【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 片頭痛

用法・用量

通常、成人にはラスミジタンとして1回100mgを片頭痛発作時に経口投与する。ただし、患者の状態に応じて1回50mg又は200mgを投与することができる。

頭痛の消失後に再発した場合は、24時間あたりの総投与量が200mgを超えない範囲で再投与できる。

使用上の注意

  1. 8.1 本剤投与により眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること。

  2. 8.2 片頭痛の急性期治療薬の服用日数の多い患者において、頭痛が悪化する場合には、「薬剤の使用過多による頭痛」1)の可能性を考慮し、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝機能障害患者

本剤投与の可否を慎重に検討すること。重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ウサギを用いた胚・胎児発生に関する試験では、臨床曝露量の2.8倍に相当する曝露量で、着床後胚損失率の増加及び胎児の心血管系の異常が認められた。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにおいて本剤及びその代謝物の乳汁中への移行が認められた。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

めまい、傾眠等により転倒するおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
不器用等を含む) 頻度不明
不安 1%未満
不快感を含む) 頻度不明
会話障害(構音障害 1%未満
傾眠(鎮静 頻度不明
動悸 頻度不明
協調運動障害(歩行障害 頻度不明
呼吸困難 1%未満
嗜眠(倦怠感 頻度不明
嘔吐 1%未満
四肢不快感 1%未満
回転性めまい 頻度不明
多幸気分 1%未満
失語症を含む) 1%未満
幻覚 1%未満
心拍数減少 頻度不明
悪心 頻度不明
感覚鈍麻注1) 頻度不明
振戦 1%未満
浮動性めまい(18.8%)注1) 頻度不明
熱感・冷感 1%未満
異常感(ゆったり感 頻度不明
疲労(無力症を含む) 頻度不明
睡眠異常 1%未満
筋力低下 頻度不明
筋痙攣 1%未満
胸部不快感 1%未満
落ち着きのなさ(下肢静止不能症候群等を含む) 1%未満
血管浮腫を含む) 1%未満
視力障害(霧視を含む) 1%未満
認知変化(注意力障害等を含む) 1%未満
過敏症(発疹 1%未満
過眠症を含む)注1) 頻度不明
酩酊感を含む) 頻度不明
錯乱状態 1%未満
錯感覚 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ラスミジタンは中枢移行性を有し、5-HT1F受容体に高い親和性と選択性を示す作動薬であり、三叉神経を含む疼痛経路を抑制することによって、ニューロペプチド放出を減少させ、片頭痛に対する治療効果を示すと考えられる29)。

18.2 薬理学的特性

ラスミジタンは5-HT1F受容体に対し、血管収縮と関連する5-HT1B受容体、及び5-HT1D受容体よりも440倍以上高い親和性を示す(in vitro)。ラスミジタンは、ウサギ伏在静脈、ヒト冠状動脈、内胸動脈及び硬膜動脈(ex vivo)並びにイヌ冠状動脈及び頸動脈(in vivo)に対して収縮作用を示さなかった30),31)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

日本人健康成人に本剤50mg、100mg、200mg及び400mg注5)を単回経口投与したときの血漿中ラスミジタン濃度は以下のとおりであった。本剤は速やかに吸収され、Cmax及びAUC(0-∞)は投与量の増加とともに上昇した5),6)。

図1)日本人健康成人における空腹時単回経口投与時の血漿中ラスミジタン濃度(平均値+標準偏差)注5)

投与量(例数) tmax(h)注3) t1/2(h)注4) Cmax(ng/mL) AUC(0-∞)(ng・h/mL) CL/F(L/h) Vz/F(L)
50mg(N=6) 2.27(1.48-4.03) 3.53(2.76-4.50) 54.1(35) 362(46) 138(46) 705(34)
100mg(N=7) 2.50(0.50-4.03) 3.50(2.72-3.97) 122(18) 791(22) 126(22) 639(15)
200mg(N=8) 2.26(1.05-4.17) 4.35(3.79-5.10) 249(39) 1540(26) 130(26) 816(23)
400mg注5)(N=7) 1.50(1.02-4.03) 4.17(3.55-6.15) 680(40) 3780(32) 106(32) 636(44)
幾何平均値(変動係数%)

注3)中央値(最小値-最大値)

注4)幾何平均値(最小値-最大値)

