【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者

効能・効果

狭心症

用法・用量

ニコランジルとして、通常、成人1日量15mgを3回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1 本剤の投与開始時には、硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による拍動性の頭痛を起こすことがあるので、このような場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 緑内障の患者

眼圧を上昇させるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝障害のある患者

本剤投与中に肝機能検査値異常があらわれることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)でニコランジル及び/又はその代謝物の乳汁移行が認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

本剤投与の際には少量から投与するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下し、副作用が発現しやすいことが推定される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
Al-Pの上昇等 1%未満
ALTの上昇 1%未満
ASTの上昇 1%未満
のぼせ感等 1%未満
ビリルビンの上昇 1%未満
めまい 頻度不明
下痢 1%未満
下肢のむくみ 1%未満
不眠 1%未満
便秘 1%未満
全身倦怠感 1%未満
動悸 頻度不明
口内炎 頻度不明
口渇等 1%未満
口角炎 1%未満
嘔吐 頻度不明
性器潰瘍 頻度不明
悪心 頻度不明
気分不良 1%未満
発疹等 頻度不明
皮膚潰瘍 頻度不明
眠気 1%未満
眼筋麻痺 頻度不明
第3脳神経麻痺 頻度不明
第6脳神経麻痺 頻度不明
耳鳴 1%未満
肩こり等 1%未満
胃もたれ 1%未満
胃痛 1%未満
胃部不快感 1%未満
胸痛 1%未満
腹痛 1%未満
腹部膨満感 1%未満
舌のしびれ 1%未満
血中カリウム増加 頻度不明
血小板減少 頻度不明
複視 1%未満
角膜潰瘍 頻度不明
頭痛 頻度不明
頸部痛 1%未満
顔面紅潮 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

冠血管拡張作用では、亜硝酸薬と同様に冠血管平滑筋のグアニル酸サイクラーゼ活性化によるcyclic-GMP産生量の増大が考えられている(in vitro)。これに加えて、冠血流増加作用及び冠血管攣縮抑制作用では膜部位の過分極などが検討されている6)。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1 冠血管拡張作用

イヌ・ランゲンドルフ標本において正常灌流圧時には比較的細い冠動脈を拡張するが、低灌流圧による虚血時にはむしろ太い冠動脈血管を拡張した。また、無麻酔犬に静注すると血流量に依存しないで、太い冠動脈を用量依存的に拡張させた7),8)。

  1. 18.2.2 冠血流量に対する作用

  2. (1) ニコランジルを、麻酔開胸犬に静注あるいは十二指腸内投与すると冠血流量の増加とその持続が用量依存的に認められた。同様の成績は覚醒犬、イヌ心肺標本、イヌ・ランゲンドルフ標本においても得られた8),9),10),11),12)。

  3. (2) 左冠動脈狭窄及び左室収縮異常がない狭心症患者6例にニコランジルを5mg単回投与し、心拍数120/分まで増加の右心房ペーシング実施及び非実施下において冠静脈洞血流量を測定(持続熱希釈法)したところ、冠血流量はいずれの心拍数下でも有意な増加を示した13)。

  4. 18.2.3 冠血管攣縮緩解作用

ニコランジルは、イヌ冠動脈の部分狭窄による周期的な冠血流量の減少及び心電図のST上昇を抑制し、更にミニブタの冠動脈内にメサコリンあるいはノルアドレナリンを投与して生じる冠血管の攣縮を抑制した14),15)。

  1. 18.2.4 心・血行動態に対する作用

  2. (1) ニコランジルを麻酔開胸犬に静注すると、用量依存的に血圧を低下させるが、その程度は軽微であり、冠血管抵抗を有意に低下させる用量において、心拍数、心筋収縮力、心筋酸素消費量、房室伝導時間に影響を及ぼさなかった9),10),16)。

  3. (2) 左冠動脈狭窄及び左室収縮異常がない狭心症患者6例にニコランジルを5mg単回投与したところ、大動脈圧、Pressure Rate Productは有意な変化を示さなかった13)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 生物学的同等性試験
  • ニコランジル錠5mg「サワイ」とシグマート錠5mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(ニコランジルとして5mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ニコランジル濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された1)。

  • Cmax (ng/mL) Tmax (hr) T1/2 (hr) AUC0-6hr (ng・hr/mL)
    ニコランジル錠5mg「サワイ」 64.2±19.1 0.5±0.1 1.1±0.4 95.8±34.1
    シグマート錠5mg 69.9±15.4 0.5±0.1 0.9±0.4 97.4±33.9
    (Mean±S.D.)
  • 血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

  1. 16.3.1 血清蛋白結合率

ヒト血清を用いたin vitro試験によると、血清蛋白結合率は34.2~41.5%(ニコランジル濃度1~100μg/mL)であった2)。

16.4 代謝

ニコランジルのほとんどは脱ニトロ化されてN -(2-ヒドロキシエチル)ニコチンアミドへ代謝された3)。