既存治療で効果不十分な下記疾患
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関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
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多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
1.1 本剤を投与された患者に,重篤な感染症等があらわれることがある。敗血症,肺炎,真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的な感染症が報告されているため,十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること。また,本剤との関連性は明らかではないが,悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め,これらの情報を患者に十分説明し,患者が理解したことを確認した上で,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また,本剤の投与において,重篤な副作用により,致命的な経過をたどることがあるので,緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで投与し,本剤投与後に副作用が発現した場合には,担当医に連絡するよう患者に注意を与えること。
1.2 本剤の治療を行う前に,少なくとも1剤の抗リウマチ薬の使用を十分勘案すること。また,本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の経験をもつ医師が使用すること。
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
既存治療で効果不十分な下記疾患
関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
通常,成人にはアバタセプト(遺伝子組換え)として以下の用量を1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後,2週,4週に投与し,以後4週間の間隔で投与を行うこと。
| 患者の体重 | 投与量 | バイアル数 |
|---|---|---|
| 60kg未満 | 500mg | 2バイアル |
| 60kg以上100kg以下 | 750mg | 3バイアル |
| 100kgを超える | 1g | 4バイアル |
通常,アバタセプト(遺伝子組換え)として1回10mg/kg(体重)を点滴静注する。初回投与後,2週,4週に投与し,以後4週間の間隔で投与を行うこと。 ただし,体重75kg以上100kg以下の場合は1回750mg,体重100kgを超える場合は1回1gを点滴静注すること。
8.1 抗TNF製剤等の生物製剤から本剤に切り替える際には,感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
8.2 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。
8.2.1 本剤投与中は,十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意すること。
8.2.2 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え,インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い,適宜胸部CT検査等を行うことにより,結核感染の有無を確認すること。また,本剤投与中も,胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し,患者に対し,結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳,発熱等)には速やかに担当医に連絡するよう説明すること。なお,結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと。
8.2.3 抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。
8.3 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,悪性腫瘍に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。また,臨床試験において,悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤に起因するか明らかではないが,悪性腫瘍の発現には注意すること。
8.4 本剤投与中及び投与中止後3ヵ月間は,生ワクチン接種により感染する潜在的リスクがあるので,生ワクチン接種を行わないこと。また,一般に本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤は,予防接種の効果を低下させる可能性がある。
