【警告】

本剤の服用後に、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)があらわれることがある。また、入眠までの、あるいは中途覚醒時の出来事を記憶していないことがあるので注意すること。,

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分又はゾピクロンに対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2 重症筋無力症の患者 [筋弛緩作用により症状を悪化させるおそれがある。]

  3. 2.3 急性閉塞隅角緑内障の患者 [抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]

効能・効果

不眠症

用法・用量

通常、成人にはエスゾピクロンとして1回2mgを、高齢者には1回1mgを就寝前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、成人では1回3mg、高齢者では1回2mgを超えないこととする。

使用上の注意

  1. 8.1 連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。

  2. 8.2 本剤の影響が翌朝以降に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。

  1. 9.1.2 衰弱者

薬物の作用が強くあらわれ、副作用が発現しやすい。

  1. 9.1.3 心障害のある患者

血圧低下があらわれるおそれがあり、症状の悪化につながるおそれがある。

  1. 9.1.4 脳に器質的障害のある患者

作用が強くあらわれるおそれがある。

  1. 9.1.5 本剤により睡眠随伴症状(夢遊症状等)として異常行動を発現したことがある患者

投与の中止を検討すること。重篤な自傷・他傷行為、事故等に至る睡眠随伴症状を発現するおそれがある。,

9.2 腎機能障害患者

本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。,

9.3 肝機能障害患者

本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。,

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 妊娠後期に本剤を投与された患者より出生した児に呼吸抑制、痙攣、振戦、易刺激性、哺乳困難等の離脱症状があらわれるおそれがある。なお、これらの症状は、新生児仮死として報告される場合もある。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。ヒト母乳中に移行し、新生児に嗜眠を起こすおそれがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

1回1mgを投与することとし、増量する場合には2mgを超えないこと。高齢者での薬物動態試験で、血中濃度が高い傾向が認められており、運動失調等の副作用が起こりやすい。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
Al-P 1%未満
ALT 1%未満
AST 1%未満
γ-GTP 1%未満
うつ病 1%未満
ビリルビンの上昇 1%未満
リビドー減退 頻度不明
下痢 1%未満
不安 1%未満
便秘 1%未満
倦怠感 1%未満
傾眠 頻度不明
口内乾燥 1%未満
口渇 頻度不明
口腔内不快感 1%未満
味覚異常 頻度不明
嘔吐 頻度不明
尿中ブドウ糖陽性 1%未満
尿中血陽性 1%未満
思考異常 頻度不明
悪心 1%未満
感情不安定 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
注意力障害 1%未満
浮動性めまい 頻度不明
消化不良 頻度不明
湿疹 1%未満
片頭痛 頻度不明
異常な夢 1%未満
瘙痒症 頻度不明
発疹 頻度不明
神経過敏 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
背部痛 頻度不明
記憶障害 頻度不明
錯乱状態 頻度不明
錯感覚 頻度不明
頭痛 頻度不明
高血圧 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

エスゾピクロンは、ラセミ体であるゾピクロンの一方のエナンチオマー((S)-エナンチオマー)であり、ゾピクロンの薬理活性の大部分を有する製剤である31)。 エスゾピクロンは中枢神経系のGABAA受容体複合体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABAによる塩化物イオンの神経細胞内への流入を促進することにより、GABAの作用を増強するものと考えられる32),33)。

18.2 動物の脳波に対する作用

エスゾピクロンは、マウス、ラット及びモルモットにおいて、ノンレム睡眠潜時を短縮させ、ノンレム睡眠時間を延長させた。レム睡眠には明確な影響はみられなかった34),35),36)。

18.3 その他の中枢作用

エスゾピクロンは、マウス、ラット及びサルにおいて、抗不安作用及び鎮静作用を示した37),38),39),40),41)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 日本人健康成人を対象に、エスゾピクロン1~3mgを1日1回7日間反復経口投与したときの初回投与時及び投与後7日目の薬物動態パラメータを表に示した。エスゾピクロンのCmax及びAUC0-lastは投与量の増加に伴い増加した1)。
投与量 (mg) 投与時期 Cmax (ng/mL) Tmax (hr) AUC0-last (ng・hr/mL) T1/2 (hr)
1 1日目 14.52±4.46 1.3 (0.5-1.5) 79.60±36.17 -
7日目 14.71±3.97 1.0 (0.5-1.5) 88.71±36.33 4.83±0.89
2 1日目 25.40±7.40 1.0 (0.5-2.0) 147.89±57.47 -
7日目 27.02±5.22 1.0 (0.5-2.0) 168.69±67.54 5.08±1.62
3 1日目 37.03±5.70 1.5 (0.5-2.0) 222.25±36.95 -
7日目 37.59±5.54 0.8 (0.5-2.0) 252.63±59.17 5.16±0.85
Mean±SD、ただしTmaxは中央値(最小値-最大値) AUC0-lastは投与時から定量が可能であった最終採血時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積を示す。 1mg及び3mg:n=8、2mg:n=9
  1. 16.1.2 生物学的同等性試験

エスゾピクロン錠2mg「アメル」及びエスゾピクロン錠3mg「アメル」と各標準製剤について、下記のとおりクロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2)。

標準製剤 試験投与量
エスゾピクロン錠2mg「アメル」 ルネスタ錠2mg それぞれ1錠(エスゾピクロンとして2mg)
エスゾピクロン錠3mg「アメル」 ルネスタ錠3mg それぞれ1錠(エスゾピクロンとして3mg)
判定パラメータ 参考パラメータ
AUC(0→24) (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) Tmax (hr) T1/2 (hr)
エスゾピクロン錠2mg「アメル」 137.237±32.820 27.349±6.721 0.71±0.25 5.55±0.80
ルネスタ錠2mg 136.694±34.771 27.263±8.379 0.74±0.58 5.59±0.77
(Mean±S. D., n=24)

