【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者[本剤の食道通過が遅延することにより、食道局所における副作用発現の危険性が高くなる。]

  2. 2.2 服用時に上体を30分以上起こしていることのできない患者

  3. 2.3 本剤の成分あるいは他のビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

  4. 2.4 低カルシウム血症の患者[血清カルシウム値が低下し低カルシウム血症の症状が悪化するおそれがある。]

  5. 2.5 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

骨粗鬆症

用法・用量

通常、成人にはミノドロン酸水和物として1mgを1日1回、起床時に十分量(約180mL)の水(又はぬるま湯)とともに経口投与する。 なお、服用後少なくとも30分は横にならず、飲食(水を除く)並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。

使用上の注意

  1. 8.1 上部消化管に関する副作用が報告されているので、これらの症状があらわれた場合は、本剤の服用を中止して診察を受けるよう指導すること。

  2. 8.2 患者の食事によるカルシウム、ビタミンDの摂取が不十分な場合は、カルシウム又はビタミンDを補給すること。ただし、カルシウム補給剤及びカルシウム、アルミニウム、マグネシウム含有製剤は、本剤の吸収を妨げることがあるので、服用時刻を変えて服用させること。

  3. 8.3 ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。 本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には本剤の休薬等を考慮すること。 また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。

  4. 8.4 ビスホスホネート系薬剤を使用している患者において、外耳道骨壊死が発現したとの報告がある。これらの報告では、耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛等の症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導すること。

  5. 8.5 ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数カ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 嚥下困難、食道炎、胃炎、十二指腸炎、又は潰瘍等の上部消化管障害がある患者

上部消化管粘膜に対し、刺激作用を示すことがあるので基礎疾患を悪化させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 *重篤な腎障害のある患者

  2. (1) 排泄が遅延するおそれがある。

  3. (2) 国内の医療情報データベースを用いた疫学調査において、骨粗鬆症の治療にビスホスホネート系薬剤を使用した腎機能障害患者のうち、特に、高度な腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)で、腎機能が正常の患者と比較して低カルシウム血症(補正血清カルシウム値が8mg/dL未満)のリスクが増加したとの報告がある1)。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性へは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出される。全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。他のビスホスホネート系薬剤と同様、生殖試験(ラット)において、低カルシウム血症による分娩障害の結果と考えられる母動物の死亡並びに出生率の低下等がみられている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母動物(ラット)へ投与した場合、乳汁中に移行することが示されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
ALT上昇 1%未満
AST上昇 1%未満
BUN上昇 1%未満
CK上昇 1%未満
LDH上昇 1%未満
γ-GTP上昇 1%未満
アルカリホスファターゼ上昇 1%未満
アルカリホスファターゼ減少 1%未満
アレルギー性皮膚炎 1%未満
クレアチニン上昇 1%未満
コレステロール増加 1%未満
しびれ 1%未満
そう痒 1%未満
ビリルビン上昇 1%未満
めまい 1%未満
下痢 1%未満
便秘 1%未満
倦怠感 1%未満
副鼻腔炎 1%未満
単球増加 1%未満
口の錯感覚 頻度不明
口内炎 1%未満
口唇炎 1%未満
口渇 頻度不明
嘔吐 1%未満
四肢痛 頻度不明
坐骨神経痛 1%未満
尿酸上昇 1%未満
悪心 1%未満
歯肉痛 頻度不明
消化不良 1%未満
疼痛 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 1%未満
白血球減少 1%未満
筋・骨格痛(関節痛 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
胃・腹部不快感 1〜5%未満
胃炎 1〜5%未満
背部痛 頻度不明
胸痛 1%未満
脱毛 1%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満 1%未満
膀胱炎 1%未満
血中カルシウム減少 1〜5%未満
血中リン上昇 1%未満
血中リン減少 1%未満
血圧上昇 1%未満
血小板減少 1%未満
赤血球減少 1%未満
逆流性食道炎 1%未満
頭痛 頻度不明
顔面浮腫 頻度不明
食欲不振 1%未満
骨痛等) 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

以下の結果より、ミノドロン酸水和物は破骨細胞内でファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害し、破骨細胞の骨吸収機能を抑制することにより、骨代謝回転を低下させると考えられる。

  • ラットに投与すると破骨細胞に取り込まれる。15)

  • ファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害する(in vitro試験)。15)

  • ウサギ破骨細胞培養系において、破骨細胞数を減少させる(in vitro試験)。16)

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1 骨吸収抑制作用

ウサギ破骨細胞培養系において、骨からのI型コラーゲン架橋C-テロペプチド遊離を抑制する(in vitro試験)。17)

  1. 18.2.2 骨粗鬆症モデル動物における作用

  2. (1) ラット卵巣摘出モデルにおいて、尿中デオキシピリジノリン濃度の上昇を抑制し、骨密度及び骨強度の低下を抑制する。18)

  3. (2) カニクイザル卵巣摘出モデルにおいて、尿中I型コラーゲン架橋N-テロペプチド及びデオキシピリジノリン濃度の上昇を抑制する。また、骨密度及び骨強度の低下を抑制し、骨密度と骨強度には正の相関関係が認められる。19)

