メチレンブルー静注「第一三共」
基本情報
販売名: メチレンブルー静注「第一三共」
一般名: メチルチオニニウム塩化物水和物
製造販売元: 第一三共株式会社
販売会社: 第一三共株式会社
薬効分類: メトヘモグロビン血症治療薬
規制区分: 劇薬、処方箋医薬品
クリニカルエビデンス
主要臨床試験:
- 国内第Ⅲ相試験（メトヘモグロビン血症患者対象）
- 対象: メトヘモグロビン血症患者（12名） - 結果: 投与後、メトヘモグロビン濃度が有意に低下（中央値26.00% → 1.20%）
効能・用法
適応症:
- 中毒性メトヘモグロビン血症
用法・用量:
- 通常、生後3か月を過ぎた乳幼児、小児及び成人には、1回 1～2mg/kg を5分以上かけて静脈内投与
- 新生児及び生後3か月以下の乳児には、1回 0.3～0.5mg/kg を5分以上かけて静脈内投与
- 投与1時間以内に症状が改善しない場合は、同量を繰り返し投与可能（最大7mg/kg）
副作用とその管理
重大な副作用:
| 副作用 | 頻度（%） | 初期症状・対応 |
|---|---|---|
| ショック、アナフィラキシー | 不明 | 呼吸困難、血管浮腫 |
| メトヘモグロビン血症の増悪 | 不明 | チアノーゼ、呼吸困難 |
| 溶血性貧血 | 6.5% | 皮膚蒼白、黄疸、倦怠感 |
| 腎不全 | 不明 | 尿量減少、浮腫、血中クレアチニン上昇 |
その他の副作用:
| 副作用 | 頻度（%） | 初期症状 |
|---|---|---|
| 発疹 | 2.2% | 皮膚のかゆみ、発赤 |
| 前立腺炎 | 2.2% | 排尿時痛、頻尿 |
相互作用情報
併用禁忌:
- セロトニン作動薬（SSRI、SNRI等）（セロトニン症候群のリスク増大）
併用注意:
| 併用薬 | 影響 | 機序 |
|---|---|---|
| 降圧剤 | 低血圧リスク増加 | 血管拡張作用の相加効果 |
| ワルファリン | 抗凝固作用の変動 | 代謝酵素阻害による影響 |
緊急時対応
1. ショック・アナフィラキシー
症状: 呼吸困難、血圧低下、蕁麻疹
対応フロー:
1. 投与を直ちに中止
2. 酸素投与、アドレナリン筋注
3. 必要に応じて輸液、ステロイド投与
2. 溶血性貧血
症状: 皮膚蒼白、黄疸、倦怠感
対応フロー:
1. 血液検査で溶血指標（LDH、ハプトグロビン）を測定
2. 重症例では輸血を考慮
3. 必要に応じてステロイド投与を検討
FAQ（よくある質問）
Q1. どのような患者に適していますか？
A1. 医薬品や化学物質により誘発された中毒性メトヘモグロビン血症患者に適応。
Q2. 投与時の注意点は？
A2. 5分以上かけてゆっくり静注し、累積投与量が7mg/kgを超えないよう管理。
Q3. ワクチンや他の医薬品との併用は可能ですか？
A3. セロトニン作動薬（SSRI、SNRI等）との併用は避ける。併用注意薬も確認。
製品ページ
https://www.medicalcommunity.jp/products/druginfo/methylene_blue_intravenous_injection_50mg
