アバスチン点滴静注用 100mg/4mL, 400mg/16mL
基本情報
販売名: アバスチン点滴静注用 100mg/4mL, 400mg/16mL
一般名: ベバシズマブ（遺伝子組換え）（Bevacizumab, Genetical Recombination）
製造販売元: 中外製薬株式会社
薬効分類: 抗悪性腫瘍剤（血管新生阻害剤）
規制区分: 生物由来製品、劇薬、処方箋医薬品
クリニカルエビデンス
主要臨床試験:
- NO16966試験（海外第III相試験）
- 対象: 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者 - 結果: 無増悪生存期間（PFS）の有意な延長
- E4599試験（海外第III相試験）
- 対象: 扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者 - 結果: 全生存期間（OS）の有意な延長
効能・用法
適応症:
- 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
- 扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- 手術不能又は再発乳癌
- 悪性神経膠腫
- 卵巣癌
- 進行又は再発の子宮頸癌
- 切除不能な肝細胞癌
用法・用量:
- 通常、成人にはベバシズマブとして 5mg/kg から 15mg/kg を2〜3週間間隔で点滴静注する。
- 適応疾患により投与量を調整する。
副作用とその管理
重大な副作用:
| 副作用 | 頻度（%） | 初期症状・対応 |
|---|---|---|
| 出血 | 19.3% | 血尿、鼻血 → 出血管理、休薬 |
| 高血圧 | 18.2% | 頭痛、視力障害 → 降圧薬投与 |
| 感染症 | 10.0% | 発熱、倦怠感 → 抗菌薬投与 |
| 消化管穿孔 | 3.2% | 腹痛、発熱 → 外科的処置 |
| 血栓塞栓症 | 2.1% | 四肢の腫れ、呼吸困難 → 抗凝固療法 |
相互作用情報
併用禁忌:
- 特になし
併用注意:
| 併用薬 | 影響 | 機序 |
|---|---|---|
| 抗凝固薬 | 出血リスク増加 | 血管新生阻害による影響 |
| 抗高血圧薬 | 血圧上昇 | IL-6抑制による影響 |
| 他の抗VEGF薬 | 毒性増強 | VEGF抑制の相加作用 |
緊急時対応
1. 消化管穿孔の発現
症状: 腹痛、発熱、腸閉塞症状
対応フロー:
1. 直ちに絶食、静脈栄養開始
2. 緊急CT検査で穿孔部位を特定
3. 外科的処置を実施、抗生剤投与
2. 重度の高血圧の発現
症状: 頭痛、めまい、視力低下
対応フロー:
1. 降圧薬の投与を開始
2. 脳出血の可能性を評価
3. 血栓塞栓症の発現
症状: 四肢の腫れ、呼吸困難
対応フロー:
1. ヘパリンまたは抗血小板薬の投与
2. DVT/PE評価のための画像診断を実施
FAQ（よくある質問）
Q1. どのような患者に適していますか？
A1. 進行・再発がんの患者で、VEGFを標的とする治療が適応される場合に使用する。
Q2. 投与時の注意点は？
A2. 高血圧、出血、血栓塞栓症に注意し、定期的なモニタリングを行う。
Q3. 他の抗VEGF阻害剤との違いは？
A3. 本剤はVEGFに直接結合し、その作用を阻害する点が特徴。
製品ページ [アバスチン製品情報](https://chugai-pharm.jp/product/ava/div/#tabIndex=1)
