【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  3. 2.3 アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)

効能・効果

高血圧症

用法・用量

通常、成人にはアジルサルタンとして20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は40mgとする。

使用上の注意

  1. 8.1 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

  2. 8.2 手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.2 高カリウム血症の患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。高カリウム血症を増悪させるおそれがある。 また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。

  1. 9.1.3 脳血管障害のある患者

過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.4 厳重な減塩療法中の患者

低用量から投与を開始するなど、慎重に投与すること。急激な血圧の低下を起こすおそれがある。

  1. 9.1.5 薬剤過敏症の既往歴のある患者

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重篤な腎機能障害(eGFR 15mL/min/1.73m2未満)のある患者

低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うなど慎重に投与すること。腎機能を悪化させるおそれがある。血中濃度の上昇が認められた。

  1. 9.2.2 血液透析中の患者

低用量から投与を開始するなど、慎重に投与すること。急激な血圧の低下を起こすおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類スコア:7~9)で血中濃度の上昇が報告されている。臨床試験では、高度な肝機能障害患者(Child-Pugh分類スコア:10以上)は除外されていた。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1 *妊娠する可能性のある女性

*妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている1),2) 。

*本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること。

  1. (1) *本剤投与開始前に妊娠していないことを確認すること。本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。

  2. (2) *次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。

  • *妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。

  • *妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。

  • *妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。

9.5 妊婦

*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。妊娠中期及び末期にアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。,

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。ラットの周産期及び授乳期に本剤を強制経口投与すると、0.3㎎/㎏/日以上の群で出生児に腎盂拡張が認められ、10㎎/㎏/日以上で体重増加の抑制が認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
ALT 1〜5%未満
ASTの上昇 1〜5%未満
BUN 1〜5%未満
クレアチニンの上昇 1〜5%未満
そう痒 頻度不明
めまい 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
咳嗽 頻度不明
湿疹 頻度不明
発疹 頻度不明
血中CK上昇 1〜5%未満
血中カリウム上昇 1〜5%未満
血中尿酸上昇 1〜5%未満
頭痛 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

アジルサルタンはアンジオテンシンⅡタイプ1(AT1)受容体に結合してアンジオテンシンⅡと拮抗し、主にその強力な血管収縮作用を抑制することによって生ずる末梢血管抵抗の低下により降圧作用を示す23) 。

18.2 AT1受容体に対する阻害作用

ヒトAT1受容体の活性を濃度依存的に阻害し(IC50値:0.62~2.6nmol/L)、AT1受容体からの解離は極めて緩やかであった10)(in vitro)。

18.3 レニン-アンジオテンシン系に及ぼす影響

健康成人(12例)にアジルサルタン20mgを1日1回7日間投与した時、血漿レニン活性、血漿アンジオテンシンⅠ濃度及びアンジオテンシンⅡ濃度の増加が認められた4) 。

18.4 降圧作用

高血圧自然発症ラット(SHR)及び腎性高血圧(2K-1C)イヌにそれぞれ単回投与した時、24時間後まで降圧作用は持続した24) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

健康成人にアジルサルタン20mg(9例)及び40mg(9例)を単回経口投与した時、未変化体の薬物動態学的パラメータは以下のとおりであった3) 。

投与量 Cmax (ng/mL) Tmax (hr) AUC0-inf (ng・hr/mL) T1/2 (hr)
20mg 2,020.1±496.1 1.50(1.0-3.0) 15,475.8±4,413.8 13.2±1.4
40mg 4,707.8±1,048.3 2.50(1.5-3.0) 33,892.0±8,109.3 12.8±1.3
(平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(最小値-最大値))
  1. 16.1.2 反復投与

健康成人にアジルサルタン20mg(12例)及び40mg(12例)を1日1回7日間経口投与した時、未変化体の血漿中濃度は投与開始から4日後までに定常状態に達し、蓄積性はなかった4) 。

  1. 16.1.3 生物学的同等性試験
  • 〈アジルサルタン錠20mg「サンド」〉

アジルサルタン錠20mg「サンド」とアジルバ錠20mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アジルサルタンとして20mg)を健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中アジルサルタン濃度を測定した。得られたアジルサルタンの薬物動態パラメータ(AUCt、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された5) 。

AUC0-48 (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) Tmax (hr) T1/2 (hr)
アジルサルタン錠20mg「サンド」 20,010.897±4,331.587 2,715.909±592.399 2.288±0.920 10.22±1.09
アジルバ錠20mg 20,468.562±4,769.187 2,749.387±582.486 2.299±0.997 10.07±1.21
(Mean±S.D., n=46)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

