「ニンラーロカプセル 0.5mg・2.3mg・3mg・4mg」の版間の差分
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'''適応症:''' | '''適応症:''' | ||
- '''再発又は難治性の多発性骨髄腫''' | - '''再発又は難治性の多発性骨髄腫''' | ||
- '''多発性骨髄腫における維持療法''' | - '''多発性骨髄腫における維持療法''' | ||
'''用法・用量:''' | '''用法・用量:''' | ||
- '''再発又は難治性の多発性骨髄腫:''' | - '''再発又は難治性の多発性骨髄腫:''' | ||
- レナリドミド・デキサメタゾン併用下で、イキサゾミブとして '''1日1回4mgを週1回、3週間投与''' | - レナリドミド・デキサメタゾン併用下で、イキサゾミブとして '''1日1回4mgを週1回、3週間投与''' | ||
- その後、13日間休薬(4週間サイクル) | - その後、13日間休薬(4週間サイクル) | ||
- '''多発性骨髄腫の維持療法:''' | - '''多発性骨髄腫の維持療法:''' | ||
- '''最初の4サイクル: 3mgを週1回投与''' | - '''最初の4サイクル: 3mgを週1回投与''' | ||
- '''5サイクル目以降: 忍容性確認後4mgへ増量''' | - '''5サイクル目以降: 忍容性確認後4mgへ増量''' | ||
'''投与時の注意点:''' | '''投与時の注意点:''' | ||
- '''食事の影響を避けるため、空腹時に投与''' | - '''食事の影響を避けるため、空腹時に投与''' | ||
- '''忍容性に応じて減量(4mg → 3mg → 2.3mg)''' | - '''忍容性に応じて減量(4mg → 3mg → 2.3mg)''' | ||
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'''重大な副作用と発生頻度:''' | '''重大な副作用と発生頻度:''' | ||
- '''血小板減少症(頻度: 15.6%)''' → 定期的な血液検査推奨 | - '''血小板減少症(頻度: 15.6%)''' → 定期的な血液検査推奨 | ||
- '''末梢神経障害(頻度: 27.0%)''' → 症状が持続する場合は減量検討 | - '''末梢神経障害(頻度: 27.0%)''' → 症状が持続する場合は減量検討 | ||
- '''Stevens-Johnson症候群(頻度不明)''' → 発疹・水疱出現時に投与中止 | - '''Stevens-Johnson症候群(頻度不明)''' → 発疹・水疱出現時に投与中止 | ||
'''その他の副作用:''' | '''その他の副作用:''' | ||
- 倦怠感(19.3%)、悪心(18.6%)、下痢(17.1%) | - 倦怠感(19.3%)、悪心(18.6%)、下痢(17.1%) | ||
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- '''該当なし''' | - '''該当なし''' | ||
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- '''CYP3A4誘導薬(リファンピシン等)''' → 血中濃度低下の可能性 | - '''CYP3A4誘導薬(リファンピシン等)''' → 血中濃度低下の可能性 | ||
- '''CYP3A4阻害薬(クラリスロマイシン等)''' → 血中濃度上昇の可能性 | - '''CYP3A4阻害薬(クラリスロマイシン等)''' → 血中濃度上昇の可能性 | ||
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'''副作用管理フロー:''' | '''副作用管理フロー:''' | ||
- '''血小板減少症発現時''' → 血小板数 < 30,000/mm³ で休薬、回復後1段階減量 | - '''血小板減少症発現時''' → 血小板数 < 30,000/mm³ で休薬、回復後1段階減量 | ||
- '''末梢神経障害 Grade 3 発現時''' → 休薬後、Grade 1 まで回復したら1段階減量 | - '''末梢神経障害 Grade 3 発現時''' → 休薬後、Grade 1 まで回復したら1段階減量 | ||
