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根治切除不能な悪性黒色腫
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根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
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治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌
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切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
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切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫
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根治切除不能な進行・再発の食道癌
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切除不能な肝細胞癌
【警告】
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1.1 本剤は,緊急時に十分対応できる医療施設において,がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し,同意を得てから投与すること。
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1.2 本剤投与により,重篤な下痢,大腸炎,消化管穿孔があらわれることがあり,本剤の投与終了から数ヵ月後に発現し,死亡に至った例も報告されている。投与中だけでなく,投与終了後も観察を十分に行い,異常が認められた場合には,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
- 〈根治切除不能な悪性黒色腫〉
通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回3mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注する。なお,他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は,ニボルマブ(遺伝子組換え)と併用すること。
- 〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌,治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌〉
ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用において,通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注する。
- 〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
他の抗悪性腫瘍剤との併用において,通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kg(体重)を6週間間隔で点滴静注する。
- 〈切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫,根治切除不能な進行・再発の食道癌〉
ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用において,通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kg(体重)を6週間間隔で点滴静注する。
- 〈切除不能な肝細胞癌〉
ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用において,通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回3mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注する。
使用上の注意
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8.1 本剤のT細胞活性化作用により,過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。観察を十分に行い,異常が認められた場合には,過度の免疫反応による副作用の発現を考慮し,適切な鑑別診断を行うこと。過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には,副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮すること。
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8.2 本剤投与終了から数ヵ月後に重篤な副作用(下痢,大腸炎,下垂体機能低下症等)があらわれることがあり,死亡に至った例も報告されているので,本剤投与終了後も観察を十分に行い,異常が認められた場合は,適切な処置を行うこと。
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8.3 肝不全,肝機能障害があらわれることがあるので,定期的に肝機能検査を行い,患者の状態を十分に確認すること。
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8.4 下垂体炎,下垂体機能低下症,甲状腺機能低下症,副腎機能不全があらわれることがあるので,定期的に内分泌機能検査(TSH,遊離T3,遊離T4,ACTH,血中コルチゾール等の測定)を行い,患者の状態を十分に確認すること。また,必要に応じて画像検査等の実施も考慮すること。
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8.5 筋炎があらわれることがあるので,筋力低下,筋肉痛,CK上昇等の観察を十分に行うこと。
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8.6 心筋炎があらわれることがあるので,胸痛,CK上昇,心電図異常等の観察を十分に行うこと。
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8.7 ぶどう膜炎があらわれることがあるので,眼の異常の有無を定期的に確認すること。また,眼の異常が認められた場合には,速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
