関節リウマチ
【警告】
海外の臨床試験において、1日125mgを投与した症例で致命的な転帰に至った汎血球減少症が認められている。本剤は緊急時に十分な措置が可能な医療施設において、本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性,
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2.2 重篤な肝障害のある患者,,
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2.3 消化性潰瘍のある患者[副作用として消化性潰瘍があらわれることがあるので、消化性潰瘍を更に悪化させるおそれがある。]
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2.4 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.5 ワルファリンを投与中の患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはイグラチモドとして、1回25mgを1日1回朝食後に4週間以上経口投与し、それ以降、1回25mgを1日2回(朝食後、夕食後)に増量する。
使用上の注意
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8.1 本剤投与前には必ず肝機能の検査を実施すること。また、投与中は臨床症状を十分に観察するとともに、投与開始後最初の2ヵ月は2週に1回、以降は1ヵ月に1回など定期的に肝機能検査を行うこと。,,
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8.2 本剤投与前には必ず血液、腎機能等の検査を実施すること。また、投与中は臨床症状を十分に観察するとともに、投与開始後最初の2ヵ月は2週に1回、以降は1ヵ月に1回など定期的に血液、腎機能等の検査を行うこと。,,
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8.3 本剤並びに疾患の特性を考慮して、治療にあたっては経過を十分に観察し、漫然と投与を継続しないこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 消化性潰瘍の既往歴のある患者
消化性潰瘍を再発させるおそれがある。
- 9.1.2 低体重の患者
患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。本剤単独投与の臨床試験では、低体重(40kg未満)の患者で副作用の発現率が高かった。なお、メトトレキサートとの併用試験では、低体重の患者での使用経験はなく、安全性は検討されていない。
- 9.1.3 貧血、白血球減少症、血小板減少症を伴う患者、骨髄機能低下患者
血液障害を更に悪化させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1 腎障害のある患者
副作用の発現が増加するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。副作用として肝機能障害があらわれることがあるので、肝障害を更に悪化させるおそれがある。,,
- 9.3.2 肝障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝障害のある患者は除く)
肝障害を更に悪化又は再発させるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラット胚・胎児発生に関する試験で、催奇形性(心臓・大血管異常)、早期胎児死亡率の増加が、また、妊娠末期ラットの胎児動脈管に及ぼす影響を調べた試験で、胎児に動脈管収縮が認められている1),2)。,
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすいと推定される。健康成人男子を対象とした臨床薬理試験において、高齢者では非高齢者に比べ血漿中濃度がやや高く推移した。本剤単独投与の臨床試験においては、有効性及び副作用発現率に差はみられていないが、メトトレキサートとの併用試験においては、高齢者では非高齢者に比べ副作用発現率が高かった。
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| Al-P増加 | 頻度不明 | — |
| ALT増加 | 頻度不明 | — |
| AST増加 | 頻度不明 | — |
| BNP増加 | 頻度不明 | — |
| KL-6増加 | 頻度不明 | — |
| NAG増加 | 頻度不明 | — |
| γ-GTP増加 | 頻度不明 | — |
| カンジダ症 | 頻度不明 | — |
| ヘマトクリット減少 | 頻度不明 | — |
| ヘモグロビン減少 | 頻度不明 | — |
| めまい | 1%未満 | — |
| リンパ球形態異常 | 頻度不明 | — |
| リンパ球減少 | 頻度不明 | — |
