本態性血小板血症
【警告】
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2 重度の肝機能障害のある患者,
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはアナグレリドとして1回0.5mgを1日2回経口投与より開始する。なお、患者の状態により適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として0.5mgずつ行い、1日4回を超えない範囲で分割して経口投与すること。ただし、1回用量として2.5mgかつ1日用量として10mgを超えないこと。
使用上の注意
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8.1 心障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は、定期的に心機能検査(心エコー、心電図等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。本剤及び本剤の活性代謝物は環状アデノシン一リン酸(cAMP)ホスホジエステラーゼ(PDE)Ⅲの阻害作用を有している。,
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8.2 QT間隔延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は、定期的に心電図検査及び電解質測定を行い、患者の状態を十分に観察すること。必要に応じて、電解質(カルシウム、マグネシウム、カリウム)を補正すること。,
-
8.3 貧血、血小板減少、白血球減少、ヘモグロビン減少、リンパ球減少、好中球減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど十分に観察を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 心疾患又はその既往歴のある患者
心疾患が増悪もしくは再発するおそれがある。,
- 9.1.2 QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者
QT間隔延長が起こるおそれがある。,
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1 重度の腎機能障害患者
血中濃度が上昇するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者
投与しないこと。血中濃度が過度に上昇するおそれがある。,
- 9.3.2 中等度の肝機能障害のある患者
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。血中濃度が上昇するおそれがある。
- 9.3.3 軽度の肝機能障害のある患者
血中濃度が上昇するおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊法を用いるように指導すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットを用いた実験において、ヒトにおける1mg、1日2回投与後のAUC曝露量の約781倍の曝露により妊娠早期における着床阻害、約1,050倍の曝露によりラット胎児の体重減少と骨化遅延が報告されている。また、妊娠及び授乳期ラットに、ヒトにおける1mg、1日2回投与後のAUC曝露量の約624倍の曝露により、分娩の遅延又は阻害、出生児の死亡率増加が認められている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)において、乳汁中移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では、生理機能が低下していることが多い。
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| インフルエンザ様症状 | 頻度不明 | — |
| インポテンス | 頻度不明 | — |
| うつ病 | 頻度不明 | — |
| そう痒症 | 頻度不明 | — |
| 下痢(22.6%) | 頻度不明 | — |
| 不整脈 | 頻度不明 | — |
| 不眠症 | 頻度不明 | — |
| 体重増加 | 頻度不明 | — |
| 体重減少 | 頻度不明 | — |
| 便秘 | 頻度不明 | — |
| 倦怠感 | 頻度不明 | — |
| 健忘 | 頻度不明 | — |
| 傾眠 | 頻度不明 | — |
| 協調運動異常 | 頻度不明 | — |
