【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2 腫瘍、ヘルニア等による腸閉塞が確認されている又は疑われる患者[腸閉塞を悪化させるおそれがある。]

効能・効果

慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)

用法・用量

通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。

使用上の注意

本剤投与中は腹痛や下痢があらわれるおそれがあるので、症状に応じて減量、休薬又は中止を考慮し、本剤を漫然と継続投与しないよう、定期的に本剤の投与継続の必要性を検討すること。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝障害のある患者

胆道閉塞や胆汁酸分泌が低下している患者等では本剤の効果が期待できない場合がある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で大量経口投与により、母体毒性(1000mg/kg/日)並びに出生児の生存性、成長及び発達に影響(350mg/kg/日以上)がみられた1)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。14C-エロビキシバットを用いた動物実験(ラット)で、放射能の乳汁中への移行が報告されている2)。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
Al-P増加 1〜5%未満
AST増加 1〜5%未満
CK増加 1〜5%未満
LAP増加) 1〜5%未満
LDH増加 頻度不明
γ-GTP増加 1〜5%未満
じん麻疹 1%未満
ビタミンE増加 1%未満
ほてり 頻度不明
上腹部痛 1〜5%未満
下痢(14.4%) 5%以上
下腹部痛 1〜5%未満
下血 頻度不明
便意切迫 頻度不明
便秘 頻度不明
口内炎 1%未満
口渇 1%未満
嘔吐 頻度不明
変色便 頻度不明
好酸球数増加 頻度不明
悪心 1〜5%未満
排便回数増加 頻度不明
月経困難症 頻度不明
浮動性めまい 1〜5%未満
発疹 頻度不明
肛門失禁 頻度不明
肝機能異常(ALT増加 1〜5%未満
胃腸音異常 頻度不明
腹痛(23.2%) 5%以上
腹部不快感 1〜5%未満
腹部膨満 1〜5%未満
虚血性大腸炎 頻度不明
貧血 1〜5%未満
軟便 1〜5%未満
頭痛 頻度不明
食欲減退 頻度不明
鼓腸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

エロビキシバットは回腸末端部の上皮細胞に発現している胆汁酸トランスポーター(IBAT)を阻害し10)、胆汁酸の再吸収を抑制することで11)、大腸管腔内に流入する胆汁酸の量を増加させる。胆汁酸は、大腸管腔内に水分および電解質を分泌させ、さらに消化管運動を亢進させる為、本剤の便秘治療効果が発現する12),13),14)。

18.2 ロペラミド誘発ラット便秘モデルにおけるエロビキシバットの作用

ロペラミドにより誘発したラット便秘モデルにおいてエロビキシバットは単回経口投与により便秘改善作用を示した15)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

日本人慢性便秘患者を対象に、本剤5mg、10mg、15mgを朝食前に単回経口投与した時の薬物動態パラメータは以下のとおりであった5)。

用量 5mg 10mg 15mg
例数 10 10 10
Cmax(pg/mL) 186.8±87.1 386.4±215.4 389.7±103.6
AUC0-∞(pg・h/mL) 837.8±572.9 1272.5±656.2 1632.2±475.8
Tmax(h) 1.8±1.6 1.9±1.6 1.8±0.6
t1/2(h) 3.3±3.1 2.5±1.5 3.2±1.5
平均値±標準偏差

外国人健康成人男性6名に、14C-エロビキシバット5mg(約2.75MBq)を朝食前に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった6)。

パラメータ 5mg 14C-エロビキシバット
Cmax(nmol/L) 0.5±0.3
AUC0-∞(nmol・h/L) 1.2±0.4(n=3)
Tmax(h)※ 0.8(0.5-2.0)
t1/2(h) 0.8±0.2(n=3)
平均値±標準偏差※中央値(範囲)

16.2 吸収

  1. 16.2.1 食事の影響

日本人慢性便秘患者60名を対象に、クロスオーバー法で、本剤単回経口投与後の食事摂取の有無による薬物動態への影響を評価した。食前投与時のCmax及びAUC0-∞は、食事非摂取時の約20~30%であった5)。

16.3 分布

エロビキシバットのin vitroにおけるヒト血漿蛋白質との結合率は99%以上であり、ヒト血球移行率は5%未満であった7)。

16.4 代謝

外国人健康成人男性6名に14C-エロビキシバット5mg(約2.75MBq)を単回経口投与したときの血漿中には代謝物は認められなかった。投与24~48時間後までのプールした糞便中には未変化体及びモノヒドロキシエロビキシバットが認められたが、放射能の割合はそれぞれ96.06%及び3.16%であり、ほとんどが未変化体であった6)。

16.5 排泄

日本人慢性便秘患者に本剤を絶食下で単回経口投与した時、投与144時間後までの累積尿中薬物排泄率は投与量の0.01%程度であり、尿中への薬物の排泄はほとんど認められなかった5)。 外国人健康成人男性6名に14C-エロビキシバット5mg(約2.75MBq)を単回経口投与したとき、投与144時間後の糞便中には投与量の103.1%の放射能が排泄され、尿中には投与量の0.00~0.02%の放射能が排泄された8)。

16.7 薬物相互作用

Caco-2細胞においてP-糖蛋白質の基質であるジゴキシンの輸送に対するエロビキシバットのIC50値は2.65μmol/Lであり、P-糖蛋白質阻害作用を示した3)。 外国人健康成人男女25名を対象に本剤10mgを1日1回5日間経口投与し、ダビガトランエテキシラート150mg/回/日を1日目に、ミダゾラム2mg/回/日を1日目及び5日目に併用して、それぞれの単独投与時と比較した。その結果、P-糖蛋白質の基質であるダビガトランのAUC0-t及びCmaxは、単独投与時と比較してそれぞれ1.17倍(90%信頼区間:1.00-1.36)、1.13倍(90%信頼区間:0.96-1.33)であり、90%信頼区間の上限値がいずれも基準値の1.25を超えた。ミダゾラム5日目のAUC0-t及びCmaxは、単独投与時と比較してそれぞれ0.78倍(90%信頼区間:0.73-0.83)、0.94倍(90%信頼区間:0.87-1.01)であり、AUC0-tの90%信頼区間の下限値が基準値0.80を下回った4)。,