リュープリン注射用 1.88mg・3.75mg/注射用キット 1.88mg・3.75mg
基本情報
販売名: リュープリン注射用 1.88mg・3.75mg/注射用キット 1.88mg・3.75mg
一般名: リュープロレリン酢酸塩 (Leuprorelin Acetate)
製造販売元: 武田薬品工業株式会社
薬効分類: LH-RHアゴニスト(性ホルモン関連治療薬)
規制区分: 劇薬, 処方箋医薬品
クリニカルエビデンス
主要臨床試験:
- 国内第III相試験
- 対象: 子宮内膜症および前立腺癌患者 - 主要評価項目: 血清ホルモン(エストラジオールまたはテストステロン)濃度の抑制効果 - 結果: 子宮内膜症では閉経レベル、前立腺癌では去勢レベルに低下
- 海外第III相試験
- 対象: 閉経前乳癌患者 - 主要評価項目: ホルモン受容体陽性乳癌の進行抑制 - 結果: 5年間の無再発生存率が改善
効能・用法
適応症:
- 子宮内膜症
- 子宮筋腫(過多月経、下腹痛、腰痛および貧血等を伴う筋腫核の縮小及び症状の改善)
- 中枢性思春期早発症
- 閉経前乳癌(3.75mgのみ)
- 前立腺癌(3.75mgのみ)
用法・用量:
- 通常、成人には4週に1回、リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下投与
- 体重50kg未満の子宮内膜症患者では1.88mgを選択可
- 中枢性思春期早発症: 30μg/kg(最大180μg/kg)を4週に1回皮下投与
特記事項:
- 初回投与: 月経周期1〜5日目に行う
- 投与期間: 6か月を超えないこと(骨塩量低下リスクのため)
副作用とその管理
重大な副作用と発生頻度:
- 間質性肺炎(0.2%)
- アナフィラキシー(頻度不明)
- 肝機能障害・黄疸(1.5%)
- 静脈血栓症(1.0%)
- 下垂体卒中(0.1%)
その他の副作用:
- 更年期様症状(のぼせ、発汗、頭痛)(20%)
- うつ状態(5%)
- 関節痛(3%)
- 倦怠感(2%)
相互作用情報
併用禁忌:
- 該当なし
併用注意:
- 抗凝固剤(ワルファリン等) → 血栓リスク増加の可能性
- ステロイド剤 → ホルモン抑制効果を減弱させる可能性
緊急時対応
副作用管理フロー:
- アナフィラキシー: 直ちに投与中止、アドレナリン投与
- 下垂体卒中: MRI評価の上、ステロイド投与
- 静脈血栓症: 抗凝固療法を考慮
FAQ(よくある質問)
Q1. どのような患者がこの薬を使用するべきか?
A1. ホルモン依存性疾患(子宮内膜症、前立腺癌、閉経前乳癌など)を有する患者で、ホルモン抑制が有効とされる場合。
Q2. 妊婦への投与は可能か?
A2. 妊娠中は禁忌。治療中は非ホルモン性避妊を指導。
Q3. 保存方法は?
A3. 冷所(2~8℃)保存。調製後は速やかに使用。
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