【警告】

本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して、十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • **以下の大細胞型B細胞リンパ腫 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 高悪性度B細胞リンパ腫

  • **再発又は難治性の濾胞性リンパ腫

用法・用量

**他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人には、ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)として、1回1.8mg/kg(体重)を3週間間隔で6回点滴静注する。初回投与時は90分かけて投与し、忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。

使用上の注意

  1. 8.1 骨髄抑制があらわれることがあるので、治療開始前及び治療期間中は、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、本剤の投与にあたっては、G-CSF製剤の適切な使用を考慮すること。

  2. 8.2 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

  3. 8.3 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 感染症を合併している患者

骨髄抑制等により、感染症が増悪するおそれがある。

  1. 9.1.2 末梢性ニューロパチーを合併している患者

症状を悪化させるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

本剤を構成するモノメチルアウリスタチンE(MMAE)は主に肝代謝により消失することから、肝機能障害はMMAEの血中濃度を上昇させる可能性がある。なお、肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1 *妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後9カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

  2. 9.4.2 *男性には、本剤投与中及び最終投与後6カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ラット)において、妊娠6日目及び13日目にMMAEを投与したところ、胚・胎児毒性及び催奇形性が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁中移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
LDH上昇 頻度不明
アミラーゼ増加 頻度不明
そう痒症 頻度不明
リパーゼ増加 頻度不明
下痢(15.3%) 頻度不明
低γグロブリン血症 頻度不明
低アルブミン血症 頻度不明
低カリウム血症 頻度不明
低カルシウム血症 頻度不明
低マグネシウム血症 頻度不明
低リン血症 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘(15.0%) 頻度不明
倦怠感 頻度不明
全身健康状態低下 頻度不明
全身性剥脱性皮膚炎 頻度不明
口内乾燥 頻度不明
口内炎 頻度不明
口腔咽頭痛 頻度不明
味覚異常 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
咽頭の炎症 頻度不明
嘔吐 頻度不明
四肢痛 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心(19.5%) 頻度不明
歩行障害 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
浮腫 頻度不明
消化不良 頻度不明
無力症 頻度不明
爪の障害 頻度不明
疲労(18.4%) 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
皮膚乾燥 頻度不明
皮膚剥脱 頻度不明
筋痙縮 頻度不明
筋骨格痛 頻度不明
粘膜の炎症 頻度不明
肺臓炎 頻度不明
胃酸逆流 頻度不明
脱毛症 頻度不明
脱水 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血中クレアチニン増加 頻度不明
血中免疫グロブリン減少 頻度不明
血尿 頻度不明
血管炎 頻度不明
錯感覚 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲減退 頻度不明
高血圧 頻度不明
鼻出血 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ポラツズマブ ベドチンは、抗CD79bヒト化IgG1モノクローナル抗体と、微小管重合阻害作用を有するMMAEを、リンカーを介して共有結合させた抗体薬物複合体である12)。 ポラツズマブ ベドチンは、腫瘍細胞の細胞膜上に発現するCD79bに結合し、細胞内に取り込まれた後にプロテアーゼによりリンカーが切断され、MMAEが細胞内に遊離する13),14),15),16)。遊離したMMAEは微小管に結合し、細胞分裂を阻害してアポトーシスを誘導すること等により、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている17),18),19)。

18.2 抗腫瘍効果

ポラツズマブ ベドチンは、ヒトびまん性大細胞型B細胞リンパ腫由来WSU-DLCL2細胞株を皮下移植した重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した20),21)。また、ポラツズマブ ベドチンとモスネツズマブとの併用により、各薬剤単独と比較して、WSU-DLCL2細胞株を皮下移植し、ヒト末梢血単核球を腹腔内に移植したインターロイキン2受容体γ鎖が完全欠損した非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスにおける腫瘍増殖抑制作用が増強した(in vivo)22)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回及び反復投与

日本人の再発又は難治性のB細胞性非ホジキンリンパ腫患者7例に、1サイクルを3週間として、本剤1.0mg/kg注1)又は1.8mg/kgを各サイクルの第1日目に静脈内投与したときの、初回投与後の本剤の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータ並びに反復投与時の本剤の血漿中濃度推移は以下のとおりであった。また、本剤1.8mg/kg投与時のCtroughに基づく本剤の蓄積係数は、第3及び6サイクルで、それぞれ1.67及び2.01であった1)。 注1)承認用量は1回1.8mg/kg(体重)である。

単回投与時の血漿中本剤濃度推移(平均値±標準偏差)n=3~4反復投与時の血漿中本剤濃度推移(平均値±標準偏差)n=3~4

用量 (mg/kg) 例数 Cmax (ng/mL) AUCinf (ng・day/mL) CL (mL/day/kg) Vss (mL/kg) t1/2 (day) Tmax注2) (day)
1.0 3 315±28.7 823±177 22.2±4.24 64.3±21.6 4.43±0.979注3) 0.0896 (0.0833-0.233)
1.8 3 613±67.2 2250±274 14.4±1.84 91.7±9.98 7.98±1.21 0.0903 (0.0889-0.231)
注2)中央値(範囲),注3)n=4

16.3 分布

MMAEのヒト血漿タンパクに対するin vitro結合率は71~77%であり、血液/血漿中濃度比は1.34~1.65であった2)。

16.4 代謝

In vitro試験においてMMAEは主にCYP3Aで代謝されることが示された3)。

16.5 排泄

ラットにMMAE部分を放射性標識したポラツズマブ ベドチンを10mg/kgで単回静脈内投与したところ、放射能のほとんどは糞中に排泄され、尿中への排泄率は投与量の約5%であった4)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 ケトコナゾール

生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤単独投与時に対するケトコナゾール(強いCYP3A阻害剤)併用投与時のMMAEのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ1.18及び1.48と推定された5)。

  1. 16.7.2 その他

生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤単独投与時に対するリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)併用投与時のMMAEのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ0.71及び0.51と推定された5)。