【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分又は三環系抗うつ剤に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2 重篤な血液障害のある患者

  3. 2.3 第Ⅱ度以上の房室ブロック、高度の徐脈(50拍/分未満)のある患者

  4. 2.4 *ボリコナゾール、タダラフィル(アドシルカ)、リルピビリン、マシテンタン、チカグレロル、グラゾプレビル、エルバスビル、ドルテグラビル・リルピビリン、ダルナビル・コビシスタット、アルテメテル・ルメファントリン、ドラビリン、イサブコナゾニウム、カボテグラビル、ソホスブビル・ベルパタスビル、レジパスビル・ソホスブビル、ニルマトレルビル・リトナビル、エンシトレルビル、ミフェプリストン・ミソプロストール、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドを投与中の患者

  5. 2.5 ポルフィリン症の患者[ポルフィリン合成が増加し、症状が悪化するおそれがある。]

効能・効果

  • 精神運動発作、てんかん性格及びてんかんに伴う精神障害、てんかんのけいれん発作:強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)

  • 躁病、躁うつ病の躁状態、統合失調症の興奮状態

  • 三叉神経痛

用法・用量

  • 〈精神運動発作、てんかん性格及びてんかんに伴う精神障害、てんかんのけいれん発作:強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)の場合〉

カルバマゼピンとして通常、成人には最初1日量200~400mgを1~2回に分割経口投与し、至適効果が得られるまで(通常1日600mg)徐々に増量する。症状により1日1,200mgまで増量することができる。小児に対しては、年齢、症状に応じて、通常1日量100~600mgを分割経口投与する。

  • 〈躁病、躁うつ病の躁状態、統合失調症の興奮状態の場合〉

カルバマゼピンとして通常、成人には最初1日量200~400mgを1~2回に分割経口投与し、至適効果が得られるまで(通常1日600mg)徐々に増量する。症状により1日1,200mgまで増量することができる。

  • 〈三叉神経痛の場合〉

カルバマゼピンとして通常、成人には最初1日量200~400mgからはじめ、通常1日600mgまでを分割経口投与するが、症状により1日800mgまで増量することができる。小児に対しては、年齢、症状に応じて適宜減量する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1 連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。,,,,

  2. 8.2 眠気、悪心・嘔吐、めまい、複視、運動失調等の症状は過量投与の徴候であることが多いので、このような症状があらわれた場合には、至適有効量まで徐々に減量すること。特に投与開始初期にみられることが多いため、低用量より投与を開始することが望ましい。,

  3. 8.3 定期的に視力検査を行うことが望ましい。

  • 〈精神運動発作、てんかん性格及びてんかんに伴う精神障害、てんかんの痙攣発作:強直間代発作(全般痙攣発作、大発作)〉
  1. 8.4 **眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがある。自動車の運転等危険を伴う機械操作の適否は、関連学会の留意事項1)を十分理解の上、医師が慎重に判断し、危険を伴う機械操作を行う場合には十分な注意が必要であることを適切に患者に指導すること。また、眠気等があらわれた場合には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないよう、患者に指導すること。

  2. 8.5 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。なお、高齢者、虚弱者の場合は特に注意すること。

  3. 8.6 抗てんかん剤の投与により発作が悪化又は誘発されることがある。混合発作型あるいは本剤が無効とされている小発作(欠神発作、非定型欠神発作、脱力発作、ミオクロニー発作)の患者に本剤を投与する場合には状態に注意し、発作が悪化あるいは誘発された場合には本剤の投与を徐々に減量し中止すること。

  • 〈統合失調症の興奮状態〉
  1. 8.7 抗精神病薬で十分な効果が認められない場合に使用すること。
  • 〈躁病、躁うつ病の躁状態、統合失調症の興奮状態及び三叉神経痛〉
  1. 8.8 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 心不全、心筋梗塞等の心疾患又は第Ⅰ度の房室ブロックのある患者

  2. 9.1.2 排尿困難又は眼圧亢進等のある患者

抗コリン作用を有するため症状を悪化させることがある。

  1. 9.1.3 薬物過敏症の患者

  2. 9.1.4 甲状腺機能低下症の患者

甲状腺ホルモン濃度を低下させるとの報告がある。

9.2 腎機能障害患者

血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。このような患者では代謝・排泄機能が低下しているため。,

9.3 肝機能障害患者

血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。代謝・排泄機能が低下しているため。,

9.4 生殖能を有する者

男性の生殖能力障害と精子形成異常の報告がある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。やむを得ず本剤を妊娠中に投与する場合には、可能な限り他の抗てんかん剤との併用は避けることが望ましい。妊娠中に本剤が投与された患者の中に、奇形(二分脊椎を含む)を有する児や発育障害の児を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある2)。また、本剤の単独投与に比べ、本剤と他の抗てんかん剤(特にバルプロ酸ナトリウム)の併用では口蓋裂、口唇裂、心室中隔欠損等の奇形を有する児の出産例が多いとの疫学的調査報告がある3)。なお、尿道下裂の報告もある。