| 口内乾燥 | 頻度不明 | — |
| 呼吸困難 | 頻度不明 | — |
| 嘔吐 | 頻度不明 | — |
| 大腸炎 | 頻度不明 | — |
| 失神 | 頻度不明 | — |
| 尿細管間質性腎炎 | 頻度不明 | — |
| 悪寒 | 頻度不明 | — |
| 悪心 | 頻度不明 | — |
| 感覚鈍麻 | 頻度不明 | — |
| 末梢性浮腫(22.6%) | 頻度不明 | — |
| 構語障害 | 頻度不明 | — |
| 気管支炎 | 頻度不明 | — |
| 汎血球減少症 | 頻度不明 | — |
| 浮動性めまい | 頻度不明 | — |
| 浮腫 | 頻度不明 | — |
| 消化不良 | 頻度不明 | — |
| 無力症 | 頻度不明 | — |
| 片頭痛 | 頻度不明 | — |
| 疲労 | 頻度不明 | — |
| 疼痛 | 頻度不明 | — |
| 発熱 | 頻度不明 | — |
| 発疹 | 頻度不明 | — |
| 皮膚乾燥 | 頻度不明 | — |
| 知覚過敏 | 頻度不明 | — |
| 神経過敏 | 頻度不明 | — |
| 筋肉痛 | 頻度不明 | — |
| 耳鳴 | 頻度不明 | — |
| 肝機能異常 | 頻度不明 | — |
| 肝炎 | 頻度不明 | — |
| 肝酵素上昇 | 頻度不明 | — |
| 肺浸潤 | 頻度不明 | — |
| 肺炎 | 頻度不明 | — |
| 肺高血圧症 | 頻度不明 | — |
| 胃炎 | 頻度不明 | — |
| 胃腸障害 | 頻度不明 | — |
| 背部痛 | 頻度不明 | — |
| 胸水 | 頻度不明 | — |
| 胸痛 | 頻度不明 | — |
| 脱力感 | 頻度不明 | — |
| 脱毛症 | 頻度不明 | — |
| 腎不全 | 頻度不明 | — |
| 腹痛 | 頻度不明 | — |
| 膵炎 | 頻度不明 | — |
| 色素沈着障害 | 頻度不明 | — |
| 血中クレアチニン増加 | 頻度不明 | — |
| 血管拡張 | 頻度不明 | — |
| 複視 | 頻度不明 | — |
| 視覚異常 | 頻度不明 | — |
| 起立性低血圧 | 頻度不明 | — |
| 錯乱 | 頻度不明 | — |
| 錯感覚 | 頻度不明 | — |
| 関節痛 | 頻度不明 | — |
| 頭痛(43.4%) | 頻度不明 | — |
| 頻尿 | 頻度不明 | — |
| 食欲不振 | 頻度不明 | — |
| 高血圧 | 頻度不明 | — |
| 鼓腸 | 頻度不明 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
アナグレリドの明確な標的分子は不明であるが、血小板を産生する巨核球の形成及び成熟を抑制することにより、血小板数を低下させると考えられる18)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1 単回投与
健康被験者20例に本剤0.5~2mgを絶食下で単回経口投与したとき注)、アナグレリドの薬物動態パラメータは下表のとおりであった2)。投与後、アナグレリドは血漿中から速やかに消失した。0.5mgから2mgの用量範囲で、アナグレリドのCmax及びAUC0-∞は用量比例性を示した。
| 用量 | n | Cmax (ng/mL) | AUC0-∞ (ng・h/mL) | tmax (h) | t1/2 (h) |
|---|---|---|---|---|---|
| 0.5mg | 8 | 2.4±1.5 | 5.7±2.6 | 1.3±0.7 | 1.1±0.2 |
| 1.0mg | 6 | 4.9±2.4 | 12.8±5.4 | 1.3±0.6 | 1.4±0.5 |
| 2.0mg | 6 | 10.5±2.6 | 26.7±4.3 | 1.0±0.5 | 1.1±0.3 |
| 平均±SD | |||||
- 16.1.2 反復投与
日本人の本態性血小板血症患者12例に本剤0.5mg/日で1日1回反復経口投与したとき注)、アナグレリドの薬物動態パラメータは下表のとおりであった3)。アナグレリドの薬物動態パラメータは投与1日目と投与7日目との間で同様であった。
| Cmax (ng/mL) | AUC0-t (ng・h/mL) | tmax (h) | t1/2 (h) | |
|---|---|---|---|---|
| 1日目 | 3.0±1.9 | 8.9±4.5 | 2.6±1.1 | 2.1±1.5 |
| 7日目 | 2.8±1.9 | 7.6±4.1 | 2.9±1.3 | 1.7±0.4 |
| 平均±SD(n=12) | ||||
