von Willebrand病患者における出血傾向の抑制
効能・効果
用法・用量
*本剤を添付の溶解液10mLで溶解し、4mL/分を超えない速度で緩徐に静脈内に注射する。 通常、体重1kg当たり40~80国際単位を投与するが、患者の状態に応じて適宜増減する。
使用上の注意
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8.1 本剤の投与は、止血障害の治療経験をもつ医師のもとで開始すること。
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8.2 患者の血中にVWF又はFⅧに対するインヒビターが発生するおそれがある。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビターの発生を疑い、上昇回収率やインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。
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8.3 インヒビターはアナフィラキシー反応に伴って発生することがある。アナフィラキシー反応の既往歴を有する患者においては、可能な限りインヒビターの有無を評価すること。
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8.4 血栓塞栓症が疑われる場合などには必要に応じ血液凝固系検査(D-ダイマー等)のモニタリングを行うこと。
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8.5 本剤の在宅自己注射は、医師がその妥当性を慎重に検討し、患者又はその家族が適切に使用可能と判断した場合にのみ適用すること。本剤を処方する際には、使用方法等の患者教育を十分に実施した後、在宅にて適切な治療が行えることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、患者又はその家族に対し、本剤の注射により発現する可能性のある副作用等についても十分に説明し、在宅自己注射後に何らかの異常が認められた場合や注射後の止血効果が不十分な場合には、速やかに医療機関へ連絡するよう指導すること。適用後、在宅自己注射の継続が困難な場合には、医師の管理下で慎重に観察するなど、適切な対応を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
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9.1.1 本剤の成分、マウス又はハムスタータンパク質に対し過敏症の既往歴のある患者
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9.1.2 血栓塞栓性事象のリスクのある患者
ADAMTS13注)低値の患者、手術予定患者等では、本剤投与により、血栓塞栓症が起こる可能性がある。, 注)ADAMTS13 (A disintegrin and metalloproteinase with a thrombospondin type 1 motif, number 13):トロンボスポンジン1型モチーフ第13番を有するディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼ
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
*18歳未満のvon Willebrand病患者に対する出血傾向の抑制のための定期的な投与における有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。,
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| そう痒症 | 頻度不明 | — |
| ほてり | 頻度不明 | — |
| 味覚異常 | 頻度不明 | — |
| 嘔吐 | 頻度不明 | — |
| 回転性めまい | 頻度不明 | — |
| 心拍数増加 | 頻度不明 | — |
| 心電図T波逆転 | 頻度不明 | — |
| 悪心 | 頻度不明 | — |
| 注入に伴う反応 | 頻度不明 | — |
| 注入部位異常感覚 | 頻度不明 | — |
| 浮動性めまい | 頻度不明 | — |
| 深部静脈血栓症 | 頻度不明 | — |
| 胸部不快感 | 頻度不明 | — |
| 頭痛 | 頻度不明 | — |
| 頻脈 | 頻度不明 | — |
| 高血圧 | 頻度不明 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本剤の有効成分であるrVWFは損傷を受けた血管内皮下基質(コラーゲンなど)への血小板粘着及び血小板凝集を介して止血を促進し、更に、止血の重要な補因子でありフィブリン塊の形成をもたらすFⅧのキャリアタンパク質として、FⅧを急速なタンパク質分解から保護する9)。