  • 〈アジルサルタン錠40mg「サンド」〉

アジルサルタン錠40mg「サンド」とアジルバ錠40mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アジルサルタンとして40mg)を健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中アジルサルタン濃度を測定した。得られたアジルサルタンの薬物動態パラメータ(AUCt、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された6) 。

AUC0-48 (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) Tmax (hr) T1/2 (hr)
アジルサルタン錠40mg「サンド」 38,896.064±9,269.424 5,239.314±1,241.811 2.533±1.318 10.01±1.14
アジルバ錠40mg 39,358.679±8,830.638 5,291.825±1,013.710 2.256±0.916 10.16±1.08
(Mean±S.D., n=45)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

健康成人(12例)にアジルサルタン40mgを食後経口投与した時、未変化体のCmax、AUCは絶食下投与した時と比較して、それぞれ3.0%、8.4%減少した7) 。

16.3 分布

[14C]アジルサルタンを0.3、3、30μg/mL濃度でヒト血漿に添加した時、いずれも蛋白結合率は99.5%であった8) (in vitro)。

16.4 代謝

アジルサルタンは脱炭酸により代謝物M-Ⅰに、また、CYP2C9により代謝物M-Ⅱに代謝される。なお、M-Ⅰ及びM-ⅡのAT1受容体の阻害作用は未変化体の約1/1,000であった9),10) (in vitro)。 アジルサルタンはCYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4を阻害せず、CYP3Aを誘導しなかった9) (in vitro)。

16.5 排泄

健康成人にアジルサルタン20mg(12例)及び40mg(12例)を1日1回7日間反復経口投与した時、初回投与から168時間までの未変化体の累積尿中排泄率はそれぞれ15.1%、14.6%であった4) 。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

成人の腎機能の程度が異なる高血圧症患者(eGFR注1) が15~30未満の重度腎機能障害者4例、30~60未満の中等度腎機能障害者10例、60以上の正常~軽度腎機能障害者8例)にアジルサルタン20mgを1日1回7日間反復経口投与した時、成人の正常~軽度腎機能障害者と比較して中等度腎機能障害者のCmax、AUCはそれぞれ17.3%、16.7%増加し、重度腎機能障害者のCmax、AUCはそれぞれ8.9%、39.3%増加した11) 。 また、成人の腎機能障害を伴う高血圧症患者を対象とした試験において、中等度腎機能障害者(22例)と比較して重度腎機能障害者(19例)のトラフ時血漿中薬物濃度は35.1~61.3%増加し、重篤な腎機能障害者(eGFR注1) が15未満)(4例)のトラフ時血漿中薬物濃度は51.0~91.9%増加した12) 。

注1)男性のeGFR(mL/min/1.73m2)=194×Cr-1.094×Age-0.287 女性のeGFR(mL/min/1.73m2)=194×Cr-1.094×Age-0.287×0.739

  1. 16.6.2 肝機能障害患者

成人の軽度~中等度肝機能障害者(Child-Pugh注2) スコアが5~6の軽度肝機能障害者8例、7~9の中等度肝機能障害者8例、計16例)及び健康成人(16例)にアジルサルタンメドキソミル注3) として40mgを5日間反復経口投与した時、健康成人と比較して軽度肝機能障害者のCmaxは7.7%減少、AUCは27.9%増加、中等度肝機能障害者のCmax、AUCはそれぞれ17.9%、64.4%増加した13) (外国人データ)。

注2)ビリルビン、アルブミン、PT又はINR、肝性脳症、腹水症の状態からスコア化する分類

注3)アジルサルタンのプロドラッグ体(国内未承認)

  1. 16.6.3 高齢者

健康な高齢者(65歳以上85歳以下、24例)及び非高齢者(18歳以上45歳以下、24例)にアジルサルタン40mgを1日1回5日間反復経口投与した時、高齢者のCmax、AUC(初回投与から8日目)は、非高齢者と比較してそれぞれ15.6%、9.0%減少した14) (外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 フルコナゾール

健康成人(18例)にフルコナゾール(CYP2C9阻害剤)200mgを1日1回7日間反復投与及びアジルサルタン40mgを単回経口併用投与(フルコナゾール投与7日目)した時、アジルサルタンのCmax、AUCは、単独投与時と比較してそれぞれ14.1%、42.1%増加した15) (外国人データ)。

16.8 その他

  • 〈アジルサルタン錠10mg「サンド」〉

アジルサルタン錠10mg「サンド」は溶出挙動に基づき、アジルサルタン錠20mg「サンド」と生物学的に同等とみなされた16) 。