「サインバルタカプセル 20mg・30mg」の版間の差分

提供:医薬品DB
ページの作成:「Category:D01179 塩酸デュロキセチン (JAN); デュロキセチン塩酸塩 {{#set: | 販売名 = サインバルタカプセル 20mg・30mg | 一般名 = デュロキセチン塩酸塩 (Duloxetine Hydrochloride) | 製造販売元 = 塩野義製薬株式会社 | 販売提携 = 日本イーライリリー株式会社 | 薬効分類 = セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI) | 規制区分 = 劇薬、処方箋医薬品 |…」
 
画像タグ削除の自動処理
 
(同じ利用者による、間の1版が非表示)
28行目: 28行目:


'''規制区分:''' 劇薬、処方箋医薬品   
'''規制区分:''' 劇薬、処方箋医薬品   


== '''クリニカルエビデンス''' ==
== '''クリニカルエビデンス''' ==


'''主要臨床試験:'''
'''主要臨床試験:'''
- '''うつ病・うつ状態'''
- '''うつ病・うつ状態'''
   - '''対象:''' 成人大うつ病性障害(MDD)患者
   - '''対象:''' 成人大うつ病性障害(MDD)患者
47行目: 49行目:


'''適応症:'''   
'''適応症:'''   
- うつ病・うつ状態   
- うつ病・うつ状態   
- 糖尿病性神経障害に伴う疼痛   
- 糖尿病性神経障害に伴う疼痛   
- 線維筋痛症に伴う疼痛   
- 線維筋痛症に伴う疼痛   
- 慢性腰痛症に伴う疼痛   
- 慢性腰痛症に伴う疼痛   
- 変形性関節症に伴う疼痛   
- 変形性関節症に伴う疼痛   


'''用法・用量:'''   
'''用法・用量:'''   
- '''うつ病・うつ状態:''' 通常、成人には1日1回朝食後 デュロキセチンとして40mgを経口投与。増量する場合は1週間以上の間隔を空けて1日60mgまで。   
- '''うつ病・うつ状態:''' 通常、成人には1日1回朝食後 デュロキセチンとして40mgを経口投与。増量する場合は1週間以上の間隔を空けて1日60mgまで。   
- '''疼痛関連適応:''' 初回20mg/日より開始し、1週間以上の間隔を空けて1日60mgまで増量可。   
- '''疼痛関連適応:''' 初回20mg/日より開始し、1週間以上の間隔を空けて1日60mgまで増量可。   


60行目: 69行目:


'''重大な副作用と発生頻度:'''
'''重大な副作用と発生頻度:'''
- '''セロトニン症候群'''
- '''セロトニン症候群'''
- '''悪性症候群'''
- '''悪性症候群'''
- '''SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)'''
- '''SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)'''
- '''肝機能障害'''
- '''肝機能障害'''
- '''Stevens-Johnson症候群'''
- '''Stevens-Johnson症候群'''


'''その他の副作用:'''
'''その他の副作用:'''
- 眠気(10%以上)
- 眠気(10%以上)
- 悪心(5%以上)
- 悪心(5%以上)
- 口渇(5%以上)
- 口渇(5%以上)
- 食欲減退(5%以上)
- 食欲減退(5%以上)


75行目: 93行目:


'''併用禁忌:'''
'''併用禁忌:'''
- '''MAO阻害剤(セレギリン、ラサギリン等)''' → セロトニン症候群リスク増大
- '''MAO阻害剤(セレギリン、ラサギリン等)''' → セロトニン症候群リスク増大


'''併用注意:'''
'''併用注意:'''
- '''NSAIDs(イブプロフェン、ロキソプロフェン等)''' → 消化管出血リスク増加
- '''NSAIDs(イブプロフェン、ロキソプロフェン等)''' → 消化管出血リスク増加
- '''三環系抗うつ薬(アミトリプチリン等)''' → 相加作用による中枢神経系抑制のリスク
- '''三環系抗うつ薬(アミトリプチリン等)''' → 相加作用による中枢神経系抑制のリスク
- '''CYP1A2阻害剤(フルボキサミン等)''' → デュロキセチン血中濃度上昇の可能性
- '''CYP1A2阻害剤(フルボキサミン等)''' → デュロキセチン血中濃度上昇の可能性


85行目: 107行目:


'''副作用管理フロー:'''
'''副作用管理フロー:'''
- '''セロトニン症候群:''' 直ちに投与中止し、支持療法を実施   
- '''セロトニン症候群:''' 直ちに投与中止し、支持療法を実施   
- '''肝機能障害:''' AST/ALT値を定期的に測定し、上昇が顕著な場合は投与中止   
- '''肝機能障害:''' AST/ALT値を定期的に測定し、上昇が顕著な場合は投与中止   
- '''過量投与:''' 活性炭投与、気道確保、心血管モニタリング実施   
- '''過量投与:''' 活性炭投与、気道確保、心血管モニタリング実施   


