タルセバ錠

基本情報

販売名: タルセバ錠

一般名: エルロチニブ塩酸塩

製造販売元: 中外製薬株式会社

販売会社: 中外製薬株式会社

薬効分類: 抗悪性腫瘍剤

規制区分: 劇薬、処方箋医薬品（注意－医師等の処方箋により使用すること）

クリニカルエビデンス

主要臨床試験:

- BR.21試験（海外第III相試験）

 - 対象: 進行性または転移性の非小細胞肺癌患者  
 - 結果: 生存期間の延長が統計的に有意に確認された  

- EURTAC試験（海外第III相試験）

 - 対象: EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌患者  
 - 結果: 無増悪生存期間の延長を示した  

- PA.3試験（海外第III相試験）

 - 対象: 治癒切除不能な膵癌患者  
 - 結果: ゲムシタビン併用療法により生存期間の延長が確認された  

効能・用法

適応症:

- EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌

- 治癒切除不能な膵癌

用法・用量:

- 非小細胞肺癌

 - 通常、成人にはエルロチニブとして150mgを1日1回、食事の1時間以上前または食後2時間以降に経口投与  

- 治癒切除不能な膵癌

 - ゲムシタビンとの併用で、通常成人にはエルロチニブとして100mgを1日1回、食事の1時間以上前または食後2時間以降に経口投与  

副作用とその管理

重大な副作用:

重大な副作用と発生頻度

副作用	頻度（%）	初期症状・対応
間質性肺疾患	1.2%	呼吸困難、発熱。投与中止し適切な治療を行う
肝機能障害	不明	黄疸、倦怠感。肝機能検査を実施し必要に応じて投与中止
消化管穿孔	不明	激しい腹痛、吐血。外科的処置が必要な場合あり

相互作用情報

併用禁忌: - 該当なし

併用注意:

併用注意薬と影響

併用薬	影響	機序
シメチジン	エルロチニブ血中濃度の低下	胃内pH上昇による吸収抑制
ワルファリン	出血リスクの増加	抗凝固作用の増強
ケトコナゾール	エルロチニブ血中濃度の上昇	CYP3A4阻害による代謝遅延

緊急時対応

1. 間質性肺疾患

症状: 呼吸困難、発熱、咳嗽

対応フロー:

1. 投与中止

2. 酸素投与および抗炎症療法

3. 重症例ではステロイド治療

2. 消化管穿孔

症状: 激しい腹痛、吐血、ショック

対応フロー:

1. 緊急内視鏡または外科手術を検討

2. 必要に応じて投与中止

3. 支持療法の実施

FAQ（よくある質問）

Q1. どのような患者に適していますか？

A1. EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌患者、または治癒切除不能な膵癌患者に適応があります。

Q2. 投与時の注意点は？

A2. 食事の影響を受けやすいため、空腹時（食事の1時間以上前または食後2時間以降）に服用してください。

Q3. 服用中に特に注意すべき副作用はありますか？

A3. 間質性肺疾患、肝機能障害、皮膚障害（発疹など）に注意が必要です。異常を感じたらすぐに医師に相談してください。

製品ページ

https://chugai-pharm.jp/product/tar/tab_a/#tabIndex=1