【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 小児

  • 〈適応菌種〉

セフカペンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)、アクネ菌

  • 〈適応症〉

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱

  • 成人(嚥下困難等により錠剤の使用が困難な場合)

  • 〈適応菌種〉

セフカペンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)、アクネ菌

  • 〈適応症〉

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、子宮頸管炎、胆嚢炎、胆管炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

用法・用量

  • 〇小児

通常、小児にはセフカペン ピボキシル塩酸塩水和物として1回3mg(力価)/kgを1日3回食後経口投与する。 なお、年齢、体重及び症状に応じて適宜増減する。

  • 〇成人(嚥下困難等により錠剤の使用が困難な場合)

通常、成人にはセフカペン ピボキシル塩酸塩水和物として1回100mg(力価)を1日3回食後経口投与する。 なお、年齢及び症状に応じて適宜増減するが、難治性又は効果不十分と思われる症例には1回150mg(力価)を1日3回食後経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  2. 8.2ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと。

  3. 8.3急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  4. 8.4無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  5. 8.5劇症肝炎等の重篤な肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない。

  1. 9.1.2ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 9.1.3本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者

  3. 9.1.4経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者

観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎不全又は高度の腎障害(成人ではクレアチニンクリアランス40mL/min以下)のある患者

投与量を減らすか、投与間隔をあけて使用すること。血中濃度が持続する。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期にピボキシル基を有する抗生物質を投与された妊婦と、その出生児において低カルニチン血症の発現が報告されている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

  2. 9.7.2カルニチンの低下に注意すること。血清カルニチンが低下する先天性代謝異常であることが判明した場合には投与しないこと。小児(特に乳幼児)においてピボキシル基を有する抗生物質の投与により、低カルニチン血症に伴う低血糖があらわれることがある。

9.8 高齢者

次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

  1. 9.8.1本剤は腎排泄型の薬剤であり、高齢者では一般に生理機能が低下していることが多く、高齢者を対象としたセフカペン ピボキシル塩酸塩錠の薬物動態の検討において、副作用は認められなかったが、健康成人に比べ尿中回収率はやや低く、血中半減期も延長する傾向が認められている。

  2. 9.8.2ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 頻度不明
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
CK上昇 頻度不明
LDH上昇 頻度不明
γ-GTP上昇 頻度不明
アルドラーゼ上昇 頻度不明
カンジダ症 頻度不明
クレアチニン上昇 頻度不明
そう痒感 頻度不明
ビタミンB群欠乏症状(舌炎 頻度不明
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症 頻度不明
ヘマトクリット減少) 頻度不明
ヘモグロビン減少 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
出血傾向等) 頻度不明
口内しびれ感 頻度不明
口内炎 頻度不明
口内炎 頻度不明
口渇 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嘔気 頻度不明
四肢しびれ感 頻度不明
好酸球増多 頻度不明
心悸亢進 頻度不明
浮腫 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
発赤 頻度不明
眠気 頻度不明
神経炎等) 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
紅斑 頻度不明
胃不快感 頻度不明
胃痛 頻度不明
腫脹 頻度不明
腹痛 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
蛋白尿 頻度不明
血小板減少 頻度不明
血尿 頻度不明
貧血(赤血球減少 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛 頻度不明
顆粒球減少 頻度不明
食欲不振 頻度不明
食欲不振 頻度不明
黄疸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

セフカペンは細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を発揮し、その作用は殺菌的である。 黄色ブドウ球菌では致死標的といわれているPBP(ペニシリン結合蛋白)1、2、3のすべてに高い結合親和性を示した。また、大腸菌及びプロテウス・ブルガリスでは隔壁合成に必須な酵素であるPBP3に高い結合親和性を示した11),12)(in vitro試験)。

18.2 抗菌作用

  1. 18.2.1セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物は吸収時に腸管壁のエステラーゼにより加水分解を受け6)、活性体であるセフカペンとして抗菌力を示す13)。

  2. 18.2.2セフカペンは試験管内では好気性及び嫌気性のグラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広い抗菌スペクトルを有する13),14)。 また、ペニシリン耐性肺炎球菌及びアンピシリン耐性インフルエンザ菌に対しても抗菌力を示す11),15)。

