【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分にショックの既往歴のある患者

効能・効果

  • 無又は低ガンマグロブリン血症

  • 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の筋力低下の改善

  • 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)

用法・用量

  • 〈無又は低ガンマグロブリン血症〉

通常、1回人免疫グロブリンGとして200~600mg(2~6mL)/kg体重を3~4週間隔で点滴静注又は緩徐に静注する。患者の状態によって適宜増減する。

  • 〈慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の筋力低下の改善〉

通常、成人には1日に人免疫グロブリンGとして400mg(4mL)/kg体重を5日間連日点滴静注する。

  • 〈慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)〉

通常、成人には人免疫グロブリンGとして「1,000mg(10mL)/kg体重を1日」又は「500mg(5mL)/kg体重を2日間連日」を3週間隔で点滴静注する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料等としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。

  2. 8.2 本剤の原料等となる血漿については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体及び抗HIV-2抗体が陰性であることを確認している。さらに、プールした試験血漿については、HIV-1、HBV、HCV及びHAVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。また、ヒトパルボウイルスB19についてもNATによるスクリーニングを実施し、適合した血漿を用いている。 その後の製造工程であるデプスフィルトレーション、pH4処理及びナノフィルトレーションは、HIV、HBV、HCV等のエンベロープを有するウイルス及びエンベロープを有しないHAV、ヒトパルボウイルスB19をはじめとする各種ウイルス除去・不活化効果が確認されているが、投与に際しては、次の点に十分に注意すること。 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。,,

  3. 8.3 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。

  • 〈慢性炎症性脱髄性多発根神経炎〉
  1. 8.4 本剤による慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。

  2. 8.5 「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の筋力低下の改善」の用法及び用量で本剤を反復投与した場合の有効性、安全性は確立していないことに留意すること。

  3. 8.6 「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の運動機能低下の進行抑制」を目的として用いる場合、臨床症状の観察を十分に行い定期的に継続投与の必要性を確認すること。また、継続投与の結果十分な効果が認められず、運動機能低下の再発・再燃等を繰り返す場合には、本剤の継続投与は行わず、他の治療法を考慮すること。

  4. 8.7 「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の運動機能低下の進行抑制」を目的として本剤を継続投与した結果、運動機能低下の再発・再燃が認められなくなった場合には、本剤の減量又は投与中止を考慮すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者

  2. 9.1.2 IgA欠損症の患者

抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある。

  1. 9.1.3 脳・心臓血管障害又はその既往歴のある患者

大量投与による血液粘度の上昇等により脳梗塞又は心筋梗塞等の血栓塞栓症を起こすおそれがある。,,

  1. 9.1.4 血栓塞栓症の危険性の高い患者

適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。大量投与による血液粘度の上昇等により血栓塞栓症を起こすおそれがある。,,

  1. 9.1.5 溶血性・失血性貧血の患者

ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。

  1. 9.1.6 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者

ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。

  1. 9.1.7 心機能の低下している患者

大量投与により、心不全を発症又は悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.8 高プロリン血症1型又は2型の患者

添加剤としてL-プロリンを含有するため、症状を悪化させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 腎障害のある患者

腎機能を悪化させるおそれがある。

  1. 9.2.2 急性腎障害の危険性の高い患者

適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。

9.7 小児等

  • 〈無又は低ガンマグロブリン血症〉
  1. 9.7.1 投与速度に注意するとともに、経過を十分に観察すること。ショック等重篤な副作用を起こすことがある。,

  2. 9.7.2 低出生体重児、新生児、乳児、3歳未満の幼児は臨床試験では除外されている。

  • 〈慢性炎症性脱髄性多発根神経炎〉
  1. 9.7.3 18歳未満の患者は臨床試験では除外されている。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。また、一般に脳・心臓血管障害又はその既往歴のある患者がみられ、血栓塞栓症を起こすおそれがある。,,

