【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分又は他のキノロン系抗菌薬に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  3. 2.3 小児等

効能・効果

  • 〈適応菌種〉

本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、緑膿菌、レジオネラ・ニューモフィラ、ペプトストレプトコッカス属、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリウム属、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)

  • 〈適応症〉

  • 咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染

  • 膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎

  • 子宮頸管炎

  • 中耳炎、副鼻腔炎

  • 歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

用法・用量

通常、成人に対してシタフロキサシンとして1回50mgを1日2回又は1回100mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分と思われる症例には、シタフロキサシンとして1回100mgを1日2回経口投与することができる。

使用上の注意

  1. 8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  2. 8.2 大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。,

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

痙攣を起こすことがある。

  1. 9.1.2 重症筋無力症の患者

類薬で症状を悪化させるとの報告がある2)。

  1. 9.1.3 大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子(マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群等)を有する患者

必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。,

9.2 腎機能障害患者

,

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で器官形成期の投与において、胎児の体重減少及び骨化遅延、出生児(離乳後)の体重増加抑制が認められている。動物実験(ウサギ)で器官形成期の投与において、流産及び胎児の骨格変異の増加が認められている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

投与しないこと。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。動物実験(幼若犬)で関節部の軟骨障害が認められている。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1 腱障害があらわれやすいとの報告がある。

  2. 9.8.2 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
ALP上昇 1%未満
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
CK上昇 1%未満
LDH上昇 1%未満
γ-GTP上昇 頻度不明
そう痒症 1%未満
トリグリセリド増加 1%未満
めまい 1%未満
下痢注1) 頻度不明
不眠症 1%未満
便秘 1%未満
倦怠感 1%未満
光線過敏症 頻度不明
口の錯感覚 1%未満
口内炎 1%未満
口唇炎 1%未満
口渇 1%未満
嘔吐 1%未満
好中球数減少 1%未満
好酸球数増加 頻度不明
尿蛋白陽性 1%未満
悪寒 1%未満
悪心 1%未満
排便回数増加 1%未満
浮腫 頻度不明
消化不良 1%未満
異常感 1%未満
発疹 頻度不明
白血球数増加 1%未満
白血球数減少 1%未満
背部痛 1%未満
腟カンジダ症 1%未満
腹痛 頻度不明
腹部不快感 1%未満
腹部膨満 1%未満
舌炎 1%未満
蕁麻疹 1%未満
血中カリウム増加 1%未満
血中カリウム減少 1%未満
血小板数増加 1%未満
血糖減少 1%未満
軟便注1) 頻度不明
頭痛 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

シタフロキサシンは細菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼⅣに対して阻害活性を示し、殺菌的に作用する。シタフロキサシンの両酵素に対する阻害活性は、対照とした他のニューキノロン系抗菌薬より強かった。さらに、シタフロキサシンはキノロン耐性菌由来酵素に対しても強い阻害活性を示した25),26),27),28)(in vitro)。

18.2 抗菌作用

シタフロキサシンは好気性又は嫌気性のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、非定型菌に対し、幅広い抗菌スペクトルを有し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、緑膿菌、レジオネラ・ニューモフィラ、ペプトストレプトコッカス属、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリウム属、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)などに対して強い抗菌力を示した25)。特に肺炎球菌(ペニシリン耐性、マクロライド耐性及び多剤耐性肺炎球菌を含む)及び腸球菌属、緑膿菌及び大腸菌(キノロン耐性大腸菌を含む)に対して、他のニューキノロン系抗菌薬に比べ強い抗菌活性を示した6),25),29),30),31),32)。

18.3 実験的感染症に対する治療効果

グラム陽性菌及びグラム陰性菌によるマウス敗血症モデルにおいて、シタフロキサシンはin vitroでの抗菌力を反映する感染防御効果を示した。また、肺炎球菌によるマウス呼吸器感染モデルにおいて、対照とした他のニューキノロン系抗菌薬より優れた治療効果を示した25)。

18.4 呼吸器感染症におけるPK/PD解析

成人の呼吸器感染症を対象とした臨床試験で実施したPK/PD解析結果から、AUC0-24hr/MIC又はCmax/MICの上昇に伴い、原因菌の消失率が上昇することが確認された。肺炎球菌を含む呼吸器感染症の主要原因菌の消失率は、AUC0-24hr/MICが100を超えた場合に96.3%(78/81)、Cmax/MICが5を超えた場合に96.3%(79/82)であった29)。また、肺炎球菌性呼吸器感染症を対象とした臨床試験における肺炎球菌の消失率は、血清中シタフロキサシン濃度を非結合型濃度に換算したfAUC0-24hr/MICが30を超えた場合に98.9%(89/90)、fCpeak/MICが2を超えた場合に98.9%(89/90)であった30)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 健康成人男性にシタフロキサシンを単回経口投与(空腹時及び食後)した場合、薬物動態パラメータは次のとおりである3),4)。
投与量 例数 Cmax (μg/mL) Tmax (hr) t1/2 (hr) AUC0-∞ (μg・hr/mL) Vdz/F (L/kg)
50mg空腹時 6 0.51±0.14 1.2±0.5 6.2±0.4 2.62±0.52 2.8±0.5
100mg空腹時 6 1.00±0.14 1.2±0.5 5.7±0.7 5.55±1.22 2.5±0.7
100mg食後 6 0.88±0.31 2.0±0.8 5.5±0.5 5.81±1.31 2.3±0.3
ノンコンパートメント解析(mean±SD)
  1. 16.1.2 生物学的同等性試験

シタフロキサシン錠50mg「サワイ」とグレースビット錠50mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(シタフロキサシンとして50mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中シタフロキサシン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された5)。

Cmax (ng/mL) Tmax (hr) T1/2 (hr) AUC0-24hr (ng・hr/mL)
シタフロキサシン錠50mg「サワイ」 784±210 0.8±0.3 6.4±0.5 2995±275
グレースビット錠50mg 767±169 0.9±0.3 6.5±0.6 3025±349
(Mean±S.D.)