  3. 18.2.3セフカペンは試験管内では各種細菌の産生するβ-ラクタマーゼに安定である12),13)。

  4. 18.2.4抗菌作用は試験管内では殺菌的であり、最小殺菌濃度は最小発育阻止濃度とほぼ一致している13)。

薬物動態

16.1 血中濃度

1~7歳の小児患者5例に3mg(力価)/kgを食後単回経口投与したときのセフカペンの血清中濃度を図16-1、薬物動態パラメータを表16-1に示す2)。

投与量
〔mg(力価)/kg〕
例数 Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
AUC0-∞
(μg・hr/mL)
T1/2
(hr)
3 5 1.03±0.48 2.4±1.5 3.99±2.77 1.27±0.65

(測定法:bioassay)(平均値±標準偏差)

16.2 吸収

セフカペン ピボキシル塩酸塩錠を成人に投与したときの吸収は、空腹時に比べ食後投与の方が良好であった3)。

16.3 分布

  1. 16.3.1組織移行

成人にセフカペン ピボキシル塩酸塩錠を投与したとき、喀痰、肺組織、胸水、扁桃組織、中耳分泌液、上顎洞粘膜・貯留液、皮膚組織、胆汁・胆嚢組織、女性性器組織、抜歯創貯留液、口腔内嚢胞壁等への移行は良好であった。 なお、乳汁中への移行は認められなかった4)。

  1. 16.3.2蛋白結合率

セフカペン ピボキシル塩酸塩錠を投与された健康成人での血清蛋白結合率は、血清中濃度1~4μg/mLの範囲で約45%とほぼ一定であった3)。

16.4 代謝

セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物は吸収時に腸管壁のエステラーゼにより加水分解され、抗菌活性体であるセフカペンとピバリン酸及びホルムアルデヒドになる。

16.5 排泄

セフカペンはほとんど代謝されることなく、糸球体ろ過及び尿細管分泌により主として腎から尿中に排泄される5)。小児患者4例に3mg(力価)/kgを食後単回経口投与したときの尿中回収率は0~8時間で約20~30%であった2)。ピバリン酸はカルニチン抱合を受け、ほぼ100%がピバロイルカルニチンとして速やかに尿中に排泄される。ホルムアルデヒドは大部分が二酸化炭素として呼気中に排泄される6),7),8)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

腎機能障害成人患者9例にセフカペン ピボキシル塩酸塩錠150mg(力価)を食後単回経口投与したときの薬物動態パラメータを表16-2に示す。T1/2は、Ccrが40mL/min以上の症例では健康成人の値と大きな差はないが、40mL/min以下及び腎不全患者では腎機能の低下に従い延長し、Cmaxも高値を示し、AUCも増大する傾向を示した9)。

患者
No.
Ccr
(mL/min)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
AUC0-24
(μg・hr/mL)
T1/2
(hr)
1 63.1 1.73 4.00 9.47 1.86
2 57.5 1.54 6.00 10.70 2.42
3 47.7 1.23 6.00 8.41 2.58
4 44.4 1.27 4.00 6.05 1.00
5 44.2 2.98 4.00 14.68 1.99
6 39.0 2.46 4.00 22.75 3.67
7 37.0 2.27 3.00 17.67 3.71
8 <5 2.68 6.00 30.83 7.82
9 <5 3.56 6.00 56.33 14.77

Ccr:クレアチニンクリアランス(測定法:bioassay)

  1. 16.6.2高齢者

73~78歳の高齢患者5例にセフカペン ピボキシル塩酸塩錠100mg(力価)を食後単回経口投与したときのセフカペンの血清中濃度を図16-2、薬物動態パラメータを表16-3に示す。Ccrの程度により、T1/2は延長する傾向を示した10)。

患者
No.
Ccr
(mL/min)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
AUC0-∞
(μg・hr/mL)
T1/2
(hr)
1 76.1 1.35 3.00 5.09 1.19
2 20.0 1.96 2.00 7.95 1.78
3 52.3 1.58 3.00 5.59 0.97
4 32.4 1.67 3.00 6.52 5.21
5 20.0 2.60 3.00 17.17 3.67

(測定法:bioassay)