【警告】

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識と経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される患者についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与を開始すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

再発又は難治性の多発性骨髄腫

用法・用量

  • 〈レナリドミド及びデキサメタゾン併用〉

通常、成人には1日1回、本剤を1、2、8、9、15及び16日目に点滴静注し、12日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、12サイクルまで投与を繰り返す。13サイクル以降は、1日1回、1、2、15及び16日目に本剤を点滴静注し、12日間休薬する。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1及び2日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は27mg/m2(体表面積)とし、10分かけて点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。

  • 〈デキサメタゾン併用〉

週2回投与の場合: 通常、成人には1日1回、本剤を1、2、8、9、15及び16日目に点滴静注し、12日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1及び2日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は56mg/m2(体表面積)とし、30分かけて点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。

  • 週1回投与の場合: 通常、成人には1日1回、本剤を1、8及び15日目に点滴静注し、13日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は70mg/m2(体表面積)とし、30分かけて点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。

使用上の注意

  1. 8.1 肝不全、肝機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。

  2. 8.2 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。

  3. 8.3 QT間隔延長があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に心電図検査及び電解質検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて、電解質(カリウム、マグネシウム、リン等)を補正すること。

  4. 8.4 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

  5. 8.5 Infusion reactionがあらわれることがあるので、本剤の投与前にデキサメタゾンの経口又は静脈内投与を考慮すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 心障害を合併している患者又はその既往歴がある患者

症状が悪化又は再発するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者

肝機能障害を有する進行性悪性腫瘍患者を対象に薬物動態を検討する試験が実施され、重度肝機能障害を有する患者は4例組入れられたが、敗血症性ショック(1例)、多臓器不全(1例)、急性肝不全(1例)による死亡、及び急性腎障害による本剤の投与中止(1例)(4例とも本剤との因果関係は否定された)により薬物動態解析のための採血を実施することはできず、重度肝機能障害患者の組入れを中止した。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1 *妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。,

  2. 9.4.2 *男性には、本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠ウサギの器官形成期に臨床用量を下回る用量のカルフィルゾミブ0.8mg/kg(9.6mg/m2)を投与したところ、胚・胎児死亡率の増加及び生存胎児体重の減少が認められた。,

