【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

前立腺肥大症に伴う排尿障害

用法・用量

通常、成人にはシロドシンとして1回4mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。なお、症状に応じて適宜減量する。

使用上の注意

  1. 8.1 本剤は副作用の発現率が高く、特徴的な副作用として射精障害が高頻度に認められているため、本剤の使用にあたっては、本剤のリスクを十分に検討の上、患者に対しては副作用の説明を十分に行った上で使用すること。

  2. 8.2 起立性低血圧があらわれることがあるので、体位変換による血圧変化に注意すること。

  3. 8.3 めまいなどがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転など危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。

  4. 8.4 本剤投与開始時に降圧剤投与の有無について問診を行い、降圧剤が投与されている場合には血圧変化に注意し、血圧低下がみられたときには、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 起立性低血圧のある患者

症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

患者の状態を観察しながら低用量(1回2mg)から投与を開始するなどを考慮すること。シロドシンの血漿中濃度が上昇する。

9.3 肝機能障害患者

患者の状態を観察しながら低用量(1回2mg)から投与を開始するなどを考慮すること。シロドシンの血漿中濃度が上昇するおそれがある。

9.8 高齢者

肝機能又は腎機能が低下している場合は低用量(1回2mg)から投与を開始するなど、患者の状態を十分に観察しながら投与すること。高齢者では一般に生理機能が低下している。,

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
Al-P上昇 1〜5%未満
ALT上昇 1〜5%未満
AST上昇 1〜5%未満
BUN上昇 1%未満
CRP上昇 1〜5%未満
LDH上昇 1〜5%未満
γ-GTP上昇 1〜5%未満
インポテンス 1〜5%未満
かすみ目 頻度不明
クレアチニン上昇 1%未満
しびれ 頻度不明
そう痒感 1%未満
トリグリセリド上昇 5%以上
ふらつき 1〜5%未満
ヘマトクリット値減少 1〜5%未満
ほてり 1%未満
めまい 1〜5%未満
上室性期外収縮 1%未満
上腹部異和感 1%未満
下痢 1〜5%未満
下肢脱力感 1%未満
下腹部痛 1%未満
不整脈 1%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
前立腺特異抗原増加 1%未満
動悸 1%未満
十二指腸潰瘍 1%未満
口内炎 頻度不明
口唇腫脹 頻度不明
口渇 5%以上
1%未満
咽頭浮腫 頻度不明
嘔吐 1%未満
嘔気 1%未満
女性化乳房 頻度不明
射精障害(逆行性射精等)(17.2%)注1) 5%以上
尿失禁 1〜5%未満
尿沈渣上昇 1〜5%未満
尿糖上昇 1〜5%未満
尿蛋白上昇 1%未満
尿酸上昇 1%未満
心房細動 1%未満
性欲減退 1%未満
排便回数増加 1%未満
放屁増加 1%未満
残便感 1%未満
気分不良 1%未満
浮腫 頻度不明
湿疹 1%未満
発汗 1%未満
発疹 1%未満
白血球数増多 1%未満
白血球数減少 1〜5%未満
皮疹 1%未満
目のかゆみ 1%未満
眠気 1%未満
眼の充血 1%未満
眼瞼浮腫 頻度不明
立ちくらみ 1〜5%未満
結膜出血 1%未満
総コレステロール上昇 1〜5%未満
総ビリルビン上昇 1〜5%未満
総蛋白低下 1%未満
耳鳴 1%未満
肛門不快感 1%未満
肩こり 1%未満
胃もたれ感 1%未満
胃不快感 1〜5%未満
胃潰瘍 1%未満
胃炎 1%未満
胃痛 1%未満
胸やけ 1%未満
胸痛 1%未満
腰痛 1%未満
腹痛 1%未満
腹部膨満感 1%未満
舌腫脹 頻度不明
苦味 1%未満
萎縮性胃炎 1%未満
蕁麻疹 1%未満
血圧上昇 1%未満
血圧低下 1%未満
血小板数減少 1%未満
血清カリウム値上昇 1%未満
血色素量減少 1〜5%未満
術中虹彩緊張低下症候群(IFIS) 頻度不明
赤血球数減少 1〜5%未満
起立性低血圧 1%未満
軟便 1〜5%未満
頭がボーとする感じ 1%未満
頭痛 1〜5%未満
頭重感 1%未満
頻脈 1%未満
顔のほてり 1%未満
顔面腫脹 頻度不明
食欲不振 1%未満
鼻出血 1〜5%未満
鼻汁 1%未満
鼻閉 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

