〇根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
〇がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌
本剤を投与する場合には、緊急時に十分対応できる医療機関において、がん化学療法に十分な知識及び経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又は患者の家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
〇根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
〇がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌
| 販売名 | 効能又は効果 | 用法及び用量 |
|---|---|---|
| カボメティクス錠20mg | 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌 | 通常、成人にはカボザンチニブとして 1日1回60mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。 ニボルマブ(遺伝子組換え)と併用する場合は、通常、成人にはカボザンチニブとして 1日1回40mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。 |
| がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌 | 通常、成人にはカボザンチニブとして1日1回60mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。 | |
| カボメティクス錠60mg | 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌 がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌 | 通常、成人にはカボザンチニブとして1日1回60mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。 |
8.1 高血圧があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血圧を測定すること。,
8.2 蛋白尿があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に尿蛋白を観察すること。
8.3 肝不全、肝機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行うこと。なお、主に肝細胞癌患者において肝性脳症が報告されているので、意識障害等の臨床症状を十分に観察すること。
8.4 血清アミラーゼ、血清リパーゼの上昇があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に膵酵素を含む検査を行うこと。
8.5 創傷治癒を遅らせる可能性があるので、外科的処置が予定されている場合には、外科的処置の前に本剤の投与を中断すること。外科的処置後の投与再開は、患者の状態に応じて判断すること。,
8.6 顎骨壊死があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて患者に対して適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に歯科処置が必要になった場合には、できる限り非侵襲的な歯科処置を受けるよう指導すること。また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するよう指導すること。
8.7 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血液学的検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
高血圧が悪化するおそれがある。,
消化管穿孔、瘻孔のおそれがある。
血栓塞栓症が悪化又は再発するおそれがある。
脳出血のおそれがある。
肺出血のおそれがある。
創傷治癒遅延があらわれることがある。,
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)を対象とした臨床試験は実施していない。
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 胚・胎児発生毒性試験において、ラットでは最大臨床用量(60mg/日)におけるカボザンチニブの曝露量(AUC)の0.5倍の曝露量で着床後胚死亡率の増加が認められている。また、ヒトでの相当量は不明であるが、胎児の外表異常(浮腫、口蓋裂、口唇裂、曲尾/痕跡尾、皮膚形成不全)が認められている。ウサギでは、最大臨床用量(60mg/日)におけるカボザンチニブの曝露量(AUC)の0.1倍の曝露量で胎児の内臓異常(肺中葉の矮小化又は欠損、脾臓の小型化)が認められている。
授乳しないことが望ましい。ラットの出生前及び出生後の生殖毒性試験で授乳期に本剤を母動物に投与したとき、出生児の血漿中に本剤が検出されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| アミラーゼ上昇 | 頻度不明 | — |
| ざ瘡様皮膚炎 | 頻度不明 | — |
| リパーゼ上昇 | 頻度不明 | — |
| 下痢(57.2%) | 頻度不明 | — |
| 低アルブミン血症 | 頻度不明 | — |
| 低カリウム血症 | 頻度不明 | — |
| 低カルシウム血症 | 頻度不明 | — |
| 低マグネシウム血症 | 頻度不明 | — |
| 低リン酸血症 | 頻度不明 | — |
| 体重減少 | 頻度不明 | — |
| 便秘 | 頻度不明 | — |
| 口内炎 | 頻度不明 | — |
| 味覚異常 | 頻度不明 | — |
| 嘔吐 | 頻度不明 | — |
| 嚥下障害 | 頻度不明 | — |
| 四肢痛 | 頻度不明 | — |
| 悪心 | 頻度不明 | — |
| 末梢性ニューロパチー | 頻度不明 | — |
| 毛髪変色 | 頻度不明 | — |
| 浮動性めまい | 頻度不明 | — |
| 消化不良 | 頻度不明 | — |
| 無力症 | 頻度不明 | — |
| 甲状腺機能低下症 | 頻度不明 | — |