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行は不明である。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
BUN減少 1%未満
CRP増加 1%未満
FDP増加 1%未満
LDH増加 頻度不明
アジソン病 1%未満
アシドーシス 1%未満
アミラーゼ増加 1%未満
インフルエンザ様疾患 1%未満
うつ病 頻度不明
おくび 1%未満
くしゃみ 1%未満
クッシング様症状 頻度不明
サイトカイン放出症候群 1%未満
ざ瘡 1%未満
しゃっくり 頻度不明
ステロイド離脱症候群 1%未満
そう痒症 頻度不明
テタニー 1%未満
びくびく感 1%未満
ほてり 頻度不明
ミオパチー 頻度不明
リビドー亢進 1%未満
リンパ浮腫 1%未満
リンパ球増加 1%未満
リンパ節痛 1%未満
上室性期外収縮 1%未満
下痢 5%以上
下肢静止不能症候群 1%未満
不全対麻痺 1%未満
不安 頻度不明
不快感 1%未満
不眠症(16.2%) 5%以上
中毒性ニューロパチー 1%未満
人格変化 1%未満
低γグロブリン血症 頻度不明
低アルブミン血症 1%未満
低カリウム血症 頻度不明
低カルシウム血症 頻度不明
低ナトリウム血症 1%未満
低マグネシウム血症 頻度不明
低リン酸血症 頻度不明
低蛋白血症 1%未満
低血圧 頻度不明
低血糖症 1%未満
低酸素症 1%未満
体位性めまい 1%未満
体液貯留 頻度不明
体重増加 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 5%以上
便習慣変化 1%未満
倦怠感 頻度不明
傾眠 1%未満
充血 1%未満
免疫不全症 1%未満
全身健康状態低下 1%未満
全身性浮腫 1%未満
全身性皮疹 1%未満
冷汗 1%未満
副腎機能不全 1%未満
勃起不全 1%未満
動悸 頻度不明
単球増加 1%未満
単球減少 1%未満
反射消失 1%未満
口の錯感覚 1%未満
口内乾燥 1%未満
口内炎 頻度不明
口唇乾燥 1%未満
口唇腫脹 1%未満
口腔咽頭痛 1%未満
口腔障害 1%未満
味覚異常 頻度不明
呼吸困難 5%以上
呼気臭 1%未満
咳嗽 頻度不明
咽喉絞扼感 1%未満
唾液腺腫大 1%未満
喀血 1%未満
喘息 1%未満
嗜眠 1%未満
嘔吐 5%以上
嚥下障害 1%未満
四肢不快感 1%未満
四肢痛 頻度不明
回転性めまい 頻度不明
圧痛 1%未満
基底細胞癌 1%未満
変形性関節症 1%未満
変色便 1%未満
変色歯 1%未満
多幸気分 1%未満
多毛症 1%未満
多汗症 頻度不明
多発ニューロパチー 頻度不明
多臓器不全 頻度不明
夜盲 1%未満
大動脈弁石灰化 1%未満
大腸炎 1%未満
大赤血球症 1%未満
失明 1%未満
失神 1%未満
失見当識 1%未満
好中球増加 1%未満
好酸球増加 1%未満
寝汗 1%未満
尿失禁 1%未満
平衡障害 1%未満
徐脈 1%未満
心室性不整脈 1%未満
心室性期外収縮 1%未満
心房粗動 1%未満
心房細動 1%未満
心窩部不快感 1%未満
急性熱性好中球性皮膚症 1%未満
急性胆嚢炎 1%未満
急性骨髄性白血病 1%未満
悪寒 頻度不明
悪心 5%以上
感情障害 1%未満
感覚鈍麻 頻度不明
慢性腎臓病 1%未満
慢性閉塞性肺疾患 1%未満
扁平上皮癌 1%未満
手掌・足底発赤知覚不全症候群 1%未満
挫傷 1%未満
振戦 頻度不明
排尿困難 1%未満
播種性血管内凝固 1%未満
放屁 1%未満
斑状丘疹状皮疹 1%未満
日光角化症 1%未満
早期満腹 1%未満
易刺激性 頻度不明
末梢性ニューロパチー 5%以上
末梢性浮腫 5%以上
末梢腫脹 1%未満
歩行障害 1%未満
歯痛 1%未満
歯肉腫脹 1%未満
毛髪成長異常 1%未満
気分変化 頻度不明
気道の炎症 1%未満
気道潰瘍 1%未満
注射部位反応(炎症 頻度不明