下部尿路組織である前立腺、尿道及び膀胱三角部に分布するα1A-アドレナリン受容体サブタイプを介する交感神経系を遮断することにより、下部尿路組織平滑筋の緊張を緩和し、尿道内圧の上昇を抑制し、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する20) 。

18.2 ヒト組織での作用

  1. 18.2.1 交感神経系α-アドレナリン受容体に対する親和性

ヒトα1-アドレナリン受容体に対する受容体結合試験において、α1A-アドレナリン受容体サブタイプへの高い親和性を示した21) (in vitro)。

  1. 18.2.2 前立腺に対する作用

ヒト前立腺膜標本を用いた受容体結合試験において、α1A-アドレナリン受容体サブタイプへの高い親和性を示した22) 。 ノルアドレナリンによるヒト前立腺平滑筋の収縮を抑制した22) (in vitro)。

18.3 動物での作用

  1. 18.3.1 下部尿路組織(前立腺、尿道及び膀胱三角部)に対する作用

摘出ウサギ前立腺、尿道及び膀胱三角部において、ノルアドレナリンによる収縮に対して強い拮抗作用を示した21) (in vitro)。

  1. 18.3.2 尿道内圧に対する作用

麻酔雄性ラットにおいて、血圧低下作用を示すよりも低い用量で、フェニレフリンによる前立腺部尿道内圧上昇を選択的に抑制した23) 。 麻酔雄性イヌにおいても、血圧低下作用を示すよりも低い用量で、下腹神経の電気刺激による前立腺部尿道内圧上昇を選択的に抑制した24) 。

  1. 18.3.3 前立腺肥大モデルに対する作用

性ホルモン投与にて作製した雄性ラット前立腺肥大モデルにおいて、蓄尿時に生じた膀胱刺激症状を抑制した25) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

健康成人男性(各群6例)にシロドシン0.5mgから12mg(カプセル)を単回経口投与したとき注2) 、血漿中シロドシン濃度は投与量の増加に伴って上昇し、Cmax及びAUC0-∞は線形性を示した3),4),5) 。

  1. 16.1.2 反復投与

健康成人男性5例にシロドシン4mg(カプセル)を1日2回7日間反復経口投与したとき(1日目及び7日目は1日1回投与)、血漿中シロドシン濃度は投与3日後には定常状態に達し、初回投与からの累積率は1.1倍であった3),6) 。

Cmax (ng/mL) AUC0-∞ (ng・hr/mL) Tmax (hr) t1/2 (hr)
単回 26.8±9.2 143.9±57.1 2.2±0.5 6.9±3.1
反復 28.7±7.6 134.3±39.0 2.0±0.0 10.4±4.6
(平均値±SD)

反復投与時のパラメータは、6日目までの積み重なり濃度を差し引いた7日目の濃度推移から得た結果を示した。

  1. 16.1.3 前立腺肥大症に伴う排尿障害患者での薬物動態

前立腺肥大症に伴う排尿障害患者を対象とした長期投与試験(カプセル)における探索的な母集団薬物動態解析(258例)の結果、定常状態時の投与2時間後及び12時間後の推定血漿中シロドシン濃度(平均値±SD)はそれぞれ24.8±8.0ng/mL及び7.4±3.3ng/mLであった。血漿中シロドシン濃度に対する変動要因について検討した結果、シロドシンのクリアランスは体重、年齢、CRP、ALT及び血清クレアチニンによって、分布容積は体重、年齢、CRP及びALTによって影響を受けることが示唆された。これら影響因子のうち、ALTについて、シロドシンの血漿中濃度に対する影響が大きいことが推察され、ALTの上昇(23→83IU/L)によりシロドシンのクリアランス及び分布容積はそれぞれ約47%及び約27%低下する可能性が示唆された7) 。,

