【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分又はヒダントイン系化合物に対し過敏症の患者

  2. 2.2 *,タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、マシテンタン、マシテンタン・タダラフィル、チカグレロル、アルテメテル・ルメファントリン、ダルナビル・コビシスタット、ドラビリン、ルラシドン、イサブコナゾニウム、エンシトレルビル、ニルマトレルビル・リトナビル、ミフェプリストン・ミソプロストール、リルピビリン、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ソホスブビル・ベルパタスビル、レジパスビル・ソホスブビル、ドルテグラビル・リルピビリン、カボテグラビル、レナカパビルを投与中の患者

効能・効果

  • てんかんのけいれん発作

  • 強直間代発作(全般けいれん発作、大発作) 焦点発作(ジャクソン型発作を含む)

  • 自律神経発作

  • 精神運動発作

用法・用量

  • フェニトインとして、通常成人1日200~300mg、小児には下記用量を毎食後3回に分割経口投与する。 症状、耐薬性に応じて適宜増減する。

  • 学童 100~300mg 幼児  50~200mg 乳児  20~100mg

使用上の注意

  1. 8.1 混合発作型では、単独投与により小発作の誘発又は増悪を招くことがある。

  2. 8.2 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。,

  3. 8.3 連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。,,,,

  4. 8.4 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  5. 8.5 長期投与例で、小脳萎縮があらわれることがあり、持続した本剤の血中濃度上昇との関連が示唆されているので、小脳症状(眼振、構音障害、運動失調等)に注意し、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  6. 8.6 複視、視覚障害、眼振、白内障があらわれることがあるので、定期的に視力検査を行うことが望ましい。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 血液障害のある患者

血液障害が悪化するおそれがある。,

  1. 9.1.2 甲状腺機能低下症の患者

甲状腺機能の異常をきたすおそれがある。

  1. 9.1.3 糖尿病の患者

2型糖尿病の患者で、高血糖を起こしたとの報告がある。

  1. 9.1.4 虚弱者

連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。

9.3 肝機能障害患者

肝機能障害の悪化、また、血中濃度上昇のおそれがある。,

9.5 妊婦

  1. 9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中に本剤を投与された患者の中に、口唇裂、口蓋裂、心奇形等を有する児を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。

  2. 9.5.2 妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り単独投与することが望ましい。妊娠中に他の抗てんかん剤(特にプリミドン)と併用して投与された患者群に、奇形を有する児を出産した例が本剤単独投与群と比較して多いとの疫学的調査報告がある。

  3. 9.5.3 妊娠中の投与により、児に腫瘍(神経芽細胞腫等)がみられたとの報告がある。

  4. 9.5.4 妊娠中の投与により、新生児に出血傾向があらわれることがある。

  5. 9.5.5 妊娠中の投与により、葉酸低下が生じるとの報告がある。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。ヒトで乳汁中への移行が報告されている1)。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1 少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。生理機能(肝機能、腎機能)が低下していることが多い。

  2. 9.8.2 投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
AST・ALT・γ-GTPの上昇等の肝機能障害 頻度不明
CK上昇 頻度不明
IgG等) 頻度不明
T4値等)の異常 頻度不明
アステリキシス(asterixis)等) 頻度不明
くる病注7) 頻度不明
けいれん・てんかん増悪 頻度不明
ニューロパシー 頻度不明
不眠 頻度不明
不随意運動(ジスキネジア 頻度不明
便秘 頻度不明
免疫グロブリン低下(IgA 頻度不明
多毛 頻度不明
巨赤芽球性貧血 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
歯牙の形成不全 頻度不明
歯肉増殖注5) 頻度不明
注意力・集中力・反射運動能力等の低下 頻度不明
猩紅熱様・麻疹様・中毒疹様発疹 頻度不明
甲状腺機能検査値(血清T3 頻度不明
発熱 頻度不明
白内障 頻度不明
眩暈 頻度不明
眼振 頻度不明
神経過敏 頻度不明
舞踏病アテトーゼ 頻度不明
蛋白尿等の腎障害 頻度不明
血清葉酸値の低下 頻度不明
複視 頻度不明
視覚障害 頻度不明
運動失調 頻度不明
頭痛 頻度不明
骨軟化症注7) 頻度不明
高血糖 頻度不明
黄疸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

フェニトインはマウス、ラット等の最小電撃けいれん閾値やペンテトラゾールけいれん閾値に対してほとんど作用を及ぼさないが、最大電撃けいれんに対してそのパターンを変える作用があり、最大電撃けいれんの強直相を強く抑制する13),14),15),16)。 また、本剤は神経膜を安定化し17)、シナプスにおけるpost-tetanic potentiation(PTP)を抑制する18)。 これらのことから、本剤の抗てんかん作用は、けいれん閾値を上昇させることによってもたらされるのではなく、発作焦点からのてんかん発射のひろがりを阻止することによるものと考えられている16),19)。

薬物動態

16.1 血中濃度

ヒダントール錠25mg8錠、錠100mg2錠(フェニトインとして200mg)をそれぞれ健康成人男子6名に食後単回経口投与して得られた薬物動態は下記のとおりである2)。

AUC(0-48hr) (hr・μg/mL) Cmax (μg/mL) Tmax (hr) T1/2 (hr)
錠25mg 143.0±35.3 6.0±1.3 4.2±1.0 16.8±2.3
錠100mg 137.8±29.6 6.3±0.9 3.2±1.0 15.2±2.2
(Mean±S.D., n=6)

16.3 分布

  1. 16.3.1 血漿蛋白結合率

約90%(in vitro、ヒト血漿、約20μg/mL、限外ろ過法)3)

16.4 代謝

  1. 16.4.1 主な代謝産物及び代謝経路

主として肝臓でフェニル基の一つが水酸化され、5-(p-hydroxyphenyl)-5-phenylhydantoin(HPPH)が生成した後、大部分はグルクロン酸抱合される4),5)。

  1. 16.4.2 代謝酵素

主としてCYP2C9及び一部CYP2C196)

16.5 排泄

  1. 16.5.1 排泄経路

主として尿中7)

  1. 16.5.2 排泄率

投与後6日間における排泄率は、尿中に総HPPHとして97.6~98.2%、フェニトインとして0.3~0.6%、糞中に総HPPHとしてtrace~1.6%、フェニトインとして0.7%であった。(健康成人、ヒダントール錠25mg4錠、1回経口投与)7)

16.7 薬物相互作用

フェニトインはCYP3A、CYP2B6及びP糖蛋白の誘導作用を有する8)。

16.8 その他

  1. 16.8.1 有効血中濃度

てんかんの重症度や症例によって違いはあるが、一般に成人の強直間代発作に対しては10~20μg/mLが目安として示されている9),10)。,,,

  1. 16.8.2 投与量と血中濃度との関係

定常状態におけるフェニトイン血中濃度と投与量の関係はMichaelis-Menten式(C=Km・D/(Dmax-D))を用いた曲線(図)で近似され、有効血中濃度付近では、投与量の増減が血中濃度に及ぼす影響は極めて大きい11)。また、定数Dmax、Kmの個人差は大きく、さらに成人に比較して年少児ほどDmaxの値は大きくなる12)。このため、フェニトインの血中濃度測定が、至適投与量の検討ないしは中毒症状発現防止に役立てられている。,,,