下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合
成人
- 頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動、心室性)
小児
- 頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動、発作性上室性、心室性)
2.1 うっ血性心不全のある患者[本剤は陰性変力作用を有し、心不全症状を更に悪化させることがある。]
2.2 高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者[本剤は房室伝導、洞房伝導を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある。]
2.3 心筋梗塞後の無症候性心室性期外収縮あるいは非持続型心室頻拍のある患者[突然死に関する臨床試験(CAST)の結果、このような患者では本剤投与により死亡率が増加するとの報告がある。]
2.4 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
2.5 リトナビルを投与中の患者
2.6 ミラベグロンを投与中の患者
2.7 テラプレビルを投与中の患者
下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合
成人
小児
○頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動)
通常、成人にはフレカイニド酢酸塩として1日100mgから投与を開始し、効果が不十分な場合は200mgまで増量し、 1日2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
○頻脈性不整脈(心室性)
通常、成人にはフレカイニド酢酸塩として1日100mgから投与を開始し、効果が不十分な場合は200mgまで増量し、 1日2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
小児
○頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動、発作性上室性、心室性)
通常、6ヵ月以上の乳児、幼児及び小児にはフレカイニド酢酸塩として1日50~100mg/m2(体表面積)を、1日2~3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1日最高用量は200mg/m2とする。 通常、6ヵ月未満の乳児にはフレカイニド酢酸塩として1日50mg/m2(体表面積)を、1日2~3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1日最高用量は200mg/m2とする。
8.1 本剤の投与に際しては、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べること。PQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。なお、本剤の投与により、torsades de pointes、Adams-Stokes発作が認められている。,,,,,,,
8.2 1日用量200mgを超えて投与する場合、血漿中濃度が予測以上に上昇し副作用発現の可能性が増大するので注意すること。
8.3 本剤による催不整脈は投与初期や増量時にあらわれることが多いので、十分に注意すること。
8.4 本剤の投与中にめまい、ふらつき等の精神神経系症状が発現し、増悪する傾向にある場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。
8.5 本剤でBrugada症候群に特徴的な心電図変化(右脚ブロック及び右側胸部誘導(V1~V3)のST上昇)が顕在化したとの報告があるので、それに伴う心室細動、心室頻拍、心室性期外収縮等の発現に注意すること。
8.6 母乳及び乳製品の摂取により、本薬の吸収が抑制され、有効性が低下するおそれがあるので、特に乳幼児に使用する場合には十分注意すること。また、母乳及び乳製品の摂取中止時には、本薬の血中濃度の上昇に十分注意すること。,
本剤は陰性変力作用を有し、心機能を悪化させることがある。特に、心不全を来すおそれのある患者では少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。また、心室性不整脈患者に投与する場合には、心室頻拍、心室細動等が発現するおそれが高いため、開始後1~2週間は入院させること。
本剤は房室伝導、洞房伝導等を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある。
本剤は洞結節機能を抑制することがある。
