シグマート錠 2.5mg, 5mg
基本情報
販売名: シグマート錠 2.5mg, 5mg
一般名: ニコランジル（Nicorandil）
製造販売元: 中外製薬株式会社
薬効分類: 狭心症治療薬（冠血管拡張剤）
規制区分: 処方箋医薬品
クリニカルエビデンス
主要臨床試験:
- 国内多施設共同試験（第III相試験）
- 対象: 労作性狭心症患者 - 結果: シグマート投与群で狭心症発作回数が有意に減少
- 海外比較試験（対照: プロプラノロール）
- 対象: 労作性狭心症患者 - 結果: シグマート群が有意に運動耐容能を改善
効能・用法
適応症:
- 狭心症
用法・用量:
- 通常、成人にはニコランジルとして1日15mgを3回に分割経口投与する。症状により適宜増減する。
副作用とその管理
重大な副作用:
| 副作用 | 頻度（%） | 初期症状・対応 |
|---|---|---|
| 肝機能障害・黄疸 | 頻度不明 | AST/ALT上昇、黄疸 → 肝機能検査、投与中止検討 |
| 血小板減少症 | 頻度不明 | 出血傾向 → 血小板数モニタリング |
| 口内潰瘍・舌潰瘍 | 頻度不明 | 口腔痛、口内炎 → 投与中止 |
| 消化管潰瘍 | 頻度不明 | 腹痛、下血 → 胃内視鏡検査、投与中止 |
相互作用情報
併用禁忌:
- ホスホジエステラーゼ5（PDE5）阻害剤（シルデナフィル、タダラフィルなど）（過度の血圧低下リスク）
- グアニル酸シクラーゼ刺激剤（リオシグアト）（血圧低下増強）
併用注意:
| 併用薬 | 影響 | 機序 |
|---|---|---|
| 降圧薬 | 低血圧リスク増加 | 相加的血管拡張作用 |
| 利尿剤 | 血圧低下・脱水リスク増加 | 体液喪失による作用増強 |
| 抗血小板薬 | 出血リスク増加 | 血小板機能低下の可能性 |
緊急時対応
1. 重度の低血圧発現時
症状: 失神、めまい、ショック
対応フロー:
1. 患者を仰臥位にし、輸液補充を実施
2. 昇圧剤（ノルエピネフリン等）の投与を検討
3. 持続する場合はICU管理を検討
2. 肝機能障害の発現
症状: 黄疸、倦怠感、AST/ALT上昇
対応フロー:
1. 肝機能検査を実施
2. 投与中止を検討し、専門医と相談
3. 消化管潰瘍の発現
症状: 腹痛、吐血、黒色便
対応フロー:
1. 緊急内視鏡検査を実施
2. 胃保護剤を投与し、重症例は入院管理
FAQ（よくある質問）
Q1. どのような患者に適していますか？
A1. 狭心症の患者で、他の抗狭心症薬が使用困難な場合にも適応される。
Q2. 投与時の注意点は？
A2. 低血圧リスクがあるため、初回投与時の血圧モニタリングが推奨される。
Q3. 他の冠血管拡張剤との違いは？
A3. シグマートはATP感受性K+チャネル開口作用を持ち、硝酸薬耐性を示す患者にも有効とされる。
製品ページ
[シグマート製品情報](https://chugai-pharm.jp/product/sig/tab/#tabIndex=1)