- '''重篤な皮膚障害発現時''' → 直ちに投与中止 | - '''重篤な皮膚障害発現時''' → 直ちに投与中止 | ||
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'''Q1. どのような患者に適応があるか?''' | '''Q1. どのような患者に適応があるか?''' | ||
A1. '''多発性骨髄腫の再発・難治例、または移植後の維持療法に使用される。''' | A1. '''多発性骨髄腫の再発・難治例、または移植後の維持療法に使用される。''' | ||
'''Q2. 食事の影響を受けるか?''' | '''Q2. 食事の影響を受けるか?''' | ||
A2. '''食事により吸収が低下するため、空腹時に服用が推奨される。''' | A2. '''食事により吸収が低下するため、空腹時に服用が推奨される。''' | ||
'''Q3. 併用禁忌の薬剤はあるか?''' | '''Q3. 併用禁忌の薬剤はあるか?''' | ||
A3. '''現時点で併用禁忌はないが、CYP3A4誘導・阻害薬との併用には注意が必要。''' | A3. '''現時点で併用禁忌はないが、CYP3A4誘導・阻害薬との併用には注意が必要。''' | ||
'''インタビューフォーム''' | '''インタビューフォーム''' | ||
https://www.takedamed.com/medicine/detail?medicine_id=554 | https://www.takedamed.com/medicine/detail?medicine_id=554 |
2025年2月20日 (木) 22:01時点における版
基本情報
販売名: ニンラーロカプセル 0.5mg・2.3mg・3mg・4mg
一般名: イキサゾミブクエン酸エステル (Ixazomib Citrate)
製造販売元: 武田薬品工業株式会社
薬効分類: プロテアソーム阻害剤
規制区分: 毒薬、処方箋医薬品




クリニカルエビデンス
主要臨床試験: - 多発性骨髄腫に対する効果
- 国際共同第III相試験(C16010試験) - 主要評価項目: 無増悪生存期間(PFS) - ニンラーロ群: 20.6ヵ月(プラセボ群: 14.7ヵ月) - ハザード比: 0.742(p=0.012) - 維持療法としての有効性 - 国際共同第III相試験(C16019試験) - PFS中央値: 26.5ヵ月(プラセボ群: 21.3ヵ月) - ハザード比: 0.720(p=0.002)
効能・用法
適応症:
- 再発又は難治性の多発性骨髄腫
- 多発性骨髄腫における維持療法
用法・用量: - 再発又は難治性の多発性骨髄腫:
- レナリドミド・デキサメタゾン併用下で、イキサゾミブとして 1日1回4mgを週1回、3週間投与 - その後、13日間休薬(4週間サイクル)
- 多発性骨髄腫の維持療法:
- 最初の4サイクル: 3mgを週1回投与 - 5サイクル目以降: 忍容性確認後4mgへ増量
投与時の注意点:
- 食事の影響を避けるため、空腹時に投与
- 忍容性に応じて減量(4mg → 3mg → 2.3mg)
副作用とその管理
重大な副作用と発生頻度:
- 血小板減少症(頻度: 15.6%) → 定期的な血液検査推奨
- 末梢神経障害(頻度: 27.0%) → 症状が持続する場合は減量検討
- Stevens-Johnson症候群(頻度不明) → 発疹・水疱出現時に投与中止
その他の副作用:
- 倦怠感(19.3%)、悪心(18.6%)、下痢(17.1%)
相互作用情報
併用禁忌:
- 該当なし
併用注意:
- CYP3A4誘導薬(リファンピシン等) → 血中濃度低下の可能性
- CYP3A4阻害薬(クラリスロマイシン等) → 血中濃度上昇の可能性
緊急時対応
副作用管理フロー:
- 血小板減少症発現時 → 血小板数 < 30,000/mm³ で休薬、回復後1段階減量
- 末梢神経障害 Grade 3 発現時 → 休薬後、Grade 1 まで回復したら1段階減量
- 重篤な皮膚障害発現時 → 直ちに投与中止
FAQ(よくある質問)
Q1. どのような患者に適応があるか?
A1. 多発性骨髄腫の再発・難治例、または移植後の維持療法に使用される。
Q2. 食事の影響を受けるか?
A2. 食事により吸収が低下するため、空腹時に服用が推奨される。
Q3. 併用禁忌の薬剤はあるか?
A3. 現時点で併用禁忌はないが、CYP3A4誘導・阻害薬との併用には注意が必要。
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