アルンブリグ錠 30mg・90mg
基本情報
販売名: アルンブリグ錠 30mg・90mg
一般名: ブリグチニブ (Brigatinib)
製造販売元: 武田薬品工業株式会社
薬効分類: ALK阻害剤(チロシンキナーゼ阻害薬)
規制区分: 劇薬、処方箋医薬品


クリニカルエビデンス
主要臨床試験:
- ALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)対象試験
- 海外第Ⅲ相試験(ALTA-1L試験):ALK-TKI未治療患者におけるクリゾチニブとの比較試験で、無増悪生存期間(PFS)が24.0ヶ月 vs 11.0ヶ月(HR: 0.49, p<0.0001)。 - 国内第Ⅱ相試験(J-ALTA試験):アレクチニブ治療後の患者対象、客観的奏効率(ORR)が29.8%。
- 脳転移に対する有効性
- 既存のALK-TKI耐性患者の脳転移病変において、奏効率(iORR)が66.7%。
効能・用法
適応症:
- ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)
用法・用量:
- 通常、成人にはブリグチニブとして1日1回90mgを7日間経口投与し、その後1日1回180mgを経口投与。
- 副作用発現時には120mgまたは90mgへの減量を考慮。
投与時の注意点:
- 7日間の導入期間を設けることで、初期の肺関連有害事象(EOPE)を低減。
- 投与中止基準: 重篤な間質性肺疾患、膵炎、QT延長が確認された場合。
副作用とその管理
重大な副作用と発生頻度:
- 間質性肺疾患(6.3%) → 速やかな救急対応を要する
- 膵炎(頻度不明) → 投与中止を検討
- 肝機能障害(32.2%) → 定期的な肝機能モニタリングが推奨
その他の副作用:
- CK上昇(54.8%)、下痢(40.4%)、高血圧、悪心(20%以上)
- 便秘、筋肉痛、倦怠感(5~20%)
相互作用情報
併用禁忌:
- CYP3A強力阻害剤(ケトコナゾール等) → 血中濃度が上昇し、有害事象のリスク増加
併用注意:
- CYP3A誘導剤(リファンピシン、フェニトイン) → 血中濃度低下の可能性
- QT延長を引き起こす薬剤(アミオダロン等) → QT延長リスク増加
緊急時対応
副作用管理フロー:
- 間質性肺疾患の疑い → 直ちに投与中止、酸素投与および副腎皮質ステロイド投与
- 膵炎症状出現時 → 血清アミラーゼ・リパーゼを測定し、異常があれば投与中止
- QT延長(>500ms) → 電解質補正後も持続する場合、投与中止を考慮
FAQ(よくある質問)
Q1. 服用タイミングは?
A1. 1日1回、食事の影響を受けにくいため、食後・空腹時いずれでも可。
Q2. 効果が出るまでの時間は?
A2. 奏効までの平均期間は4~6週間。
Q3. 副作用リスクが高い患者は?
A3. 肝障害・腎障害のある患者、高齢者ではリスクが増加するため慎重投与。
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