「サイラムザ点滴静注液 100 mg・500 mg」の版間の差分

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ページの作成:「Category:D09371 ラムシルマブ (遺伝子組換え) (JAN) {{#set: | 販売名 = サイラムザ点滴静注液 100 mg・500 mg | 一般名 = ラムシルマブ(遺伝子組換え) (Ramucirumab, Genetical Recombination) | 製造販売元 = 日本イーライリリー株式会社 | 販売提携 = なし | 薬効分類 = 抗悪性腫瘍剤(ヒト型抗VEGFR-2モノクローナル抗体製剤) | 規制区分 = 生物由来製品、劇薬、処方箋医…」
 
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| 薬価基準収載日 = 2015年5月20日
| 薬価基準収載日 = 2015年5月20日
| 発売日 = 2015年6月22日
| 発売日 = 2015年6月22日
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| 規格・含量 = サイラムザ点滴静注液 100 mg: 1バイアル(10mL)中ラムシルマブ(遺伝子組換え)100 mg サイラムザ点滴静注液 500 mg: 1バイアル(50mL)中ラムシルマブ(遺伝子組換え)500 mg
  - サイラムザ点滴静注液 100 mg: 1バイアル(10mL)中ラムシルマブ(遺伝子組換え)100 mg
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'''薬効分類:''' 抗悪性腫瘍剤(ヒト型抗VEGFR-2モノクローナル抗体製剤)   
'''薬効分類:''' 抗悪性腫瘍剤(ヒト型抗VEGFR-2モノクローナル抗体製剤)   


'''規制区分:''' 生物由来製品、劇薬、処方箋医薬品
'''規制区分:''' 生物由来製品、劇薬、処方箋医薬品  
 


== '''クリニカルエビデンス''' ==
== '''クリニカルエビデンス''' ==


'''主要臨床試験:'''
'''主要臨床試験:'''
- '''RAINBOW試験(進行胃癌)'''
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   - '''対象:''' 既治療の進行胃癌患者
   - '''対象:''' 既治療の進行胃癌患者
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'''適応症:'''   
'''適応症:'''   
- 治癒切除不能な進行・再発の胃癌   
- 治癒切除不能な進行・再発の胃癌   
- 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌   
- 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌   
- 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌   
- 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌   
- がん化学療法後に増悪した血清AFP値が400 ng/mL以上の切除不能な肝細胞癌   
- がん化学療法後に増悪した血清AFP値が400 ng/mL以上の切除不能な肝細胞癌   


'''用法・用量:'''   
'''用法・用量:'''   
- '''胃癌・肝細胞癌:''' 2週間に1回、ラムシルマブとして1回8 mg/kgを60分かけて点滴静注   
- '''胃癌・肝細胞癌:''' 2週間に1回、ラムシルマブとして1回8 mg/kgを60分かけて点滴静注   
- '''結腸・直腸癌:''' FOLFIRI(イリノテカン+ホリナート+フルオロウラシル)との併用で2週間に1回、ラムシルマブ8 mg/kgを点滴静注   
- '''結腸・直腸癌:''' FOLFIRI(イリノテカン+ホリナート+フルオロウラシル)との併用で2週間に1回、ラムシルマブ8 mg/kgを点滴静注   
- '''非小細胞肺癌:''' ドセタキセルまたはエルロチニブ併用で、3週間に1回または2週間に1回、ラムシルマブ10 mg/kgを点滴静注   
- '''非小細胞肺癌:''' ドセタキセルまたはエルロチニブ併用で、3週間に1回または2週間に1回、ラムシルマブ10 mg/kgを点滴静注   


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'''重大な副作用と発生頻度:'''
'''重大な副作用と発生頻度:'''
- '''動脈血栓塞栓症'''
- '''動脈血栓塞栓症'''
- '''静脈血栓塞栓症'''
- '''静脈血栓塞栓症'''
- '''Infusion reaction(発生頻度1-5%)'''
- '''Infusion reaction(発生頻度1-5%)'''
- '''消化管穿孔'''
- '''消化管穿孔'''
- '''重篤な出血(脳出血・消化管出血)'''
- '''重篤な出血(脳出血・消化管出血)'''
- '''好中球減少症(発熱性好中球減少症を含む)'''
- '''好中球減少症(発熱性好中球減少症を含む)'''
- '''蛋白尿・腎機能障害'''
- '''蛋白尿・腎機能障害'''
- '''肝機能障害'''
- '''肝機能障害'''
- '''間質性肺疾患(ILD)'''
- '''間質性肺疾患(ILD)'''


'''その他の副作用:'''
'''その他の副作用:'''
- 高血圧(10%以上)
- 高血圧(10%以上)
- 浮腫(10%以上)
- 浮腫(10%以上)
- 発疹(1-5%)
- 発疹(1-5%)
- 頭痛(1-5%)
- 頭痛(1-5%)


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'''併用禁忌:'''
'''併用禁忌:'''
- '''該当なし'''
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'''併用注意:'''
'''併用注意:'''
- '''抗凝固薬(ワルファリン等)''' → 出血リスク増加
- '''抗凝固薬(ワルファリン等)''' → 出血リスク増加
- '''JAK阻害剤(バリシチニブ等)''' → 免疫抑制作用の増強
- '''JAK阻害剤(バリシチニブ等)''' → 免疫抑制作用の増強
- '''血管新生阻害薬(ベバシズマブ等)''' → 相加作用の可能性
- '''血管新生阻害薬(ベバシズマブ等)''' → 相加作用の可能性