  1. 16.1.4 生物学的同等性試験
  • 〈シロドシン錠4mg「JG」〉

シロドシン錠4mg「JG」とユリーフ錠4mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(シロドシンとして4mg)健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された8) 。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-24 (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) Tmax (hr) T1/2 (hr)
シロドシン錠4mg「JG」 135.50±47.45 34.51±12.69 1.3±1.0 6.2±2.6
ユリーフ錠4mg 136.73±54.76 32.87±14.30 1.2±1.0 5.7±2.4
(Mean±S.D., n=40)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

  • 〈シロドシンOD4mg「JG」〉
  1. (1) 水で服用

シロドシンOD錠4mg「JG」とユリーフOD錠4mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(シロドシンとして4mg)健康成人男性に水150mLと共に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された9) 。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-24 (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) Tmax (hr) T1/2 (hr)
シロドシンOD錠4mg「JG」 123.74±37.40 29.67±11.52 1.40±1.06 5.93±2.64
ユリーフOD錠4mg 126.54±35.56 32.04±12.14 1.22±0.97 6.35±2.54
(Mean±S.D., n=44)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

  1. (2) 水なしで服用

シロドシンOD錠4mg「JG」とユリーフOD錠4mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(シロドシンとして4mg)健康成人男性に水なしで絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された9) 。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-24 (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) Tmax (hr) T1/2 (hr)
シロドシンOD錠4mg「JG」 127.53±55.49 30.60±16.27 1.51±1.28 6.15±2.66
ユリーフOD錠4mg 125.89±59.20 32.64±15.40 1.52±1.10 5.63±2.89
(Mean±S.D., n=43)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

  1. 16.2.1 食事の影響

健康成人男性11例にシロドシン4mg(カプセル)を食後30分及び空腹時に単回経口投与したとき注2) 、食後投与及び空腹時投与でそれぞれ、Cmaxは23.0及び28.0ng/mL、AUC0-48hrは128.8及び135.9ng・hr/mL、Tmaxは2.1及び1.4時間、t1/2は6.0及び4.7時間であった3) 。

Cmax (ng/mL) AUC0-48hr (ng・hr/mL) Tmax (hr) t1/2 (hr)
食後 23.0±10.8 128.8±64.1 2.1±0.7 6.0±4.8
空腹時 28.0±9.6 135.9±55.4 1.4±1.1 4.7±3.7
(平均値±SD)
  1. 16.2.2 生物学的利用率

シロドシン4mg(カプセル)を単回経口投与したときの生物学的利用率は32.2%であった10) 。

16.3 分布

健康成人男性11例にシロドシン2mg(溶液)を4時間静脈内点滴投与時注2) のクリアランス及び分布容積はそれぞれ167.0±33.8mL/min及び49.5±17.3Lであった10) 。シロドシンのヒト血漿タンパクに対する結合率は、95.6%(100ng/mL添加時)であり、主な結合タンパクはα1-酸性糖タンパクであった3) (in vitro)。

16.4 代謝

シロドシンは主としてCYP3A4、UDP-グルクロン酸転移酵素、アルコール脱水素酵素及びアルデヒド脱水素酵素により代謝され、血漿中の主な代謝物はシロドシンのグルクロン酸抱合体及び酸化代謝物であった3) 。健康男性(外国人)6例に「14C」標識シロドシン8mg(溶液)を単回経口投与したとき注2) 、血漿中の総放射能AUC0-12hrに対して、血漿中のシロドシン、シロドシンのグルクロン酸抱合体及び酸化代謝物のAUC0-12hrは、それぞれ24.0、21.9及び34.9%であった。その他の代謝物の割合は、いずれも5%以下であった3),11) 。