18.2 血小板凝集塊形成に及ぼす影響
In vitro薬理試験において、血小板のローリング凝集塊形成は、超巨大多量体含有rVWFの存在下で促進され、本剤の止血作用はADAMTS13による多量体の切断によって制御されることが示された10)。
18.3 止血効果
VWF欠損イヌにおいて、本剤投与後に出血時間の短縮が示された。VWF欠損マウスの動脈血栓モデル及び尾端出血モデルにおいて、本剤とアドベイトとの併用投与後に、閉塞時間の短縮及び失血量の減少がそれぞれ示された11)。
18.4 rVWFの有効性に及ぼすrADAMTS13の影響
VWF欠損マウスのFeCl3誘発性血栓モデルにおいて、rVWFはin vivoでヒトrADAMTS13によって切断され、rVWFのin vivoでの有効性は、VWFの多量体化の程度による影響を受けることが示唆された11)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1 単回投与
*〈18歳以上〉 von Willebrand病を有する患者(日本人を含む)を対象に、本剤50又は80IU/kgを単回静脈内投与した際のPKパラメータは以下のとおりであった1)。
| 50IU/kg(14例) | 80IU/kg(15例) | |
|---|---|---|
| t1/2 (h) | 22.6±5.34 | 19.1±4.32 |
| CL ([dL/kg]/h) | 0.025±0.005 | 0.029±0.009 |
| Cmax時点のIR ([IU/dL]/[IU/kg]) | 1.9±0.41 | 2.0±0.39 |
| AUC0-inf (IU・h/dL) | 2105.4±427.51 | 2939.0±732.72 |
| 平均値±標準偏差 | ||
*〈18歳未満〉 von Willebrand病を有する患者(非日本人)を対象に本剤50±5IU/kgを単回静脈内投与したときの、母集団薬物動態モデルに基づき推定した年齢群別のPKパラメータは以下のとおりであった2)。
| 6歳未満(5例) | 6歳以上12歳未満(10例) | 12歳以上18歳未満(9例) | 18歳未満全体(24例) | |
|---|---|---|---|---|
| t1/2(h) | 12.4±2.90 | 14.5±1.47 | 15.1±1.50 | 14.3±2.03 |
| CL([dL/kg]/h) | 0.0825±0.0406 | 0.0514±0.0160 | 0.0432±0.0075 | 0.0548±0.0251 |
| Cmax時点のIR ([IU/dL]/[IU/kg]) | 1.25±0.378 | 1.54±0.378 | 1.58±0.225 | 1.49±0.339 |
| AUC0-inf(IU・h/dL) | 1260±654 | 1630±882 | 1600±704 | 1540±757 |
| 平均値±標準偏差 | ||||
- 16.1.2 定期的な投与(定期補充療法)(18歳以上)
071301試験の最終投与後のVWFのPKを検討した。VWF製剤による出血時補充療法歴のある患者(前OD群)又はVWF製剤による定期補充療法歴のある患者(切替え群)について、試験終了時のVWF:RCoの定常状態におけるPKパラメータは以下のとおりであった3)。
| 前OD群(9例) | 切替え群(7例) | |
|---|---|---|
| 投与量(IU/kg) | 41.2~55.5 | 24.4~77.3 |
| Cmax(IU/dL) | 92.6±37.1 | 102.9±44.7 |
| Cmax/Dose ([IU/dL]/[IU/kg]) | 1.9±0.6 | 1.9±0.3 |
| AUC0-96hours(IU・h/dL) | 1561±1298 | 1662±675.0 |
| AUC0-96hours/Dose ([IU・h/dL]/[IU/kg]) | 30.9±23.4 | 27.5±9.7 |
| Cmax時点のIR ([IU/dL]/[IU/kg]) | 1.8±0.5 | 1.9±0.3 |
| 平均値±標準偏差 | ||
16.8 その他
- 16.8.1 内因性FⅧ:C
大手術又は小手術を受ける18歳以上の重度のvon Willebrand病患者に、手術前に本剤50IU/kgを単回静脈内投与した際の内因性FⅧ:Cは、24時間後まで経時的に安定して上昇することが認められた4)。
| 測定時点 | 例数 | FⅧ:C(%) |
|---|---|---|
| 本剤投与前 | 11例 | 20.6 ± 23.65 |
| 投与6時間後 | 11例 | 67.5 ± 18.35 |
| 投与12時間後 | 11例 | 86.9 ± 16.15 |
| 投与24時間後 | 11例 | 90.6 ± 20.17 |
| 投与48時間後 | 11例 | 79.5 ± 21.90 |
| 投与72時間後 | 10例 | 56.5 ± 25.36 |
| 平均値±標準偏差 | ||