【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 肝障害以外のアミノ酸代謝異常のある患者 [投与されたアミノ酸が代謝されず、アミノ酸インバランスが助長されるおそれがある。]

  2. 2.2 重篤な腎障害のある患者(透析又は血液ろ過を実施している患者を除く) ,,

効能・効果

慢性肝障害時における脳症の改善

用法・用量

通常、成人1回500mLを点滴静注する。投与速度は、通常、成人500mL当たり180分以上を基準とする。 経中心静脈輸液法を用いる場合は、本品の500mLを糖質輸液等に混和し、24時間かけて中心静脈内に持続注入する。 なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1 本剤の投与により血中アンモニア値の上昇がみられ、同時に、精神・神経症状の悪化が認められた場合は、本剤の投与を一時中止するか、他の治療法に変更すること。

  2. 8.2 透析又は血液ろ過を実施している重篤な腎障害のある患者における、尿素等の除去量、蓄積量は透析の方法及び病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始及び継続の可否を判断すること。,

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 高度のアシドーシスのある患者

アシドーシスが悪化するおそれがある。

  1. 9.1.2 うっ血性心不全の患者

循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3 *本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重篤な腎障害のある患者(透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)

投与しないこと。アミノ酸の代謝産物である尿素等が滞留し、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.2.2 透析又は血液ろ過を実施している重篤な腎障害のある患者

アミノ酸の代謝産物である尿素等の滞留がおこるおそれがある。,

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
アシドーシス 頻度不明
一過性の血中アンモニア値の上昇 1〜5%未満
低血糖 1〜5%未満
動悸 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心・嘔気等 1〜5%未満
発汗 1〜5%未満
発熱 頻度不明
発疹等 1〜5%未満
胸部不快感 頻度不明
血管痛 1〜5%未満
頭痛 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は、肝性脳症時の血漿遊離アミノ酸パターンの是正をすべく、分岐鎖アミノ酸を高比率、芳香族アミノ酸を低比率とし、また、アンモニア代謝と関連が強いアルギニンを高比率とした特殊組成のアミノ酸注射剤であり、血漿及び脳内遊離アミノ酸パターン改善作用による脳内モノアミン代謝改善効果、血中アンモニア低下作用により肝性脳症を改善させる。

18.2 肝性脳症改善効果

  1. 18.2.1 神経症状改善効果

四塩化炭素慢性肝障害ラットにおいて、本剤は神経症状の改善、血漿アンモニア濃度の低下及びアンモニア誘発昏睡の抑制を示した7)。

  1. 18.2.2 脳波、血漿及び脳内遊離アミノ酸濃度並びに脳内アミン代謝の改善効果

門脈・下大静脈吻合ラットにおいて、本剤はアンモニア誘発異常脳波を抑制した8)。また、血中アンモニア低下効果と血漿Fischer比の改善により、血漿及び脳内インドールアミン代謝の異常を改善した9)。

  1. 18.2.3 アンモニア代謝促進機序

門脈・下大静脈吻合ラットにおいて、本剤は肝尿素サイクルの活性化、脳及び筋肉でのグルタミン合成系の亢進に加え、腎臓におけるアンモニア排泄の促進作用により、アンモニア代謝を速やかに促進すると推測された10)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男子に本剤を500mL/180分(5例)及び1,000mL/240分(5例)の用量で点滴静注し、血漿中アミノ酸濃度について検討した結果、総アミノ酸濃度及び分岐鎖アミノ酸濃度は投与終了直後に最高値を示したのに対し、芳香族アミノ酸濃度は投与直後より減少し、投与終了2時間後に最低値を示した1)。

16.3 分布

正常及び急性肝障害ラットに14Cで標識したアミノ酸(アラニン、アルギニン、ロイシン、フェニルアラニン)を含む本剤を尾静脈内投与し、8時間後の組織内放射能濃度を検討した結果、いずれのラットにおいても速やかに全身の組織に分布し、組織への総分布量は肝が最も高かった。正常ラットに比べ肝障害ラットでは、組織蛋白質への放射能の取り込みは、脳で増加傾向、肝で低下傾向が認められた2)。

16.5 排泄

健康成人男子に本剤を500mL/180分(5例)及び1,000mL/240分(5例)の用量で点滴静注し、アミノ酸の尿中排泄について検討した結果、本剤投与によるアミノ酸排泄パターンに大きな変化はなく、24時間後にはほぼ投与前値に復した1)。