| 上気道の炎症 | 1%未満 | — |
| 下痢 | 頻度不明 | — |
| 不眠症 | 頻度不明 | — |
| 不飽和鉄結合能増加 | 頻度不明 | — |
| 便潜血陽性 | 頻度不明 | — |
| 便秘 | 頻度不明 | — |
| 倦怠感 | 頻度不明 | — |
| 傾眠 | 頻度不明 | — |
| 光線過敏性反応 | 頻度不明 | — |
| 動悸 | 頻度不明 | — |
| 単球増加 | 頻度不明 | — |
| 単球減少 | 頻度不明 | — |
| 口内炎 | 頻度不明 | — |
| 口唇炎 | 1%未満 | — |
| 口腔咽頭痛 | 頻度不明 | — |
| 味覚異常 | 1%未満 | — |
| 咳嗽 | 頻度不明 | — |
| 咽頭炎 | 頻度不明 | — |
| 嘔吐 | 1%未満 | — |
| 好中球増加 | 頻度不明 | — |
| 好中球減少 | 頻度不明 | — |
| 好塩基球増加 | 頻度不明 | — |
| 好酸球増加 | 頻度不明 | — |
| 尿中β2ミクログロブリン増加 | 頻度不明 | — |
| 尿中ウロビリノーゲン増加 | 頻度不明 | — |
| 尿中ブドウ糖陽性 | 頻度不明 | — |
| 尿中白血球陽性 | 頻度不明 | — |
| 尿中蛋白陽性 | 頻度不明 | — |
| 尿中赤血球陽性 | 頻度不明 | — |
| 尿円柱 | 頻度不明 | — |
| 尿沈渣陽性 | 頻度不明 | — |
| 帯状疱疹 | 頻度不明 | — |
| 心窩部不快感 | 頻度不明 | — |
| 悪寒 | 頻度不明 | — |
| 悪心 | 頻度不明 | — |
| 月経障害 | 頻度不明 | — |
| 歯周炎 | 頻度不明 | — |
| 気管支炎 | 頻度不明 | — |
| 浮腫 | 1%未満 | — |
| 消化不良 | 1%未満 | — |
| 消化性潰瘍 | 頻度不明 | — |
| 湿疹 | 1%未満 | — |
| 爪囲炎 | 頻度不明 | — |
| 異常感 | 頻度不明 | — |
| 瘙痒症 | 頻度不明 | — |
| 発熱 | 1%未満 | — |
| 発疹 | 頻度不明 | — |
| 白血球増加 | 頻度不明 | — |
| 白血球減少 | 頻度不明 | — |
| 皮膚乾燥 | 頻度不明 | — |
| 真菌症 | 頻度不明 | — |
| 筋痙縮 | 頻度不明 | — |
| 紅斑 | 頻度不明 | — |
| 総胆汁酸増加 | 頻度不明 | — |
| 総蛋白減少 | 1%未満 | — |
| 総鉄結合能減少 | 頻度不明 | — |
| 耳鳴 | 頻度不明 | — |
| 胃炎 | 1%未満 | — |
| 胃腸炎 | 頻度不明 | — |
| 胃腸障害 | 頻度不明 | — |
| 背部痛 | 頻度不明 | — |
| 脱毛 | 1%未満 | — |
| 腎盂腎炎 | 頻度不明 | — |
| 腹痛 | 頻度不明 | — |
| 腹部不快感 | 頻度不明 | — |
| 腹部膨満 | 頻度不明 | — |
| 膀胱炎 | 頻度不明 | — |
| 舌炎 | 頻度不明 | — |
| 蕁麻疹 | 1%未満 | — |
| 血中β2ミクログロブリン増加 | 頻度不明 | — |
| 血中アルブミン減少 | 頻度不明 | — |
| 血中クレアチニン増加 | 1%未満 | — |
| 血中コリンエステラーゼ減少 | 1%未満 | — |
| 血中ビリルビン増加 | 1%未満 | — |
| 血中尿素増加 | 頻度不明 | — |
| 血中鉄減少 | 頻度不明 | — |
| 血圧上昇 | 頻度不明 | — |
| 血小板増加 | 頻度不明 | — |
| 血小板減少 | 頻度不明 | — |
| 貧血 | 1%未満 | — |
| 赤血球減少 | 頻度不明 | — |
| 頭痛 | 頻度不明 | — |
| 頻尿 | 頻度不明 | — |
| 食欲減退 | 1%未満 | — |
| 食道炎 | 頻度不明 | — |
| 鼻咽頭炎 | 頻度不明 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
イグラチモドは主として、B細胞による免疫グロブリン(IgG、IgM)の産生及び単球/マクロファージや滑膜細胞による炎症性サイトカイン(TNFα、IL‒1β、IL‒6、IL‒8、MCP‒1)の産生を抑制することにより、抗リウマチ作用を示す。これらの作用は、免疫グロブリンや炎症性サイトカインのmRNA発現低下を伴っており、転写因子Nuclear FactorκB(NFκB)の活性化抑制を介した作用であることが示唆されている12)。
18.2 関節炎モデルに対する作用
慢性関節炎モデルであるラットのアジュバント関節炎に対して、予防及び治療投与で関節腫脹を軽減し、骨病変の進展を抑制した。また、マウスのコラーゲン誘発関節炎に対して、用量に応じた関節炎腫脹の進展抑制作用を示し、更に、自然発症型関節炎モデルであるMRL/lprマウスにおいて、後肢関節にみられる滑膜や骨・軟骨病変を組織学的に改善した13),14)。
18.3 細胞性免疫関与の炎症モデルに対する作用