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8.8 *腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので,血清中電解質濃度測定及び腎機能検査を行うなど,患者の状態を十分に観察すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者
自己免疫疾患が増悪するおそれがある。
- 9.1.2 臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者
本剤の投与により移植臓器に対する拒絶反応が発現するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者
重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には,本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 妊娠中に本剤を投与するか,本剤投与中の患者が妊娠した場合は,本剤投与による催奇形性,流産等が生じる可能性があることについて,患者に十分説明すること。ヒトIgGは胎盤を通過することが報告されており,本剤は胎児へ移行する可能性がある。また,動物実験(サル)で器官形成期から分娩までの投与により,AUC比較で臨床曝露量の約8.3倍に相当する投与量で,泌尿生殖器系の奇形,早産,出生児低体重が認められ,AUC比較で臨床曝露量の約3.1倍に相当する投与量で,流産,死産,出生児の早期死亡等の発現頻度の増加が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(サル)における妊娠期間中の投与で,乳汁中への移行が認められている。また,ヒトIgGはヒト乳汁中に移行するため,本剤も移行する可能性がある1)。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を確認しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| ALP上昇,血中ビリルビン上昇 | 頻度不明 | — |
| そう痒性皮疹,全身性皮疹,斑状丘疹状皮疹,紅斑,全身性そう痒症,尋常性白斑,脱毛症,寝汗 | 頻度不明 | — |
| そう痒症(21.9%),発疹 | 5%以上 | — |
| 低カリウム血症,低ナトリウム血症,低リン酸血症,アルカローシス | 頻度不明 | — |
| 呼吸不全,肺浸潤,肺水腫,アレルギー性鼻炎 | 頻度不明 | — |
| 咳嗽,呼吸困難 | 頻度不明 | — |
| 尿路感染,気道感染 | 頻度不明 | — |
| 性腺機能低下,血中甲状腺刺激ホルモン上昇,血中コルチゾール減少,血中コルチコトロピン減少,血中テストステロン減少,血中プロラクチン異常 | 頻度不明 | — |
| 悪寒,無力症,倦怠感,浮腫,体重減少,インフルエンザ様疾患,局所腫脹,注射部位疼痛,注射部位反応 | 頻度不明 | — |
| 悪心,嘔吐,腹痛 | 5%以上 | — |
| 感染 | 頻度不明 | — |
| 末梢性ニューロパチー,末梢性感覚ニューロパチー,浮動性めまい,嗜眠,失神,構語障害,脳浮腫,脳神経障害,運動失調,振戦,ミオクローヌス,重症筋無力症様症状 | 頻度不明 | — |
| 溶血性貧血,リンパ球減少症,好中球減少症,血小板減少症,好酸球増加症 | 頻度不明 | — |
| 潮紅,低血圧,ほてり | 頻度不明 | — |
| 無月経 | 頻度不明 | — |
| 甲状腺機能亢進症 | 頻度不明 | — |
| 疲労(21.2%),発熱 | 5%以上 | — |
| 皮膚炎,湿疹,蕁麻疹,皮膚剥脱,皮膚乾燥,白血球破砕性血管炎,毛髪変色 | 頻度不明 | — |
| 眼痛,硝子体出血,視力低下,結膜炎,眼の異物感,フォークト・小柳・原田病 | 頻度不明 | — |
| 粘膜の炎症,疼痛,多臓器不全,全身性炎症反応症候群 | 頻度不明 | — |
| 糸球体腎炎,腎尿細管性アシドーシス,血中クレアチニン上昇 | 頻度不明 | — |
| 肝炎,肝腫大,黄疸,γ-GTP上昇 | 頻度不明 | — |
| 胃腸出血,胃食道逆流性疾患,食道炎,腹膜炎,胃腸炎,憩室炎,膵炎,腸炎,胃潰瘍,大腸潰瘍,イレウス,リパーゼ上昇,血中アミラーゼ上昇,口内炎 | 頻度不明 | — |
| 脱水 | 頻度不明 | — |
| 腹部不快感,下腹部痛,便秘,放屁 | 頻度不明 | — |
| 血管炎,血管障害,末梢性虚血,起立性低血圧,不整脈,心房細動 | 頻度不明 | — |
| 貧血 | 頻度不明 | — |
| 錯乱状態,精神状態変化,うつ病,リビドー減退 | 頻度不明 | — |
| 関節炎,筋骨格痛,筋痙縮,リウマチ性多発筋痛 | 頻度不明 | — |
| 関節痛,筋肉痛,背部痛,頚部痛 | 頻度不明 | — |
| 霧視 | 頻度不明 | — |
| 頭痛,味覚異常 | 頻度不明 | — |
| 食欲減退 | 5%以上 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
イピリムマブは細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)に対する抗体であり,CTLA-4とそのリガンドである抗原提示細胞上のB7.1(CD80)及びB7.2(CD86)分子との結合を阻害することにより,活性化T細胞における抑制的調節を遮断し,腫瘍抗原特異的なT細胞の増殖,活性化及び細胞傷害活性の増強により腫瘍増殖を抑制する。また,本薬は,制御性T細胞(Treg)の機能低下及び腫瘍組織におけるTreg数の減少により腫瘍免疫反応を亢進させ,抗腫瘍効果を示すと考えられる。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1 単回投与
根治切除不能な悪性黒色腫患者12例に本剤3mg/kgを投与したときの血漿中濃度から算出した薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移を以下に示す2)(外国人における成績)。
| Cmax (µg/mL)* | 84.5 (38%) |
|---|---|
| AUC(0-21d) (µg∙h/mL)* | 12383 (32%) |
| Tmax(h)** | 1.75 (1.5, 4.0) |
| T-HALF (day)*** | 17.3 (11.0) |
| CL (mL/h)*** | 13.8 (8.1) |
| Vss (L)*** | 5.88 (1.61) |
| :幾何平均値(変動係数),:中央値(最小値, 最大値),**:平均値(標準偏差) | |
図1: 単回投与時の血漿中イピリムマブ濃度推移(平均値+標準偏差)
- 16.1.2 反復投与
日本人根治切除不能な悪性黒色腫患者20例に本剤3mg/kgを3週間間隔で4回点滴静注したときの血清中濃度を以下に示す3)。
| サイクル (測定日) | ピーク濃度 (µg/mL)* | トラフ濃度 (µg/mL)* |
|---|---|---|
| 1 (1日目) | 59.0 (36%) [20] | − |
| 3 (43日目) | 79.0 (27%) [16] | 16.4 (25%) [14] |
| 4 (64日目) | − | 17.5 (31%) [14] |
| *:幾何平均値(変動係数)[例数] | ||