  4. (3) ラットステロイド誘発モデルにおいて、尿中デオキシピリジノリン濃度の上昇を抑制し、骨密度及び骨強度の低下を抑制する。20)

  5. (4) ラット不動化モデルにおいて、骨密度の低下を抑制する。20)

  6. 18.2.3 骨石灰化に及ぼす影響

正常ラットにおいて、骨量を増加させる用量の100倍量まで、石灰化障害は認められていない。また、ラット及びカニクイザル卵巣摘出モデルにおいて、類骨幅の増大は認められていない。18),19),21)

  1. 18.2.4 骨折治癒に及ぼす影響

ラット腓骨骨折モデルにおいて、臨床用量の約1.5倍以上の用量で仮骨の吸収を遅延させたが、臨床用量の約15倍の用量まで骨強度の低下は認められていない。21),22)

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

健康高齢男女各10例(65~79歳)及び非高齢男女各10例(20~31歳)にミノドロン酸水和物1mgを空腹時に単回経口投与したとき、高齢・非高齢者とも性差は認められなかった。また、高齢者のCmax、AUC及び投与後24時間までの尿中未変化体排泄率は非高齢者に比べて2.1倍、2.4倍及び2.0倍高く、加齢によりミノドロン酸水和物の吸収率は上昇することが示唆された。2),3)

対象 Tmax (h) Cmax (ng/mL) AUC0-∞ (ng・h/mL) t1/2 (h) 尿中 排泄率(%)
非高齢 男性 1.4±0.6 0.3134±0.2176 1.325±0.845 8.2±3.4 0.40±0.18
非高齢 女性 1.2±0.6 0.2564±0.1186 1.074±0.379 11.5±2.8 0.28±0.09
高齢 男性 1.3±0.5 0.5555±0.2516 2.814±1.196 9.7±1.3 0.74±0.37
高齢 女性 1.2±0.7 0.6512±0.4425 3.051±2.285 9.9±1.9 0.75±0.56
(平均値±標準偏差)
  1. 16.1.2 反復投与

健康成人男性6例にミノドロン酸水和物2mgを1日1回7日間反復投与したときの血漿中未変化体濃度は遅くとも投与7日目に定常状態に到達していると推察された。反復投与7日目のCmax及びAUCは投与初日と比較してそれぞれ1.1倍及び1.3倍であった。4)

(注)本剤の承認された用量は「1mgを1日1回、経口投与する。」である。

  1. 16.1.3 生物学的同等性試験

ミノドロン酸錠1mg「トーワ」とボノテオ錠1mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ミノドロン酸水和物として1mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った。その結果、AUCについては対数値の平均値の差の90%信頼区間がlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、Cmaxについては対数値の平均値の差がlog(0.90)~log(1.11)で、かつ、溶出試験で規定するすべての条件で溶出挙動が類似していた。これより両剤の生物学的同等性が確認された。5)

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-24(ng・h/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(h) t1/2(h)
ミノドロン酸錠1mg「トーワ」 1.266±0.693 0.349±0.242 1.17±0.64 3.24±2.84
ボノテオ錠1mg 1.338±0.659 0.347±0.166 1.20±0.54 2.75±1.20※
(平均値±標準偏差、43例)※:42例血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

健康成人男性29例にミノドロン酸水和物1mgを空腹時に単回経口投与したとき、血漿中濃度は投与後1.2時間で最高に達し、その濃度は0.39ng/mLで、消失半減期は9.7時間であった。また、食前30分投与では空腹時投与に比しCmaxは約0.5倍、AUCは約0.3倍に低下した。6)

投与条件 Tmax (h) Cmax (ng/mL) AUC0-∞ (ng・h/mL) t1/2 (h)
空腹時 1.2±0.7 0.3895±0.1767 1.549±0.682 9.7±3.5
食前30分 0.8±0.3 0.1913±0.1092 0.504±0.310 6.6±5.1
(平均値±標準偏差)

また、健康成人男性12例にミノドロン酸水和物4mgを空腹時、食前1時間又は食後3時間に単回経口投与したとき、AUCは空腹時投与に比べ、食前1時間投与で約0.3倍、食後3時間投与で約0.1倍に低下した。7)

(注)本剤の承認された用量は「1mgを1日1回、経口投与する。」である。

16.3 分布

ヒト血漿蛋白結合率は、14C-ミノドロン酸水和物添加濃度5~500ng/mLにおいて61.2~61.9%であり、この濃度範囲においてほぼ一定であった(in vitro試験、超遠心法)。8)

16.4 代謝

ミノドロン酸水和物をヒト肝及び小腸ミクロソーム中でインキュベートした際、代謝物の生成は認められなかった(in vitro試験)。8) また、CYP発現系において、ヒトのチトクロームP450の分子種(CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4)に対してほとんど阻害活性を示さなかった(in vitro試験)。9)

16.5 排泄

健康高齢・非高齢男女各10例にミノドロン酸水和物1mgを空腹時に単回経口投与したとき、投与後24時間までの尿中未変化体排泄率は非高齢男性で0.40%、非高齢女性で0.28%、高齢男性で0.74%、高齢女性で0.75%であった。2)