血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

  1. 16.3.1 シタフロキサシン50mg又は100mgを単回経口投与した場合の各組織及び体液中濃度は次のとおりであり、良好な組織移行性が確認された6),7),8)。
組織・体液 投与量 例数 投与後時間(hr) 組織・体液中濃度 (μg/g) 対血清中濃度比
中耳粘膜 100mg 9 2.7~3.1 0.82±0.73 1.4±0.7注2)
上顎洞粘膜 100mg 4 2.0~3.0 0.56±0.31 1.1±0.8
篩骨洞粘膜 100mg 6 2.3~4.0 0.96±0.61 1.6±0.5
口蓋扁桃 50mg 10 2.0~3.8 0.63±0.20 1.8±0.4
歯肉 50mg 10 2.7~3.7 0.57±0.17 1.3±0.4
抜歯創貯留液 50mg 10 2.7~3.7 0.32±0.17 0.8±0.5
mean±SD注2)血清中濃度が定量下限未満となった被験者以外の8名の値
  1. 16.3.2 血清蛋白結合率

健康成人にシタフロキサシンを100mg単回経口投与した場合、投与後1時間、4時間、8時間におけるシタフロキサシンの血清蛋白結合率は46%~55%(限外ろ過法)であり、いずれの時点においてもほぼ一定の値を示した4)。

  1. 16.3.3 ラット乳汁移行性

分娩後9日目の哺育中ラットに14C標識シタフロキサシン水和物4.69mg/kgを非絶食下単回経口投与したとき、投与後8時間までの乳汁中放射能濃度の血清中濃度に対する比は2.59~4.25であった9)。

16.4 代謝

シタフロキサシンはほとんど代謝を受けず、未変化体のまま尿中に排泄された。一部、血清、尿、糞中代謝物としてグルクロナイド、7'-オキソ体、7'S-水酸化体、7'S-水酸化体グルクロナイド、N-アセチル抱合体が認められた10)(外国人データ)。 ヒト生体試料を用いたin vitro試験では、チトクロームP450分子種CYP1A1及びCYP1A2に対し弱い阻害を示したが、CYP2C9、CYP2D6及びCYP3A4などに対しては、阻害は認められなかった11)(in vitro)。

16.5 排泄

健康成人にシタフロキサシン50mg、100mgを空腹時単回経口投与した場合、投与後48時間までに、それぞれ投与量の約70%が未変化体のまま尿中に排泄された4)。 また、14C標識シタフロキサシン100mg単回経口投与後、72時間までに放射能の約80%が尿中へ、約20%が糞中に排泄された12)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

CLcr値により3群に分け、シタフロキサシン50mgを空腹時単回投与した場合、腎機能低下に伴い、血清中濃度の消失の遅延及び尿中排泄の遅延が認められた13)。,

腎機能CLcr(mL/min) 例数 Cmax (μg/mL) Tmax (hr) t1/2 (hr) AUC0-24hr (μg・hr/mL) 累積尿中排泄率(%)
0~24時間 0~48時間
軽度障害群 60≦CLcr<90 6 0.63±0.35 1.7±1.1 7.5±1.3 4.18±0.91 43.4±7.1 48.9±7.4
中等度障害群 30≦CLcr<60 3 0.75±0.22 1.5±1.3 11.5±2.2 6.29±1.21 37.4±4.2 44.7±2.2
重度障害群 10≦CLcr<30 3 0.60±0.06 1.8±1.9 16.3±2.1 6.33±0.67 14.5±5.1 20.1±5.8
ノンコンパートメント解析(mean±SD)
腎機能CLcr (mL/min) 母集団薬物動態解析から推定したパラメータ注3)
Cmax (μg/mL) AUC0-24hr (μg・hr/mL)
50≦CLcr Cmax≦0.72注4) AUC0-24hr≦12.92注4)
30≦CLcr<50 0.51<Cmax≦0.67 6.46<AUC0-24hr≦10.78
10≦CLcr<30 0.50<Cmax≦0.91 5.39<AUC0-48hr×1/2≦16.13
注3)体重60kgとした場合注4)50mg 1日2回
  1. 16.6.2 高齢者

高齢者5名(67~80歳)及び非高齢者6名(25~35歳)にシタフロキサシン100mgを空腹時単回投与した場合、非高齢者群に比べて高齢者群では、t1/2の延長、Cmaxの低下及びAUC0-24hrの増加がみられた。シタフロキサシンの薬物動態は、加齢に伴う吸収・排泄機能低下により影響されることが示唆された15)。

例数 Cmax (μg/mL) Tmax (hr) AUC0-24hr (μg・hr/mL) t1/2注5) (hr)
高齢者 5 0.61±0.23 3.80±1.48 6.35±1.51 6.05±1.19
非高齢者 6 0.91±0.38 0.92±0.20 4.86±0.82 3.30±1.18
ノンコンパートメント解析(mean±SD)注5)1-コンパートメントモデル解析により算出

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸薬等、カルシウム剤、鉄剤

シタフロキサシン100mgを単回経口投与時に、乾燥水酸化アルミニウムゲル(1g)、酸化マグネシウム(500mg)、沈降炭酸カルシウム(1g)又は乾燥硫酸鉄(鉄として50mg)を併用経口投与した場合、シタフロキサシンのAUC0-24hrはそれぞれシタフロキサシン単独投与時の25%、49%、68%及び44%に低下し、シタフロキサシンのCmaxはそれぞれシタフロキサシン単独投与時の18%、43%、63%及び33%に低下した16)。