【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制

用法・用量

通常、成人には、メコバラミンとして50mgを1日1回、週2回、筋肉内に注射する。

使用上の注意

  1. 8.1 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督の下で投与を行うこと。本剤の在宅自己注射は、医師がその妥当性を慎重に検討し、患者又はその家族が適切に使用可能と判断した場合にのみ適用すること。また、適用にあたっては、以下の点に注意すること。

  2. 8.1.1 自己投与の適用については、使用方法等の患者教育を十分に実施した後、在宅にて適切な治療が行えることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。

  3. 8.1.2 患者又はその家族に対し、本剤の投与により発現する可能性のある副作用等についても十分説明し、在宅自己注射後何らかの異常が認められた場合には、速やかに医療機関へ連絡するよう指導すること。

  4. 8.1.3 適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己注射の継続が困難な場合には、直ちに自己注射を中止させるなど適切な処置を行うこと。

  5. 8.1.4 使用済みの注射針あるいは注射器を再使用しないよう指導すること。

  6. 8.1.5 すべての器具及び使用後の残液の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
注射部位反応 頻度不明
発汗 頻度不明
発熱感 頻度不明
発疹 1%未満
白血球数増加 頻度不明
頭痛 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ALSに対する作用機序の詳細は解明されていない。メコバラミンは、活性型ビタミンB12であり、ホモシステインからメチオニンを合成するメチオニン合成酵素の補酵素として働く。ホモシステインは神経変性に関わると考えられており、メコバラミンは、ホモシステインによる神経変性を抑制すると考えられる。また、メチオニンとアデノシンの縮合によりS-アデノシルメチオニン(SAM)が生成し、タンパク質のダメージの修復時にメチル基供与体として働く。メコバラミンは、SAMを介して神経変性を修復すると考えられる6),7),8) 。

18.2 ALSモデル動物における効果

Wobblerマウスにおいて、前肢の握力低下を抑制し、二頭筋重量、筋皮神経線維数を増加させた9) 。G93A変異ヒトSOD1トランスジェニックマウスにおいて、生存日数等の延長・増加傾向を示した10) 。

18.3 神経細胞保護効果

  1. 18.3.1 ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)から分化させた運動神経を用いたin vitro試験において、酸化ストレスによる神経突起傷害に対して抑制効果を示した11) 。

  2. 18.3.2 ラット培養網膜神経細胞及び大脳皮質神経細胞を用いたin vitro試験において、グルタミン酸及びニトロプルシドナトリウム誘発神経細胞死を抑制した6),7) 。

  3. 18.3.3 マウス運動神経様細胞株NSC-34Dを用いたin vitro試験において、ホモシステイン誘発アポトーシスを抑制した8) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

日本人健康成人男子にメコバラミン25mg注3) 及び50mgを単回筋肉内投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである1) 。

投与量 (mg) 例数 Cmax (ng/mL) tmaxa) (hr) AUC(0-inf) (ng・hr/mL) t1/2 (hr)
25mg注3) 6 834±133 2.0 0.8、2.0 4270±531 3.1±1.0
50mg 6 1660±309 1.0 0.8、2.0 8450±1070 2.8±0.4
平均値±標準偏差、a)上段:中央値、下段:最小値、最大値
  1. 16.1.2 反復投与

日本人健康成人男子にメコバラミン25mg注3) 及び50mgを1日1回7日間筋肉内投与したときの7日目の薬物動態パラメータは下記のとおりである2) 。

投与量 (mg/日) 例数 Cmax (ng/mL) tmaxa) (hr) AUC(0-24hr) (ng・hr/mL) t1/2 (hr)
25mg注3) 6 934±196 1.0 0.8、2.0 4320±519 2.6±0.6
50mg 6 1580±257 1.0 0.8、2.0 8840±653 2.8±0.3
平均値±標準偏差、a)上段:中央値、下段:最小値、最大値

16.3 分布

メコバラミン(30~3000ng/mL)のヒト血漿タンパク結合率は、25.0~35.8%であった3) (in vitro)。

16.4 代謝

メコバラミンはほとんど代謝されない。

16.5 排泄

メコバラミンは主に未変化体として尿中に排泄される。日本人健康成人男子にメコバラミン25~75mg注3) を単回筋肉内投与したとき、投与後72時間までの尿中未変化体総排泄量は、投与量の93%以上であった1) 。

注3)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には、メコバラミンとして50mgを1日1回、週2回、筋肉内に注射する。」である。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

ALS患者8例の腎機能を血清中シスタチンC濃度で補正した糸球体濾過量によって、正常(≥90mL/min/1.73m2)、軽度腎機能障害(60~89mL/min/1.73m2)及び中等度腎機能障害(30~59mL/min/1.73m2)に分類した。メコバラミン50mgを1日1回、週2回筋肉内投与を長期継続した際の薬物動態パラメータは下記のとおりである4) 。

正常 (1例) 軽度 (4例) 中等度 (3例)
投与量(mg) 50 50 50
Cmax(ng/mL) 1440 1830±616 2160±879
tmaxa)(hr) 2.0 1.5 0.5、2.0 2.0 1.0、4.0
AUC(0-8hr)(ng・hr/mL) 6780 8290±3170 10600±1930
t1/2(hr) 2.71 2.91±0.568 3.25b)
CL/F(L/hr) 6.21 5.45±1.68 4.42b)
平均値±標準偏差、a)上段:中央値、下段:最小値、最大値、b)n=1