92行目: 117行目:


'''Q1. デュロキセチンは食事の影響を受けるか?'''   
'''Q1. デュロキセチンは食事の影響を受けるか?'''   
A1. '''食後投与による影響は小さいが、国内臨床試験はすべて朝食後投与で行われているため、朝食後の服用が推奨される'''   
A1. '''食後投与による影響は小さいが、国内臨床試験はすべて朝食後投与で行われているため、朝食後の服用が推奨される'''   


'''Q2. 副作用を軽減する方法はあるか?'''   
'''Q2. 副作用を軽減する方法はあるか?'''   
A2. '''初回投与量を20mgにし、1週間以上の間隔を空けて増量することで副作用のリスクを低減できる'''   
A2. '''初回投与量を20mgにし、1週間以上の間隔を空けて増量することで副作用のリスクを低減できる'''   


'''Q3. 高齢者への投与は可能か?'''   
'''Q3. 高齢者への投与は可能か?'''   
A3. '''腎機能低下や代謝遅延の可能性があるため、低用量から開始し、慎重に投与する'''   
A3. '''腎機能低下や代謝遅延の可能性があるため、低用量から開始し、慎重に投与する'''   



2025年3月19日 (水) 11:38時点における最新版



基本情報

販売名: サインバルタカプセル 20mg・30mg

一般名: デュロキセチン塩酸塩 (Duloxetine Hydrochloride)

製造販売元: 塩野義製薬株式会社

販売提携: 日本イーライリリー株式会社

薬効分類: セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)

規制区分: 劇薬、処方箋医薬品


クリニカルエビデンス

主要臨床試験:

- うつ病・うつ状態

 - 対象: 成人大うつ病性障害(MDD)患者
 - 結果: HAM-D17スコアの改善率はデュロキセチン40-60mg群でプラセボ群と比較して有意に高かった(p < 0.05)

- 糖尿病性神経障害に伴う疼痛

 - 対象: 糖尿病性神経障害患者
 - 結果: 投与開始1週目から疼痛軽減効果を示し、12週後にはプラセボ群と比較して有意差を認めた(p < 0.01)

- 線維筋痛症に伴う疼痛

 - 対象: 成人線維筋痛症患者
 - 結果: 14週時点でプラセボと比較して有意に疼痛スコアが改善(p < 0.05)

効能・用法

適応症:

- うつ病・うつ状態

- 糖尿病性神経障害に伴う疼痛

- 線維筋痛症に伴う疼痛

- 慢性腰痛症に伴う疼痛

- 変形性関節症に伴う疼痛

用法・用量:

- うつ病・うつ状態: 通常、成人には1日1回朝食後 デュロキセチンとして40mgを経口投与。増量する場合は1週間以上の間隔を空けて1日60mgまで。

- 疼痛関連適応: 初回20mg/日より開始し、1週間以上の間隔を空けて1日60mgまで増量可。

副作用とその管理

重大な副作用と発生頻度:

- セロトニン症候群

- 悪性症候群

- SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)

- 肝機能障害

- Stevens-Johnson症候群

その他の副作用:

- 眠気(10%以上)

- 悪心(5%以上)

- 口渇(5%以上)

- 食欲減退(5%以上)

相互作用情報

併用禁忌:

- MAO阻害剤(セレギリン、ラサギリン等) → セロトニン症候群リスク増大

併用注意:

- NSAIDs(イブプロフェン、ロキソプロフェン等) → 消化管出血リスク増加

- 三環系抗うつ薬(アミトリプチリン等) → 相加作用による中枢神経系抑制のリスク

- CYP1A2阻害剤(フルボキサミン等) → デュロキセチン血中濃度上昇の可能性

緊急時対応

副作用管理フロー:

- セロトニン症候群: 直ちに投与中止し、支持療法を実施

- 肝機能障害: AST/ALT値を定期的に測定し、上昇が顕著な場合は投与中止

- 過量投与: 活性炭投与、気道確保、心血管モニタリング実施

FAQ(よくある質問)

Q1. デュロキセチンは食事の影響を受けるか?

A1. 食後投与による影響は小さいが、国内臨床試験はすべて朝食後投与で行われているため、朝食後の服用が推奨される

Q2. 副作用を軽減する方法はあるか?

A2. 初回投与量を20mgにし、1週間以上の間隔を空けて増量することで副作用のリスクを低減できる

Q3. 高齢者への投与は可能か?

A3. 腎機能低下や代謝遅延の可能性があるため、低用量から開始し、慎重に投与する

製品ページ

https://medical.lilly.com/jp/cymbalta