本剤は陰性変力作用を有し、心機能を悪化させることがある。
催不整脈作用が生じやすく、高度の不整脈に発展するおそれがある。
心臓ペーシング閾値を上昇させる可能性があるので、恒久的ペースメーカー使用中、あるいは一時的ペーシング中の患者に対しては十分注意して投与すること。また、ペースメーカー使用中の患者に投与する場合は適当な間隔でペーシング閾値を測定すること。異常が認められた場合には直ちに減量又は投与を中止すること。
少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。有効性、安全性が確立していない。
少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。本剤は腎臓からの排泄により体内から消失する薬剤であり、血中濃度が高くなりやすい。,
血中濃度が高くなりやすい。本剤は腎臓から排泄されるため、過量投与になるおそれがある。,,
本剤は肝臓で代謝されるため、過量投与になるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)において催奇形性が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討すること。ヒトにおいて乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7.1 小児等に本剤を使用する場合、小児等の不整脈治療に熟練した医師が監督すること。
9.7.2 特に乳幼児に使用する場合には十分注意すること。母乳及び乳製品の摂取により、本薬の吸収が抑制され、有効性が低下するおそれがある。また、母乳及び乳製品の摂取中止時には、本薬の血中濃度の上昇に十分注意すること。,
少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。心室性不整脈患者に投与する場合には、入院させて開始することが望ましい。肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| Al-P | 1〜5%未満 | — |
| ALT | 1〜5%未満 | — |
| AST | 1〜5%未満 | — |
| BUN | 1〜5%未満 | — |
| LDH | 1〜5%未満 | — |
| PQ・QRS・QTの延長 | 1〜5%未満 | — |
| γ-GTP | 1〜5%未満 | — |
| その他の徐脈 | 1〜5%未満 | — |
| ふらつき | 1〜5%未満 | — |
| ヘモグロビン・ヘマトクリット値増加 | 1〜5%未満 | — |
| めまい | 1〜5%未満 | — |
| 下痢 | 1〜5%未満 | — |
| 便秘 | 1〜5%未満 | — |
| 倦怠感 | 1〜5%未満 | — |
| 動悸 | 1〜5%未満 | — |
| 口内炎 | 1%未満 | — |
| 口渇 | 1〜5%未満 | — |
| 呼吸困難 | 1〜5%未満 | — |
| 嘔吐 | 1〜5%未満 | — |
| 心房細動 | 1〜5%未満 | — |
| 悪心 | 1〜5%未満 | — |
| 手足のしびれ感 | 1〜5%未満 | — |
| 振戦 | 1〜5%未満 | — |
| 浮腫 | 1〜5%未満 | — |
| 消化不良 | 1〜5%未満 | — |
| 瘙痒 | 1〜5%未満 | — |
| 発汗 | 1〜5%未満 | — |
| 発疹 | 1〜5%未満 | — |
| 白血球増多 | 1〜5%未満 | — |
| 眠気 | 1〜5%未満 | — |
| 総ビリルビン値の上昇等 | 1〜5%未満 | — |
| 羞明 | 1〜5%未満 | — |
| 耳鳴 | 1%未満 | — |
| 胸痛 | 1%未満 | — |
| 胸部不快感 | 1〜5%未満 | — |
| 腹痛 | 1〜5%未満 | — |
| 腹部膨満感 | 1〜5%未満 | — |
| 舌のしびれ感 | 1〜5%未満 | — |
| 苦味感・味覚異常 | 1〜5%未満 | — |
| 血圧上昇 | 1〜5%未満 | — |
| 血圧低下 | 1%未満 | — |
| 血清クレアチニン値の上昇等 | 1〜5%未満 | — |
| 複視 | 1〜5%未満 | — |
| 視力異常 | 1〜5%未満 | — |
| 霧視 | 1%未満 | — |
| 頭痛 | 1〜5%未満 | — |
| 頭重 | 1〜5%未満 | — |
| 頻尿等の排尿障害 | 1%未満 | — |
| 顔面潮紅 | 1〜5%未満 | — |
| 食欲不振 | 1〜5%未満 | — |
主たる作用は心筋細胞膜Na+チャネルの抑制であり、活動電位の最大脱分極速度を抑制することによって抗不整脈作用を現す7)。
18.2.1 マウス及びイヌにおいて惹起した心室性不整脈(クロロホルム、アドレナリン、ウアバイン、冠動脈結紮)を経口及び静脈内投与で抑制する11),12),13)。