16.5 排泄

健康男性(外国人)6例に「14C」標識シロドシン8mg(溶液)を単回経口投与したとき注2) 、投与後240時間までに、投与放射能の33.5%が尿中に、54.9%が糞中に排泄された3) 。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

腎機能低下者(クレアチニンクリアランス27~49mL/min)6例及び腎機能正常者(クレアチニンクリアランス125~176mL/min)7例にシロドシン4mg(カプセル)を単回経口投与したとき注2) 、腎機能低下者では腎機能正常者に比べて、シロドシンの血漿中総薬物濃度の上昇がみられた(Cmax3.1倍、AUC0-∞3.2倍)。この血漿中総薬物濃度の上昇は血清中α1-酸性糖タンパクとのタンパク結合による可能性があり、血漿中総薬物濃度と血清中α1-酸性糖タンパク濃度の間には高い相関が認められた。なお、シロドシンの薬効及び副作用発現に直接関与すると考えられる血漿中非結合形シロドシン濃度の上昇は総薬物濃度より小さかった(Cmax1.5倍、AUC0-∞2.0倍)3) 。,

Cmax (ng/mL) AUC0-∞ (ng・hr/mL) Tmax (hr) t1/2 (hr)
腎機能低下者 72.22±44.12 (1.48±1.30) 305.76±115.38 (6.34±3.43) 0.67±0.26 (0.83±0.26) 7.55±1.50 (8.71±3.94)
腎機能正常者 21.51±8.52 (0.71±0.13) 94.75±41.28 (2.96±1.09) 0.86±0.56 (0.86±0.56) 3.94±1.57 (4.39±1.34)
(平均値±SD) (  )内の値は血漿中非結合形シロドシン
  1. 16.6.2 高齢者

高齢男性(65~75歳)12例にシロドシン4mg(カプセル)を食後に単回経口投与したとき、非高齢男性(21~31歳)9例との薬物動態に明らかな違いはみられなかった3) 。 また、投与後48時間までの尿中累積排泄率は高齢男性、非高齢男性でそれぞれシロドシンが2.3及び2.4%、シロドシンのグルクロン酸抱合体が1.6及び1.8%、酸化代謝物が4.5及び4.9%であった3) 。

Cmax (ng/mL) AUC0-∞ (ng・hr/mL) Tmax (hr) t1/2 (hr)
高齢男性 21.8±11.6 142.4±54.7 2.5±1.4 10.5±4.0
非高齢男性 20.5±6.5 121.5±38.1 2.3±0.5 8.7±3.1
(平均値±SD)

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)併用

健康男性(外国人)16例にケトコナゾール200mgを1日1回4日間経口投与し、2日目にシロドシン4mg(カプセル)を単回経口投与した場合注2) 、併用時のシロドシンのCmax及びAUC0-∞は、シロドシン単独投与時に比べてそれぞれ3.7及び2.9倍に増加した3) 。

16.8 その他

  • 〈シロドシン錠2mg「JG」〉

シロドシン錠2mg「JG」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号 別紙2)」に基づき、シロドシン錠4mg「JG」を標準製剤とした溶出試験の結果、溶出挙動は同等と判定され、生物学的に同等とみなされた12) 。

  • 〈シロドシンOD錠2mg「JG」〉

シロドシンOD錠2mg「JG」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号 別紙2)」に基づき、シロドシンOD錠4mg「JG」を標準製剤とした溶出試験の結果、溶出挙動は同等と判定され、生物学的に同等とみなされた13) 。

注2)本剤の承認されている用法・用量は「1回4mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。なお、症状に応じて適宜減量する。」である。