8.5 本剤投与により既存の乾癬の悪化又は新規発現が惹起される可能性がある。既存の乾癬の悪化及び新規発現に注意し,必要に応じて適切な処置を行うこと。
感染症の発現や増悪に十分注意すること。
9.1.2 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者
(1) 結核の既感染者では,結核を活動化させる可能性が否定できない。
(2) 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には,結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には,原則として抗結核薬を投与した上で,本剤を投与すること。
胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者
インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査などの検査により,既感染が強く疑われる患者
結核患者との濃厚接触歴を有する患者
感染症を誘発するおそれがある。
患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い,B型肝炎の再燃の徴候に注意すること。なお,臨床試験では,ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は試験対象から除外された。
定期的に問診を行うなど,注意すること。間質性肺炎が増悪又は再発することがある。
慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現したとの報告がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット及びウサギ)において本剤の胎盤通過性が認められている。また,動物実験では最高投与量(マウスで300mg/kg,ラット及びウサギで200mg/kg)まで催奇形性は認められなかったが,投与量200mg/kg(ヒトに10mg/kg投与した場合の全身曝露量(AUC)の11倍のAUC)でラット雌出生児に自己免疫様の所見が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行については不明である。動物実験(ラット)で本剤の乳汁移行が認められている。
9.7.1 本剤投与前に必要なワクチンを接種しておくことが望ましい。
9.7.2 低出生体重児,新生児,乳児及び5歳未満の幼児に投与した国内臨床試験成績は得られていない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与し,適宜減量も考慮すること。一般に生理機能が低下している。
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| ALT増加,AST増加,γ-GTP増加,脂肪肝,血中アルカリホスファターゼ増加,胆嚢ポリープ | 1%未満 | — |
| インフルエンザ様疾患,パルボウイルス感染 | 頻度不明 | — |
| ヘルペスウイルス感染,口腔ヘルペス,真菌感染,インフルエンザ | 1%未満 | — |
| 上気道感染(鼻咽頭炎を含む),上気道の炎症,下気道感染(気管支炎を含む) | 頻度不明 | — |
| 不安 | 頻度不明 | — |
| 単純ヘルペス,創傷感染,水痘 | 1%未満 | — |
| 口内炎 | 頻度不明 | — |
| 咳嗽,鼻炎,副鼻腔炎,鼻漏,口腔咽頭痛,アレルギー性鼻炎 | 1%未満 | — |
| 咽頭絞扼感 | 頻度不明 | — |
| 四肢痛 | 頻度不明 | — |
| 回転性めまい,中耳炎 | 1%未満 | — |
| 尿中白血球陽性,膀胱炎,尿中赤血球陽性,尿中血陽性,BUN増加,尿中ブドウ糖陽性,血中クレアチニン増加,尿中蛋白陽性,腎盂腎炎 | 1%未満 | — |
| 帯状疱疹 | 頻度不明 | — |
| 徐脈,潮紅,頻脈,低血圧,ほてり,上室性期外収縮 | 1%未満 | — |
| 悪心,下痢,胃炎,腹痛,便秘,嘔吐,胃腸炎,齲歯,歯周炎,胃潰瘍,胃ポリープ,腹部不快感,腸炎,感染性腸炎,歯肉炎,逆流性食道炎 | 1%未満 | — |
| 感染性皮膚潰瘍,皮膚乾燥,挫傷発生の増加傾向,多汗症 | 頻度不明 | — |
| 気管支痙攣,咽頭膿瘍,高炭酸ガス血症,鼻閉 | 1%未満 | — |
| 注射部位反応(そう痒感,紅斑,疼痛,丘疹,発疹等) | 1%未満 | — |
| 消化不良,アフタ性口内炎,歯感染,歯周病,舌炎,口唇炎,胃腸出血,歯痛,口腔内潰瘍形成 | 1%未満 | — |
| 無力症,体重増加,胸痛,体重減少,総蛋白減少,胸部不快感,食欲不振 | 1%未満 | — |
| 無月経,月経過多 | 頻度不明 | — |
| 爪真菌症,白癬感染,爪囲炎,蕁麻疹,乾癬 | 1%未満 | — |
| 異常感,倦怠感,発熱,季節性アレルギー,末梢性浮腫,低体温 | 1%未満 | — |
| 疲労 | 頻度不明 | — |
| 発疹(湿疹,痒疹,紅斑を含む) | 頻度不明 | — |
| 白血球増加,リンパ球減少,白血球減少,血小板減少,好中球減少,好酸球増加,貧血,鉄欠乏性貧血 | 1%未満 | — |
| 筋痙縮,背部痛 | 1%未満 | — |
| 結膜炎,眼乾燥,角膜炎,結膜出血 | 1%未満 | — |
| 耳鳴,耳不快感 | 1%未満 | — |