血漿中未変化体濃度(生物学的同等性)

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC(0→24) (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) Tmax (hr) T1/2 (hr)
エスゾピクロン錠3mg「アメル」 205.263±47.020 39.064±12.410 0.78±0.54 5.83±0.75
ルネスタ錠3mg 199.665±44.169 36.159±10.876 0.73±0.38 5.92±0.75
(Mean±S. D., n=29)

血漿中未変化体濃度(生物学的同等性)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

  1. 16.2.1 食事の影響

日本人健康成人男性を対象に、エスゾピクロン3mgを単回経口投与したとき、絶食下と比較して摂食下ではエスゾピクロンのCmaxは30%低下し、AUC0-24は変化しなかった。またTmaxの中央値は2.5時間遅延した3)。

16.4 代謝

エスゾピクロンは経口投与後、様々な酸化的代謝を受け、血漿中の主代謝物は(S)-ゾピクロンN-オキシド及び(S)-N-脱メチルゾピクロンである。このうち、前者は受容体に対する結合能を示さず、後者は中枢ベンゾジアゼピン受容体に結合するものの、エスゾピクロンと比較して結合性は約21倍低かった。 In vitro代謝試験により、エスゾピクロンの代謝にはCYP3A4及びCYP2E1が関与していることが示された4),5),6)。

16.5 排泄

外国人健康成人男性に14C標識-ゾピクロン7.5mgを単回経口投与したとき、投与後120時間までに、投与した放射能の74.8%が尿中に排泄され、そのうち約85%が投与後24時間までに排泄された。糞中には、15.8%が排泄された7)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

軽度、中等度及び高度の腎機能障害患者におけるエスゾピクロンのCmaxは、健康成人と比べてそれぞれ22%、8%及び25%上昇し、AUC0-infは40%、28%及び45%増加した。また、T1/2はそれぞれ19%、24%及び33%延長した。(S)-脱メチルゾピクロンのAUC0-infはそれぞれ40%、88%及び127%増加した8)(外国人データ)。,

  1. 16.6.2 肝機能障害患者

軽度、中等度及び高度の肝機能障害患者におけるエスゾピクロンのCmaxは、健康成人と比べてそれぞれ13%、29%及び25%低下し、AUC0-infは軽度では4%減少し、中等度及び高度では5%及び80%増加した。また、T1/2はそれぞれ2%、66%及び130%延長した9)(外国人データ)。,

  1. 16.6.3 高齢者

日本人高齢者(平均年齢69歳)を対象に、エスゾピクロン3mg注)を7日間反復投与したときのCmax及びAUC0-24は、健康成人と比べていずれも32%増加し、T1/2は64%延長した1),10)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 ケトコナゾール

健康成人にエスゾピクロン3mgとケトコナゾール400mgを1日1回5日間反復併用投与したとき、単独投与時と比較してエスゾピクロンのCmaxは43%上昇し、AUC0-τは125%増加した。また、ケトコナゾールのCmaxは18%低下し、AUC0-τは12%減少した11)(外国人データ)。

  1. 16.7.2 アルコール

健康成人にエスゾピクロン3.5mg注)とアルコール0.7g/kgを単回併用投与したとき、投与後4時間までに相加的な精神運動機能の障害が認められた12)(外国人データ)。

  1. 16.7.3 オランザピン

健康成人にエスゾピクロン3mgとオランザピン10mgを単回併用投与したとき、単独投与時と比較してエスゾピクロンのCmaxは変化せず、AUC0-lastは6.0%増加した。また、オランザピンのCmaxは8.4%低下し、AUC0-lastは変化しなかった。 一方、精神運動機能の指標となる数字符号置換検査(Digit symbol substitution test、DSST)スコアが、2剤併用時に大きく減少(精神運動機能が悪化)した13)(外国人データ)。

  1. 16.7.4 ロラゼパム

健康成人にエスゾピクロン3mgとロラゼパム2mgを単回併用投与したとき、単独投与時と比較してエスゾピクロンのCmaxは22.6%低下し、AUC0-lastは7.0%減少した。また、ロラゼパムのCmaxは21.3%低下し、AUC0-lastは9.5%減少した14)(外国人データ)。

  1. 16.7.5 パロキセチン

健康成人にエスゾピクロン3mgとパロキセチン20mgを単回併用投与したとき、単独投与時と比較してエスゾピクロンのCmaxは11.6%上昇し、AUC0-lastは9.3%増加した。また、パロキセチンのCmaxは1.6%上昇し、AUC0-lastは3.5%減少した15)(外国人データ)。

  1. 16.7.6 ジゴキシン

健康成人にジゴキシンを1日目に0.5mgを2回投与し、2~6日目に1日1回0.25mgを経口投与した後、7日目にエスゾピクロン3mgとジゴキシン0.25mgを併用投与したとき、ジゴキシンのCmaxは12.3%低下したが、AUC0-τは変化しなかった16)(外国人データ)。

  1. 16.7.7 (R,S)-ワルファリン

健康成人にエスゾピクロン3mgを1日1回5日間反復投与し、5日目に(R,S)-ワルファリン25mgを併用投与したとき、(R)-ワルファリン及び(S)-ワルファリンのCmax及びAUC0-lastは変化しなかった17)(外国人データ)。

16.8 その他

エスゾピクロン錠1mg「アメル」について、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号)」に基づき、エスゾピクロン錠2mg「アメル」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた18)。

注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人にはエスゾピクロンとして1回2mgを、高齢者には1回1mgを就寝前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、成人では1回3mg、高齢者では1回2mgを超えないこととする。」である。