【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

トロンビンを投与中の患者

効能・効果

  • 全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向

  • (白血病、再生不良性貧血、紫斑病など、および手術中・術後の異常出血)

  • 局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血

  • (肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の異常出血)

  • 下記疾患における紅斑・腫脹・瘙痒などの症状

  • 湿疹およびその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹

  • 下記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹などの症状

  • 扁桃炎、咽喉頭炎

  • 口内炎における口内痛および口内粘膜アフター

用法・用量

トラネキサム酸として、通常下記1日量を3~4回に分割経口投与する。

年齢(歳) ~1 2~3 4~6 7~14 15~
1 日 量 トラネキサム酸 として(mg) 75~ 200 150~ 350 250~ 650 400~ 1,000 750~ 2,000
本剤として(mL) 1.5~4 3~7 5~13 8~20 15~40

なお、症状により適宜増減する。

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 血栓のある患者(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)及び血栓症があらわれるおそれのある患者

血栓を安定化するおそれがある。

  1. 9.1.2 消費性凝固障害のある患者

ヘパリン等と併用すること。血栓を安定化するおそれがある。

  1. 9.1.3 術後の臥床状態にある患者及び圧迫止血の処置を受けている患者

静脈血栓を生じやすい状態であり、本剤投与により血栓を安定化するおそれがある。離床、圧迫解除に伴い肺塞栓症を発症した例が報告されている。

  1. 9.1.4 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 腎不全のある患者

血中濃度が上昇することがある。

  1. 9.2.2 人工透析患者

9.5 妊婦

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
そう痒感 頻度不明
下痢 頻度不明
嘔吐 頻度不明
悪心 頻度不明
発疹等 頻度不明
眠気 頻度不明
胸やけ 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

線維素溶解現象(線溶現象)は生体の生理的ならびに病的状態において、フィブリン分解をはじめ、血管の透過性亢進等に関与し、プラスミンによって惹起される生体反応を含め、種々の出血症状やアレルギー等の発生進展や治癒と関連している。 トラネキサム酸は、このプラスミンの働きを阻止し、抗出血・抗アレルギー・抗炎症効果を示す。

18.2 抗プラスミン作用

トラネキサム酸は、プラスミンやプラスミノゲンのフィブリンアフィニティー部位であるリジン結合部位(LBS)と強く結合し、プラスミンやプラスミノゲンがフィブリンに結合するのを阻止する。このため、プラスミンによるフィブリン分解は強く抑制される。更に、α2-マクログロブリン等血漿中アンチプラスミンの存在下では、トラネキサム酸の抗線溶作用は一段と強化される6),7),8),9),10)。

18.3 止血作用

異常に亢進したプラスミンは、血小板の凝集阻止、凝固因子の分解等を起こすが、軽度の亢進でも、フィブリン分解がまず特異的に起こる。したがって一般の出血の場合、トラネキサム酸は、このフィブリン分解を阻害することによって止血すると考えられる6),11)。

18.4 抗アレルギー・抗炎症作用

トラネキサム酸は、血管透過性の亢進、アレルギーや炎症性病変の原因になっているキニンやその他の活性ペプチド等のプラスミンによる産生を抑制する(モルモット、ラット)11),12),13),14),15)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

健康成人男性15例にトラネキサム酸(錠注1)、カプセル注1))を単回経口投与したとき、薬物動態パラメータは次のとおりであった1)。

投与量 例数 Cmax(μg/mL) Tmax(hr) t1/2(hr)
錠250mg 5 3.9 2~3 3.1
錠500mg 5 6.0 3.3
カプセル500mg 5 5.5 3.3
  1. 16.1.2 生物学的同等性試験

トラネキサム酸シロップ5%「NIG」とトランサミンシロップ5%を、クロスオーバー法によりそれぞれ5mL(トラネキサム酸として250mg)健康成人男子に単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2)。

投与量 (mg) AUC0-8(μg・hr/mL) Cmax(μg/mL) Tmax(hr) T1/2(hr)
トラネキサム酸シロップ5%「NIG」 250 17.9±4.0 4.8±0.9 2.0±0.0 1.26±0.11
トランサミンシロップ5% 250 16.4±3.9 4.5±1.0 2.0±0.0 1.23±0.09
(平均±標準偏差、n=10)

血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

マウスに14C-トラネキサム酸を40mg/kgの投与量で単回経口投与したところ、大部分の臓器において投与1~2時間後に最高濃度を示し、組織内分布は、肝、腎、肺、膵で高く、子宮、脾、心、筋肉がこれに次ぎ、脳では低かった3)。

16.5 排泄

健康成人男性15例にトラネキサム酸を250mg(錠注1))又は500mg(錠注1)、カプセル注1))単回経口投与したとき、投与後24時間以内に投与量の約40~70%が未変化体として尿中に排泄された1)。

注1)本剤の承認された剤形はシロップ剤である。