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 5%以上
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 5%以上
インフルエンザ様疾患 5%以上
クームス試験陽性 頻度不明
じん麻疹 5%以上
そう痒症 5%以上
ヘマトクリット減少 頻度不明
ヘモグロビン減少 頻度不明
ほてり 5%以上
上咽頭炎 5%以上
下痢 5%以上
低血圧 5%以上
傾眠 頻度不明
充血 頻度不明
副鼻腔炎に伴う頭痛 頻度不明
動悸 5%以上
口腔咽頭水疱形成 頻度不明
呼吸困難 5%以上
呼吸時疼痛 頻度不明
咽喉絞扼感 頻度不明
咽喉頭疼痛 頻度不明
嘔吐 5%以上
四肢痛 頻度不明
回転性めまい 5%以上
好中球数減少 頻度不明
小赤血球症 頻度不明
悪寒 5%以上
悪心 5%以上
振戦 5%以上
斑状丘疹状皮疹 5%以上
末梢血管障害 頻度不明
注入部位不快感 頻度不明
注射部位疼痛 5%以上
浮動性めまい 5%以上
溶血 5%以上
潮紅 頻度不明
無力症 5%以上
片頭痛 5%以上
疲労 5%以上
疼痛 5%以上
発熱 5%以上
発疹 5%以上
白血球減少症 5%以上
皮膚剥脱 頻度不明
皮膚障害 頻度不明
筋力低下 頻度不明
筋痙縮 5%以上
筋肉痛 頻度不明
筋骨格痛 頻度不明
筋骨格硬直 頻度不明
紅斑 頻度不明
緊張性頭痛 頻度不明
背部痛 5%以上
胸痛 5%以上
胸部不快感 頻度不明
腹痛 5%以上
蛋白尿 頻度不明
血中クレアチニン増加 頻度不明
血中乳酸脱水素酵素増加 頻度不明
血小板増加症 頻度不明
血管炎 頻度不明
貧血 頻度不明
赤血球大小不同症 頻度不明
赤血球数減少 頻度不明
過敏症 5%以上
関節痛 5%以上
頚部痛 頻度不明
頭痛(18.4%) 5%以上
頭部不快感 頻度不明
頻脈 頻度不明
顔面痛 頻度不明
高ビリルビン血症 頻度不明
高血圧 5%以上

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤の作用機序は完全には解明されていない。

18.2 抗体活性

本剤に含有されているIgGは適切なFcエフェクター機能及びFab機能を保持しており、本剤は広範囲の細菌、細菌毒素及びウイルス等に対して広いスペクトルの抗体を有している5),6) 。

18.3 脱髄性疾患モデルに対する作用

本剤はラット実験的アレルギー性脳脊髄炎モデルに対して症状の発現及び進行を抑制した6) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  • 〈無又は低ガンマグロブリン血症〉

国内臨床試験1) において、小児及び成人の原発性免疫不全症候群患者10例を対象に本剤を3週間隔又は4週間隔で4ヵ月間静脈内投与した。本剤の最終投与前の血清IgGトラフ値の平均値±標準偏差は、3週間隔投与(2例)で10.0g/L、4週間隔投与(8例)で8.0±3.8g/Lであった。 また、3週間隔投与及び4週間隔投与における血清総IgG濃度推移は以下のとおりであった。

血清総IgG濃度(平均値±標準偏差)の推移:薬物動態解析対象集団

  • 〈慢性炎症性脱髄性多発根神経炎〉

国際共同第III相試験(多施設共同二重盲検試験)2) において、Day 1に導入用量(2g/kg体重)を2~5日間に分割して投与し、その後3週ごとに1g/kg体重の維持用量を投与したところ、Day 1(ベースライン)からDay 5までに血清IgGトラフ値の平均値±標準偏差は12.7±3.2g/L(日本人患者:15.4±3.1g/L)から33.2±6.9g/L(日本人患者:34.3±4.2g/L)まで上昇した。Week 7で、3週ごとに維持用量(1g/kg体重)を1日又は2日かけて投与する維持療法の2回目の投与前に血清IgGトラフ値の平均値±標準偏差は17.7±4.0g/L(日本人患者:18.6±2.6g/L)となり、その後Week 7からWeek 13(日本人患者:Week 10)まで安定的に推移した。