日本人の本態性血小板血症患者12例に本剤を反復経口投与した試験及び外国人の本態性血小板血症患者17例に本剤を反復経口投与した試験におけるアナグレリドの薬物動態パラメータは下表のとおりであった。なお、国内外の臨床試験では異なる用量が投与されていたことから、用量1mg/日で正規化したCmax及びAUC0-tを用いて検討した。その結果、外国人と比較して、日本人患者において、アナグレリドのCmax及びAUC0-tはそれぞれ50%及び46%高値を示し、また、アナグレリドの活性代謝物3-ヒドロキシアナグレリドのCmax及びAUC0-tはそれぞれ34%及び23%高値を示した3),4)。
| n | アナグレリド | 3-ヒドロキシアナグレリド | |||
|---|---|---|---|---|---|
| Cmax (ng/mL) | AUC0-t (ng・h/mL) | Cmax (ng/mL) | AUC0-t (ng・h/mL) | ||
| 日本人 患者 | 12 | 5.7±3.8 | 15.3±8.2 | 10.9±5.2 | 38.2±12.9 |
| 外国人 患者注) | 17 | 3.8±2.6 | 10.5±10.9 | 8.1±3.6 | 31.1±10.4 |
| 平均±SD 注)2試験併合解析 | |||||
16.2 吸収
- 健康被験者5例に14C-アナグレリド1mgを単回経口投与したマスバランス試験の結果から、本剤経口投与後、少なくとも70%が消化管から吸収されることが示された5)(外国人データ)。
- 16.2.1 食事の影響
健康被験者8例に本剤0.5mgを単回経口投与したとき注)、絶食下投与と比較して、本剤のtmaxは食後投与で2倍以上に延長し、本剤の吸収の遅延が認められた2)。また、絶食下投与と比較して、本剤のCmax及びAUC0-∞は食後投与でそれぞれ44%及び20%低下した。本剤のt1/2に対する食事摂取の影響は認められなかった。
16.3 分布
In vitroにおけるアナグレリド(5~1,000ng/mL)及び活性代謝物である3-ヒドロキシアナグレリド(5~100ng/mL)のヒト血漿蛋白結合率はそれぞれ88.8%~90.5%及び88.1%~91.3%であった6)。
16.4 代謝
アナグレリドは主にCYP1A1及びCYP1A2により代謝され、活性代謝物3-ヒドロキシアナグレリドとなり、この活性代謝物が続いてCYP1A1及びCYP1A2により代謝され、不活性代謝物RL603となる7)(外国人データ)。
16.5 排泄
投与用量の1%未満が尿からアナグレリドとして回収され、投与用量の約3%及び16%~20%がそれぞれ、3-ヒドロキシアナグレリド及びRL603として回収される8)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1 腎機能障害患者
重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス:30mL/分未満)のある被験者に本剤1mgを単回経口投与したとき注)、アナグレリドの薬物動態パラメータは健康成人と同程度であった。また、重度の腎機能障害のある被験者では、3-ヒドロキシアナグレリドのCmaxは健康被験者と同程度であったが、3-ヒドロキシアナグレリドのAUCは57%高値を示した9)(外国人データ)。
- 16.6.2 肝機能障害患者
中等度の肝機能障害(Child Pugh分類B)のある被験者に本剤1mgを単回経口投与したとき注)、アナグレリドのCmax及びAUC(幾何平均)は、健康被験者と比較して、それぞれ2.6及び6.06倍に上昇した。また、中等度の肝機能障害のある被験者では、健康被験者と比較して3-ヒドロキシアナグレリドのCmaxは25%低値を示したが、AUCは77%高値を示した10)(外国人データ)。,,,
16.7 薬物相互作用
健康被験者を対象とした薬物相互作用試験において、アスピリン、ジゴキシン及びワルファリンナトリウムのいずれもアナグレリドの薬物動態に影響を及ぼさないことが示された。同様に、アナグレリドはアスピリン、ジゴキシン又はワルファリンナトリウムの薬物動態に影響を及ぼさないことが示された11),12),13),14)(外国人データ)。
16.8 その他
- 16.8.1 心拍数及びQTc間隔への影響
健康被験者に本剤0.5mg又は2.5mgを単回経口投与したとき注)のプラセボ補正したQTcF(Fridericia補正法)間隔変化の最大平均値(90%信頼区間上限値)は、0.5mg群の投与2時間後で5.0(8.0)msec、2.5mg群の投与1時間後で10.0(12.7)msecであった。なお、2.5mg群の41.7%(25/60例)で脈拍数が100回/分以上を示した15)(外国人データ)。 注)本剤の承認用量は、開始用量は1回0.5mgを1日2回経口投与であり、1回用量2.5mgかつ1日用量10mgを超えない範囲で患者の状態により適宜増減可能である。