  2. 9.5.2 分娩前に本剤又は他の抗てんかん剤と併用し連用した場合、出産後新生児に禁断症状(痙攣、呼吸障害、嘔吐、下痢、摂食障害等)があらわれるとの報告がある。

  3. 9.5.3 妊娠中の投与により、新生児に出血傾向があらわれることがある。

  4. 9.5.4 妊娠中の投与により、葉酸低下が生じるとの報告がある。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。母乳中へ移行することが報告されている。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
5%以上
5%以上
頻度不明
1%未満
5%以上
1%未満
頻度不明
5%以上
5%以上
5%以上
5%以上
1〜5%未満
5%以上
1%未満
1〜5%未満
5%以上
1%未満
5%以上
1%未満
ALP 5%以上
ALT 5%以上
AST上昇 1〜5%未満
BUN 1〜5%未満
CK(CPK)上昇 頻度不明
CRP上昇 頻度不明
IgG等) 頻度不明
γ-GTPの上昇 5%以上
アステリキシス等) 1〜5%未満
インポテンス 頻度不明
クレアチニンの上昇 1〜5%未満
コレステロール上昇 頻度不明
ざ瘡 頻度不明
せん妄 頻度不明
そう痒症 1〜5%未満
トリグリセリド上昇 頻度不明
ビタミンD・カルシウム代謝異常(血清カルシウムの低下等) 頻度不明
ふらつき 5%以上
プロラクチン上昇 頻度不明
ポルフィリン症 頻度不明
めまい 5%以上
リンパ節腫脹 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
不整脈 頻度不明
不随意運動(振戦 1〜5%未満
丘疹 頻度不明
乏尿 頻度不明
乳汁漏出 頻度不明
低ナトリウム血症 頻度不明
体液貯留 頻度不明
体重増加 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
光線過敏症 1%未満
免疫グロブリン低下(IgA 頻度不明
刺激伝導障害 頻度不明
口内炎 頻度不明
口渇 1〜5%未満
口顔面ジスキネジー 頻度不明
味覚異常 1〜5%未満
呼吸困難 頻度不明
咳嗽等) 1%未満
多形結節性紅斑 頻度不明
多毛 頻度不明
大腸炎 頻度不明
女性化乳房 頻度不明
好酸球増多症 頻度不明
尿閉 頻度不明
巨赤芽球性貧血 頻度不明
幻覚(視覚 頻度不明
悪心・嘔吐 1〜5%未満
意識障害 頻度不明
感冒様症状(鼻咽頭炎 1%未満
抑うつ 1〜5%未満
攻撃的行動 頻度不明
末梢神経炎 頻度不明
水晶体混濁 頻度不明
注意力・集中力・反射運動能力等の低下 1〜5%未満
浮腫 1〜5%未満
潮紅 1%未満
激越 頻度不明
爪の変形 頻度不明
爪の変色等) 頻度不明
爪の障害(爪甲脱落症 頻度不明
猩紅熱様・麻疹様・中毒疹様発疹 1〜5%未満
甲状腺機能検査値の異常(T4値の低下等) 頻度不明
異常眼球運動(眼球回転発作) 頻度不明
発汗 1〜5%未満
発熱 1〜5%未満
白血球増多 頻度不明
眠気 5%以上
眼圧上昇 頻度不明
眼振 1%未満
知覚異常 頻度不明
立ちくらみ 1〜5%未満
筋痙攣 1%未満
筋痛 1%未満
筋脱力 1〜5%未満
紫斑 頻度不明
結膜炎 頻度不明
網状赤血球増加症 頻度不明
聴力低下 頻度不明
聴覚) 頻度不明
聴覚異常(耳鳴 頻度不明
聴覚過敏 頻度不明
脱力 1〜5%未満
脱毛 頻度不明
腹痛 頻度不明
膵炎 頻度不明
興奮 1〜5%未満
舌炎 頻度不明
舞踏病アテトーゼ 頻度不明
色素沈着 頻度不明
苔癬様角化症 頻度不明
蕁麻疹 1%未満
蛋白尿 1〜5%未満
血圧上昇 1%未満
血圧低下 1〜5%未満
血尿 頻度不明
血清葉酸値低下 頻度不明
血管浮腫 頻度不明
血管炎 頻度不明
複視 1〜5%未満
言語障害 1〜5%未満
記憶障害 頻度不明
調節障害 1%未満
運動失調 1〜5%未満
錯乱 1%未満
鎮静 頻度不明
関節痛 1%未満
霧視 1〜5%未満
音程の変化等) 頻度不明
頭痛・頭重 1〜5%未満
頻尿 1%未満
食欲不振 1〜5%未満
骨粗鬆症 頻度不明
骨軟化症 頻度不明
高血糖 頻度不明
麻痺症状 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

