アキネトン錠 1mg / アキネトン細粒 1%
基本情報
販売名: アキネトン錠 1mg / アキネトン細粒 1%
一般名: ビペリデン塩酸塩(Biperiden Hydrochloride)
製造販売元: 住友ファーマ株式会社
販売会社: 住友ファーマ株式会社
薬効分類: 抗パーキンソン薬
規制区分: 劇薬、処方箋医薬品
クリニカルエビデンス
主要臨床試験:
- 国内臨床試験
- 対象: 特発性パーキンソニズム、向精神薬誘発性パーキンソニズム患者 - 結果: 有効率は特発性パーキンソニズムで 92%(23/25)、向精神薬誘発性パーキンソニズムで 74%(63/85)
効能・用法
適応症:
- 特発性パーキンソニズム
- その他のパーキンソニズム(脳炎後、動脈硬化性、中毒性)
- 向精神薬投与によるパーキンソニズム・ジスキネジア(遅発性を除く)・アカシジア
用法・用量:
- 通常、成人には1回1mgを1日2回より開始し、徐々に増量。1日3~6mgを分割経口投与する。
副作用とその管理
重大な副作用:
副作用 | 頻度(%) | 初期症状・対応 |
---|---|---|
悪性症候群 | 不明 | 発熱、筋強剛、頻脈 → 全身管理、輸液、冷却 |
依存性 | 不明 | 気分高揚、乱用傾向 → 長期使用に注意 |
精神症状 | 不明 | 幻覚、錯乱、せん妄 → 用量調整または中止 |
相互作用情報
併用禁忌:
- 該当なし
併用注意:
併用薬 | 影響 | 機序 |
---|---|---|
抗コリン薬(フェノチアジン、三環系抗うつ薬) | 腸管麻痺、排尿障害の悪化 | 抗コリン作用の増強 |
中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体等) | 精神機能低下、錯乱 | 中枢神経抑制作用の増強 |
他の抗パーキンソン薬(レボドパ、アマンタジン) | 幻覚・妄想のリスク増大 | ドパミン作用過剰 |
緊急時対応
1. 悪性症候群
症状: 発熱、無動、筋強剛、頻脈
対応フロー:
1. 直ちに投与を中止
2. 全身管理(冷却・輸液)
3. ドパミン作動薬(ブロモクリプチン)を考慮
2. 抗コリン作用過多による急性錯乱
症状: 錯乱、幻覚、視覚障害
対応フロー:
1. 抗コリン薬の投与中止
2. ベンゾジアゼピン系薬剤を投与
3. 必要に応じて精神科コンサルト
FAQ(よくある質問)
Q: アキネトン経口剤の開始用量は?
A: 通常、1回1mgを1日2回から開始し、患者の状態に応じて増量する。
Q: アキネトンと抗精神病薬を併用する際の注意点は?
A: 過剰な抗コリン作用による精神症状(幻覚、錯乱)を誘発する可能性があるため、慎重に投与を行うこと。
Q: 高齢者への投与時のリスクは?
A: せん妄、認知機能低下、抗コリン作用による便秘や尿閉が生じやすいため、低用量から慎重に開始する。
Q: アキネトン細粒と錠剤の使い分けは?
A: 嚥下困難のある患者や細かな用量調整が必要な場合には細粒を用いる。
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