アレビアチン注 250mg
基本情報
販売名: アレビアチン注 250mg
一般名: フェニトインナトリウム(Phenytoin Sodium)
製造販売元: 住友ファーマ株式会社
販売会社: 住友ファーマ株式会社
薬効分類: 抗てんかん薬
規制区分: 劇薬、処方箋医薬品
クリニカルエビデンス
主要臨床試験:
- てんかん発作重積症への使用成績調査
- 対象: てんかん発作重積症患者 - 結果: 有効率 85.2%(27例中23例)
- その他の発作型別の有効率(国内データ)
- 焦点発作: 100%(4/4) - 精神運動発作: 66.7%(2/3) - 小型発作: 100%(1/1)
効能・用法
適応症:
- てんかん発作重積症(強直間代発作を含む)
- 経口投与が困難で、けいれん発作が疑われる場合(意識障害、術中、術後)
- 急速に発作抑制が必要な場合
用法・用量:
- 通常、成人にはフェニトインナトリウムとして125~250mg(2.5~5mL)を1分間1mLを超えない速度で徐々に静脈内投与する。
- 発作が抑制できない場合、30分後に100~150mg(2~3mL)を追加投与可能。
- 小児は成人量を基準に体重換算で決定。
副作用とその管理
重大な副作用:
副作用 | 頻度(%) | 初期症状・対応 |
---|---|---|
中毒性表皮壊死融解症(TEN) | 不明 | 発熱、紅斑、水疱 → 直ちに投与中止、ステロイド投与 |
皮膚粘膜眼症候群(SJS) | 不明 | 発疹、発熱、結膜炎 → 速やかに投与中止、対症療法 |
心停止 | 不明 | 徐脈、意識消失 → 心電図モニタリング、酸素投与、必要に応じて昇圧剤 |
相互作用情報
併用禁忌:
- タダラフィル(肺高血圧症適応時)、マシテンタン、チカグレロル、アルテメテル・ルメファントリン、リルピビリン、ダルナビル・コビシスタット、ニルマトレルビル・リトナビル など
- 機序: フェニトインによるCYP3AおよびP糖蛋白誘導による代謝促進
併用注意:
併用薬 | 影響 | 機序 |
---|---|---|
ワルファリン | 抗凝固作用の減弱 | CYP2C9誘導による代謝促進 |
フェノバルビタール | 作用増強 | CYP誘導作用の相互作用 |
シメチジン | フェニトイン血中濃度上昇 | CYP2C19阻害 |
緊急時対応
1. 急性心停止
症状: 徐脈、意識消失、血圧低下
対応フロー:
1. 投与を直ちに中止
2. 心電図モニタリング、酸素投与
3. 昇圧剤またはペースメーカーを考慮
2. 過量投与による神経毒性
症状: 眼振、運動失調、構音障害
対応フロー:
1. 投与を中止し、血中濃度を測定
2. 輸液および対症療法を実施
3. 重症例では血液透析を考慮
FAQ(よくある質問)
Q: アレビアチン注射液の血中有効濃度範囲は?
A: 10~20μg/mLが推奨範囲。20μg/mLを超えると中毒リスクがある。
Q: 静注時の投与速度は?
A: 1分間1mL(50mg)を超えない速度で投与する。急速静注は心停止リスクを伴う。
Q: 透析患者に使用できるか?
A: 透析による除去率は低いため、腎機能低下患者では慎重に投与する。
Q: 長期投与で注意すべき点は?
A: 肝機能障害、小脳萎縮、血液障害が報告されており、定期的なモニタリングが推奨される。
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