化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
【警告】
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1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
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1.2 本剤の投与により間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、呼吸器疾患に精通した医師と連携して使用すること。投与中は、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認、定期的な動脈血酸素飽和度(SpO2)検査、胸部X線検査及び胸部CT検査の実施等、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。,,,,
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1.3 本剤投与開始前に、胸部CT検査及び問診を実施し、間質性肺疾患の合併又は既往歴がないことを確認した上で、投与の可否を慎重に判断すること。,,,,
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはダトポタマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回6mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。なお、患者の状態により適宜減量する。
使用上の注意
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8.1 間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は、臨床症状(呼吸状態、咳及び発熱等の有無)を十分に観察し、定期的に動脈血酸素飽和度(SpO2)検査、胸部X線検査及び胸部CT検査を行うこと。また、必要に応じて、血清マーカー等の検査を行うこと。なお、胸部CT検査等の読影については、呼吸器疾患の診断に精通した医師の助言を得ること。また、患者に対して、初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。,,,,
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8.2 角膜障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に眼の異常の有無を確認し、患者に対して、症状があらわれた場合には、速やかに眼科医を受診するよう指導すること。,
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8.3 Infusion reactionがあらわれることがあるので、本剤の投与は重度のInfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。,
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8.4 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。,
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者
間質性肺疾患が発現又は増悪し、死亡に至る可能性がある。,,,,
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1 中等度以上の肝機能障害のある患者
本剤を構成するカンプトテシン誘導体の主要消失経路は肝臓を介した胆汁排泄であるため、肝機能障害はカンプトテシン誘導体の血中濃度を上昇させる可能性がある。,,
9.4 生殖能を有する者
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9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。,
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9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を構成するカンプトテシン誘導体の類薬であるイリノテカンを用いた動物実験(ラット、ウサギ)において、催奇形性が報告されている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、本剤を構成するカンプトテシン誘導体の類薬であるイリノテカンを用いた動物実験(ラット)において、乳汁への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| そう痒症 | 頻度不明 | — |
| ドライアイ | 頻度不明 | — |
| マイボーム腺機能不全 | 頻度不明 | — |
| 下痢 | 頻度不明 | — |
| 便秘 | 頻度不明 | — |
| 口内乾燥 | 頻度不明 | — |
| 口内炎(55.6%) | 頻度不明 | — |
| 嘔吐 | 頻度不明 | — |
| 悪心(51.1%) | 頻度不明 | — |
| 流涙増加 | 頻度不明 | — |
| 疲労(37.8%) | 頻度不明 | — |
| 発疹 | 頻度不明 | — |
| 皮膚乾燥 | 頻度不明 | — |
| 皮膚色素沈着 | 頻度不明 | — |
| 眼瞼炎 | 頻度不明 | — |
| 睫毛眉毛脱落症 | 頻度不明 | — |
| 結膜炎 | 頻度不明 | — |
| 羞明 | 頻度不明 | — |