  1. 16.1.2 反復投与

健康成人43例に本剤200mg及び400mg注5)を1日1回7日間反復経口投与したとき、蓄積性は認められなかった7)(外国人データ)。

16.2 吸収

  1. 16.2.1 絶対的バイオアベイラビリティ

母集団薬物動態解析に基づくと、本剤50mgから200mgの用量範囲で経口投与したときの絶対的バイオアベイラビリティの予測値は50%から58%であった8)。

  1. 16.2.2 食事の影響

健康成人30例に本剤200mgを食後に単回経口投与したとき、空腹時と比較してCmaxは22%、AUC(0-∞)は19%増加した9)(外国人データ)。

16.3 分布

  1. 16.3.1 *分布容積

母集団薬物動態解析に基づく静脈内投与注6)後の分布容積(Vss)の平均値は304Lであった8)。

  1. 16.3.2 蛋白結合率

本剤の血漿蛋白結合率は約55%から60%であり、15ng/mLから500ng/mLの範囲において血漿中ラスミジタン濃度に依存しなかった10)。

16.4 代謝

  • 本剤は主にCYP以外の酵素により代謝を受ける。本剤の主要な代謝物はケトン還元によるM8であり、その他の代謝物として、ピペリジン環の酸化によるM7が認められた。これらの代謝物は薬理活性をもたない11)。

16.5 排泄

  • 静脈内投与注6)後の全身クリアランスの平均値は66.2L/hであった8)。尿中未変化体排泄率は約3%であり、腎排泄はわずかであった。尿中からは、投与量の約66%がM8として排泄され、投与48時間までに大部分が回収された12)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

重度腎機能障害患者に本剤200mgを単回経口投与したとき、健康成人と比較して、重度腎機能障害患者でCmaxは13%、AUC(0-∞)は18%増加した13)(外国人データ)。

  1. 16.6.2 肝機能障害患者

軽度及び中等度肝機能障害患者に本剤200mgを単回経口投与したとき、健康成人と比較して、軽度及び中等度肝機能障害患者でCmaxは19%及び33%、AUC(0-∞)は11%及び35%増加した14)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 In vitro試験

本剤はP-gp、BCRP、MATE1及びMATE2-Kに対する阻害作用を示し、IC50値はそれぞれ84.51、136.2、6.68及び5.09μmol/Lであった15)。

  1. 16.7.2 その他

  2. (1) ミダゾラム

健康成人40例に本剤200mgを反復経口投与後、ミダゾラム(CYP3A基質)2mgを単回経口併用投与したとき、ミダゾラム単回投与時と比較して、ミダゾラムのCmaxは12%減少し、AUC(0-∞)は3%減少した7)(外国人データ)。

  1. (2) カフェイン

健康成人40例に本剤200mgを反復経口投与後、カフェイン(CYP1A2基質)100mgを単回経口併用投与したとき、カフェイン単回投与時と比較して、カフェインのCmaxは10%減少し、AUC(0-∞)は5%増加した7)(外国人データ)。

  1. (3) トルブタミド

健康成人40例に本剤200mgを反復経口投与後、トルブタミド(CYP2C9基質)500mg(国内販売中止)を単回経口併用投与したとき、トルブタミド単回投与時と比較して、トルブタミドのCmaxは7%減少し、AUC(0-∞)は5%増加した7)(外国人データ)。

  1. (4) スマトリプタン

健康成人40例にスマトリプタン100mgと本剤200mgを単回経口併用投与したとき、本剤単独投与時と比較して、本剤のCmaxは7%、AUC(0-∞)は3%減少した。また、スマトリプタン単独投与時と比較して、スマトリプタンのCmaxは10%、AUC(0-∞)は4%増加した16)(外国人データ)。

  1. (5) プロプラノロール

健康成人44例にプロプラノロール80mgを反復経口投与後、本剤200mgを単回経口併用投与したとき、本剤単独投与時と比較して、本剤のCmaxは12%減少し、AUC(0-∞)に変化はなかった。また、プロプラノロール単独投与時と比較して、プロプラノロールのCmaxは4%、AUCτは0.1%減少した2),3)(外国人データ)。

  1. (6) トピラマート

健康成人30例にトピラマートを反復漸増経口投与後、トピラマート50mgと本剤200mgを単回経口併用投与したとき、本剤単独投与時と比較して、本剤のCmaxは9%、AUC(0-∞)は10%増加した。また、トピラマート単独投与時と比較して、トピラマートのCmaxは3%減少し、AUCτに変化はなかった17)(外国人データ)。

  1. (7) *ダビガトランエテキシラート

健康成人66例に本剤200mgを反復投与後、ダビガトランエテキシラート(P-gp基質)150mgと本剤200mgを単回経口併用投与したとき、ダビガトランエテキシラート単独投与時と比較して、ダビガトランのCmaxは22%、AUC(0-∞)は25%増加した(外国人データ)。

  1. (8) *ロスバスタチン

健康成人30例に本剤200mgを反復投与後、ロスバスタチン(BCRP基質)10mgと本剤200mgを単回経口併用投与したとき、ロスバスタチン単独投与時と比較して、ロスバスタチンのCmaxは7%、AUC(0-∞)は15%増加した(外国人データ)。

注5)本剤の承認された1回用量は通常100mg、最大200mgである。

注6)本剤の承認された用法は経口投与である。