| 胆石症,血中ビリルビン増加,胆管炎 | 1%未満 | — |
| 脱毛症,ざ瘡,皮膚嚢腫,毛包炎,膿皮症,皮下組織膿瘍,発汗障害,白血球破砕性血管炎,爪の障害 | 1%未満 | — |
| 膿尿,頻尿,血尿,排尿困難 | 1%未満 | — |
| 血中カリウム減少,血中ブドウ糖増加,高コレステロール血症 | 1%未満 | — |
| 血圧上昇,血圧低下,高血圧,動悸 | 1%未満 | — |
| 視力低下 | 頻度不明 | — |
| 赤芽球癆 | 頻度不明 | — |
| 錯感覚,うつ病,味覚異常,片頭痛,脳梗塞,脳炎 | 1%未満 | — |
| 関節痛,骨髄炎,細菌性関節炎 | 1%未満 | — |
| 頭痛,浮動性めまい,睡眠障害(不眠症を含む),末梢性ニューロパチー | 1%未満 | — |
| 高脂血症,血中コレステロール増加,糖尿病,血中カリウム増加 | 1%未満 | — |
| 麦粒腫,眼瞼炎,眼痛,細菌性結膜炎 | 1%未満 | — |
アバタセプトは抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合することでCD28を介した共刺激シグナルを阻害する。その結果,関節リウマチの発症に関与するT細胞の活性化及びサイトカイン産生を抑制し,さらに他の免疫細胞の活性化あるいは関節中の結合組織細胞の活性化によるマトリックスメタロプロテアーゼ,炎症性メディエーターの産生を抑制すると考えられる。
アバタセプトはin vitroにおいて抗原特異的なナイーブT細胞及びメモリーT細胞の増殖を減弱させ,IL-2,TNF-α及びIFN-γなどの炎症性サイトカインの産生を抑制した11)。また,コラーゲン誘発関節炎ラットにおいて,病態の進行,抗コラーゲン抗体の産生及び関節破壊を抑制した12)。
関節リウマチ患者に本剤2~16mg/kgを30分かけて単回点滴静注したときの薬物動態パラメータを表1に示す。アバタセプトの薬物動態は線形性を示し,半減期(t1/2)は約10日であった2)。
| 投与量 (mg/kg) | Cmaxa (µg/mL) | AUCa,b (µg·h/mL) | t1/2c (日) | CLc (mL/h/kg) | Vssc (L/kg) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2 (n=6) | 36 (24) | 4509 (36) | 8.8 (3.2) | 0.46 (0.15) | 0.11 (0.02) |
| 8 (n=7) | 161 (14) | 21330 (23) | 9.5 (2.6) | 0.38 (0.09) | 0.10 (0.02) |
| 16 (n=6) | 318 (43) | 46065 (44) | 10.3 (4.5) | 0.37 (0.16) | 0.12 (0.06) |
| a 幾何平均値(変動係数%) b 0時間から無限大時間までの血清中濃度曲線下面積 c 算術平均値(標準偏差) | |||||
初回投与後2及び4週の負荷投与により,アバタセプトの血清中濃度は速やかに定常状態を超える濃度に達し,以後4週間隔の投与開始3回目までに定常状態に到達した2)。また,関節リウマチ患者から得られた血清中濃度データを用いて,母集団薬物動態解析を実施した3)。本剤を承認された用法及び用量で反復点滴静注したときの定常状態時の薬物動態パラメータ推定値を表2に示す。定常状態における各患者(216例)のトラフ濃度(Cmin)推定値の平均値±標準偏差は24±10µg/mLであった。アバタセプトの薬物動態に対する年齢及び性別の影響はみられなかったが,クリアランスの変動要因として体重及び糸球体ろ過率(GFR)が選択された。体重別固定用量により用量を調整した場合,臨床上重要な体重の影響は認められていない。
| 薬物動態パラメータ推定値の算術平均値±標準偏差 | |||
|---|---|---|---|
| CL (mL/h/kg) | AUC (µg·h/mL) | Cmax (µg/mL) | Cmin (µg/mL) |
| 0.30±0.08 | 48475±12631 | 236±43 | 24±10 |
多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者に,本剤を承認された用法及び用量で反復点滴静注したとき,初回投与後2及び4週の負荷投与により,アバタセプトの血清中濃度は速やかに定常状態を超える濃度に達し,以後4週間隔の投与開始2回目までに定常状態に到達した4)。また,日本人を含む関節リウマチ患者及び多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者から得られた血清中濃度データを用いて,母集団薬物動態解析を実施した5)。本剤を承認された用法及び用量で反復点滴静注したときの定常状態における日本人の薬物動態パラメータ推定値(20例)を表3に示す。定常状態におけるCmin推定値の幾何平均値(変動係数%)は14.4µg/mL(33.7%)であった。
| 薬物動態パラメータ推定値の幾何平均値(変動係数%) | |||
|---|---|---|---|
| CL (mL/h/kg) | AUC (µg·h/mL) | Cmax (µg/mL) | Cmin (µg/mL) |
| 0.346 (26.3) | 28837 (23.6) | 168 (17.9) | 14.4 (33.7) |