ロズリートレクカプセル 100mg / 200mg
基本情報
販売名: ロズリートレクカプセル 100mg / 200mg
一般名: エヌトレクチニブ(Entrectinib)
製造販売元: 中外製薬株式会社
販売会社: 中外製薬株式会社
薬効分類: 抗悪性腫瘍剤
規制区分: 劇薬、処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)
クリニカルエビデンス
主要臨床試験:
- STARTRK-2試験(国際共同第Ⅱ相試験)
- 対象: NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌患者 - 結果: 奏効率(ORR)56.9%(95%CI: 42.3-70.7)
- STARTRK-NG試験(海外第Ⅰ/Ⅱ相試験)
- 対象: 小児のNTRK融合遺伝子陽性の固形癌患者 - 結果: 奏効率(ORR)60.0%(95%CI: 32.3-83.7)
- STARTRK-2試験(ROS1陽性非小細胞肺癌患者対象)
- 対象: ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌患者 - 結果: 奏効率(ORR)75.8%(95%CI: 57.7-88.9)
効能・用法
適応症:
- NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌
- ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
用法・用量:
- 成人
- 1日1回600mgを経口投与
- 小児
- 1日1回300mg/m²(最大600mg)を経口投与
副作用とその管理
重大な副作用:
副作用 | 頻度(%) | 初期症状・対応 |
---|---|---|
心臓障害(QT延長含む) | 不明 | めまい、動悸。ECGモニタリング、必要時減量 |
認知障害・運動失調 | 不明 | 注意力低下、歩行困難。投与中止・減量を検討 |
間質性肺疾患 | 不明 | 咳、息切れ。CT評価、投与中止を考慮 |
肝機能障害 | 不明 | ALT・AST上昇。肝機能モニタリング |
相互作用情報
併用禁忌:
- 該当なし
併用注意:
併用薬 | 影響 | 機序 |
---|---|---|
CYP3A4阻害剤(イトラコナゾール等) | エヌトレクチニブの血中濃度上昇 | 代謝抑制 |
CYP3A4誘導剤(リファンピシン等) | エヌトレクチニブの血中濃度低下 | 代謝促進 |
緊急時対応
1. QT延長の疑い
症状: めまい、失神
対応フロー:
1. ECGモニタリングを実施
2. 投与を中止または減量
3. 抗不整脈薬の投与を検討
2. 間質性肺疾患の疑い
症状: 咳、息切れ
対応フロー:
1. 高解像度CTを撮影
2. 酸素投与・ステロイド投与を考慮
3. 重症例は投与中止
3. 認知障害・運動失調の発現
症状: 物忘れ、歩行困難
対応フロー:
1. 症状に応じて投与量を調整
2. 重症例は投与中止を検討
FAQ(よくある質問)
Q1. どのような患者に適していますか?
A1. NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発固形癌、ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌の患者に適応があります。
Q2. 食事の影響はありますか?
A2. 食事の影響は少ないため、食後・食前どちらでも服用可能です。
Q3. 他の抗がん剤との併用は可能ですか?
A3. 現在、単剤療法としての有効性が確認されています。他の抗がん剤との併用については十分なデータがありません。