血液凝固第Ⅸ因子欠乏患者の出血傾向を抑制する。
効能・効果
用法・用量
本剤を添付の日本薬局方注射用水10mL(200単位製剤)あるいは25mL(500単位製剤)で溶解し、通常1回血液凝固第Ⅸ因子量200~1,200国際単位を静脈内に緩徐に注射する。用量は、年齢・症状に応じ適宜増減する。
使用上の注意
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8.1 本剤の投与又は処方にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、ヒト血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
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8.2 本剤の原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体、抗HIV-2抗体及び抗HTLV-1抗体陰性で、かつALT値でスクリーニングを実施している。さらに、HBV、HCV及びHIVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。その後の製造工程である65℃、96時間の加熱処理及びウイルス除去膜によるろ過処理は、HIVをはじめとする各種ウイルスに対し、不活化・除去作用を有することが確認されているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。
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8.2.1 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。,,
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8.2.2 肝炎ウイルス感染のリスクを完全には否定できないので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
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8.2.3 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
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8.3 患者の血中に血液凝固第Ⅸ因子に対するインヒビターが発生するおそれがある。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビターの発生を疑い、回収率やインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 IgA欠損症の患者
抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある。
- 9.1.2 溶血性・失血性貧血の患者
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。
- 9.1.3 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下している。
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| 悪寒 | 頻度不明 | — |
| 発熱 | 頻度不明 | — |
| 第Ⅸ因子抑制 | 頻度不明 | — |
| 腰痛 | 頻度不明 | — |
| 蕁麻疹等 | 頻度不明 | — |
| 顔面紅潮 | 頻度不明 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本剤の投与により、血友病Bに欠乏している血液凝固第Ⅸ因子を補充し、出血を抑制することができる。
18.2 血液凝固反応
血友病Bに本剤を投与したところ、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は、投与直後から著明な改善(短縮)がみられ、投与48時間後でも有意な短縮を示した1)。
薬物動態
16.1 血中濃度
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16.1.1 血友病B19症例に本剤(平均投与量約1.5mL/kg)を静脈内に単回投与したときの第Ⅰ相及び第Ⅱ相の血中半減期は、平均8.2時間及び20.3時間であった1)。
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16.1.2 血友病B21症例に本剤(平均投与量約1.5mL/kg)を静脈内に単回投与したところ、血液凝固第Ⅸ因子の回収率は平均64.8%であった1)。