ラットの自己免疫性脳脊髄炎モデルにおいて麻痺症状の発現を抑制し、マウスの遅延型足蹠浮腫反応も抑制した15),16)。
18.4 免疫グロブリン産生に対する作用
マウス及びヒトのB細胞を用いた培養実験において、免疫グロブリン(IgG及びIgM)産生を抑制した。また、関節リウマチ患者由来滑膜組織を移植した重症複合型免疫不全マウス(SCIDマウス)において、血清中に認められるヒトのIgG量を低下させた。更に、ラットのアジュバント関節炎及びMRL/lprマウスの自然発症型関節炎で認められる高ガンマグロブリン血症を改善した13),17),18)。
18.5 サイトカイン産生に対する作用
単球系細胞や関節リウマチ患者由来の滑膜細胞を用いた培養実験において、細胞刺激時にみられる炎症性サイトカイン(TNFα、IL-1β、IL-6、IL-8及びMCP-1)の産生を抑制した。また、免疫応答性肝障害モデルであるマウスのコンカナバリンA誘発肝炎において血清中TNFα量を、空気嚢型炎症モデルで滲出液中MCP-1量を、コラーゲン関節炎モデルで血清中IL-6量を用量に応じて抑制した19)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1 単回投与
高齢及び非高齢の健康成人男子(各7例)を対象に25mgを食後単回経口投与し、投与後72時間までの血漿中濃度を検討した。血漿中濃度は投与後約4時間で最高濃度に達し、高齢者では非高齢者に比べてやや高い濃度推移を示した3)。
- 16.1.2 反復投与
高齢及び非高齢の健康成人男子を対象に、イグラチモドを反復経口投与(1回25mg、1日2回14日間)した場合、未変化体の血漿中濃度は投与4日目から、代謝物M1(未変化体の3位アミノ体)、M2(未変化体の3位アセチルアミノ体)は、10日目から定常状態に達した。これらの血漿中濃度は、高齢者では非高齢者に比べやや高く推移した。最終投与後168時間までの血漿中濃度を検討した際の薬物動態パラメータを表1に示す。高齢者におけるCmax及びAUCは非高齢者に比べていずれもやや高値であった3)。
| 被験者 | Cmax (μg/mL) | tmax (hr) | AUC0-12 (μg・hr/mL) | t1/2 (hr) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 未変化体 | 非高齢者 | 1.60±0.34 | 3.3±1.0 | 12.2±2.8 | 73.3±15.6 |
| 高齢者 | 1.72±0.46 | 3.9±0.7 | 14.3±3.8 | 61.8±17.9 | |
| M1 | 非高齢者 | 0.537±0.185 | 3.3±1.5 | 5.58±1.76 | 43.5±13.1 |
| 高齢者 | 0.637±0.181 | 0.6±1.5 | 6.52±1.82 | 43.4±10.6 | |
| M2 | 非高齢者 | 2.97±1.10 | 3.3±1.5 | 33.0±12.5 | 52.8±11.5 |
| 高齢者 | 3.43±1.50 | 0.6±1.5 | 37.6±16.8 | 55.2±12.2 | |
| (平均±標準偏差、n=7) | |||||
- 16.1.3 生物学的同等性試験
イグラチモド錠25mg「サワイ」とケアラム錠25mgを健康成人男性にそれぞれ1錠(イグラチモドとして25mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中イグラチモド濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された4)。
| Cmax (ng/mL) | Tmax (hr) | T1/2 (hr) | AUC0-36hr (ng・hr/mL) | |
|---|---|---|---|---|
| イグラチモド錠25mg「サワイ」 | 1025±235 | 3.6±1.0 | 6.8±0.8 | 10848±2368 |
| ケアラム錠25mg | 960±179 | 3.5±1.1 | 6.8±0.7 | 10297±2276 |
| (Mean±S.D., n=19) | ||||
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
In vitro試験におけるヒト血清蛋白結合率は93.0~93.2%であった(測定方法:遠心限外ろ過法、薬物濃度:0.3~30μg/mL)5)。
16.4 代謝
イグラチモドを健康成人男子に反復経口投与(1回25mg、1日2回14日間)したとき、血漿中からM1、M2、M3(M2の6位フェノキシ基水酸化体)、M4(未変化体の6位フェノキシ基水酸化体)、M5(M1の6位フェノキシ基水酸化体)が検出され、これらのうちM1、M2は活性代謝物であった6)。
16.5 排泄
高齢及び非高齢の健康成人男子を対象に、イグラチモドを反復経口投与(1回25mg、1日2回14日間)したときの定常状態における24時間の尿中排泄率は約20%で、主にM3、M4が排泄され、未変化体、活性代謝物であるM1、M2は1%未満であった3)。