カルバマゼピンは、神経細胞の電位依存性ナトリウムチャンネルの活動を制限し、その過剰な興奮を抑制することにより抗てんかん作用を現すと考えられている18),19)。

18.2 抗痙攣作用

カルバマゼピンはラットの電気ショック痙攣に対しフェノバルビタールとほとんど同等の抑制作用を示し、ストリキニーネ痙攣に対しては、ストリキニーネ2.5mg/kg腹腔内注射マウスに対し十分な痙攣抑制作用を示さないが、カルバマゼピン100mg/kg(経口)レベルでは、ジフェニルヒダントインやメフェネシンと比較して明らかに痙攣の発現を遷延させる。 ペンテトラゾール痙攣(マウス)、ピクロトキシン痙攣(マウス)に対してはそれ程強い防御作用を示さない20)。

18.3 キンドリングに対する作用

ネコの扁桃核刺激によるキンドリングの形成をカルバマゼピン及びフェノバルビタールは抑制し、てんかん原性獲得に対する予防効果を示すが、フェニトインは抑制しない。その際、フェノバルビタールは後発射の発展よりも臨床症状の発展を抑制するのに対し、カルバマゼピンでは後発射の発展と二次てんかん原性獲得を抑制する作用が認められている21)。 一方、完成されたキンドリング痙攣に対してはカルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトインのいずれもが中毒量以下の血清レベルで抑制作用(抗痙攣効果)を示す21)。

18.4 大脳の後発射及び誘発反応に対する作用

ネコの運動領皮質、レンズ核及び視床腹外側核の後発射はカルバマゼピンによりほとんど抑制されないか、軽度短時間抑制されるにすぎない。なお扁桃核及び海馬の後発射はかなり抑制されており、カルバマゼピンが新皮質系よりも大脳辺縁系に対しある程度選択的に作用することが示されている22),23)。

18.5 抗興奮作用

行動薬理学的には、マウスを用いた試験において、闘争行動抑制作用20),24)、常同行動抑制作用25)、麻酔増強作用20)がみられ、カルバマゼピンは鎮静、静穏作用を有することが認められている。 電気生理学的には、ウサギを用いた試験において、嗅球から大脳辺縁系に至る情動経路(嗅球-扁桃核、嗅球-海馬)の誘発電位の抑制がみられている26)。

18.6 三叉神経の誘発電位に対する作用

ネコを用いた実験で、カルバマゼピン10mg/kg(腹腔内)投与で顔面の皮膚の電気刺激による三叉神経の延髄レベル及び視床中心内側核で記録した誘発電位の抑制が認められている27)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 血清中濃度

カルバマゼピンの単独投与を受けているてんかん患者の血清中濃度と投与量の関係は次図のとおりで、個人差は大きいが、投与初期は投与量に比して高い血清中濃度が得られ(図1)、その後は低くなる(図2)ことが示されている。単回投与後の未変化体の血中半減期は約36時間である。 血清中濃度/投与量の比は投与開始10日までは上昇するが、その後低下し、血清中濃度は服薬日数に依存して変動することが認められるが、これは薬物代謝酵素の自己誘導によると考えられている。また、小児(6~13歳)と成人(14~64歳)の比較では、小児においてカルバマゼピン代謝速度が速いため低い値を示すものと考えられる8)。

  1. 16.1.2 生物学的同等性

健康成人男性12例にカルバマゼピン錠100mg「フジナガ」1錠とテグレトール錠100mg 1錠(カルバマゼピンとして100mg)を2剤2期のクロスオーバー法により絶食単回経口投与して血漿中濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータについて統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された9)。

AUC(0-144hr) (hr・μg/mL) Cmax (μg/mL) Tmax (hr) T1/2 (hr)
カルバマゼピン錠100mg「フジナガ」 98.9±21.2 1.72±0.18 2.3±2.0 51.9±17.0
テグレトール錠100mg 98.6±23.4 1.68±0.29 2.6±1.3 49.6±13.4
(Mean±S.D.,n=12)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

カルバマゼピンの消化管からの吸収は比較的緩徐であり、単回投与の場合、最高血中濃度は4~24時間後に得られる10),11),12),13),14)。

16.3 分布

カルバマゼピンは、その70~80%が血漿蛋白と結合し、唾液中の未変化体濃度は血漿中の非蛋白結合型カルバマゼピン(20~30%)をよく反映する10),11),12),13)。

16.5 排泄

単回投与後の未変化体の血中半減期は約36時間であるが、反復投与した場合には薬物代謝酵素の自己誘導が起こるため16~24時間となり、更に他の酵素誘導を起こす抗てんかん剤と併用した場合には9~10時間に短縮する。未変化体の尿中排泄率は、単回又は反復投与にかかわらず投与量の2~3%であり、主として薬理活性を有するカルバマゼピン-10, 11-エポキシド等の代謝物として排泄される10),11),12),13),14)。(外国人のデータ)