基質)1日1回1~15mg(至適用量)と7日間反復経口投与したとき、単独投与時と比較してワルファリンの薬物動態には併用による影響は認められなかった24)(外国人データ)。

  1. 16.7.16 ミダゾラム

健康成人(28例)を対象に、ミダゾラム(CYP3A4基質)1日1回10mgをラメルテオン32mg注)の10日間反復経口投与の10日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してミダゾラムの薬物動態には併用による影響は認められなかった25)(外国人データ)。

注)承認用量は1回8mgである。