中毒性メトヘモグロビン血症
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1 本剤の成分、フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2 グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症と判明している患者[メトヘモグロビン血症の増悪及び溶血を起こす可能性がある。]
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2.3 NADPH還元酵素欠損症と判明している患者[メトヘモグロビン血症の増悪及び溶血を起こす可能性がある。]
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2.4 塩素酸塩によるメトヘモグロビン血症患者[毒性の強い次亜塩素酸塩が形成される可能性がある。]
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2.5 シアン化合物中毒の解毒剤として投与した亜硝酸化合物によるメトヘモグロビン血症患者[シアンによる毒性が生じやすくなる。]
効能・効果
用法・用量
通常、生後3ヵ月を過ぎた乳幼児、小児及び成人には、メチルチオニニウム塩化物水和物として1回1~2mg/kgを5分以上かけて静脈内投与する。投与1時間以内に症状が改善しない場合は、必要に応じ、同量を繰り返し投与できるが、累積投与量は最大7mg/kgまでとする。 通常、新生児及び生後3ヵ月以下の乳児には、メチルチオニニウム塩化物水和物として1回0.3~0.5mg/kgを5分以上かけて静脈内投与する。投与1時間以内に症状が改善しない場合は、必要に応じ、同量を繰り返し投与できる。
使用上の注意
本剤による効果が認められない場合、チトクロームb5還元酵素欠損症又はスルフヘモグロビン血症等の可能性が考えられるため、他の治療法への切り替えを考慮すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 アニリン又はジアフェニルスルホンによるメトヘモグロビン血症患者
溶血を起こしやすい。,
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1 中等度又は高度の腎機能障害のある患者
低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。本剤の主たる排泄経路は腎臓であるため、腎機能障害の悪化又は本剤の排泄遅延による副作用発現のおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。適応外であるが、羊膜内投与で胎児の小腸閉鎖症、死亡が報告されている1),2)。また、動物実験(マウス)で催奇形性及び胎児の死亡増加が報告されている3)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
- 9.7.1 新生児及び生後3ヵ月以下の乳児
繰り返し投与を行う場合は、特に注意すること。本剤によりメトヘモグロビン血症の増悪や溶血を起こしやすい。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| ヘモグロビン減少 | 頻度不明 | — |
| 不安 | 頻度不明 | — |
| 不整脈 | 頻度不明 | — |
| 低血圧 | 頻度不明 | — |
| 低酸素症 | 頻度不明 | — |
| 呼吸困難 | 頻度不明 | — |
| 嘔吐 | 頻度不明 | — |
| 変色便(青緑色) | 頻度不明 | — |
| 失語症 | 頻度不明 | — |
| 悪心 | 頻度不明 | — |
| 振戦 | 頻度不明 | — |
| 排尿困難 | 頻度不明 | — |
| 散瞳 | 頻度不明 | — |
| 注射部位の局所組織壊死 | 頻度不明 | — |
| 浮動性めまい | 頻度不明 | — |
| 激越 | 頻度不明 | — |
| 発汗 | 頻度不明 | — |
| 発熱 | 頻度不明 | — |
| 皮膚変色(青色) | 頻度不明 | — |
| 着色尿(青緑色) | 頻度不明 | — |
| 胸痛 | 頻度不明 | — |
| 腎機能障害 | 頻度不明 | — |
| 腹痛 | 頻度不明 | — |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 | — |
| 錯乱状態 | 頻度不明 | — |
| 頭痛 | 頻度不明 | — |
| 頻呼吸 | 頻度不明 | — |
| 頻脈 | 頻度不明 | — |
| 高ビリルビン血症 | 頻度不明 | — |
| 高血圧 | 頻度不明 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
赤血球において、NADPH還元酵素存在下でメチルチオニニウム塩化物(メチレンブルー)より生成したロイコメチレンブルーが、メトヘモグロビンをヘモグロビンに還元して、メトヘモグロビン血症を改善する15),16)。
18.2 病態モデルにおける作用
メトヘモグロビン血症を誘発させたイヌにメチルチオニニウム塩化物を静脈内注射すると、血中メトヘモグロビン濃度の低下、あるいは正常化が認められた17),18),19),20)。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人12名にメチルチオニニウム塩化物水和物を1mg/kgの用量で約5分間かけて単回静脈内注射した場合の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは、次のとおりであった9)(外国人データ)。
メチルチオニニウム塩化物水和物1mg/kg単回静脈内注射時の血漿中濃度推移
| 投与量 | n | t1/2 (hr) | AUC0-∞ (ng・hr/mL) |
|---|---|---|---|
| 1mg/kg | 12 | 17.5 | 3069.4 |
16.3 分布
- 16.3.1 血漿蛋白結合率
ヒト血漿蛋白結合率は平衡透析法で94%であった10)(in vitro)。
- 16.3.2 ラットにおける組織分布
ラットにメチルチオニニウム塩化物水和物10mg/kgを単回静脈内投与したとき、投与1時間後における組織中メチルチオニニウム塩化物濃度は胆汁、脳、肝臓で高く、いずれも血液中よりも高かった11)。
16.5 排泄
健康成人(19~53歳)7例にメチルチオニニウム塩化物水和物100mgを単回静脈内注射した結果、投与後24時間までのメチルチオニニウム塩化物(還元型を含む)の累積尿中排泄率は28.6%であった12)(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1 モノアミン酸化酵素に対する阻害作用
本剤はヒト肝臓由来MAO(モノアミン酸化酵素)Aに対する阻害作用を有し、Ki値は27nMであった13)(in vitro)。