| 疲労 | 頻度不明 | — |
| 発声障害 | 頻度不明 | — |
| 発疹 | 頻度不明 | — |
| 皮膚乾燥 | 頻度不明 | — |
| 皮膚血管炎 | 1%未満 | — |
| 筋痙縮 | 頻度不明 | — |
| 粘膜の炎症 | 頻度不明 | — |
| 紅斑 | 頻度不明 | — |
| 脱毛 | 頻度不明 | — |
| 脱水 | 頻度不明 | — |
| 腹痛 | 頻度不明 | — |
| 膿瘍 | 1%未満 | — |
| 舌痛 | 1%未満 | — |
| 過角化 | 頻度不明 | — |
| 関節痛 | 頻度不明 | — |
| 頭痛 | 頻度不明 | — |
| 食欲減退 | 頻度不明 | — |
カボザンチニブは、血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR2)、肝細胞増殖因子受容体(MET)、AXL等のキナーゼに対する阻害作用を有する低分子化合物である。カボザンチニブは、VEGFR2等を介したシグナル伝達を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている19)。
日本人固形癌患者に本剤40mg及び60mgを1日1回反復経口投与したときのカボザンチニブの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった。また、本剤60mgを1日1回反復経口投与した際の投与19日目におけるカボザンチニブの蓄積率の幾何平均値は5.07であった2)。
| 用量 (mg) | Day | N | tmax (時間) | Cmax (ng/mL) | AUC24h (h*ng/mL) |
|---|---|---|---|---|---|
| 40 | 1 19 | 3 3 | 4 (2, 4) 2 (2, 2) | 251 (8.3) 1327 (36.8) | 4158 (17.6) 20031 (25.7) |
| 60 | 1 19 | 26 26 | 4 (1, 24) 2 (0, 24) | 459 (39.2) 1969 (28.6) | 7002 (26.2) 35494 (33.3) |
| 幾何平均(%変動係数)[tmaxは中央値(最小値, 最大値)] | |||||
血漿中濃度-時間プロファイル
健康成人47例に空腹時又は食後に本剤(カプセル剤)140mg注)を単回経口投与したとき、食後では空腹時に比べてカボザンチニブのCmax及びAUCinfはそれぞれ41%及び57%増加した3)(外国人データ)。
カボザンチニブの血漿蛋白結合率を検討した結果、検討したすべての濃度(0.2、1.0、10.0 μmol/L)で99.7%以上であった4)(in vitro)。 腎機能障害又は肝機能障害を有する被験者から採取した血液検体を用いて、カボザンチニブの血漿蛋白結合率を投与前の検体及び投与後4時間の検体で評価した。カボザンチニブ血漿中蛋白結合率は投与前及び投与後4時間ともに健康成人、腎機能障害患者、肝機能障害患者で同程度(99.43%~99.86%)であった5),6)(外国人データ)。
カボザンチニブは主に薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される7)(in vitro)。 健康成人8例に14C標識したカボザンチニブ140mg注)を単回経口投与したとき、投与7日後までの血漿中において、主に未変化体、EXEL-1644(6-脱メチル化及びアミド結合加水分解体の硫酸抱合体)及びEXEL-1646(一水酸化及び硫酸抱合体)が認められた(未変化体及び主要代謝物由来の総放射能のAUC168hに対する割合は、それぞれ27.2、32.3及び25.2%)8)(外国人データ)。
健康成人8例に14C標識したカボザンチニブ140mg注)を単回経口投与したとき、投与48日後までに総投与放射能の約81%が回収された(糞中54%、尿中27%)8)(外国人データ)。
本剤(カプセル剤)60mgを軽度腎機能障害患者〔eGFR(mL/min/1.73 m2)が60以上89以下〕10例又は中等度腎機能障害患者〔eGFR(mL/min/1.73m2)が30以上59以下〕10例に投与したとき、腎機能正常被験者10例と比較して、Cmaxの幾何平均値はそれぞれ19%及び3%増加し、AUCinfの幾何平均値はそれぞれ30%及び6%増加した。なお、重度腎機能障害患者〔eGFR(mL/min/1.73m2)が29以下〕に与える影響については検討していない9)(外国人データ)。
本剤(カプセル剤)60mgを軽度肝機能障害患者(Child-Pugh分類A)8例又は中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)8例に単回経口投与したとき、肝機能正常被験者10例と比較して、Cmaxの幾何平均値はそれぞれ10%増加及び29%低下し、AUCinfの幾何平均値はそれぞれ81%及び63%増加した。なお、重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)に与える影響については検討していない9)(外国人データ)。
健康成人28例を対象にCYP3A阻害剤であるケトコナゾール400mgを1日1回27日間反復経口投与時に本剤(カプセル剤)140mg注)を併用投与したとき、カボザンチニブのCmaxに対する影響は認められなかったが、AUCinfは38%増加した10)(外国人データ)。
健康成人28例を対象にCYP3A誘導剤であるリファンピシン600mgを1日1回31日間反復経口投与時に本剤(カプセル剤)140mg注)を併用投与したとき、カボザンチニブのCmaxに対する影響は認められなかったが、AUCinfは77%減少した10)(外国人データ)。
癌患者32例を対象に本剤(カプセル剤)140mg注)を1日1回21日間反復経口投与時にロシグリタゾン4mgを併用投与したとき、ロシグリタゾンのCmax及びAUCinfに対する影響は認められなかった10)(外国人データ)。 健康成人22例を対象にプロトンポンプ阻害剤であるエソメプラゾール40mgを1日1回6日間反復経口投与時に本剤100mg注)を併用投与したとき、カボザンチニブのCmax及びAUCinfに対する影響は認められなかった10)(外国人データ)。 in vitro試験において、CYP3A4の誘導作用及びP-糖蛋白質に対する阻害作用(IC50:7.0μmol/L)が認められた11)。
注)本剤の承認用量は、単独投与の場合は1回60mg、ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用投与の場合は1回40mgである。