既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
【警告】
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1.1 本剤を投与された患者に,重篤な感染症等があらわれることがある。敗血症,肺炎,真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的な感染症が報告されているため,十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること。また,本剤との関連性は明らかではないが,悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め,これらの情報を患者に十分説明し,患者が理解したことを確認した上で,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また,本剤の投与において,重篤な副作用により,致命的な経過をたどることがあるので,緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師の管理指導のもとで使用し,本剤投与後に副作用が発現した場合には,担当医に連絡するよう患者に注意を与えること。
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1.2 本剤の治療を行う前に,少なくとも1剤の抗リウマチ薬の使用を十分勘案すること。また,本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2 重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
効能・効果
用法・用量
通常,成人には,投与初日に負荷投与としてアバタセプト(遺伝子組換え)点滴静注用製剤の点滴静注を行った後,同日中に本剤125mgの皮下注射を行い,その後,本剤125mgを週1回,皮下注射する。また,本剤125mgの週1回皮下注射から開始することもできる。
使用上の注意
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8.1 抗TNF製剤等の生物製剤から本剤に切り替える際には,感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
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8.2 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。
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8.2.1 本剤投与中は,十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意すること。
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8.2.2 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え,インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い,適宜胸部CT検査等を行うことにより,結核感染の有無を確認すること。また,本剤投与中も,胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し,患者に対し,結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳,発熱等)には速やかに担当医に連絡するよう説明すること。なお,結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと。
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8.2.3 抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。
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8.3 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,悪性腫瘍に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。また,臨床試験において,悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤に起因するか明らかではないが,悪性腫瘍の発現には注意すること。
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8.4 本剤投与中及び投与中止後3ヵ月間は,生ワクチン接種により感染する潜在的リスクがあるので,生ワクチン接種を行わないこと。また,一般に本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤は,予防接種の効果を低下させる可能性がある。
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8.5 本剤投与により既存の乾癬の悪化又は新規発現が惹起される可能性がある。既存の乾癬の悪化及び新規発現に注意し,必要に応じて適切な処置を行うこと。
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8.6 本剤の投与開始にあたっては,医療施設において,必ず医師によるか,医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については,医師がその妥当性を慎重に検討し,十分な教育訓練を実施したのち,本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し,患者自ら確実に投与できることを確認した上で,医師の管理指導のもとで実施すること。また,適用後,感染症等本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には,直ちに自己投与を中止させ,医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。使用済みのシリンジ又はオートインジェクターの安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に,使用済みのシリンジ又はオートインジェクターを廃棄する容器を提供すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者(感染症の再発を繰り返す患者,慢性,潜在性の感染又は局所感染がある患者等)
感染症の発現や増悪に十分注意すること。
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9.1.2 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者
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(1) 結核の既感染者では,結核を活動化させる可能性が否定できない。
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(2) 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には,結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には,原則として抗結核薬を投与した上で,本剤を投与すること。
