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中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
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中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
【警告】
- 〈効能共通〉
- 1.1 肺炎、敗血症、結核等の重篤な感染症が報告されていること及び本剤は疾病を完治させる薬剤でないことを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤の投与において、重篤な副作用があらわれることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師の管理指導のもとで使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。,,,,,
- 〈潰瘍性大腸炎〉
- 1.2 本剤の治療を行う前に、ステロイド又は免疫調節剤等の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識と潰瘍性大腸炎治療の経験をもつ医師が使用すること。
- 〈クローン病〉
- 1.3 本剤の治療を行う前に、栄養療法、ステロイド又は免疫調節剤等の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識とクローン病治療の経験をもつ医師が使用すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはベドリズマブ(遺伝子組換え)として1回108mgを2週間隔で皮下注射する。
使用上の注意
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8.1 本剤はα4β7インテグリンに結合しリンパ球の遊走を阻害するため、感染症に対する免疫能に影響を及ぼす可能性がある。本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の発現や増悪に注意すること。また、患者に対し、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに医師に相談するよう指導すること。,,,,
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8.2 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も、胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに医師に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合には本剤を投与しないこと。,,
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8.3 他のインテグリン拮抗薬であるナタリズマブにおいて進行性多巣性白質脳症(PML)の発現が報告されているため、ナタリズマブを過去に投与された患者に本剤を投与する際はPMLの発現に十分注意すること。また、ナタリズマブを投与されている患者では、本剤との併用を避けること。
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8.4 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、投与方法等について十分な教育訓練を実施したのち、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、適用後、感染症等本剤による副作用が疑われる場合や、自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。ペン又はシリンジの安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みのペン又はシリンジを廃棄する容器を提供すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 感染症の患者又は感染症が疑われる患者
適切な処置と十分な観察が必要である。本剤は免疫反応を減弱する作用を有し、正常な免疫応答に影響を与える可能性がある。,,
- 9.1.2 重度の感染症患者
結核、敗血症、サイトメガロウイルス感染、リステリア症及び日和見感染等の重度の感染症患者については、感染症がコントロールされるまで本剤の投与を開始しないこと。,,
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9.1.3 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者
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(1) 結核の既感染者では、結核を活動化させるおそれがある。
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(2) 結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として本剤の開始前に適切な抗結核薬を投与すること。
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胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
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結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者
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インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者
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結核患者との濃厚接触歴を有する患者 ,,,
9.5 妊婦
**妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の妊婦に対する有益性が胎児への危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(サル)で妊娠期間中にベドリズマブを静脈内投与した母動物の分娩後に乳仔の血清中からベドリズマブが検出された。海外製造販売後レジストリ調査において、妊娠初期(第1三半期)にベドリズマブに曝露された群と妊娠中に他の生物学的製剤に曝露された群で重大な先天異常注1)を有する妊娠の割合に有意な差は認められなかったとの報告がある。
注1)米国疾病予防管理センターの定義に基づく形態的又は機能的に重大な先天異常
9.6 授乳婦
授乳中の女性には、治療上の母親への有益性、母乳栄養の有益性及び哺乳中の児への潜在的な危険性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで乳汁中へのベドリズマブの移行が報告されている1),2)。本剤の哺乳中の児への影響は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした国内臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。一般に生理機能(免疫機能等)が低下していることが多い。
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| インフルエンザ | 1〜5%未満 | — |
| そう痒感等) | 1〜5%未満 | — |
| そう痒症 | 1〜5%未満 | — |
| 上咽頭炎 | 1〜5%未満 | — |
| 上気道感染 | 1〜5%未満 | — |
| 副鼻腔炎 | 1〜5%未満 | — |
| 口腔咽頭痛 | 1〜5%未満 | — |
| 咳嗽 | 1〜5%未満 | — |
| 四肢痛 | 1〜5%未満 | — |
| 悪心 | 1〜5%未満 | — |
| 気管支炎 | 1〜5%未満 | — |
| 注射部位反応(紅斑 | 1〜5%未満 | — |
| 疲労 | 1〜5%未満 | — |
| 発熱 | 1〜5%未満 | — |
| 発疹 | 1〜5%未満 | — |
| 背部痛 | 1〜5%未満 | — |
| 腫脹 | 1〜5%未満 | — |
| 関節痛 | 1〜5%未満 | — |
| 頭痛 | 1〜5%未満 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
α4β7インテグリンはメモリーTリンパ球表面に発現する。α4β7インテグリンは、消化管粘膜の血管内皮細胞表面に発現する粘膜アドレシン細胞接着分子-1(MAdCAM-1)に接着することによって消化管粘膜及び腸管関連リンパ系組織へのリンパ球浸潤を媒介する。ベドリズマブはα4β7インテグリンに特異的に結合し、α4β7インテグリンと主に消化管に発現するMAdCAM-1との結合を阻害する一方で、中枢神経、皮膚等多くの臓器に発現する血管細胞接着分子-1(VCAM-1)との結合は阻害しなかった(in vitro)9)。
18.2 消化管粘膜に対する作用
ベドリズマブのマウス相同抗体であるAct-1はワタボウシタマリン(慢性大腸炎を自然発症するタマリン類のサル)において消化管粘膜へのリンパ球浸潤を阻害し、潰瘍性大腸炎及びクローン病で見られる消化管粘膜の炎症を低減させた10)。
18.3 消化管へのリンパ球浸潤の選択的抑制作用
ベドリズマブはカニクイザルにおいて消化管へのリンパ球浸潤を選択的に抑制した11)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1 単回投与
日本人健康成人に本剤108mgを単回皮下投与した時のベドリズマブの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりであった4)。
日本人健康成人における本剤単回皮下投与時のベドリズマブの血清中濃度推移(算術平均値)
| AUCt (µg·day/mL) | AUC∞ (µg∙day/mL) | Cmax (µg/mL) | tmax (day) | t1/2 (day) |
|---|---|---|---|---|
| 598 (30) | 611 (29) | 16.76 (33) | 7.00 (5.00, 7.00) | 15.4 (20) |
| tmaxは中央値(最小値、最大値)、その他は平均値(CV%)、n=5 | ||||
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16.1.2 反復投与
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(1) 日本人潰瘍性大腸炎患者にベドリズマブ300mgを0、2週に点滴静注し、6週以降に本剤108mgを2週間隔で皮下投与した時の8~46週のベドリズマブの血清中トラフ濃度を以下に示す5)。
| 8週 | 14週 | 22週 | 30週 | 38週 | 46週 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 例数 | 10 | 10 | 10 | 9 | 8 | 8 |
| 血清中トラフ濃度(µg/mL) | 36.86± 11.63 | 38.75± 12.26 | 37.28± 14.87 | 36.33± 18.21 | 36.83± 17.03 | 34.94± 18.73 |
| [算術平均値±標準偏差] | ||||||
- (2) 日本人クローン病患者にベドリズマブ300mgを0、2週に点滴静注し、6週以降に本剤108mgを2週間隔で皮下投与した時の8~46週のベドリズマブの血清中トラフ濃度を以下に示す6)。
| 8週 | 14週 | 22週 | 30週 | 38週 | 46週 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 例数 | 7 | 3 | 3 | 2 | 2 | 2 |
| 血清中トラフ濃度(µg/mL) | 23.73± 8.96 | 27.33± 11.45 | 24.29± 17.82 | 25.40注) | 29.60注) | 41.65注) |
| [算術平均値±標準偏差] 注)2例の算術平均値 | ||||||
16.2 吸収
- 16.2.1 バイオアベイラビリティ
日本人及び外国人の健康成人に本剤108mgを単回皮下投与した時の絶対的バイオアベイラビリティは75.1%であった4)。
16.3 分布
健康成人にベドリズマブ450mgを点滴静注した時注)、脳脊髄液中にベドリズマブは検出されなかった7)(外国人のデータ)。 注)本剤の承認された用法及び用量は1回108mgを2週間隔で皮下投与である。
16.5 排泄
ベドリズマブはヒト化IgG1モノクローナル抗体であることから、内因性の免疫グロブリンの消失経路と同じと推察される。