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'''副作用管理フロー:'''
'''副作用管理フロー:'''
- '''Infusion reaction:''' 直ちに投与中止し、抗ヒスタミン薬やステロイドを投与   
- '''Infusion reaction:''' 直ちに投与中止し、抗ヒスタミン薬やステロイドを投与   
- '''消化管穿孔:''' 投与中止、外科的処置を検討   
- '''消化管穿孔:''' 投与中止、外科的処置を検討   
- '''重篤な出血:''' 出血部位の同定と止血処置   
- '''重篤な出血:''' 出血部位の同定と止血処置   


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'''Q1. ラムシルマブの投与間隔を変更できるか?'''   
'''Q1. ラムシルマブの投与間隔を変更できるか?'''   
A1. '''臨床試験データでは2週間または3週間間隔での投与が推奨されている。個別の患者状態に応じた調整が必要'''   
A1. '''臨床試験データでは2週間または3週間間隔での投与が推奨されている。個別の患者状態に応じた調整が必要'''   


'''Q2. 副作用リスクが高いのはどのような患者か?'''   
'''Q2. 副作用リスクが高いのはどのような患者か?'''   
A2. '''高血圧、動脈硬化、高齢者、抗凝固薬使用者はリスクが高い'''   
A2. '''高血圧、動脈硬化、高齢者、抗凝固薬使用者はリスクが高い'''   


'''Q3. 妊婦への使用は可能か?'''   
'''Q3. 妊婦への使用は可能か?'''   
A3. '''安全性が確立されていないため、妊婦への使用は推奨されない'''   
A3. '''安全性が確立されていないため、妊婦への使用は推奨されない'''   



2025年3月19日 (水) 11:38時点における最新版



基本情報

販売名: サイラムザ点滴静注液 100 mg・500 mg

一般名: ラムシルマブ(遺伝子組換え) (Ramucirumab, Genetical Recombination)

製造販売元: 日本イーライリリー株式会社

薬効分類: 抗悪性腫瘍剤(ヒト型抗VEGFR-2モノクローナル抗体製剤)

規制区分: 生物由来製品、劇薬、処方箋医薬品


クリニカルエビデンス

主要臨床試験:

- RAINBOW試験(進行胃癌)

 - 対象: 既治療の進行胃癌患者
 - 結果: 全生存期間(OS)の中央値はラムシルマブ+パクリタキセル群で9.6ヵ月、プラセボ群で7.4ヵ月(HR=0.81, p=0.0169)
 

- REVEL試験(非小細胞肺癌)

 - 対象: 既治療の切除不能な非小細胞肺癌患者
 - 結果: OS中央値はラムシルマブ+ドセタキセル群で10.5ヵ月、プラセボ群で9.1ヵ月(HR=0.86, p=0.024)

- REACH-2試験(肝細胞癌)

 - 対象: ソラフェニブ治療歴があるAFP 400 ng/mL以上の肝細胞癌患者
 - 結果: OS中央値はラムシルマブ群8.5ヵ月、プラセボ群7.3ヵ月(HR=0.71, p=0.0199)

効能・用法

適応症:

- 治癒切除不能な進行・再発の胃癌

- 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

- 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

- がん化学療法後に増悪した血清AFP値が400 ng/mL以上の切除不能な肝細胞癌

用法・用量:

- 胃癌・肝細胞癌: 2週間に1回、ラムシルマブとして1回8 mg/kgを60分かけて点滴静注

- 結腸・直腸癌: FOLFIRI(イリノテカン+ホリナート+フルオロウラシル)との併用で2週間に1回、ラムシルマブ8 mg/kgを点滴静注

- 非小細胞肺癌: ドセタキセルまたはエルロチニブ併用で、3週間に1回または2週間に1回、ラムシルマブ10 mg/kgを点滴静注

副作用とその管理

重大な副作用と発生頻度:

- 動脈血栓塞栓症

- 静脈血栓塞栓症

- Infusion reaction(発生頻度1-5%)

- 消化管穿孔

- 重篤な出血(脳出血・消化管出血)

- 好中球減少症(発熱性好中球減少症を含む)

- 蛋白尿・腎機能障害

- 肝機能障害

- 間質性肺疾患(ILD)

その他の副作用:

- 高血圧(10%以上)

- 浮腫(10%以上)

- 発疹(1-5%)

- 頭痛(1-5%)

相互作用情報

併用禁忌:

- 該当なし

併用注意:

- 抗凝固薬(ワルファリン等) → 出血リスク増加

- JAK阻害剤(バリシチニブ等) → 免疫抑制作用の増強

- 血管新生阻害薬(ベバシズマブ等) → 相加作用の可能性

緊急時対応

副作用管理フロー:

- Infusion reaction: 直ちに投与中止し、抗ヒスタミン薬やステロイドを投与

- 消化管穿孔: 投与中止、外科的処置を検討

- 重篤な出血: 出血部位の同定と止血処置

FAQ(よくある質問)

Q1. ラムシルマブの投与間隔を変更できるか?

A1. 臨床試験データでは2週間または3週間間隔での投与が推奨されている。個別の患者状態に応じた調整が必要

Q2. 副作用リスクが高いのはどのような患者か?

A2. 高血圧、動脈硬化、高齢者、抗凝固薬使用者はリスクが高い

Q3. 妊婦への使用は可能か?

A3. 安全性が確立されていないため、妊婦への使用は推奨されない

製品ページ

https://medical.lilly.com/jp/cyramza