| 脱毛症(36.4%) | 頻度不明 | — |
| 視力障害 | 頻度不明 | — |
| 霧視 | 頻度不明 | — |
| 食欲減退 | 頻度不明 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ダトポタマブ デルクステカンは、trophoblast cell surface antigen 2(TROP-2)に対するヒト化モノクローナル抗体とトポイソメラーゼⅠ阻害作用を有するカンプトテシン誘導体を、リンカーを介して結合させた抗体薬物複合体である。ダトポタマブ デルクステカンは、腫瘍細胞の細胞膜上に発現するTROP-2に結合し、細胞内に取り込まれた後にリンカーが加水分解され、遊離したカンプトテシン誘導体がDNA傷害作用及びアポトーシス誘導作用を示すこと等により、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている15)(in vitro)。
18.2 抗腫瘍効果
ダトポタマブ デルクステカンは、TROP-2を発現するヒト乳癌由来HCC1806細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて腫瘍増殖抑制作用を示した16)(in vivo)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1 単回投与
ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌患者41例(日本人6例を含む)に本剤6mg/kgを90分間点滴静注したときのダトポタマブ デルクステカン及びカンプトテシン誘導体の濃度推移図と薬物動態パラメータは次のとおりであった3)。
単回投与時のダトポタマブ デルクステカン及びカンプトテシン誘導体の血漿中濃度推移図
| ダトポタマブ デルクステカン(41例) | |||
|---|---|---|---|
| Cmax (μg/mL) | Tmax (hr) | AUCtau (μg・日/mL) | t1/2 (日) |
| 172 (28.6) | 1.97 (1.62~5.02) | 796 (203) | 4.93 (1.35) |
| カンプトテシン誘導体(41例) | |||
| Cmax (ng/mL) | Tmax (hr) | AUCtau (ng・日/mL) | t1/2 (日) |
| 4.71 (9.97) | 22.1 (2.83~193) | 22.3注5) (10.1) | 5.83注6) (1.15) |
| 平均値(標準偏差)、Tmax:中央値(最小値~最大値)注5)37例注6)36例 | |||
- 16.1.2 反復投与
非小細胞肺癌患者50例(日本人12例を含む)に本剤6mg/kgを3週間間隔で点滴静注(3回投与)したときのダトポタマブ デルクステカンのAUCの累積係数は1.29であった3)。
16.3 分布
- 16.3.1 蛋白結合率
カンプトテシン誘導体をヒト血漿に10~100ng/mLの濃度で添加したときのヒト血漿蛋白結合率は超遠心法で96.8%~98.0%であった4)(in vitro)。
- 16.3.2 血球移行
カンプトテシン誘導体のヒト血液/血漿中放射能濃度比は0.59~0.62であった5)(in vitro)。
16.4 代謝
ダトポタマブ デルクステカンは主として細胞内のリソゾームにより異化を受けると推測される。カンプトテシン誘導体の消失には代謝の寄与は少ないと推測されるが、主としてCYP3Aが関与することが示された6)(in vitro)。
16.5 排泄
14C標識したカンプトテシン誘導体1mg/kgをカニクイザルに単回静脈内投与したとき、放射能は61.8%が糞中に排泄され、5.4%が尿中に排泄された7)。同様に、胆管カニュレーション処置したカニクイザルに単回静脈内投与したとき、放射能は70.7%が胆汁に排泄され、4.8%が尿中に、0.1%が糞中に排泄された7)。いずれにおいても検出された主な放射性成分はカンプトテシン誘導体であった8)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1 肝機能障害患者
非小細胞肺癌患者及び乳癌患者(日本人を含む)を対象とした母集団薬物動態解析の結果、投与量で補正した第3サイクルのカンプトテシン誘導体のCmax及びAUCの比は、肝機能が正常な患者(779例)に対し軽度の肝機能障害を有する患者注7)(295例)では、それぞれ1.19及び1.14と推定された。また、中等度の肝機能障害を有する患者注8)(6例)では、それぞれ2.51及び2.40と推定された。
注7)総ビリルビンが基準値上限以下かつASTが基準値上限超、又はASTの値にかかわらず総ビリルビンが基準値上限超かつ基準値上限の1.5倍未満
注8)ASTの値にかかわらず総ビリルビンが基準値上限の1.5倍超3倍未満
16.7 薬物相互作用
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16.7.1 その他
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(1) 生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール(強いCYP3A阻害作用並びにP-gp及びBCRP阻害作用を有する薬剤9))又はリトナビル(強いCYP3A阻害作用並びにP-gp、BCRP及びOATP1B阻害作用を有する薬剤10))併用投与時のカンプトテシン誘導体のAUCの幾何平均値の比はそれぞれ1.21及び1.32と予測された(白人の癌患者におけるシミュレーション)11)。
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(2) カンプトテシン誘導体はMATE2-K及びMRP1の基質であることが示された12),13)(in vitro)。