【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

  • 閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善

  • 後天性の腰部脊柱管狭窄症(SLR試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力の改善

用法・用量

  • 〈閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善〉

通常成人に、リマプロストとして1日30μgを3回に分けて経口投与する。

  • 〈後天性の腰部脊柱管狭窄症(SLR試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力の改善〉

通常成人に、リマプロストとして1日15μgを3回に分けて経口投与する。

使用上の注意

  • 〈後天性の腰部脊柱管狭窄症(SLR試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力の改善〉

症状の経過観察を行い、漫然と継続投与しないこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 出血傾向のある患者

出血を助長するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(妊娠サル、妊娠ラット静脈内投与)で子宮収縮作用が報告されている1)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(授乳ラット経口投与)で乳汁中への移行が報告されている2)。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
AST・ALTの上昇等の肝機能異常 頻度不明
しびれ感 頻度不明
そう痒感等 頻度不明
ほてり 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 頻度不明
下肢多毛 頻度不明
不眠 頻度不明
乳腺腫脹 頻度不明
低血圧 頻度不明
光線過敏症 頻度不明
全身倦怠感 頻度不明
出血 頻度不明
口内炎 頻度不明
口渇 頻度不明
味覚異常 頻度不明
嘔吐 頻度不明
四肢のチアノーゼ 頻度不明
四肢痛 頻度不明
心悸亢進 頻度不明
悪心 頻度不明
浮腫 頻度不明
潮紅 頻度不明
発疹 頻度不明
眠気 頻度不明
胸やけ 頻度不明
胸痛 頻度不明
胸部不快感 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部不快感 頻度不明
腹部膨満感 頻度不明
舌しびれ 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
血小板減少 頻度不明
貧血 頻度不明
身ぶるい 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻脈 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

リマプロスト アルファデクスは強力な血管拡張作用、血流増加作用および血小板凝集抑制作用を有し、臨床的には閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状に対する効果および後天性の腰部脊柱管狭窄症(SLR試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力に対する効果が認められている9),10)。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1 末梢循環障害改善作用

大腿動脈にラウリン酸を投与して作成した末梢(後肢)循環障害モデルおよびアドレナリンとエルゴタミンを皮下投与して作成した末梢(尾)循環障害モデルにおいて、虚血性病変の進行を抑制する(ラット)13)。

  1. 18.2.2 血流増加・皮膚温上昇作用

  2. (1) 大腿動脈血流量および後肢皮膚血流量を増加し、後肢皮膚温を上昇させるが、この血流増加作用は腰部交感神経切除によって影響されない(イヌ)14)。

  3. (2) 閉塞性血栓血管炎患者に経口投与すると、末梢側(足背、足底)の皮膚温が上昇する15)。

  4. 18.2.3 血小板に対する作用

  5. (1) 血小板粘着抑制作用

  • 血栓性疾患患者に経口投与すると、血小板粘着能が低下する16)。

  • 血小板の粘着を抑制し、その50%抑制濃度はリマプロストとして0.186ng/mLである(モルモット、in vitro)。経口投与においても、血小板粘着を抑制する(モルモット、ex vivo)17)。

  1. (2) 血小板凝集抑制作用
  • 血栓性疾患患者に経口投与すると、血小板凝集を抑制する。この作用の強さはプロスタグランジンI2に匹敵する(in vitro)16)。

  • 種々の凝集誘発物質による血小板凝集を抑制し、また、ADP凝集を解離する(モルモット、in vitro)18)。 経口投与においても、血小板凝集を抑制する(モルモット、ex vivo)17)。