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胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
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結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者
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インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査などの検査により,既感染が強く疑われる患者
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結核患者との濃厚接触歴を有する患者
- 9.1.3 易感染性の状態にある患者
感染症を誘発するおそれがある。
- 9.1.4 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性,かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い,B型肝炎の再燃の徴候に注意すること。なお,臨床試験では,ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は試験対象から除外された。
- 9.1.5 間質性肺炎の既往歴のある患者
定期的に問診を行うなど,注意すること。間質性肺炎が増悪又は再発することがある。
- 9.1.6 慢性閉塞性肺疾患のある患者
慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現したとの報告がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット及びウサギ)において本薬の胎盤通過性が認められている。また,動物実験では最高投与量(マウスで300mg/kg,ラット及びウサギで200mg/kg)まで催奇形性は認められなかったが,ラットにおいて200mg/kg(ヒトに125mgを皮下投与した場合の全身曝露量(AUC)の25倍のAUC)で雌出生児に自己免疫様の所見が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行については不明である。動物実験(ラット)で本薬の乳汁移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| ALT増加,AST増加,γ–GTP増加,脂肪肝,血中アルカリホスファターゼ増加,胆嚢ポリープ | 1%未満 | — |
| インフルエンザ様疾患,パルボウイルス感染 | 頻度不明 | — |
| ヘルペスウイルス感染,口腔ヘルペス,真菌感染,インフルエンザ | 1%未満 | — |
| 上気道感染(鼻咽頭炎を含む),上気道の炎症, 下気道感染(気管支炎を含む) | 頻度不明 | — |
| 不安 | 頻度不明 | — |
| 単純ヘルペス,創傷感染,水痘 | 1%未満 | — |
| 口内炎 | 頻度不明 | — |
| 咳嗽,鼻炎,副鼻腔炎,鼻漏,口腔咽頭痛,アレルギー性鼻炎 | 1%未満 | — |
| 咽頭絞扼感 | 頻度不明 | — |
| 四肢痛 | 頻度不明 | — |
| 回転性めまい,中耳炎 | 1%未満 | — |
| 尿中白血球陽性,膀胱炎,尿中赤血球陽性,尿中血陽性,BUN増加,尿中ブドウ糖陽性,血中クレアチニン増加,尿中蛋白陽性,腎盂腎炎 | 1%未満 | — |
| 帯状疱疹 | 頻度不明 | — |
| 徐脈,潮紅,頻脈,低血圧,ほてり,上室性期外収縮 | 1%未満 | — |
| 悪心,下痢,胃炎,腹痛,便秘,嘔吐,胃腸炎,齲歯,歯周炎,胃潰瘍,胃ポリープ,腹部不快感,腸炎,感染性腸炎,歯肉炎,逆流性食道炎 | 1%未満 | — |
| 感染性皮膚潰瘍,皮膚乾燥,挫傷発生の増加傾向,多汗症 | 頻度不明 | — |
| 気管支痙攣,咽頭膿瘍,高炭酸ガス血症,鼻閉 | 1%未満 | — |
| 注射部位反応(そう痒感,紅斑,疼痛,丘疹,発疹等) | 1%未満 | — |
| 消化不良,アフタ性口内炎,歯感染,歯周病,舌炎,口唇炎,胃腸出血,歯痛,口腔内潰瘍形成 | 1%未満 | — |
| 無力症,体重増加,胸痛,体重減少,総蛋白減少,胸部不快感,食欲不振 | 1%未満 | — |
| 無月経,月経過多 | 頻度不明 | — |
| 爪真菌症,白癬感染,爪囲炎,蕁麻疹,乾癬 | 1%未満 | — |
| 異常感,倦怠感,発熱,季節性アレルギー,末梢性浮腫,低体温 | 1%未満 | — |
| 疲労 | 頻度不明 | — |
| 発疹(湿疹,痒疹,紅斑を含む) | 頻度不明 | — |
| 白血球増加,リンパ球減少,白血球減少,血小板減少,好中球減少,好酸球増加,貧血,鉄欠乏性貧血 | 1%未満 | — |
| 筋痙縮,背部痛 | 1%未満 | — |
| 結膜炎,眼乾燥,角膜炎,結膜出血 | 1%未満 | — |
| 耳鳴,耳不快感 | 1%未満 | — |
| 胆石症,血中ビリルビン増加,胆管炎 | 1%未満 | — |
| 脱毛症,ざ瘡,皮膚嚢腫,毛包炎,膿皮症,皮下組織膿瘍,発汗障害,白血球破砕性血管炎,爪の障害 | 1%未満 | — |
| 膿尿,頻尿,血尿,排尿困難 | 1%未満 | — |
| 血中カリウム減少,血中ブドウ糖増加,高コレステロール血症 | 1%未満 | — |
| 血圧上昇,血圧低下,高血圧,動悸 | 1%未満 | — |
| 視力低下 | 頻度不明 | — |
| 赤芽球癆 | 頻度不明 | — |
| 錯感覚,うつ病,味覚異常,片頭痛,脳梗塞,脳炎 | 1%未満 | — |
| 関節痛,骨髄炎,細菌性関節炎 | 1%未満 | — |
| 頭痛,浮動性めまい,睡眠障害(不眠症を含む),末梢性ニューロパチー | 1%未満 | — |
| 高脂血症,血中コレステロール増加,糖尿病,血中カリウム増加 | 1%未満 | — |
| 麦粒腫,眼瞼炎,眼痛,細菌性結膜炎 | 1%未満 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
アバタセプトは抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合することでCD28を介した共刺激シグナルを阻害する。その結果,関節リウマチの発症に関与するT細胞の活性化及びサイトカイン産生を抑制し,さらに他の免疫細胞の活性化あるいは関節中の結合組織細胞の活性化によるマトリックスメタロプロテアーゼ,炎症性メディエーターの産生を抑制すると考えられる。
18.2 T細胞活性化抑制作用
アバタセプトはin vitroにおいて抗原特異的なナイーブT細胞及びメモリーT細胞の増殖を減弱させ,IL–2, TNF–α及びIFN–γなどの炎症性サイトカインの産生を抑制した11)。また,コラーゲン誘発関節炎ラットにおいて,病態の進行,抗コラーゲン抗体の産生及び関節破壊を抑制した12)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 関節リウマチ患者28例に投与初日にアバタセプト(遺伝子組換え)点滴静注用製剤の点滴静注(負荷投与)及び本剤125mgの皮下注射を行い,その後,本剤125mgを週1回反復皮下投与したときの定常状態における薬物動態パラメータを表1に示す。本剤の絶対バイオアベイラビリティは78.4%であった5)。本剤125mgを週1回皮下投与したときの定常状態時のトラフ濃度幾何平均値は31〜39µg/mLであった。また,母集団薬物動態解析により推定された消失半減期は13.2日であった6)。
| Cmaxa (µg/mL) | AUCa,b (µg∙h/mL) |
|---|---|
| 43(28) | 5889(30) |
| a 幾何平均値(変動係数%) b 1投与間隔(7日間)における血清中濃度曲線下面積 | |