18.2.2 イヌにおいてアコニチンより惹起した心房性不整脈を静脈内投与で抑制する11),14)。
18.3.1 イヌのプルキンエ線維及び心室筋において、静止膜電位に影響を与えることなく、最大脱分極速度(Vmax)及び活動電位振幅を減少する15)。
18.3.2 モルモット心房筋及び心室筋のVmaxを刺激頻度依存的に抑制する16),17)。
18.3.3 イヌにおいて、心室筋での有効不応期を延長し、プルキンエ線維の有効不応期を短縮する15)。
18.3.4 モルモットのNa+チャネルに対する結合、解離速度は特徴的に遅い18)。
18.3.5 イヌの心房内伝導、ヒス-プルキンエ(H-V)伝導及び心室内伝導を遅延する19)。
不整脈患者にフレカイニド酢酸塩250mg注3)を経口投与した場合、洞周期、洞結節回復時間に影響せず、H-V伝導を遅延させ、心室筋の有効不応期を延長する。また、逆行性副伝導路を抑制し、室房伝導系の有効不応期を延長する20)。
注3)本剤の承認された用量は、成人は通常1日100-200mg、小児の1日最高用量は200mg/m2(体表面積)である。
健康成人男子12例にフレカイニド酢酸塩50mg、100mgを単回経口投与した場合、消化管からの吸収は良好であり、血漿中濃度は投与後2~3時間で最高値に達し、半減期約11時間で消失する。血漿中濃度はほぼ投与量公比に比例して上昇する。不整脈患者においてもほぼ同様の薬物動態を示す。また、健康成人男子10例にフレカイニド酢酸塩50mg、100mgを1日2回食後に7日間反復投与した際、血漿中濃度は投与後4日目でほぼ定常状態に達し、その血漿中濃度は初回投与時の約2倍を示す2),3)。
| 投与量 | 分布容積 (L/kg) | CL (mL/min/kg) | T1/2 (hr) | AUC0→∞ (ng・hr/mL) | Cmax (ng/mL) |
|---|---|---|---|---|---|
| 50mg | 10.1±0.78 | 11.2±1.21 | 10.8±0.96 | 1,253±176.3 | 95±13.5 |
| 100mg | 9.4±0.34 | 10.2±1.16 | 11.0±0.78 | 2,843±234.6 | 202±9.6 |
| (平均値±標準誤差、n=6) | |||||
発作性上室性頻拍の新生児1例において、フレカイニド酢酸塩25mgを6時間ごとに経口投与(40mg/kg/日注2))した際の投与2時間後の血清中濃度を、母乳摂取下及び非摂取下で比較すると、母乳摂取下では990ng/mLであったが、母乳非摂取下では1,824ng/mLに上昇したとの報告がある4)。,
注2)本剤の承認された用量は、成人は通常1日100-200mg、小児の1日最高用量は200mg/m2(体表面積)である。
〈フレカイニド酢酸塩錠100mg「TE」〉
フレカイニド酢酸塩錠100mg「TE」とタンボコール錠100mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(フレカイニド酢酸塩として100mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された5)。
| 判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
|---|---|---|---|---|
| AUC0-48(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | T1/2(hr) | |
| フレカイニド 酢酸塩錠 100mg「TE」 | 2242±550 | 186.7±35.0 | 1.9±0.9 | 10.3±2.0 |
| タンボコール錠100mg | 2231±543 | 168.8±31.5 | 2.1±0.8 | 10.6±2.2 |
| (平均値±標準偏差、n=19) | ||||
本薬の主代謝経路はメタ位のO-脱アルキル化とその代謝物のグルクロン酸抱合である。他にピペリジン環の酸化的ラクタム生成がある。O-脱アルキル化反応には主としてP450分子種のCYP2D6が関与している6),7)。
健康成人に単回経口投与した場合、未変化体の尿中排泄率は24時間以内に投与量の約30%である2)。 健康成人に14C-フレカイニド酢酸塩を経口投与した場合、投与放射能量の約86%(Flecainideとして約40%)が6日間以内に尿中に、約5%が糞中に排泄される6)。(外国報告),,
有効血漿中濃度:200~1,000ng/mL8)
〈フレカイニド酢酸塩錠50mg「TE」〉
フレカイニド酢酸塩錠50mg「TE」は、フレカイニド酢酸塩錠100mg「TE」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた5)。