ピシバニール注射用
基本情報
販売名: ピシバニール注射用
一般名: 該当なし
製造販売元: 中外製薬株式会社
販売会社: 中外製薬株式会社
薬効分類: 抗悪性腫瘍剤
規制区分: 生物由来製品、劇薬、処方箋医薬品（注意－医師等の処方箋により使用すること）
クリニカルエビデンス
主要臨床試験:
- 臨床試験（胃癌・肺癌）
- 対象: 手術後の胃癌・原発性肺癌患者 - 結果: 化学療法との併用により生存期間の延長を確認
- 臨床試験（リンパ管腫）
- 対象: リンパ管腫患者 - 結果: 85.4%の症例で縮小効果を確認
効能・用法
適応症:
- 胃癌（手術例）患者及び原発性肺癌患者における化学療法との併用による生存期間の延長
- 消化器癌患者及び肺癌患者における癌性胸・腹水の減少
- 他剤無効の頭頸部癌（上顎癌、喉頭癌、咽頭癌、舌癌）及び甲状腺癌
- リンパ管腫
用法・用量:
- 胃癌・肺癌（手術例）
- 初回0.2～0.5KEを生理食塩液で溶解し、筋肉内・皮下・皮内投与 - 2～3週間かけて2～5KEまで増量し、週1～2回の投与を維持
- 癌性胸・腹水の減少
- 1回5～10KEを生理食塩液で溶解し、週1～2回漿膜腔内投与
- 頭頸部癌・甲状腺癌
- 1回5～10KEを生理食塩液で溶解し、毎日または数日に1回、腫瘍内または周辺部に投与
- リンパ管腫
- 0.05～0.1KE/mLの濃度で生理食塩液に溶解し、吸引したリンパ管腫液と同量を局所注入 - 1回総投与量は2KEを上限
副作用とその管理
重大な副作用:
| 副作用 | 頻度（%） | 初期症状・対応 |
|---|---|---|
| ショック、アナフィラキシー | 不明 | 呼吸困難、血圧低下。即時投与中止し緊急対応 |
| 間質性肺炎 | 不明 | 発熱、呼吸困難。胸部X線検査を実施し、必要に応じて治療 |
| 急性腎障害 | 不明 | BUN・クレアチニン上昇。腎機能を定期モニタリング |
相互作用情報
併用禁忌:
- 該当なし
併用注意:
| 併用薬 | 影響 | 機序 |
|---|---|---|
| 免疫抑制剤 | 作用の減弱 | 免疫応答の低下による |
| 他の抗腫瘍剤 | 相乗効果 | 免疫賦活作用の増強 |
緊急時対応
1. ショック・アナフィラキシー
症状: 呼吸困難、血圧低下、皮膚発疹
対応フロー:
1. 投与を即時中止
2. アドレナリン投与、酸素吸入
3. ステロイドおよび抗ヒスタミン薬の投与
2. 急性腎障害
症状: 尿量減少、BUN・クレアチニン上昇
対応フロー:
1. 腎機能検査を実施
2. 適切な水分補給
3. 腎保護治療の実施
FAQ（よくある質問）
Q1. どのような患者に適していますか？
A1. 胃癌・肺癌患者の補助療法、頭頸部癌・甲状腺癌の治療、およびリンパ管腫の治療に適応があります。
Q2. 投与時の注意点は？
A2. アナフィラキシーや急性腎障害のリスクがあるため、慎重な観察が必要です。
Q3. 他の抗がん剤との併用は可能ですか？
A3. 免疫抑制剤との併用は慎重に行い、抗腫瘍剤との併用時は効果の増強に注意が必要です。
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