【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 鉄欠乏状態にない患者 [過量投与にならないよう注意する。過剰症を起こすおそれがある。]

効能・効果

鉄欠乏性貧血

用法・用量

  • 〈フェロミア錠50mg〉

通常成人は、鉄として1日100~200mg(2~4錠)を1~2回に分けて食後経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈フェロミア顆粒8.3%〉

通常成人は、鉄として1日100~200mg(1.2~2.4g)を1~2回に分けて食後経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1 本剤投与中は、適宜血液検査を実施し、過量投与にならないよう注意する。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 消化性潰瘍、慢性潰瘍性大腸炎、限局性腸炎等の胃腸疾患のある患者

病態を悪化させることがある。

  1. 9.1.2 発作性夜間血色素尿症の患者

溶血を誘発し病態を悪化させることがある。

  1. 9.1.3 鉄含有製剤(鉄剤、MRI用肝臓造影剤等)投与中の患者

過剰症を起こすおそれがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
Al-Pの上昇等 1%未満
ALTの上昇等 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
めまい 1%未満
上腹部不快感 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1%未満
光線過敏症 頻度不明
悪心・嘔吐 5%以上
浮腫 1%未満
瘙痒感 1%未満
発疹 1〜5%未満
胃・腹痛 1〜5%未満
胸やけ 1〜5%未満
腹部膨満感 1%未満
頭痛 1%未満
食欲不振 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

吸収された鉄は血漿トランスフェリンと結合し、体内を循環する。トランスフェリンに結合した鉄は骨髄にて赤芽球にとりこまれ、ヘモグロビン合成に利用される11),12) 。

18.2 胃酸分泌に影響されることなく血清鉄を上昇させる

健康なラット及びウサギ並びに貧血ウサギにおいて、本薬は硫酸鉄水和物あるいはフマル酸第一鉄とほぼ同等の血清鉄上昇効果を示した。イヌにおいて、本剤は食後投与でも血清鉄の上昇を示した。 さらに、本薬の血清鉄上昇効果は、胃酸分泌を抑制したラットにおいても認められ、胃酸の影響を比較的受けにくい13) 。

18.3 ヘモグロビンと貯蔵鉄の回復により貧血状態を改善する

鉄欠乏食で飼育した瀉血貧血ラットに、本薬30mg/kg/日を18日間連続投与した後、顕著なヘモグロビン回復効果が認められた。また、肝臓及び脾臓中の鉄含有量がそれぞれ対照に比べて有意に上昇し、貯蔵鉄補充効果が認められた。さらに血清鉄及び血清鉄飽和率の低下並びに総鉄結合能の上昇を改善した14) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 血清鉄濃度

健康成人男子18名に、本剤2錠(鉄として100mg)を食後単回経口投与した時の血清鉄の推移は投与1時間後から上昇がみられ、3~4時間後にピークに達し、12時間後に投与前値に復した3) 。

ΔCmax (μg/dL) tmax (hr) ΔAUC (μg・hr/dL)
69.0±12.7 3.9±0.5 605±161
(Mean±S.E., n=18)

本剤投与24時間後の血清鉄濃度が投与前より低下しているが、これは他の鉄剤でも同様にみられる現象で、生理的な日内変動の範囲内にあり、血清中の鉄の貯蔵鉄プールへの移行が高まったことによるものと考えられる。

16.3 分布

  1. 16.3.1 胎児への移行

母体から胎児への鉄の移行については、胎盤の生理的調節機能が働いてトランスフェリン鉄として移行される。即ち、母体のトランスフェリン鉄は、胎盤組織内に入り胎盤フェリチンとなる。次に胎盤を通過し、胎児トランスフェリン鉄となる。 なお、本薬は動物実験(妊娠ラット)において、血中、胎盤、胎児、羊水中への吸収、移行が類薬(硫酸鉄水和物)に比べて良好であった4) 。

  1. 16.3.2 乳汁中への移行

血中から乳汁中への鉄の移行については、血中のトランスフェリン鉄が乳汁中へ移行した後、ラクトフェリンとなる。なお、本薬は、動物実験(授乳ラット)において、乳汁中への移行が類薬(硫酸鉄水和物)に比べて良好であった5) 。