注意力障害 1%未満
流涙増加 1%未満
浮動性めまい 頻度不明
浮腫 頻度不明
消化不良 頻度不明
消化管運動障害 1%未満
温度変化不耐症 1%未満
溢出 1%未満
溶血 1%未満
潮紅 頻度不明
潰瘍 1%未満
激越 頻度不明
灼熱感 1%未満
無力症 5%以上
無嗅覚 1%未満
爪の障害 1%未満
片頭痛 1%未満
甲状腺障害 1%未満
異常感 1%未満
異常感覚 1%未満
異常行動 1%未満
疲労(17.9%) 5%以上
疼痛 1%未満
疼痛 頻度不明
痔核 1%未満
痛風 1%未満
発声障害 頻度不明
発熱 5%以上
発疹 頻度不明
白内障 頻度不明
白血球増加 1%未満
皮膚乾燥 1%未満
皮膚剥脱 1%未満
皮膚変色 1%未満
皮膚炎 1%未満
皮膚血管腫 1%未満
眼乾燥 1%未満
眼刺激 1%未満
眼圧上昇 1%未満
眼瞼浮腫 1%未満
眼瞼炎 1%未満
眼窩浮腫 1%未満
睡眠障害 1%未満
硝子体浮遊物 1%未満
硬結 頻度不明
硬結 1%未満
神経痛 1%未満
神経過敏 1%未満
筋力低下 頻度不明
筋痙縮 5%以上
筋緊張亢進 1%未満
筋肉痛 頻度不明
筋萎縮症 1%未満
筋骨格不快感 1%未満
筋骨格痛 1%未満
筋骨格硬直 1%未満
筋骨格系胸痛 1%未満
粘膜の炎症 1%未満
精神運動亢進 1%未満
精神障害 1%未満
糖尿病 頻度不明
紅斑 頻度不明
紅色症 1%未満
紫斑 1%未満
結腸腺癌 1%未満
網膜剥離 1%未満
緑内障 1%未満
耳鳴 1%未満
肩回旋筋腱板症候群 1%未満
胃炎 頻度不明
胃腸毒性 1%未満
胃腸障害 1%未満
胃食道逆流性疾患 1%未満
胆汁うっ滞 1%未満
背部痛 1%未満
胸水 1%未満
胸痛 頻度不明
胸膜障害 1%未満
胸部不快感 1%未満
脂肪織炎 1%未満
脱毛症 1%未満
脱水 1%未満
脳卒中 1%未満
腎機能障害 1%未満
腫脹 1%未満
腫脹等) 頻度不明
腱障害 1%未満
腹痛 頻度不明
腹部不快感 1%未満
腹部膨満 頻度不明
膵新生物 1%未満
膵炎 1%未満
良性副甲状腺腫瘍 1%未満
落ち着きのなさ 頻度不明
蒼白 1%未満
蕁麻疹 1%未満
薬物不耐性 1%未満
薬物過敏症 1%未満
蛋白尿 1%未満
血中CK増加 1%未満
血中クレアチニン減少 1%未満
血中クロール増加 1%未満
血中コレステロール増加 1%未満
血中テストステロン減少 1%未満
血中リン増加 1%未満
血中リン減少 1%未満
血中重炭酸塩減少 1%未満
血便排泄 1%未満
血小板増加 1%未満
血小板粘着性減少 1%未満
血尿 1%未満
血液量増加症 1%未満
血管痛 1%未満
血管脆弱化 1%未満
血腫 1%未満
視力低下 1%未満
視力障害 頻度不明
視神経乳頭浮腫 1%未満
角膜炎 1%未満
言語障害 1%未満
記憶障害 1%未満
認知障害 1%未満
譫妄 1%未満
躁病 1%未満
転導性 1%未満
錯乱状態 1%未満
錯感覚 頻度不明
間擦疹 1%未満
関節滲出液 1%未満
関節炎 1%未満
関節痛 頻度不明
関節腫脹 1%未満
難聴 1%未満
電解質失調 1%未満
霧視 頻度不明
静脈炎 頻度不明
静脈瘤 1%未満
頚部痛 1%未満
頭痛 5%以上
頻呼吸 1%未満
頻尿 1%未満
頻脈 頻度不明
顔面浮腫 1%未満
顔面腫脹 1%未満
食欲亢進 1%未満
食欲減退 頻度不明
食道炎 1%未満
馬尾症候群 1%未満
骨壊死 1%未満
骨折 1%未満
骨痛 1%未満
骨盤痛 1%未満
骨粗鬆症 1%未満
骨髄球数増加 1%未満
骨髄異形成症候群 1%未満
高カリウム血症 1%未満
高カルシウム血症 1%未満
高ナトリウム血症 1%未満
高リン酸塩血症 1%未満
高尿酸血症 1%未満
高窒素血症 1%未満
高脂血症 1%未満
高血糖 5%以上
鼡径部痛 1%未満
鼻漏 1%未満
鼻閉 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