  • 血小板のサイクリックAMP含量を著明に増加する(モルモット、in vitro)18)。

  1. 18.2.4 抗血栓作用

電気刺激により腸間膜動脈に血栓を形成する実験において、用量依存的に血栓形成の閾値電圧を上昇させる(モルモット)19)。

  1. 18.2.5 神経組織血流量増加作用

  2. (1) 第6腰椎の硬膜上にバルーンを挿入して馬尾神経を圧迫したモデルにおいて、馬尾神経組織血流量を改善する(イヌ)20)。

  3. (2) 第4および第6腰椎脊柱管内にシリコンラバーを挿入して馬尾神経を圧迫したモデルにおいて、馬尾神経組織血流量を改善する(ラット)21)。

  4. (3) 右後肢の坐骨神経を2ヵ所結紮した坐骨神経結紮モデルにおいて、結紮中間部の坐骨神経組織血流量を改善する(ラット)22)。

  5. 18.2.6 神経機能改善作用

  6. (1) 第7腰椎の硬膜上にバルーンを挿入して馬尾神経を圧迫したモデルにおいて、神経伝導速度の低下を抑制する(イヌ)23)。

  7. (2) 右後肢の坐骨神経を4ヵ所結紮した坐骨神経結紮モデルにおいて、結紮側大腿部筋肉の熱刺激誘発筋放電持続時間の延長を抑制する(ラット)24)。

  8. 18.2.7 痛覚過敏改善作用

右後肢の坐骨神経を2ヵ所結紮した坐骨神経結紮モデルにおいて、結紮側の痛覚過敏を改善する(ラット)22)。

  1. 18.2.8 歩行障害改善作用

第4および第6腰椎脊柱管内にシリコンラバーを挿入して馬尾神経を圧迫したモデルにおいて、歩行距離の低下を改善する(ラット)21)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 健康成人にリマプロストとして5μgを空腹時単回経口投与すると、血漿中濃度は0.333時間後に最高に達し、その濃度は1.55pg/mLである。また、消失半減期は0.511時間である4)。
Tmax (hr) Cmax (pg/mL) AUC0-∞ (pg・hr/mL) T1/2 (hr)
0.333 1.55 0.870 0.511
  1. 16.1.2 生物学的同等性試験

  2. (1) 処方変更後製剤と処方変更前製剤の生物学的同等性試験

リマプロストアルファデクス錠5μg「サワイ」について、「経口固形製剤の処方変更の生物学的同等性試験ガイドライン」に従い、変更後製剤と変更前製剤を健康成人男子にそれぞれ1錠(リマプロストとして5μg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中リマプロスト濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された5)。

Cmax (pg/mL) Tmax (hr) T1/2 (hr) AUC0-1.5hr (pg・hr/mL)
リマプロストアルファデクス錠5μg「サワイ」〔変更後製剤〕 2.07±1.54 0.6±0.3 0.4±0.2 1.29±0.71
リマプロストアルファデクス錠5μg「サワイ」〔変更前製剤〕 1.93±1.25 0.5±0.2 0.5±0.7 1.28±0.58
(Mean±S.D.)
  1. (2) 処方変更前製剤と標準製剤の生物学的同等性試験[参考]

リマプロストアルファデクス錠5μg「サワイ」〔変更前製剤〕とオパルモン錠5μgを健康成人男子にそれぞれ1錠(リマプロストとして5μg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中リマプロスト濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、AUCは対数値の平均値の差の90%信頼区間がlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、また、Cmaxは対数値の平均値の差がlog(0.90)~log(1.11)の範囲内であり、かつ、溶出試験で溶出挙動が類似していることから、両剤の生物学的同等性が確認された6)。

Cmax (pg/mL) Tmax (hr) T1/2 (hr) AUC0-1.5hr (pg・hr/mL)
リマプロストアルファデクス錠5μg「サワイ」〔変更前製剤〕 1.85±0.94 0.4±0.1 0.4±0.2 1.09±0.40
オパルモン錠5μg 1.78±1.03 0.4±0.2 0.4±0.2 1.08±0.49
(Mean±S.D.)

血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

〔11β-3H〕リマプロスト アルファデクスをラットに経口投与したとき、90~95%が吸収される2)。

16.3 分布

ヒト血漿(0.023mM濃度)に対する蛋白結合率は95.8%である(in vitro、限外ろ過法)7)。

16.4 代謝

リマプロストはα鎖のβ酸化、ω鎖末端の酸化、五員環の異性化、C-9位のカルボニル基の還元等を受けて代謝される7)。 また、リマプロストはヒトのチトクロームP450の分子種(CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4)を阻害しなかった(in vitro)8)。

16.5 排泄

〔11β-3H〕リマプロスト アルファデクスをラットに経口投与したとき、投与量の75~80%が胆汁中に排泄されるが、腸肝循環して投与72時間後までに尿中に約30%、糞中に約70%排泄される2)。