アデノスキャン注 60mg
基本情報
販売名: アデノスキャン注 60mg
一般名: アデノシン(Adenosine)
製造販売元: 第一三共株式会社
販売会社: 第一三共株式会社
薬効分類: 心臓疾患診断補助剤
規制区分: 処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)
クリニカルエビデンス
主要臨床試験:
- 第Ⅲ相試験(労作性狭心症患者対象)
- 対象: 運動負荷が適用できない労作性狭心症患者 - 結果: アデノスキャン負荷 201Tl 心筋シンチグラフィによる診断精度は 71.2%(感度 68.6%、特異度 75.0%)
- 第Ⅱ相試験(虚血診断能評価)
- 対象: 右冠動脈または左前下向枝に一枝病変を有する労作性狭心症患者 - 結果: 冠動脈病変検出率 94.7%(120μg/kg/min)、84.2%(140μg/kg/min)
効能・用法
適応症:
- 運動負荷が適用できない患者における心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断補助
用法・用量:
- 通常、成人には以下の用量を持続静脈内投与
- 1分間あたりアデノシンとして120μg/kgを6分間投与(総投与量 0.72mg/kg) - 投与開始3分後に放射性診断薬を静脈内投与
副作用とその管理
重大な副作用:
副作用 | 頻度(%) | 初期症状・対応 |
---|---|---|
心停止 | 不明 | 突然の意識消失、無呼吸。即時心肺蘇生処置 |
心室頻拍・心室細動 | 不明 | 動悸、めまい。心電図モニタリング、必要時除細動 |
完全房室ブロック | 不明 | 徐脈、血圧低下。アトロピン投与、ペーシング |
肺浮腫 | 不明 | 呼吸困難、チアノーゼ。酸素投与、利尿剤投与 |
アナフィラキシー | 不明 | 皮膚紅潮、呼吸困難。アドレナリン筋注 |
相互作用情報
併用禁忌:
- 該当なし
併用注意:
併用薬 | 影響 | 機序 |
---|---|---|
メチルキサンチン系薬(カフェイン、テオフィリン等) | アデノシンの作用減弱 | 受容体拮抗作用 |
ジピリダモール | アデノシン作用増強 | 代謝抑制による血中濃度上昇 |
緊急時対応
1. 心停止の疑い
症状: 突然の意識消失、呼吸停止
対応フロー:
1. 直ちに心肺蘇生処置(CPR)を実施
2. 必要に応じて除細動
3. アドレナリン静注を検討
2. 完全房室ブロックの発現
症状: 徐脈、血圧低下
対応フロー:
1. 心電図モニタリングを実施
2. アトロピン静注を考慮
3. 必要時、一時的ペーシングを検討
3. 肺浮腫の疑い
症状: 呼吸困難、チアノーゼ
対応フロー:
1. 酸素投与を開始
2. 利尿剤(フロセミド等)を投与
3. 重症例は気道確保、人工換気を検討
FAQ(よくある質問)
Q1. どのような患者に適していますか?
A1. 運動負荷が困難な患者に対し、心筋血流シンチグラフィによる虚血診断を補助するために使用されます。
Q2. 投与時の注意点は?
A2. 急速静注は禁忌です。シリンジポンプを使用し、ゆっくりと6分間かけて投与してください。
Q3. メチルキサンチン系薬(カフェインなど)は影響しますか?
A3. はい。カフェインやテオフィリンはアデノシン受容体を拮抗し、本剤の効果を減弱させる可能性があります。投与前にカフェイン摂取を控えてください。
製品ページ