カルフィルゾミブは、プロテアソームのキモトリプシン様活性を阻害することにより、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導し、腫瘍の増殖を抑制する8),9),10)。

18.2 抗腫瘍効果

  1. 18.2.1 カルフィルゾミブは、in vitro試験において、ヒト多発性骨髄腫由来MM.1S及びRPMI-8226細胞株の増殖を抑制した。また、デキサメタゾンに耐性となったMM.1S及びメルファランに耐性となったRPMI-8226細胞株の増殖を抑制した8),9),10)。

  2. 18.2.2 カルフィルゾミブは、MM.1S細胞株を皮下移植した免疫不全マウスにおいて、腫瘍の増殖を抑制した11)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単独投与

  2. (1) 10分間点滴静注時

日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、カルフィルゾミブ15mg/m2注1)、20mg/m2又は20/27mg/m2を10分かけて点滴静注した注2)ときの1日目と16日目の薬物動態パラメータを以下に示す。また、20mg/m2における1日目と16日目の血漿中濃度推移を以下に示す。血漿中カルフィルゾミブ濃度は点滴静注後速やかに低下し、消失半減期(T1/2)は1時間以内であった。反復投与による蓄積性は認められず、16日目のCmax及びAUClastは用量に比例して増加した1)。

試験日 (日) 投与量 Cmax (ng/mL) AUClast (ng・hr/mL) T1/2 (hr) CL (L/hr) Vss (L)
1 15mg/m2 (n=4) 1010 ±99.0 212 ±40.4 0.571 ±0.139 119 ±33.4 13.3 ±4.64
20mg/m2 (n=13) 1530 ±407 306 ±69.9 0.706 ±0.248 110 ±24.4 11.9 ±4.56
16 15mg/m2 (n=4) 1030 ±453 211 ±81.8 0.484 ±0.0794 132 ±59.2 15.2 ±7.55
20mg/m2 (n=4) 1570 ±125 330 ±64.7 0.424 ±0.169 107 ±28.2 15.1 ±9.65
27mg/m2 (n=6) 2300 ±974 436 ±133 0.659 ±0.172 105 ±26.7 8.50 ±2.95
平均値±標準偏差
  1. (2) 30分間点滴静注時

日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、カルフィルゾミブ20/45mg/m2注1)又は20/56mg/m2を30分かけて点滴静注した注3)ときの1日目と16日目の薬物動態パラメータを以下に示す。また、20mg/m2(1日目)及び56mg/m2(16日目)における血漿中濃度推移を以下に示す。血漿中カルフィルゾミブ濃度は点滴静注後速やかに低下し、消失半減期(T1/2)は1時間以内であった2)。

試験日 (日) 投与量 Cmax (ng/mL) AUClast (ng・hr/mL) T1/2 (hr) CL (L/hr) Vss (L)
1 20mg/m2 (n=7) 856 ±155 369 ±50.1 0.797 ±0.319 88.8 ±11.0 15.7 ±5.41
16 45mg/m2 (n=3) 2070 ±1040 790 ±162 0.784 ±0.119 98.8 ±8.81 20.6 ±2.80
56mg/m2 (n=3) 2110 ±587 1040 ±180 0.892 ±0.132 83.6 ±21.5 13.7 ±6.09
平均値±標準偏差
  1. 16.1.2 レナリドミド及びデキサメタゾンとの併用投与

日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、カルフィルゾミブを1、2日目は20mg/m2、8、9、15、16日目は27mg/m2で1日1回、10分かけて点滴静注し、レナリドミド25mgを1~21日目に経口投与し、デキサメタゾン40mgを1、8、15、22日目に経口又は静脈内投与したとき、カルフィルゾミブの1日目と16日目の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す。薬物動態パラメータの値は単独投与時と同様であった3)。

試験日 (日) 投与量 Cmax (ng/mL) AUClast (ng・hr/mL) T1/2 (hr) CL (L/hr) Vss (L)
1 20mg/m2 (n=11) 1540 ±391 326 ±73.5 0.580 ±0.260 102 ±27.3 10.9 ±4.39
16 27mg/m2 (n=9) 2030 ±282 444 ±56.0 0.740 ±0.272 98.8 ±16.1 11.7 ±5.40
平均値±標準偏差
  1. 16.1.3 デキサメタゾンとの併用投与

日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、カルフィルゾミブを1日目は20mg/m2、8及び15日目は70mg/m2で1日1回、30分かけて点滴静注し、デキサメタゾン40mgを1、8、15、22日目に経口又は静脈内投与したとき、カルフィルゾミブの1日目と15日目の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す2)。

試験日 (日) 投与量 Cmax (ng/mL) AUClast (ng・hr/mL) T1/2 (hr) CL (L/hr) Vss (L)
1 20mg/m2 (n=6) 924 ±452 355 ±120 0.684 ±0.251 101 ±30.1 18.0 ±5.05
15 70mg/m2 (n=5) 2500 ±777 1250 ±285 0.900 ±0.0740 103 ±34.6 14.2 ±4.80
平均値±標準偏差

16.3 分布

カルフィルゾミブのヒト血漿中蛋白結合率は96.9~97.3%、ヒト血液/血漿中濃度比は0.408~0.621であった(in vitro)。

16.4 代謝

カルフィルゾミブの主な代謝経路はエポキシド及びペプチド結合の加水分解であり、CYPの関与は少ない。

16.5 排泄

固形がん患者(15例)にカルフィルゾミブ27mg/m2を点滴静注したとき、未変化体の尿中への排泄は投与量の1%未満であった。投与量の約30%がペプチド結合の開裂した代謝物であるM14及びM15として尿中に排泄された。未変化体及び代謝物の糞中への排泄は1%未満であった(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

  2. (1) 正常腎機能(Ccr:>80mL/分、8例)、軽度腎機能障害(Ccr:50~80mL/分、9例)、中等度腎機能障害(Ccr:30~<50mL/分、5例)、重度腎機能障害(Ccr:<30mL/分、5例)、血液透析が必要な腎機能障害(8例)を有する多発性骨髄腫患者にカルフィルゾミブ15mg/m2 注1)を点滴静注したとき、カルフィルゾミブのCmax及びAUCは腎機能低下の影響を受けなかった。ペプチド結合の開裂した代謝物であるM14及びM15のAUCは腎機能障害の重症度に応じて上昇した(外国人データ)。

  3. (2) 正常腎機能(Ccr:≧75mL/分、13例)、血液透析が必要な腎機能障害(10例)を有する多発性骨髄腫患者にカルフィルゾミブ20mg/m2、27mg/m2又は56mg/m2を30分かけて点滴静注したとき、正常腎機能患者と比較して、血液透析が必要な腎機能障害患者におけるAUClastは約33~40%高値を示したものの、腎機能障害によるAUClastの上昇は概ね変動係数(24.8~143.9%)の範囲内であった。ペプチド結合の開裂した代謝物であるM14及びM15のAUCは腎機能障害患者において上昇した(外国人データ)。

  4. 16.6.2 肝機能障害患者

正常肝機能、軽度、中等度、重度肝機能障害注)を有する進行性悪性腫瘍患者に28日間を1サイクルとし、1サイクル目の1、2日目は20mg/m2、8、9、15及び16日目は27mg/m2、2サイクル目の1、2、8、9、15及び16日目は56mg/m2を30分かけて点滴静注したときの1サイクル目の16日目及び2サイクル目の1日目における薬物動態パラメータを以下に示す。正常肝機能患者と比較して、軽度及び中等度肝機能障害患者におけるAUClastは、それぞれ約40~44及び5.5~23%高値を示したものの、肝機能障害によるAUClastの上昇は概ね変動係数(33.1~100.5%)の範囲内であり、肝機能障害の重症度に応じたAUClastの上昇は認められなかった。なお、重度肝機能障害患者では薬物動態データは得られなかった(外国人データ)。 注)NCI-ODWG(National Cancer Institute - Organ Dysfunction Working Group)基準による分類

試験日 (日) 投与量 肝機能 Cmax (ng/mL) AUClast (ng・hr/mL)
(第1サイクル) 16 27mg/m2 正 常(n=10) 1090± 796 405±164
軽 度(n=14) 1424± 700 584±227
中等度(n=9) 1107± 503 500±170
(第2サイクル) 1 56mg/m2 正 常(n=8) 2055±1029 951±546
軽 度(n=8) 3190±1818 1328±852
中等度(n=5) 2308±1102 1003±470
平均値±標準偏差

16.7 薬物相互作用

カルフィルゾミブはCYP3Aを阻害し、Ki値は1.7μmol/Lであった。その他のCYP分子種(CYP1A2、2C8、2C9、2C19及び2D6)を阻害せず、CYP1A2及び3Aを誘導しなかった(in vitro)。 固形がん患者(17例)にCYP3Aの基質であるミダゾラム2mgとカルフィルゾミブ27mg/m2を併用投与したとき、カルフィルゾミブはミダゾラムの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。

注1)本剤の承認された用法及び用量は、下記の通りである。

  • 〈レナリドミド及びデキサメタゾン併用〉

  • 通常、成人には1日1回、本剤を1、2、8、9、15及び16日目に点滴静注し、12日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、12サイクルまで投与を繰り返す。13サイクル以降は、1日1回、1、2、15及び16日目に本剤を点滴静注し、12日間休薬する。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1及び2日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は27mg/m2(体表面積)とし、10分かけて点滴静注する。

  • 〈デキサメタゾン併用〉

  • 週2回投与の場合: 通常、成人には1日1回、本剤を1、2、8、9、15及び16日目に点滴静注し、12日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1及び2日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は56mg/m2(体表面積)とし、30分かけて点滴静注する。

  • 週1回投与の場合: 通常、成人には1日1回、本剤を1、8 及び15日目に点滴静注し、13日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は70mg/m2(体表面積)とし、30分かけて点滴静注する。

注2)15、20mg/m2は1、2、8、9、15、16日目に15又は20mg/m2を1日1回、10分かけて点滴静注した。20/27mg/m2は1、2日目は20mg/m2、8、9、15、16日目は27mg/m2を1日1回、10分かけて点滴静注した。 注3)20/45、20/56mg/m2は1、2日目は20mg/m2、8、9、15、16日目は45又は56mg/m2を1日1回、30分かけて点滴静注した。